工務店で業務効率化を進めるには、現在の業務を洗い出し「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくす必要があります。
人手不足が深刻化している建設業界では、少ないコストで最大限の結果を出すことが求められます。
この記事では業務効率化のメリットや具体的な手順、効率的な改善方法を詳しく解説。
工務店の業務効率化で悩んでいる担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
業務効率化とは?
業務効率化とは「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくして、最小限の労力で最大限の利益を生むことです。
業務における「ムリ」「ムダ」「ムラ」には以下のようなものがあります。
ムリ | ムリな仕事量、ムリなスケジュール |
ムダ | ムダ遣い、ムダな業務、作りすぎのムダ、ムダな在庫 |
ムラ | 品質のムラ、仕事量のムラ、教育不足による理解度のムラ |
「ムリ」「ムダ」「ムラ」を減らすことができれば、より効率的に業務を進められます。
工務店・住宅メーカーでは転職などの理由から社員が定着せず、人材不足が慢性的に続いてきました。
例えばムリのないスケジュールと余剰在庫を抱えないルールを徹底すれば、賃金アップが実現しやすく職場環境の改善につながります。
業務効率化は今後工務店が生き残っていくために、非常に重要な要素となります。
工務店で業務効率化するメリット
工務店で業務効率化をするメリットは大きく3つあります。
工務店側だけではなく、従業員にも恩恵があるところがポイントです.。

コスト削減
業務効率化の最大のメリットであり、業務を効率化する目的となるのがコスト削減です。
業務効率化が実現すれば、人材コスト・時間コスト・設備コストを削減して少ないコストで成果を上げられます。
会社に利益を残せるようになるため、大きなリターンを実感できるでしょう。
例えば、残業時間を減らすことで人件費の節約になります。
さらにクラウドツールを導入すれば、いつでもどこでも情報へアクセスできるので時間を節約できるのです。

工務店DXにおけるクラウドサービスの重要性・課題やおすすめのサービスをご消化します。
生産性の向上
工務店から仕事のムダをなくすことで、本来の業務に集中でき生産性が向上します。
生産性とは労働・設備・原材料などの投入量に対して得られる生産物の産出量の比率です。
生産性の向上は利益の向上に直結するので、工務店を経営するうえで常に頭に入れておかなくてはいけません。
なおムダをなくすだけでなく、継続的に業務の効率化を図る仕組みづくりも大切です。
ワークライフバランスの実現
業務効率化は社員のワークライフバランスを実現します。
残業時間や休日出勤を減らすことができれば、プライベートが充実して仕事の両立が可能となるでしょう。
プライベートの充実は、仕事へのモチベーションがアップしたり離職率の低下につながったりします。
近年工務店をはじめ建設業界では、早朝から建築現場に出向く、賃金の低さなどが問題視されてきました。
工務店の業務効率化は、社員が意欲的に働ける環境づくりにおいて大きな効果をもたらします。
工務店の業務効率化の手順
ここでは、実際に工務店で業務を効率化するための手順を解説します。

1.業務の可視化
業務効率化のために最初に行うのが、現在の業務を可視化して工務店が抱える課題を洗い出すことです。
業務フローを見直せば「ムリ」「ムダ」「ムラ」がわかり、改善や対策を立てることができます。
すでに業務効率化ツールを導入している工務店でも「効果を実感できない」「業務がついてこない」というケースもあるはずです。
業務の可視化は現状を把握するためにも、欠かせない重要なプロセスといえます。
2.優先順位を決める
改善によって高い効果を得られる順に、業務に優先順位をつけてください。
基本的に、業務は同じ作業を繰り返す「ルーティン業務」と専門性の高い「高付加価値業務」の2つに分かれます。
ルーティン業務は自動化できることも多く、工務店の業務効率を大きく高められます。
例えばルーティン業務では極力自動化を進め、高付加価値業務は業務を習得するための手法を効率化するという意識を持ってください。
3.施策を実行する
工務店で業務を効率化するための施策は、主に3つです。
- 業務管理・工数管理効率化システムを導入する
- ルーティン業務を自動化する
- フローチャートを活用したマニュアル(作業標準書)を作る
工務店に合わせたマニュアルを作成することで、業務の進め方が明確になったり品質を均一化できたりします。
業務効率化の施策は工務店に状況に合わせて、試していくことが大切です。
4.効果の検証・改善を行う
業務効率化の施策を実行したら、効果の検証及び改善を行ってください。
場合によってはムダな工数が増えたり、社員の負担になったりすることも考えられます。
必要に応じて業務フローの見直しやマニュアルの改善を行い、業務効率化の効果を高めてください。
効果の検証・改善は継続的に進めて、全社員に定着させていきましょう。
工務店で業務・管理を効率的に進められる具体的な方法
工務店で業務・管理を効率化したい方向けの具体的な方法を6つ紹介します。

