プロジェクトの計画をはじめ、マネジメント業務において、タスクやアサインの管理方法が整っていることは非常に重要になってきます。
とはいえ、費用や使用方法の習得が必要なアサイン管理ツールをすぐに用意することは難しい場合もあります。
そこで今回は、Excelでプロジェクト要員のアサインを管理する手法および、社内全体での情報共有の方法を、20年を超えるSES経験と、200名近いエンジニア情報のマネジメント経験をもつ弊社、DXサービス事業部の佐々木舞美がご紹介いたします。
アサイン管理の基本

アサイン(assign)とは「任命」「割り当て」を意味し、プロジェクトアサインとは、プロジェクトにマッチする人員を割り当てることです。アサイン管理とは、スムーズなプロジェクトアサインのために「稼働状況や保有スキルなどの状況をExcelやクラウドツールで可視化して一元管理すること」です。
プロジェクト管理との違い
アサイン管理とプロジェクト管理の違いは、大まかにいうと「人員のリソース管理を行う」のがアサイン管理であり、「進捗状況などのタスク管理を行う」のがプロジェクト管理です。
アサイン管理とプロジェクト管理は混同しやすくはありますが、特にそれらの支援ツールをリリースしている会社にとっては、上記の通り異なる意図で使うことが多い言葉です。Excelで管理資料を作成する際や、管理ツールを選ぶ際には以下に挙げるような違いを意識するとよいでしょう。
アサイン管理とプロジェクト管理の違い
アサイン管理 | プロジェクト管理 | |
---|---|---|
時系列・目的 | プロジェクト開始前のリソース管理 | プロジェクト開始後のタスク管理 |
必要な情報 | 人員のスキル情報・空き情報 | 細分化したタスク情報・作業の進捗度 |
スコープ・視野 | 複数のプロジェクトを想定 | 単一のプロジェクトに着目 |
リソースの割り出し方 | 誰がどのプロジェクトからいつ解放されるか | 誰がどのタスクからいつ解放されるか |
代表的なツール | fapi、Co-Assign、ようかん など | Redmine、Jooto、Backlog など |
アサイン管理とプロジェクト管理では、リソース(人員)の空き状況を管理するという点では共通していますが、時期とスコープが異なります。
どちらもExcelで管理資料を作成することは可能ですが、それぞれで資料を分けたり、ツールを導入する場合は使い分けたりするとスムーズでしょう。
アサイン管理とタスク管理の違い
プロジェクト管理では主に、単一プロジェクト内でのタスク管理に着目するということをお伝えしましたが、今度はアサイン管理とタスク管理の違いについて見ていきます。
アサイン管理は「複数のプロジェクトをまたいだ人員のリソース管理」、タスク管理は「プロジェクト内で細分化されたタスクの進捗状況の管理」と言えます。プロジェクト管理の一部ともいえるタスク管理を的確に行うことで、スムーズなアサイン管理にもつながってきます。スコープに着目すると、アサイン管理(複数プロジェクトのリソース管理)>プロジェクト管理(単一プロジェクトのリソース管理)>タスク管理(単一プロジェクト内で更に細分化されたタスクを管理)とも言えるかもしれません。

上記のスコープからは少し外れますが、プロジェクトの管理業務・マネジメントにおけるタスク管理も『タスク管理』と呼ぶことはあるでしょう。プロジェクト内におけるタスク管理の手法がはっきりしていれば、そういったマネジメント業務にも活用できます。タスク管理はどちらかといえば、アサイン管理やプロジェクト管理を手助けするパーツのような、一つの手段とも言えます。

