属人化はIT業界で広く蔓延しており、早急な解決が求められます。
そのためには、マニュアルを共有してスムーズな業務進行と誰でも一定の品質を保てる、仕組み作りが大切です。
この記事ではIT業界で属人化が起こりやすい原因やデメリット、解消方法についてお伝えします。
システム開発企業・Sler向けに、属人化を解消するITツール3選も紹介します。
弊社はITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのアサイン管理を25年経験してきて効率化し、アサイン管理ツールを開発・運用し脱属人化をしました経験をもとに、DXサービス事業推進部 佐々木舞美が解説いたします!
業務効率化と品質の安定化を実現し、加速する人材の流動化に対応してください。
属人化とは?

属人化とは、社員が担当している業務が当人しかわからない状態になっていることです。
属人化は「業務のブラックボックス化」とも言われ、業務の内容や進め方が不透明です。
担当者が欠勤や異動、退職をすると、業務が回らなくなるというリスクがあります。
仮に新しい後任者が決まっても、業務の進め方やノウハウがないのでうまく対応できないことも多いでしょう。
なんとか対応できても業務効率が悪く、品質低下につながるため早急な対策が必要となります。
近年はテレワークが普及したこともあり、仕事の進捗具合や属人化の状態に気付きにくくなりました。
特にIT業界はテレワークを実施しているところが多く、属人化は大きな問題となっています。
IT業界で属人化が起こりやすい原因

IT業界は特に属人化が起こりやすいと言われています。
ここでは、IT業界で属人化が起こりやすい4つの原因について解説します。
人手不足で人材育成ができていないから
属人化が起こるもっとも大きな原因の一つが人手不足です。
IT業界は深刻な人手不足に直面しており、人材育成が間に合っていません。
属人化が慢性化して業務過多の社員が多く、後任者の育成をする時間を取れないのが現状です。
人材の流動性が高まっていて「人材育成してもすぐに退職してしまう」という事例も多くみられます。
業務の専門性が高いから
高い専門知識や技術が求められるIT業務では、属人化が加速して解消されにくい状態となっています。
高いスキルを求められると理解するまでのハードルが上がり、スキルの習得に時間がかかります。
また、属人化でも業務が進められる状況にあるため、改善が後回しになってしまうケースも多いです。
テレワークの普及で現状把握が難しいから
社外で仕事をするテレワークは、業務内容の把握が難しく属人化にも気づきにくいです。
コロナ禍の影響によって、ITを取り巻くビジネス環境は大きく変化しました。
テレワークはコミュニケーションが取りにくかったりナレッジ共有が減ったりと、属人化を加速する原因になっています。
あえて属人化を起こしているから
IT業界で属人化が起こりやすい原因の中には、あえて属人化して自分の立場を守ろうとする事例もあります。
実際に「私がいないと仕事が回らない」「仕事で頼られている」と、感じる人は多いもの。
高い専門性が求められるIT業務となれば、担当者になるためのハードルは大きく上がってしまいます。
自分の代わりがいないという状況を利用してポジションをキープすることが、属人化につながるのです。
IT業界におけるデメリットとは

属人化がIT業界にもたらすデメリットについて、4つに厳選してお伝えします。
組織の業務効率と業務品質が低下する
属人化は組織の業務効率と業務品質を著しく低下します。
個人で対応できる業務量には限界があり、業務量が増加すれば停滞や遅延など業務効率の悪さにつながるでしょう。
また、1人で仕事を抱え込むとアドバイスをくれる相手がいなくなり、品質の低下が懸念されます。
業務効率と業務品質の低下は、組織の存亡に関わる無視できない問題と言えます。
ミスが起きても気づきにくい
担当者しか業務内容を把握していなければ、上司や同僚はミスに気付きにくいです。
さらに業務の進捗状況や品質に関しても、理解できていないケースが多くなります。
誰もミスに気づかなければ後々大きな問題となって帰ってくる、というリスクにつながります。
適切な人事評価ができなくなる
属人化は、正当な人事評価につながらないことがあります。
なぜなら、成果物の品質や納期がどれほどの基準に達しているかわかりにくいからです。
他の社員の成果物と比較することもできないため、相対評価も難しいでしょう。
担当者のワークライフバランスが乱れる恐れがある
働き方改革に伴い注目されている「ワークライフバランス」。
人手不足や業務過多によって属人化が起きると、長時間労働を強いられる可能性が高まります。
仕事の押し付けはモチベーションの低下につながり、品質に悪影響を及ぼすリスクがあります。
IT業界で属人化を解消すべき業務と解消方法