業務の可視化
業務の可視化は、工務店の業務・管理を効率的に進める際に最優先で取り組みましょう。
なぜなら現状を把握していないと、課題がわからず改善策も立てられないからです。
遅延が発生しやすい作業、誰でも行える作業などを明確にすることで、業務マニュアルへ反映できます。
他にも「エクセルでの管理が属人化している」と分かれば、管理システムを導入して誰でも作業できるようにする、といった対策が可能です。
ペーパーレス化
工務店でペーパーレス化を進めると書類の作成時間や用紙代、インク代を節約できます。
ペーパーレス化はさまざまな業界で進んでいますが、工務店では契約書や見積書、施工書類など大きな効果を生みやすいです。
なお、電子文書には電子署名や電子印鑑があるので、問題なく見積もりや契約が可能です。
脱属人化
脱属人化することで品質のムラを防ぎ、スムーズに業務を進行できます。
属人化とは特定の業務の進め方や内容が、特定の社員しか行えない状態をさします。
業務が属人化されると担当者が休んだり転職したりした場合、誰も業務をこなせないという事態に陥る可能性が高いです。
工務店から属人化をなくすためには、年代問わず使いやすいツールの導入がおすすめです。
チャット・コミュニケーションツールの活用
チャット・コミュニケーションツールは時間を大幅に節約できます。
従来のメールには時候のあいさつといった執筆時のマナーがあり、作成に時間がかかっていました。
施工業者や下請け業者、顧客とのやり取りを考慮すると、メール作成だけで非常に時間がかかることが想像できるでしょう。
ツールを使えば比較的フランクに会話ができますし、余計な時間がかからないうえ顧客との距離を縮めやすいです。
スマホやタブレットでもアプリがリリースされているので、いつでも手軽に連絡が取れる点も魅力的です。
ITツールの導入
工務店にITツールやクラウドサービスを導入すれば、手軽に業務を効率化できます。
業務効率化の手助けをしてくれるツールには、以下のような機能があります。
- 予実管理
- スキル管理
- 勤怠管理
- 工程管理
- 請求管理
- 支払い・入金管理
- コスト管理
社員のスキル管理や工数管理、顧客データなどを一元管理できるので、常に最新の情報にアクセス可能です。
また請求書の自動作成や施工写真を案件ごとに管理できるので、情報共有の時間を短縮できます。
機能や使い勝手、料金プランの違いを比較して、工務店にあったものを選ぶことも大切です。
ルーティン業務の自動化
見積書や発注書、工事スケジュール表の作成は工務店の日常的なルーティン業務といえます。
誰でもこなせる簡単な業務ながら、作成に時間がかかるという工務店は多いのではないでしょうか。
ルーティン業務はITツールを利用すれば簡単に自動化でき、ムダな時間を排除できます。
まとめ
【工務店】業務効率化の手順!業務・管理の効率的な方法やポイント
今回は工務店が業務を効率化するメリットから具体的な手順、業務効率化のポイントを解説しました。
「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくし働きやすい環境を作ることで、社員のモチベーションが向上し生産性の高さへと結びつけられます。
請求書や工数管理を自動作成してくれるITツールはよく比較して、工務店にあったものを選びましょう。
ITツールをうまく味方につけ、人材不足や属人化といった課題を乗り越えていってください。
弊社工務店、住宅メーカー向けコミュニケーションアプリ『つながる家づくり-plantable- 』は、お施主様とのつながりをより強いものに、理想の家づくりの打合せをひとつのtableを囲んでお話しするように気軽に、工務店、住宅メーカー様に寄り添い課題解決をお手伝いします。お気軽にご相談ください。