アサイン管理とスケジュール管理の違い
スケジュール管理も、プロジェクト管理の一環と言えます。タスク管理と並列して存在する仲間のようなものです。「タスク管理」がプロジェクト内での既に進行している作業の進捗状況を記録するものであるならば、「スケジュール管理」はプロジェクト内で今後行う作業の計画と修正を行うものです。タスク管理とスケジュール管理の共通点や差異について、並べて見ていきましょう。
タスク管理とスケジュール管理
タスク管理 | スケジュール管理 | |
---|---|---|
スコープ・視野(共通点) | 単一のプロジェクトに着目 | 単一のプロジェクトに着目 |
時系列・目的の違い | 着手後の各タスクの進捗管理 | 着手前の各タスクの計画管理 |
ポイント | 各タスクの進捗状況を明確にする | タスク管理で受けとった進捗状況を反映して修正する |
タスク管理とスケジュール管理は相互に作用しながら、プロジェクト管理を支援します。タスク管理など、各種の管理情報で得られたリソース状況を未来の計画に反映させるという点では、スケジュール管理とアサイン管理は共通しています。
スケジュール管理は単一プロジェクト内での作業計画(タスクへのメンバーの割り当ても含む)、アサイン管理は複数プロジェクトでの人員配置計画という違いはありますが、リソースの割り当てという点で共通しているので、似た手法で管理することが可能かもしれません。
アサイン管理をエクセルで行う方法

アサイン管理の目的が明確になったところで、アサイン管理に特化した管理資料をExcelで作成する方法を紹介します。
アサイン管理をエクセルで行う手順
アサイン管理をエクセルで行う際は、以下の手順で行います。
- WBSなどを使用した体系的なプロジェクト管理(人材リソースのデータ的把握)
- 表形式でアサイン情報を可視化する
- ガントチャートでアサイン状況を一目でわかるようにする
①WBSなどを使用した体系的なプロジェクト管理(人材リソースのデータ的把握)
まずは、プロジェクト管理の手法を体系化しておき、空き要員をデータとして把握できるようにしておくとスムーズです。
プロジェクト管理手法の一例としては、WBSでタスクを細分化し、ガントチャートで進捗やスケジュールの管理を行うことができます。

「各プロジェクトの開始~終了期間」や「プロジェクトに一部期間のみ参加するメンバーの月別工数」などがすぐに把握できるようにしておけば、エクセルによるアサイン管理がよりやりやすくなります。
②表形式でアサイン情報を可視化する
エクセルの機能を使い、アサイン情報を表にして整理していきます。
「プロジェクト期間」「メンバーごとのアサイン工数」が一覧で見られるようにしておくとよいでしょう。
可能であれば、「継続予定工数」なども合わせて見られるようにしておくと、今後の予定が立てやすくなります。
-1024x82.png)
③(応用)ガントチャートでアサイン状況を一目でわかるようにする
次は応用として、エクセルでガントチャートを作成し、アサイン情報を視覚的に把握できるようにする方法も紹介します。
この場合は、月別でアサイン工数の入力枠を設定し、条件付き書式などを駆使すれば疑似的にガントチャートのように見せることができます。

※手順の詳細は エクセルのアサイン管理表の作り方:③グラフやガントチャートなどでアサイン状況を可視化する をご参照ください。
ただし、月別の工数を延々と入力してしまうと、エクセル資料は期間が更新されるたびにどんどん横伸びしてかえって見づらくなります。
ガントチャート風に使用したい場合は、アサイン管理資料を年度別で作成するなど、一定期間で区切って管理する方がよいでしょう。
アサイン管理期間の自動更新や、過去のアサイン状況の蓄積を一気見したい場合は、fapiなどのクラウドツールの利用をおすすめいたします。
年度ごとの資料の一新などの工数を減らし、必要な情報は検索を使ってすべての過去データから簡単に引き出すことができます。
アサイン管理をエクセルで行うポイント
アサイン管理をエクセルで行うポイントとしては、以下の通りです。
ポイント1:管理する項目やフォーマットを社内で統一する
ポイント2:管理する項目を増やしすぎず、アサイン期間の把握しやすさを重視する
ポイント3:社内共有の仕組みを定め、運用方法を明確にする
エクセルでアサイン管理業務を行う際は、フォーマットや、社内共有の方法を自前で定める必要があります。
そのため、社内全体で共有がしやすくなるように、属人化しやすい「管理したい項目の種類」や「フォーマット」を社内で統一するように心がけましょう。
また、社内共有の仕組みも明確にし、全社に運用方法を定期的に通達する必要があります。
これらのポイントを踏まえた具体的な運用方法については、次の項にて紹介いたします。
エクセルのアサイン管理表の作り方