IT業界で、属人化を特に解消した方がいい業務についてまとめました。
- アサイン業務
- 要員の管理
- トラブル・セキュリティ関連
アサイン業務はプロジェクトを遂行する為の計画、売上予測、要員の配置などを管理する業務であり、誰でも同じやり方が求められます。
やり方が統一されていないと、他の社員が困惑する事態を招きかねません。
要員管理の場合は適切なスキル管理がされていないと、プロジェクトが稼働したあとにスキルのミスマッチでの混乱やクレーム・トラブルにつながる可能性が高いです。
トラブルやセキュリティ事故が起こった場合、初期対応次第でその後の被害の大きさが変化します。
このような業務はマニュアル作成で属人化を解消できるため、早急な対策を心がけてください。
IT業界における属人化の解消方法(業務標準化)
業務標準化を作る
業務標準化とは、誰でも一定の品質を保ちながら業務を遂行できる状態にすること。
そのためには属人化の原因や課題を洗い出し、仕事のやり方に関するマニュアルを作成する必要があります。
マニュアルを参考にしながら業務を進めることで、誰が担当しても同じような結果が出せるのです。
現在多くのIT企業が「脱・属人化」を目指しており、ITやデジタル技術を活用した業務の標準化を推進しています。
業務の標準化ができれば今後さらに加速すると予想される、IT業界の人材の流動化に対応できるはずです。
属人化を解消するITシステムを導入する
属人化の解消にもっともおすすめの方法が、ITシステムの導入です。
業務標準化を目的としたITシステムは、アサイン状況の管理やエンジニアのスキルを管理したりナレッジを共有したりすることに長けています。
システム運用後は継続的に業務フローやマニュアルを見直し、さらなる業務効率化を目指してください。
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
業務を標準化するおすすめツール3選!【システム開発企業・Sler向け】

属人化を解消するおすすめITツール3選を紹介します。
無料トライアルを利用したり資料をダウンロードしたりして、自社にあったツールを選んでください。
Jira|アトラシアン
タスク管理や進捗管理、スケジュール管理とプロジェクト全般をカバーできるITツールです。
多機能で柔軟性があり、プロジェクトの内容やニーズにあわせて好きなようにカスタマイズできます。
料金プラン | |
Free | 0円/月・人 |
Standard | 920円/月・人 |
Premium | 1,810円/月・人 |
タイムクレイ|株式会社テンダ
タイムクレイは経営者やマネジメント層の「知りたい」を「見える化」し、プロジェクトを効率よく回せるITツールです。
作業者の予定作業や工数を瞬時に把握できるので、トラブル発生時のリカバリーをすぐに設定できます。
料金プラン | |
トライアル | 1ヶ月間無料 |
クラウド | 10ユーザー29,800円(1ユーザーごとに2,980円) |
シングルテナント | 要問い合わせ |
スキル管理アサイン管理支援ツールfapi|株式会社エフ・ディー・シー
スキル管理やアサイン管理、プロジェクト管理の工数を削減し、脱属人化を実現するITツールです。
管理項目のカスタマイズ性が高く、横断検索によって提案スピードと精度を大きく向上させるところがポイントです。
料金プラン | |
ミニマム | 300円/月・人 |
スタンダード | 400円/月・人 |
プレミアム | 800円/月・人 |
お試しプラン | 1ヶ月間無料 |
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
まとめ
この記事ではIT業界で属人化が起こりやすい原因やデメリット、解消方法について解説しました。
属人化を解消する、おすすめ業務標準化ツール3選は以下の通りです。
- Jira|アトラシアン
- タイムクレイ|株式会社テンダ
- スキル管理アサイン管理支援ツールfapi|株式会社エフ・ディー・シー
ツールの活用は業務効率化と品質の安定化を実現し、社員や企業を守ることにつながります。
システム開発企業・Slerの方は、この記事を参考にして加速する人材の流動化に対応してください。