常に人手不足に悩まされるシステム開発企業では、組織の生産性を上げるために効果的な人員配置が求められます。
要員管理はプロジェクトの遂行にあたって、もっとも重要な工程です。
とはいえ、人材を効果的・効率的に活用できているかわからない、という企業が多いのも事実です。
ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアの要員管理を25年経験してきて効率化し、要員管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がシステム開発企業で要員管理が重要な理由と、要員管理をするメリットや注意点についてお伝えします。
要員管理を最適化して生産性をあげるおすすめツール3選と併せて、ぜひ最後までご覧ください。
要員管理とは?

要員管理とはプロジェクトに必要なスキルを持つ人材を調達して、適切に配置する手法です。
プロジェクトを効果的に進めて利益を残すためには、業務を効率よく行わなければなりません。
要員のスキルや能力を把握していなければ「能力不足で業務に間に合わない」「成果物の品質が低い」といった問題が起こります。
業務を効率よく進めるためにも、要員管理で要員のスキルや能力を正確に把握することが重要です。
要員管理と人員計画の違い
要員管理と似た用語として挙げられるのが「人員計画」です。
人員計画は異動や採用を含めた配置計画を立てて、実行することを意味します。
おもに人事総務部が人員計画を担当しており、事業目標を達成するためのマネジメントを実施します。
また「要員管理」は、プロジェクトを達成するための配置計画やマネジメントを行うことが目的です。
要員管理は「プロジェクト」、人員計画は「事業」に関わるというのが大きな違いとなります。
システム開発企業でなぜ要員管理が必要なのか?

システム開発のプロジェクト進行において、要員管理の重要性が叫ばれる理由は2つです。
- 要員のスキルを見える化できるから
- 外部から要員調達をする際の基準になるから
開発プロジェクトではスキルや能力の異なるメンバーが配置されますが、個々の能力を把握するのは簡単ではありません。
そのために要員管理で保有スキルや習熟度を数値化(評価)し、最適なプロジェクトメンバーの選出が可能になるのです。
また各要員のスキルを見える化できれば、急にタスクやプロジェクトが追加されてもスムーズにメンバーを調達できます。
例えば「プログラミングスキル」と「論理的思考能力」が高い人材を調達したい場合は、要員管理でスキル保有者を簡単に検索できるわけです。
要員を管理するメリット

【要員管理のメリット①】的確な人材配置を行える
人材のスキルやノウハウ、業務経験の把握で適材適所の人材配置が可能です。
チームのパフォーマンスを最大限に発揮できるため、プロジェクトを円滑に進行し成果物の品質も高められます。
個人個人の能力を常に把握・更新しておけば、急なタスク対応や追加プロジェクトにもスムーズに対応で切るでしょう。
【要員管理のメリット②】ムダな人件費を削減できる
適切な要員管理でプロジェクトメンバーを最適化できれば、ムダな人件費を削減できます。
人件費は会社経営の中で、もっとも大きな割合を占めるリソースです。
人件費を抑えられると会社の利益につながりますし、浮いたお金を人材育成や設備投資へ捻出できるようになります。
【要員管理のメリット③】モチベーションや生産性が向上する
自分の得意業務や能力を発揮できる業務を行うことで、モチベーションの向上につながります。
さらに苦手な業務を減らせるおかげで、ストレスを軽減して離職防止にも効果が期待できるでしょう。
要員管理では人材のレベルアップと、仕事に対して自信を持てるような環境づくりも大切になります。
高いモチベーションを維持することによって、生産性の向上にも大きく貢献します。
要員を管理する注意点

【要員管理の注意点①】定期的な再配達を計画する
要員管理は一度配置して終わりではありません。
プロジェクト進行に不備はないか、業務内容の変更で人材が偏っていないかなど、定期的に見直しが必要です。
もし問題が起こっていそうなら人材の再配置を行ない、プロジェクトが円滑に回るように調整してください。
定期的に要員管理を見直して必要に応じたセミナー・研修を開催し、生産性の向上や従業員のモチベーション維持に努めましょう。
【要員管理の注意点②】従業員一人ひとりから理解を得る
従業員の理解を得ないまま配置計画を実行しても、思うような結果はついてきません。
従業員に余計なストレスや負担をかけないためにも、要員管理の目的や効果をしっかりと説明する必要があります。
また、プロジェクトや部署をまたいで人材配置を行うこともあるかと思います。
異動先には早めに連絡を入れて受け入れの準備を整えてもらい、スムーズな業務につなげることを意識してください。
PMBOKに基づいた始め方4つの手順

