今回はITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピ)を提供する(株)FDCの佐々木舞美が、20年以上のプロジェクト管理経験をもとに、Excelでアサイン管理を行う際のポイントと無料テンプレートの活用方法を徹底解説します。
この記事を読むことでプロジェクトメンバーの配置最適化、工数管理の可視化、スキルマッチングの精度向上など、アサイン管理の効率化に必要なノウハウを具体的に理解していただけるとともに、最後には無料でアサイン管理表テンプレートをダウンロードしていただけます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
Excelでアサイン管理表を作成するメリット

プロジェクトマネジメントにおいて、メンバーの適切な配置と工数管理は成功の鍵となります。アサイン管理表をExcelで作成することで、初期投資をおさえて業務の可視化を実現できます。
アサイン管理表が必要とされる理由
現代のビジネス環境では、複数のプロジェクトが同時進行することが一般的です。アサイン管理表を活用することで、以下のような課題を解決できます。
- プロジェクトメンバーの稼働状況をリアルタイムで把握
- スキルとプロジェクトニーズのマッチング精度向上
- メンバー間の負荷バランス調整による業務効率化
- プロジェクトの進捗遅延リスクの早期発見
- 経営層への報告資料としての活用
Excel活用のメリットとデメリット
Excelでアサイン管理を行う場合、メリットとデメリットを理解した上で活用することが重要です。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| コスト | 初期投資不要で即座に開始可能 | 規模拡大時に管理コストが増大 |
| カスタマイズ性 | 自社の業務フローに合わせた柔軟な設計 | 複雑な関数設定が必要になる場合がある |
| 操作性 | 多くの社員が使い慣れている | 複数人の同時編集に制約がある |
| 情報共有 | ファイル共有で手軽に展開可能 | バージョン管理が煩雑になりがち |
| データ分析 | ピボットテーブルなどの分析機能を活用 | 大量データの処理速度が遅くなる |
アサイン管理表に必須の項目と構成要素
効果的なアサイン管理表を作成するためには、管理すべき情報を適切に整理することが重要と言えるでしょう。
そこで2025年現在、多くの企業で採用されている標準的な項目構成をご紹介します。
Excelに入れ込みたい基本情報項目

アサイン管理表には、プロジェクトとメンバーに関する基本情報を記載します。
- プロジェクト名・案件名
- プロジェクトコードまたは管理番号
- プロジェクト期間(開始日・終了日)
- プロジェクトマネージャー名
- プロジェクトの優先度・ステータス
- 担当メンバー氏名・社員番号
- メンバーの所属部署・役職
工数管理項目

プロジェクトの適切な進行には、工数の正確な把握が欠かせません。
- アサイン開始日・終了日
- 稼働率または工数(人日・人月)
- 週次または月次の稼働時間
- 予定工数と実績工数の比較
- 残工数の見積もり
スキル・役割項目

メンバーのスキルとプロジェクトでの役割を明確にすることで、適切な人材配置が実現できます。
- プロジェクト内での役割(開発、設計、テストなど)
- 必要とされる技術スキル
- メンバーの保有スキルレベル
- 業務経験年数
- 過去の類似プロジェクト経験
Excelアサイン管理表の効果的な作成手順
実際にExcelでアサイン管理表を作成する際の具体的な手順を解説します。初心者の方でも実践できるよう、ステップバイステップでご説明します。
ステップ1:シート構成の設計

まず、管理表全体の構成を設計します。以下のようなシート分割が効果的です。
- 【マスタシート】メンバー情報とスキル情報を一元管理
- 【プロジェクト一覧シート】全プロジェクトの概要と状況
- 【アサイン状況シート】メンバーごとの稼働状況を時系列で表示
- 【月次集計シート】部署別・プロジェクト別の工数集計
- 【ダッシュボードシート】重要指標をグラフで可視化
ステップ2:データ入力フォーマットの作成
データ入力の効率化と入力ミス防止のため、以下の機能を活用します。
- 入力規則設定:プルダウンリストで選択肢を制限し、表記ゆれを防止
- 条件付き書式:稼働率が100%を超える場合に赤色で警告表示
- セル保護:計算式が入力されたセルを保護し、誤操作を防止
- 名前付き範囲:頻繁に参照する範囲に名前をつけて管理を容易化
ステップ3:計算式と関数の設定
アサイン管理表を自動化するための重要な計算式をご紹介します。
| 目的 | 使用する関数 | 具体例 |
|---|---|---|
| 稼働率の計算 | SUM関数 | =SUM(月次工数)/標準工数*100 |
| 空き工数の算出 | SUMIF関数 | =標準工数-SUMIF(範囲,条件,合計範囲) |
| スキルマッチング判定 | VLOOKUP関数 | =VLOOKUP(社員ID,スキルマスタ,列番号,FALSE) |
| 期間内のアサイン検索 | COUNTIFS関数 | =COUNTIFS(開始日,”=”&基準日) |
| 平均稼働率の表示 | AVERAGE関数 | =AVERAGE(稼働率範囲) |
ステップ4:視覚化とダッシュボード作成

