ITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピー)を提供する株式会社エフ・ディー・シーのDXサービス事業推進部 佐々木舞美が、200名以上のITエンジニアのリソース管理に25年以上携わってきた経験から「リソース管理」を解説します。

リソース管理とは、人・モノ・カネ・時間といった限られた経営資源を、プロジェクトや事業の目的に合わせて配分し、運用することです。多くの現場ではExcelの管理表から始めますが、人数と案件が増えるにつれて「最新の状況が分からない」「空いている人を探せない」という壁にぶつかります。

この記事では、リソース管理の定義と6つの対象、重要性とメリット、Excel管理の限界、効率的なやり方5ステップ、人的リソース管理の4領域までを整理しました。「Excelでの管理に限界を感じている」という管理職・PMの方は参考にしてください。

リソース管理とは

リソースとは?

リソース(Resource)とは、プロジェクトや事業を遂行するために必要な経営資源のことです。リソース管理(リソースマネジメント)は、そのリソースを「いつ・どこに・どれだけ」使うかを計画し、配分し、進行中も調整し続ける活動を指します。

IT・システム開発の現場でリソース管理という場合、主に「人的リソース」、つまりメンバーのスキルと稼働状況の管理を指すことがほとんどです。

管理対象となる6つのリソース

リソース管理の種類と内容

リソースは、目に見える有形リソース(ヒト・モノ・カネ)と、目に見えない無形リソース(時間・情報・知的財産)に分けられます。

リソース具体例管理するポイント
ヒトエンジニア、PM、作業員、協力会社のメンバースキル・経験・稼働状況の可視化。業務負荷の偏りを防ぐ
モノPC、サーバー、開発機材、作業場所、ソフトウェア必要な時期に使える状態にし、維持コストを抑える
カネ予算、人件費、外注費、プロジェクト原価予算内に収める。資金不足は中断に直結する
時間納期、工程ごとの工数、稼働スケジュール人の配置と連動させて管理する。時間と人は切り離せない
情報設計書、ノウハウ、顧客データ、スキル情報必要な人がすぐ参照できるよう共有・一元化する
知的財産特許、ライセンス、独自のフレームワーク権利を維持し、差別化に活かす

6つのうち、プロジェクトの成否に最も影響し、かつ管理が最も難しいのが「ヒト」です。モノやカネは数字で把握できますが、人のスキルと稼働は日々変わり、感情や相性も関わるためです。

リソース管理の重要性とメリット

リソース管理をおこなう重要性

リソースには必ず上限があります。計画なく使うと、人手不足・納期遅延・コスト超過のどれかが起こります。リソース管理を行うと、次の効果が期待できます。

メリット具体的な効果
プロジェクト全体の可視化必要な人・時間・費用が数字で見え、過不足のない配分とスケジュール調整ができる
業務負荷の平準化特定メンバーへの集中を防ぎ、過重労働と離職を減らす
最小限の人員での利益最大化PMの頭の中にしかない「誰が空いているか」を客観化し、必要最小限の最適メンバーで実行できる
炎上の予防とリカバリー余力が見えていれば、遅延やトラブル時に他チームから補充できる
役割と目標の共有誰が・何を・いつまでに担当するかが全員に見え、認識のズレが減る
実績データの蓄積「どのスキルの人が・どの期間で・どんな成果を出したか」が残り、次の配置の精度が上がる

Excelでのリソース管理に限界が来るサイン

Excelやスプレッドシートは無料で始められ、小規模なうちは十分に機能します。限界が来るのは人数そのものより、「同時に走る案件の数」と「変化の速さ」が増えたときです。次のサインが出ていたら、管理方法を見直す時期です。

サイン原因起こること
どのファイルが最新か分からない複数人が別々に編集し、コピーが増える古い情報で配置を決め、二重アサインが起こる
「Javaができて来月空く人」をすぐ探せないスキル表と稼働表が別ファイルで、条件検索ができない要員提案に時間がかかり、案件を逃す
更新が担当者1人に集中している本人が自分の情報を更新できない構造担当者の負荷が上がり、更新が止まる
誰でも全員の情報を見られる閲覧・編集の権限を分けられない評価や単価などの情報管理が不安定になる
数か月先の空きが読めない参画終了予定が管理されていない待機や人手不足に気づくのが遅れる

2つ以上当てはまるなら、Excelの改善ではなく、スキルと稼働を一元管理できるツールへの移行を検討する段階です。

リソース管理のやり方5ステップ

リソース管理のポイント・リソース管理のやり方・手順

リソース管理は、現状の把握から計画・配置・見直しまでを順に進めます。

1. 自社のリソースを可視化する

最初に、メンバーごとのスキル・資格・業務経歴・現在の稼働状況・参画終了予定を一覧にします。ここが揃っていないと、後の全ステップが勘頼みになります。

2. プロジェクトに必要なリソースを明確にする

案件の要件・規模から「どのスキルの人が・いつから・何人・どれくらいの期間」必要かを算出します。トラブルや遅延に備え、代替要員の候補も含めて考えておきます。

3. 要員計画(アサイン)を立てる

1で可視化した情報と2の要件を突き合わせ、誰をどの案件に入れるかを決めます。「空いている人」ではなく「要件に合う人」を、稼働余力と案件の重要度を見て客観的に選びます。

4. 適性と向き不向きを考慮して配置する

スキルと資格の有無だけでなく、過去の業務での得意領域、本人の志向、チームとの相性も考慮します。適性に合った役割は、成果物の品質とモチベーションの両方に効きます。

5. 進捗を監視し、情報を更新し続ける

計画を立てて終わりにせず、進行中の稼働状況と参画終了予定を更新し続けます。数か月先のリソース不足を早く検知できれば、採用や他案件からの再配置が間に合います。

最も重要な「人的リソース管理」の4つの領域

最重要の人的リソース管理とは?