アサイン管理をエクセルで行う5つの方法
アサイン管理をエクセルで行う際は、以下の方法で行います。
- 要員のスキル管理・スキルの棚卸
- 案件情報の管理項目を明確にする
- グラフやガントチャートなどでアサイン状況を可視化する
- 社内共有が出来る仕組み・ルール・運用を決める
- テンプレートを活用する
①要員のスキル管理・スキルの棚卸
アサイン管理の土台として、要員のスキル管理・スキルの棚卸はしっかり行っておきましょう。
要員のスキル情報は定期的に更新しておくこと・全社に共有しやすい状態にしておくことが大切です。
プロジェクト情報にも「必要スキル」の情報を持たせておくと、検索機能を使うなどしてマッチングを行いやすくなります。
②案件情報の管理項目を明確にする
各案件の情報において管理する項目を明確にしておくことは非常に大切です。なぜなら、各案件における管理項目(プロジェクト期間、契約形態、メンバー数etc……)は、部門ごとにバラバラになりやすく、のちに部や課でアサイン管理に使っているフォーマットが違うという状態につながります。そうなると、緊急で要員追加が必要になった際に他部門から要員を探すことが困難になります。エクセルで要員管理を行う場合も、クラウドツール同様に全社で管理する項目とフォーマットを統一することをおすすめします。
アサイン管理に必要な管理項目としては、以下のようなものがあります。
- プロジェクト期間 : yyyy/mm/dd ~ yyyy/mm/dd など、記載方法を統一しておくと検索が楽になります。
- 継続予定期間 : プロジェクトが継続する可能性がある場合を管理するため、プロジェクト期間とは別に項目として作っておくとよいでしょう。アサインのミスを防ぎます。
- 専任か一部関与か : プロジェクト期間内、要員がそのプロジェクトに専任でアサインされるのか、ヘルプなどで一部期間だけアサインされるのか明確にするとよいでしょう。
- 月別工数(一部関与の場合) : ヘルプなどで入る要員は、月ごとに何人月ごとアサインされるのかも記載しておくと情報が明確になります。
- 必要メンバー数 : プロジェクトに何名必要かを明示しておく項目です。不足メンバー数を把握するのに役立ちます。
- 役割 : メンバーがどういった役割でプロジェクトに参加するのかを明示する項目です。メンバーの偏りがないかどうかの確認に役立ちます。
- 必須スキル : プロジェクトに必要とされるスキルレベルです。要員のスキルマップと突き合わせ、マッチングを行う際に便利です。
それ以外に必要な管理項目があれば、会社ごとに自由にカスタマイズをしてアサイン管理フォーマットを作成していきましょう。
項目やフォーマットを自由に設定できる点は、エクセルを利用する強みとも言えます。
。〇 ( 弊社ツールスキル管理・アサイン管理支援ツールfapiは管理項目の自由な設定が可能です。)
③グラフやガントチャートなどでアサイン状況を可視化する
グラフやガントチャートを利用すると、アサイン状況がより見えやすくなります。
Excelでは、数値と項目が用意できていれば、簡単にグラフでレポート化することができます。
アサイン工数のグラフ化ですと、例えば以下のように表示することができます。

