リソース管理の重要性、やり方などをシステム開発のIT企業や製造業・建設業・コンサルティング業などのリソース管理を効率化する為のやり方やツール・システムについて情報を集めている、というご相談が弊社によせられることがここ数年非常に多くなりました。
背景には、デジタル人材が不足していることの対策として東京都でも実践されているリスキリング、コロナによるリモートワークで加速した業務のDX化でリソース管理の最適化が、経営や事業・プロジェクトを成功させる為に必ず取り組まないといけない最重要ポイントであることなどが考えられています。
今回は、
・製造業の管理職
・IT企業のプロジェクトマネージャー
・建設業の現場責任者
・コンサルティング業のマネージャー
の中でも、特にエクセルやスプレッドシートでリソース管理を行い限界に感じている方やリソース管理でもどの管理を最優先に行う事が良いかを、ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのリソース管理を25年経験してきて効率化し、リソース管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美が解説いたします!
リソースとは?

リソース管理を知る前に、そもそもリソースとは何か?簡単に説明します。
プロジェクトマネジメントでは リソース は(人材、設備、材料)で定義されています。 その為、プロジェクト遂行する上で必要となる人や物の全てがリソースと定義されています。
リソース管理とは?
リソース管理(リソースマネジメント)とは、プロジェクトを遂行する上で各種リソースを効率よく良く管理する方法のことです。
ビジネスの場で使うリソースは「人・ヒト」「設備・モノ」「材料・カネ」が一般的ですが、プロジェクトを遂行に関してはこれらに加え「時間」「情報」「知的財産」などが含まれます。
このようなリソースはきちんと管理し効率を考えて使用しなければすぐに不足してしまいます。
プロジェクトの目標達成のために必要なリソースは何か、どのくらいリソースが必要かなどを把握する必要がある為、リソース管理はビジネス・プロジェクト遂行にあたりとても重要な管理になります。
リソース管理の種類と内容

リソース管理では、人(ヒト)、設備(モノ)、材料(カネ)という目に見える資源と、情報、時間、知的財産という目に見えない資源があります。
各リソース管理の内容を解説します。
人・ヒト
リソース管理で人的資源(人材・人員リソース)はとても重要性が特に高い経営資源になります。 プロジェクト遂行にあたり、人的資源(人材・人員リソース)は必要です。
特にこの人的資源(人材・人員リソース)は管理がもっとも難しいとも言われています。
人的資源(人材・人員リソース)を管理するには、2つの側面から管理が必要になります。
まず1つ目がスキルや技術レベルの管理・経験値・実績値の管理です。
2つ目は感情(モチベーション)要素管理です。 日々変化する要素の為、人材・人員リソース管理では人材・人員配置やモチベーション管理に注意する必要があります。
人材・人員リソース管理の結果によって、プロジェクトの遂行率も大きく変わります。
設備・モノ
リソース管理で「モノ・材料」は「物理的資源」に該当します。
たとえば、オフィスの設備から会社内のインフラ環境なども業務に必要な道具すべてが物理的資源の管理対象です。
人材・人員リソースが整っていても、物理的資源がなければ業務ができません。
更に物理的資源は、人材・人員リソースやモノのリソースを維持するにはコストがかかるため、収入とコストのバランスが重要になります。
材料・カネ
リソース管理で「カネ」は「運営資金」に該当します。
人材・人員リソースの給与や会社にかかわるお金が管理の対象になります。 (給与・備品・資金・借入金・株式・債券など) 人材・人員リソースや物理的資源など資金が多ければその分、大きなプロジェクトの遂行や計画ができるなど経営を拡大させるメリットがあります。
しかし、資金がなってしまうと、プロジェクトの継続が困難になり大きな損失につながる可能性もあります。
その為、運営資金の管理も重要になります。
時間
リソース管理では時間の管理も重要になります。
基本的にプロジェクトには期限・納期があります。
人材・人員リソース管理をもとにスキル・技術レベルや経験・実績を考慮して適材適所の人員配置(アサイン)する事で、 限られた時間のなかでより効率的生産性を上げにプロジェクトを進める事が可能になります。
時間の管理と人材・人員リソース管理は常にセットが管理する必要があります。
情報
リソース管理では情報の管理は経営に役立ちます。
たとえば、人材・人員リソースのスキル・技術レベルや経験・実績、顧客情報などがきちんと管理されている事で 経営分析から営業提案、人材育成、人材募集まで幅広く活用する事が可能になります。
各リソース管理を共有し分析が必要なのでリアルタイムで更新できるクラウドサービスなどで管理されている企業が大半です。
知的財産
リソース管理では知的財産」もリソースに含まれます。
法的に保護されたリソースの管理(著作権・特許・ブランド)をする事で、ビジネスにおいて大きな強みなるからです。
適切なリソース管理を行えば、より多くのビジネスチャンスをもたらしてくれます
リソース管理をおこなう重要性