人的資源マネジメントは4つのプロセスで構成されます。
プロセスと手順 | 内容 |
1.人的資源マネジメント計画 | 人材の役割を明確化して人材調達を行い、育成方針を決定する |
2.プロジェクト・チーム編成 | チームを編成して施設や設備などの活用計画を立てる |
3.プロジェクト・チーム育成 | スキルアップやコミュニケーションによってチームのパフォーマンスを上げる |
4.プロジェクト・チームのマネジメント | 課題を解決してパフォーマンスを維持する |
プロジェクトをスムーズに進める方法は「人的資源マネジメント計画」で項目を細かく設定することです。
- 要員調達(調達先、調達タイミング、調達コスト)
- 要員ヒストグラム(作業時間、要員数のグラフ化)
このように具体的に計画を立てておくことで、迷わずにマネジメントが行えます。
PMBOKの人的資源マネジメントで覚えておきたいのが「ステークホルダー(顧客やスポンサー)も人的リソース」に含む、ということ。
プロジェクトの遂行は、ステークホルダーのニーズに応えることともいえるのです。
要員管理を最適化し生産性を上げる方法

Excelで要員管理する
多くの企業で導入されているエクセルは使い慣れている人が多く、導入コストの低さがメリットです。
エクセルで要員管理をする方法は、テンプレートの活用がおすすめです。
例えば、ガントチャートテンプレートに以下の項目を配置すれば、情報を簡単にグラフ化できます。
縦軸 | 横軸 |
作業内容 | 工程やタスクごとの開始日 |
担当者 | 工程やタスクごとの終了日 |
開始日 | 進捗状況 |
終了日 |
ただし、プロジェクト数や要員数が増加すると、データが頻雑化したり処理速度が落ちたりします。
エクセルによる要員管理は、少人数から100人までが限度と覚えておきましょう。
ツールで要員管理する
要員数が100人を超えるような企業では、ツールでの要員管理をおすすめします。
要員のスキルや配置状況をリアルタイムで確認できますし、情報共有や更新も簡単です。
スキルシートやアサイン管理がクラウド管理できるため、客先常駐の人材とムダなくスムーズに連絡を取れるところがメリットです。
全体像を把握することで、効果的で効率的なプロジェクトアサインを実現します。
要員管理を最適化するシステム3選

スキル管理アサイン管理支援ツールfapi
従業員やエンジニアのスキル管理・アサイン管理を可視化して、提案スピードの向上につなげる要員管理ツールです。
スキルマップ化や契約管理も簡略化によって、システム開発企業が抱えるExcelの課題を改善します。
1ヶ月間のフリープランを用意しているので、ぜひ使い勝手や操作性を確認してみてください。
料金プラン | |
ミニマム | 300円/月・人 |
スタンダード | 400円/月・人 |
プレミアム | 800円/月・人 |
お試しプラン | 1か月無料 |
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
カオナビ
導入企業社数は約3,000社以上、タレントマネジメントシステムとして8年連続1位を獲得する要員管理ツールです。
現場に眠るスキルを発掘し、人材ポートフォリオから戦略的育成プランの計画および実行が可能です。
料金プラン | |
ストラテジープラン | 要問い合わせ |
パフォーマンスプラン | 要問い合わせ |
データベースプラン | 要問い合わせ |
ようかん
Salesforce Platformの動作に対応し、要員の稼働や売上などの情報をクラウドで一元管理できます。
通常のSFAでは行えない「技術経歴書」を簡単に作成することで、要員提案をサポートしてくれます。
料金プラン | |
月額費用 | 7,000円/ユーザー |
初期費用 | 30,000円〜 |
まとめ
この記事ではシステム開発企業で要員管理が必要な理由と、要員管理のメリットや注意点について解説しました。
プロジェクトを効果的・効率化に進めるためにも、要員管理は欠かせません。
エクセルによる管理方法に限界を感じている方は「要員管理ツール」の導入を検討してみてください。