Excelでのガントチャートの作成は以下のように行います。
①アサインの月別工数入力が出来るセルを用意します。

②工数を入力したセルを選択し、条件付き書式を選択します。

③データバー>塗りつぶし(単色)を選択することで、アサイン工数が1.0であればセルを全塗り、それ未満であればセルを半分だけ塗ることができます。

④このように、アサイン状況が色で一気に可視化できるようになります。

アサイン管理をエクセルでする方法:③(応用)ガントチャートでアサイン状況を一目でわかるようにする)でも申し上げた通り、Excelでアサイン期間をガントチャート風に仕上げる場合には、年度別に資料を区切る等の管理をおすすめします。
もし、「過去からの蓄積データを一つの資料で管理したいし、グラフやガントチャートも利用したい……!」といった場合は、エクセルでシステム化するよりもクラウドツールを使ってしまった方が、管理工数が少なくて済む可能性があります。
④社内共有が出来る仕組み・ルール・運用を決める
エクセルでアサイン管理を行う場合は、社内全体でアサイン情報が共有できるように、共有の仕組み・ルール・運用方法を定めておく必要があります。
共有の仕組み・ルール・運用方法の検討例を以下に挙げます。
共有の仕組みはどうするか:マスタ版の保存は社内ファイルサーバーを使う
アサイン管理のルール:アサイン管理シートのマニュアルを作成し、入力フォーマットを指定しておく(例:アサイン
期間は yyyy/mm/dd 方式で入力)
アサイン管理の運用方法:
a) アサイン管理シートを更新したら更新内容を全社のアサイン管理担当者に通知する。
b) アサイン管理シートの運用マニュアルは2か月に1回メンテナンスを行う。
c)アサイン管理シートを更新するように、各プロジェクト管理者に催促メールを送る。
エクセルはファイルの編集や複製が自由な分、はじめは同一のフォーマットを使っていたとしても、段々と管理状態がばらばらになっていきやすく、形骸化してしまいがちです。
それを防ぐためにも、運用の開始前には決まったルールを設けておき、定期的な更新状況の共有と情報更新の催促をすることは非常に重要です。
⑤テンプレートを活用する(PJ管理表テンプレート(無料)ダウンロード)
ここまでお読みいただいて、アサイン管理用のエクセルシートを作成するためには設定が必要なことが非常に多く、気が滅入ってしまった方もいるかもしれません。
そこで、弊社の方で、あらかじめアサイン管理に必要な管理項目を設定済みの「プロジェクト情報管理表テンプレート」を作成いたしました。
無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
「エクセルでアサイン管理を始めようと思うけれど、まずどの項目をどう管理すればよいか分からない……」というお悩みをお持ちの方は、まず初めにこういったテンプレートを活用して、自社向けにアレンジしていくのもおすすめです。
アサイン管理をエクセルで行う場合のデメリット

ここまで、エクセルでのアサイン管理表の作り方を紹介してきましたが、骨が折れる点も多かったと思います。ここで一旦、エクセルでアサイン管理を行う場合のデメリットをご紹介します。このデメリット一覧を見て、エクセルで管理を行った場合かえって工数がかさむなどの状況が予測される場合は、クラウドツールの仕様を視野に入れてみてもよいでしょう。
アサイン管理をエクセルで行う場合のデメリット
1:要員の移動、変更などアサイン計画への対応が難しい
2:要員(人材)情報と案件情報のマッチングが難しい
3:情報の共有が難しい
4:複数プロジェクトを同時に管理するのが難しい
5:ローカル環境でしか利用できない
アサイン情報をエクセル管理した場合のデメリット1:要員の移動、変更などアサイン計画への対応が難しい
エクセルでアサイン管理を行った場合、要員を移動・変更する際の入力がすべて手入力となるため手間がかかります。
エクセルの場合、「プロジェクトから見た要員のアサイン状況一覧」と「要員一人の各プロジェクトへのアサイン状況」の見方の切り替えが容易にできないため、要員の移動や変更を行った後で、その要員のリソースが今どのくらい余っているのか、稼働工数の超過がないかどうかなどの確認が難しくなるでしょう。
アサイン情報のエクセル管理のデメリット2:要員(人材)情報と案件情報のマッチングが難しい
アサイン管理支援に特化したクラウドツールであれば、スキル情報を同時に管理できるものが多く、ツールに保持された各要員のスキル情報をもとに、プロジェクトに必要とされるスキルを持った要員を検索して確保することがしやすくなっています。しかしエクセルの場合は、そういったマッチングを自分で行う必要があります。
まずプロジェクトのアサイン状況を管理しているシートから「必須スキル」を確認し、次に要員のスキルマップシートを開いて「必須スキル」を持つ要員を検索する手順が必要です。さらに、スキルマップシートにおける各スキルの記載方法を統一しておかなければ、検索も難しくなるでしょう。それに加えて、空き工数の情報も別シートから確認する必要が出てくると考えると、マッチングのための作業数は少しかさんでしまうかもしれません。