プロジェクトの遂行にはリソース管理とても重要です。
リソースを管理する事で多くのメリットがある為、 リソース管理をおこなう重要性・必要性・メリットについて解説します。
プロジェクト全体の把握・可視化
プロジェクト全体把握・可視化にはリソース管理は必須です。
プロジェクトに必要となるすべてのリソースを可視化することで、プロジェクトに必要なリソースが見えてくる事で、 プロジェクトの規模が分かり、適切なリソース配分や調整が可能になります。
工数の適切な配分
リソース管理をおこなうと、工数の適切な配分ができるようになります。
プロジェクトチームを組んでプロジェクトを遂行するケースが一般的です。
アサインメンバーの稼働状況・タスク分配率などきちんと把握できていないと、 あるあるですが、一部のアサインメンバーに工数が集中してしまうなどの生産性を低下させる可能性が出てきます。
リソース管理をおこなうことで、アサンメンバーそれぞれの力量にあった工数配分ができるようになる為、誰かひとりに負荷が集中するような工数過多をなくす事ができます。
最低限のアサインメンバーでプロジェクトの実行が可能
リソース管理が必要不可欠な理由として一番の理由は利益を出す為のアサイン(要員計画)が可能な事です。
リソース管理が出来ていない場合、大半は事業部長・プロジェクトマネージャー(PM)の頭の中の情報をもとに属人化した、アサイン(要員計画)がされている のではないでしょうか?
その場合、本当に最適化されたアサインメンバーでプロジェクトが遂行されているでしょうか?
他にも、進行が遅れているプロジェクトがあった場合、リソース管理がされていない場合、余力のあるアサインメンバーをプロジェクトに人員補充することが難しいです。
リソース管理で出来ている事で、プロジェクト全体像が可視化されている為、最低限のアサインメンバーで利益の残せるプロジェクトの実行が可能になります。
炎上プロジェクトの回避
リソース管理が出来ているからこそ、炎上プロジェクトの回避をすることもできます。
たとえば、システム開発の開発工程で、何かしらのトラブルが起きた際に大幅に納期が遅れる、障害が発生した場合でも、 リソース管理をしていれば、人材・人員リソースの供給と配分の最適化ができるので、何かが不足するなどのトラブルを事前に防ぐなどリカバリーすることができます。
プロジェクトチームでプロジェクト完了までの道筋が明確になる
プロジェクト概要などがアサインメンバーと共有出来きる事で、誰が何をいつまでにするかをチーム全員が知ることで、 何かトラブルが起きた際でも軌道修正しやすくなります。
リソース管理のメリットは管理だけでなく情報を共有する事で状況を把握できないアサインメンバーはいなくなり 共通の目的・目標でプロジェクト完了まで遂行する事が可能になります。
リソース管理はナレッジの蓄積にもなる
リソース管理をする事で、過去のプロジェクトでの業務内容などの情報などすべて蓄積する事が可能です。
技術者の経験値・取得スキル・実績などのデータが蓄積される事で、次のプロジェクトへのアサイン(要員計画)の際により適格なアサインが可能になります
リソース管理のポイント・リソース管理のやり方・手順
リソース管理のやり方、ポイントについて解説します。

リソースの把握
リソース管理ではまず始めに、自社のリソースを正確に把握する事がポイントになります。
1番のポイントは、人材(人員)のスキル・資格・業務経歴(経験や実績)・アサイン状況を明確に可視化する事です。
リソースの確認が出来る環境の構築の最優先で行いましょう。
適正リソースの選定
リソースの確認が出来る環境が整いましたら、次にプロジェクトで必要となるリソースの選定が始まります。
リソースの選定は重要なので、プロジェクトへのアサイン状況などを可視化でき、リソースの管理計画を検討できるような環境の構築を行います。
注意点は、リソースの不足が発生やトラブル時のリソースの増員なども視野にいれてアサイン(要員計画)を立てられるような管理もあわせて必要になります。
要員計画(アサインメンバーのピックアップ)
適正なリソース選定できる環境が整いましたら、次に要員計画を立てる為にアサインメンバーをピックアップ出来る環境の構築になります。 リソースは有限なため、リソースのアサイン状況を照らし合わせる事で効果的な要員計画を立てる必要がある為です。
人材・人員の特性を理解しアサインする
人的リソースの把握が出来る環境が構築されている事で、同じスキルレベルでも過去の経験をベースに 業務への向き不向きなど把握をする事ができます。
プロジェクトの進捗状況を確認する
リソース管理は要員計画・プロジェクト計画を立てる事がゴールではありません。
日々新しいプロジェクトが動きます。 その為、プロジェクトの進捗状況を確認しながら、リソース不足の案件がないか、数か月先にメンバーが不足するので、 人材募集をかけるなど、日々リソース管理を最新の状況が確認できるように更新をしていく必要があります。
最重要の人的リソース管理とは?