人的リソース管理(HRM:Human Resource Management)は、人材という最大の経営資源を活かし、成果を最大化するためのマネジメントです。次の4つの領域で構成され、アサインマネジメントが他の3つを土台にして機能します。

領域内容目的
スキルマネジメント保有スキル・資格・経験をスキルマップなどで可視化する適材適所の配置、育成計画、評価基準の明確化
ストレスマネジメント業務負荷と心身の状態を1on1などで把握し、偏りを調整する生産性低下と離職の防止
パフォーマンスマネジメント目標設定・定期面談・フィードバックで成長を促す個人の成長と組織目標の一致
アサインマネジメント上記3つをもとに、誰をどの案件に配置するかを決め、稼働全体を最適化する業務効率とモチベーションの最大化、定着

人的リソース管理の考え方はHRM(人的資源管理)とは?基礎知識と人材マネジメントのポイントで詳しく解説しています。

PMBOKにおける人的資源マネジメントの4プロセス

PMBOK人的資源マネジメントとは?

プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOK(第6版まで)では、人的資源マネジメントを4つのプロセスで整理しています。自社のリソース管理がどこまでできているかの点検に使えます。

プロセスやること目的
1. 計画必要な役割・責任・スキルを定義し、管理計画を作る人材要件の明確化
2. チームの獲得社内調整や外部調達でメンバーを確保・配置する最適なアサインと確保
3. チームの育成連携強化、スキルアップ、環境整備を行うチーム力と生産性の向上
4. チームのマネジメントパフォーマンスを追跡し、フィードバックと課題解決を行う円滑な進行と炎上防止

PMBOKの枠組みを使う利点は、PM個人の感覚に頼ったアサインを「計画→獲得→育成→管理」という共通の基準に置き換えられることです。

Excelから移行するなら、スキル管理・アサイン管理支援ツール「fapi」

スキル管理・アサイン管理支援ツール 「fapi(ファピー)」HP

fapiは、株式会社エフ・ディー・シーが自社のSES・受託開発の現場で使うために開発した、スキル管理とアサイン管理を一元化するクラウドツールです。

Excelの限界fapiでの解決
最新版が分からないスキル・経歴・稼働がクラウド上の1か所に集約。本人と管理者の双方が更新できる
条件で人を探せないスキル×稼働状況のスコアリング検索で、要件に合う候補をすぐ抽出
項目が自社に合わない管理項目を自由にカスタマイズでき、既存のExcel表の項目をそのまま移行できる
権限を分けられない役職・部署ごとに閲覧・編集権限を設定
提案資料の作成に時間がかかる業務経歴表をExcelで出力。要員提案のスピードが上がる

自社ではアサイン検討・調整にかかる時間を60分から5分に短縮しました。ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2022を受賞し、ISO9001/ISO27001を取得した企業が開発・運用しています。IT導入補助金2025の対象ツールです。

まとめ

リソース管理とは、人・モノ・カネ・時間・情報・知的財産の経営資源を、目的に合わせて配分・運用することです。中でも成否を左右するのは人的リソースで、スキルと稼働状況の可視化がすべての出発点になります。

小規模なうちはExcelで十分ですが、「最新版が分からない」「条件で人を探せない」というサインが出たら移行の時期です。自社の規模と課題に合った方法で、リソース管理を仕組みにしてください。

リソース管理の理解を深めるおすすめ関連記事

組織のリソース管理をより深く理解し、現場の実務や生産性向上に役立つ関連記事を体系別にピックアップしました。目的に合わせて参考にしてください。

1. リソース管理の基礎知識・全体像を学ぶ

  1. リソース計画とは?プロジェクトマネジメントを成功させる手順とコツ
  2. リソースマネジメントとは?プロジェクト管理における重要性
  3. HRM(人的資源管理)とは?基礎知識と人材マネジメントのポイント
  4. リソース管理とプロジェクト管理の違いとは?使い分けを解説
  5. 社内リソースの重要性と効率的な管理の実践ノウハウ

2. 実務で使えるリソース管理表の作成・運用ノウハウ

  1. リソース管理表に必須の12項目と効果的な作り方を徹底解説
  2. 【Excel】リソース管理表の作り方7ステップ!必要項目と効率的な運用ノウハウ

リソース管理に関するよくある質問

Q
リソース管理(リソースマネジメント)とは何ですか?
A

プロジェクトや事業を成功させるために、人材(スキル・稼働状況)、設備、時間、予算などの経営資源を計画・配分・管理する手法です。IT・Web業界では、メンバーのスキルと稼働時間を最適化する「人的リソースの管理」を指すことが一般的です。

Q
エクセル(Excel)でのリソース管理にはどのような限界がありますか?
A

無料で始められる反面、最新版の共有漏れ、スキルと稼働状況の条件検索ができない、更新が担当者に集中する、権限を分けられない、といった限界があります。複数案件の兼務が増えた段階で、専用ツールへの移行を検討してください。

Q
リソース管理ツールを導入する最大のメリットは何ですか?
A

全メンバーの稼働状況と保有スキルがリアルタイムで可視化され、条件に合う人をすぐ探せる点です。特定メンバーへの業務集中を防ぎながら、アサイン調整にかかる管理工数を減らせます。

Q
スキル管理・アサイン管理支援ツールfapiの特徴は何ですか?
A

管理項目を自社で自由に設計でき、スキルと稼働状況を条件で検索して要件に合う要員をすぐに見つけられるツールです。業務経歴表のExcel出力機能があり、要員提案のスピードが上がります。詳細は公式サイトをご覧ください。