情報を直感的に把握できるよう、グラフやチャートを活用します。
- ガントチャート:プロジェクトのタイムラインと重複を可視化
- 積み上げ棒グラフ:部署別の稼働状況を月次で比較
- 円グラフ:プロジェクト種別ごとの工数配分を表示
- ヒートマップ:メンバーの繁忙度を色の濃淡で表現
- スパークライン:セル内に小さなグラフを表示して傾向を把握
アサイン管理の実務で直面する課題と解決策

Excelでアサイン管理を行う際、多くの企業が共通して直面する課題があります。最新事例をもとに、実践的な解決策をご提案します。
課題1:情報の属人化とバージョン管理
複数の担当者が別々のファイルを更新することで、どれが最新版かわからなくなる問題があります。
解決策:
- OneDriveやSharePointでクラウド共有し、常に最新版を参照
- ファイル名に「YYYYMMDD_アサイン管理表」など日付を含める命名規則
- 更新履歴シートを作成し、変更内容と更新者を記録
- 週次で定期的にバックアップを取得する運用ルール
課題2:リアルタイム性の欠如
Excelファイルの更新タイミングがバラバラで、現在の正確な状況が把握できないという課題があります。
解決策:
- 更新頻度のルール化(毎週金曜日15時までに更新など)
- Excelの共同編集機能を活用した同時編集環境の構築
- マクロやVBAで他システムからデータを自動取得
- 定期的なミーティングでアサイン状況を確認し、その場で更新
課題3:複数プロジェクトの横断管理
プロジェクト数が増えると、メンバーの稼働状況が複雑になり、全体像の把握が困難になります。
解決策:
- ピボットテーブルで多角的にデータを集計・分析
- メンバー視点とプロジェクト視点の両方のビューを作成
- スライサー機能で部署やスキルでフィルタリング
- Power Queryでデータを統合し、複数ファイルを一元管理
課題4:スキルマッチングの精度
メンバーのスキル情報が最新化されておらず、適切なアサインができない問題があります。
解決策:
- 四半期ごとのスキル棚卸しを実施
- プロジェクト終了時に獲得スキルを記録する仕組み
- スキルレベルを3~5段階で数値化し、定量的に評価
- 社員自身がスキル情報を更新できる仕組みの構築
専門ツールへの移行を検討すべきタイミング

Excelでのアサイン管理には限界があります。以下のような状況になった場合は、専門ツールの導入を検討するタイミングです。
専門ツール導入の判断基準
- 管理対象の社員数が50名以上に増加した場合
- 同時進行プロジェクト数が10件以上になった場合
- アサイン管理表の更新に週5時間以上かかる場合
- データの整合性確認に多くの時間を費やしている場合
- 経営層からリアルタイムでの状況報告を求められる場合
- 複数拠点での情報共有が必要になった場合
次の記事ではアサイン管理システムとエクセルでの管理比較をご紹介
アサイン管理の導入をスタートしたばかりや少数の企業様であればエクセルでのアサイン管理はコストを抑えられ、手軽にできるので非常に便利です。
しかし上記でも触れたようにエクセルでの管理では限界がくることになります。そこで次のステップとしてアサイン管理システムやツールの導入となるのですが、これらの違いについてはよくわからないという方も多いと思います。
そこで次の記事では「アサイン管理システムとエクセルでの管理の比較」をテーマにご紹介しています。
ぜひこちらもチェックしてみてください。
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Excelでのアサイン管理には限界もありますが、まずは小規模から始めて、組織の成長に合わせて専門ツールへの移行を検討することをお勧めします。ITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピ)は、無料トライアルも提供していますので、本格的なアサイン管理をお考えの方はぜひご検討ください。
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