人的リソースはHRM (Human Resource Management)とも呼ばれ、人的資源管理という意味になります。 リソース管理のなかでも最も重要です。
その為HRM(人的リソース管理)について解説致します。
HRM(人的リソース管理)の方法には、以下のようなマネジメント内容が含まれます。
ストレスマネジメント・スキルマネジメント・パフォーマンスマネジメント・アサインマネジメント 上記項目を順番に説明します。
ストレスマネジメント
ストレスマネジメントとは、メンバーのストレスについて、対処しながら上手に付き合っていくことです。
業務やプライベートなど、日常の中でストレスを感じる場面は多く、ストレスがきっかけで生産性も落ちる事で、 プロジェクトの進捗などに影響がでる場合があります。
そのため定期的にメンバーとコミュニケーションをとり、ストレスチェックテストを実施することをおすすめします。
スキルマネジメント
スキルマネジメントとは、取得スキルやスキルレベル、資格取得状況など可視化する事で、 最適なプロジェクトへアサインができ、その情報をもとに教育や人事評価の基準などにも活用されています。
各社それぞれ評価基準は違うとおもいますが、社内で共通の評価基準を作る事をおススメします。
パフォーマンスマネジメント
パフォーマンスマネジメントとは、目標管理・プロジェクト完了後の面談など定期的に行い、適正な評価を管理する手法です。 プロジェクトや事業の成功には、一緒に働く社員と共に企業と個人の成長する必要があります。
定期的に面談をおこない、目標の認識を合わせ、コーチング・ナレッジ共有などのマネジメントを行う事で最適化をはかる事をおススメします。
アサインマネジメント
アサインマネジメントとは、 人員配置などのメンバーの配置状況の管理です。
適材適所の配置が出来る事で、アサインメンバーのモチベーションを高め生産性を上げる事や、人材の育成、優秀な人員の定着率を上げることにも効果があります。
特にアサインマネジメントは重要です。 ストレスマネジメント、スキルマネジメント、パフォーマンスマネジメントをベースのアサンメンバーメンバーの能力(リソース)を最大限活用する事ができる為です。
PMBOK人的資源マネジメントとは?

リソース管理には、PMBOKの人的資源のマネジメント知識集の活用もおススメです。
PMBOK:「Project Management Body of Knowledge」の略称で、プロジェクトマネジメントに関するプロジェクトマネジメント知識体系ガイドで、 人的資源のマネジメントでは、「人的資源マネジメント計画」「プロジェクト管理のためのチーム編成」「プロジェクト管理のためのチーム育成」「プロジェクト管理のためのチームマネジメント」の4つのプロセスで構成されています。
人的リソース管理を行う際のおすすめツール(フリープラン・無料トライアルあり)3選
チームで使うプロジェクト管理ツール backlog ― nulab株式会社
フトウェア開発はもちろん、ウェブ制作や大手広告代理店など様々な業種で使われているタスク・プロジェクト管理ツールです。プロジェクト管理、課題管理、さらにソフトウェア開発業にはありがたいバグ管理システムやバージョン管理にいたるまで、プロジェクト管理に必要な機能がオールインワンで揃っています。
スピード重視のチームの連携と開発をサポート Jira Software― Atlassian
Jira Software はチームが世界クラスのソフトウェアを確実に計画、追跡、リリース、サポートするための No. 1 のアジャイル プロジェクト管理ツールです
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi 株式会社エフ・ディー・シー
スキル情報や要員計画表を一元管理・作成したい……という思いを実現するため、ソフトウェア開発会社が作成したツールです。 スキル、人材情報管理・アサイン、プロジェクト管理・案件管理などリソース管の理基本機能を備えており、各管理画面の項目は自由に設定できるため、Excelなどの利用中ツールからの移行もしやすくなっています。社員の保有スキルや業務経歴は、管理職または社員それぞれが更新可能で、それらの情報がfapiの中にすべて集約されるため、要員計画表の作成から作成時に案件にマッチした人材を効率よく探すスキルマップを作ることができます。
まとめ【2分で分かる】リソース管理とは?人的リソース管理の重要性
いかがでしたでしょうか?
リソース管理を最適化する事で経営計画・事業計画・プロジェクトを成功に導く為の仕組みとして活用できます。
なぜリソース管理が重要なのかを理解できれば自然と何から取り組めばよいか見えてくるのではないでしょうか?
リソース管理のやり方を取り組む際は、エクセルやスプレッドシート、WEB上にあるフォーマットを活用して無料で管理する方法や弊社サービスのスキル管理・アサイン管理効率化ツールfapiのようなリソース管理ツールを利用する方法など、各企業様の状況にあわせたかたちでリソース管理を最適化する事をおススメします。
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
特に人的リソース管理はとても重要です、もし仮に属人化状態の管理でしたら、いち早く人的リソースを管理できる環境構築するべきではないでしょうか?
以上、リソース管理とは?人的リソース管理の重要性についてでした