アサイン情報のエクセル管理のデメリット3:情報の共有が難しい
エクセルで情報管理を行う場合、基本的に更新連絡や連絡状況の管理も自分で行う必要があります。その際の問題点としては、例えば、アサイン管理シートを更新した際の通知メールを各部のマネージャーや上長に送ろうとした場合、「メーリングリストを作成しておかないと送付漏れが発生する可能性があること」や、「メールの件名が統一されていないせいで何の通知か分からず見過ごされてしまった」、「誰の情報がどう変更されたのか分からない」といったような状況が起こりやすくなります。
情報共有時には、メールフォーマットや更新通知の送信先の固定化、承認フローの固定化、メールの自動送信、変更箇所の明示があると便利ですが、それらを自前で用意するとなるとそれなりの工数がかかります。
アサイン情報のエクセル管理のデメリット4:複数プロジェクトを同時に管理するのが難しい
デメリット1でも述べましたが、「プロジェクトから見た要員のアサイン状況一覧」から「要員一人の各プロジェクトへのアサイン状況」に見方を切り替えるなど、エクセルでは視認方法の切り替えが容易ではありません。そのため、複数のプロジェクトを管理する際には、見たい情報を選別するために自分でフィルターを駆使して各プロジェクトの状況を見比べたり、プロジェクト情報を細かく記載した詳細シートと、複数のプロジェクト情報を見比べるための簡易シートなど複数のシートを作ったりといった手間がかかります。
ローカル環境でしか利用できない
アサイン管理をエクセルで行う場合には、例えばファイルサーバーを使って社内共有を行っていたとしても、誰かがファイルを開いていたら編集ができなかったり、ローカルで編集した内容をファイルサーバーにアップロードした際に他の人の編集したデータを上書きしてしまったりといったトラブルが起こりがちです。また、バックアップ管理も自前で行う必要があるので注意が必要です。
アサイン管理をエクセルで行う注意点

ここまでで紹介してきたアサイン管理をエクセルで行う際のデメリットを踏まえると、エクセルでアサイン管理を行う際の注意点は主に以下のようなものがあります。
アサイン管理をエクセルで行う場合の注意点
- 要員のスキルマップやプロジェクト情報など、アサイン管理に必要な情報の管理方法から確立しておく必要がある
- 「複数プロジェクトの状況比較」「プロジェクト情報の詳細」など、見たい情報ごとにシートを用意する必要がある
- フィルターの使い方など、見たい情報を得るためのエクセル操作を覚える必要がある
- 情報の視認方法の切り替えや、入力の自動化に限界がある(場合によっては、マクロを使う必要がある)
- 更新状況を定期的に共有する必要がある
- ファイルの共有ルールを定める必要がある
- バックアップ方法を決めておく必要がある etc
アサイン管理支援ツールにはそのような注意点をカバーしたものが多く存在しますが、自社でのアサイン管理では何を・どの程度・どのように管理するかといった目的を明確に定め、無料のエクセル管理で十分賄えるのか、あるいは少し費用をかけてクラウドツールを利用した方が作業効率が上がるのか、といった費用対効果の比較を行う必要があります。
この項では、エクセル管理とアサインツール管理の比較を行いながら、エクセルで管理を行う際の注意点や、エクセルとアサイン管理ツールの適切な選択方法について紹介します。
用途にあったアサイン管理方法の選び方
アサイン管理の目的は、アサインにかかる工数の削減と、より適切な人員のアサインを行うことです。
自社の現状と照らし合わせ、自社のアサイン管理の改良には何が必要なのかを整理しておくとよいでしょう。目的に応じて、エクセルとアサイン管理ツール、どちらがおすすめかを紹介します。
(目的①)短期的に、とにかく工数を削減したい。ツール利用の方法を全社に共有する工数が惜しいくらい、リソースがひっ迫している
→ おすすめ:エクセルでの管理
(目的②)アサイン管理方法を一旦全社できっちりと整えて、長期的な工数削減を目指したい
→ おすすめ:アサインツールでの管理
それでは、詳細を見ていきましょう。
エクセル管理
短期的に、とにかく工数を削減したいという場合におすすめです。エクセルでの即時的な管理は、応急措置に役立ちます。エクセルは一般的なツールであり、使い方を熟知している人も多いでしょう。
フォーマットを柔軟に設定できるメリットはありますが、自作シートの使い方の全社共有を丁寧に行う必要があるという手間にもつながってきますので、より凝ったアサイン管理シートを作成したい場合には早めにアサイン管理ツールに切り替えてしまうのも手かもしれません。
アサインツール管理
アサイン管理方法を一旦全社できっちりと整えて、長期的な工数削減を目指したい場合にはアサインツールでの管理をおすすめします。
エクセルでもアサイン管理の方法をきっちりと整えることは可能ですが、自社でのシステム構築と同じくらいの手間がかかる可能性が高いでしょう。もし、管理ツールにかけられる費用に余裕があれば、既にシステムが成り立っているアサイン管理ツールを使えば大幅に工数を削減することができます。多くがクラウドツールになるので、バックアップ方法が既に確立されていたり、情報の全社への共有もボタンを一つクリックするだけで楽に行えたり……というメリットがあります。
スキル管理・アサイン管理支援ツールfapiを使えば効率的にアサイン管理が可能
アサイン管理用のクラウドツールの例として、弊社スキル管理・アサイン管理支援ツールfapiを紹介させて頂くと、SE情報(スキル情報)・プロジェクト情報・案件情報が連動しており、例えばSEのスキル情報から検索してプロジェクトのメンバーの候補を割り出し、そのままアサイン情報を記録しておくことが可能です。また、そのアサイン情報をもとに「今誰がどの時期まで空いているか?」という空き要員の検索を行うことも可能です。
このように、エクセルのように複数のブック・シートを集めて情報を探す必要がなく、ひとつのツールで完結するのがクラウドツールの強みとなります。資料集めや検索の不便さにわずらわしさを感じている場合は、アサイン管理ツールの検討をおすすめします。
エクセル感覚でアサイン管理の項目が自由に設定できる
アサイン管理ツールの中には、管理する項目を自由に設定することができるものも存在します。先ほど紹介したスキル管理・アサイン管理支援ツールfapiですと、図のようにエクセル感覚でアサイン管理の項目を自由に設定することが可能です。現状(※version2.6)ですと、エクセルのようにセルをクリックして即項目名を編集することなどはできませんが、『管理項目の設定』という画面で管理項目についての詳細(数値/文字列、桁数、選択式/テキスト式 など)や閲覧権限を細かく設定できます。もちろん、ひとつのシステム上でのことですので、スキル管理・アサイン管理支援ツールfapiの使用者全員が管理項目の設定に従って情報の編集を行うことができます。ツールの使い方に齟齬が生まれにくいのもメリットです。

アサイン管理ツールの実際の導入事例や活用事例は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
ー 株式会社NSIT様
アサイン管理ツールに主に備わっている機能とは?

ここでは、アサイン管理ツールに主に備わっている機能を紹介いたします。アサイン管理をエクセルで行うか、ツールを使って行うかお悩みの方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
アサイン管理ツールに備わっている主な機能一覧
- アサインメンバー検索
- アサイン管理
- スキル管理
- 業務経歴表(スキルシート)の生成
- 更新依頼
- 権限設定
- レポートの生成
※弊社「スキル管理アサイン管理支援ツールfapi」の機能をもとに記載しています。
①アサインメンバー検索
全社員のスキル・アサイン状況をもとに、検索ボタンひとつで簡単にアサインメンバーの横断検索ができます。


②アサイン管理
アサインメンバー検索から直接プロジェクトへのアサイン検討・設定が可能で、さらにグラフでアサイン状況の可視化が可能です。



③スキル管理
スキル情報のスキルマップ化や各情報をレポート化する事が出来るため、経営や教育の情報分析、ISOの対応に活用いただけます。

④業務経歴表(スキルシート)の生成
業務経歴表を導入企業様独自の雛形でExcel形式の出力が可能です。アサイン情報から自動で業務経歴のインポートもできます。

⑤更新依頼
各SEにスキル情報などの更新をしてほしい際などの更新依頼を、個別、もしくは一括で行うことができます。

⑥権限設定
ユーザーごとに閲覧や編集の権限設定ができます。また、項目ごとに細かく権限を設定することもできます。

⑦各レポートの生成
登録したSE情報・プロジェクト情報・案件情報から各情報の統計を取りグラフとして表示することができます。

【まとめ】アサイン管理をエクセルで行う方法とアサイン管理表の作り方について

いかがでしたでしょうか?
アサイン管理をエクセルで行うか、アサイン管理ツールで行うかどうかについて悩まれている方も多いかとは存じますが、今回は
・エクセルでアサイン管理を行う方法
・エクセルでアサイン管理を行うデメリット
・アサイン管理ツールの特徴
についてご紹介させて頂きました。
本記事を参考に、自社に合ったアサイン管理方法を見つけて頂ければ、筆者としても嬉しい限りです。
長い記事となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!