建設物価とは、積算業務に欠かせない物価本のことです。
この記事ではWeb版も含めた建設物価の概要とメリット、特徴や機能について詳しくお伝えします。
建設物価は2024年4月から価格改定が行われるため、新しい価格を踏まえて記載しています。
Web建設物価を導入して積算業務を効率化したい方、工務店DXを推進したい方はぜひ参考にしてみてください。
建設物価とは?

建設物価とは「建設物価調査会」が毎月発刊している物価本で、積算業務に活用されます。
全国をエリアごとに分類して、建設工事に関する資機材の価格や労務費などが主な掲載内容です。
他にも建設業界の注目記事やデジタル関連のコラム、建設資材関連の統計資料を収録しています。
なお、Web版の建設物価も存在し、書籍より気軽に閲覧できるところがメリットです。
建設物価調査会とは?
建設物価調査会とは建設工事の資機材単価や労務費単価などを調査する、一般財団法人です。
調査結果は「月刊 建設物価」として毎月刊行され、多くの工事で活用されています。
建設物価の建築費指数
建築費指数は、建築資材の価格の動きを指数で表したものです。
建設工事の直接資材を対象としており、機械のリース費用や修理費用などは含まれていません。
建設物価調査会は建設資材物価指数の概要について、次のように公表しています。
建設資材物価指数について |
1.建設資材物価指数の性格 |
この建設資材物価指数は、建設工事で使用される資材の総合的な価格動向を明らかにすることを目的に作成 されているものである。 資材の範囲は、建設工事に使用される直接資材に限定し、サービス(機械賃貸、機械修理、土木建築サービ ス等)等の料金は除いている。 本指数はこのような性格から、建設工事に使用される直接資材の物価変動の観察や分析、また、建設工事に おける直接使用資材のコスト変動の分析などに利用することができる。 |
市場単価方式
市場単価方式とは資機材費や労務費といった内訳を作らず、実際に取引されている価格をベースに積算する方法です。
国土交通省は公共建築工事の積算基準において、市場単価がある場合はその数値を用いるようにと規定しています。
従来の積算では工事ごとに資機材費や労務費を割り出して、一つひとつ積み上げていくのが一般的でした。
しかし、建築業界は働き手の高齢化や工事の多様化が広がっている以上、適切な積算方法を選択することが重要になります。
物価本の市場単価を用いることで、最新の情勢や実際に取引されている価格を反映した見積もりが作成できるでしょう。
積算で使用できる物価本

建設物価
建設物価は、建設物価調査会が一ヵ月に一度発刊する物価本です。
建設工事に関する資機材の価格や労務費などが掲載され、公共工事の積算業務にも活用されます。
また建設物価以外にも「建築コスト情報」や「土木コスト情報」、「物価資料」も存在します。
【月刊 建設物価】 | |
価格 | 4,180円(1冊)、40,920円(年間定期購読) |
申込先 | 建設物価 BookStore |
※2024年4月号から上記の価格に改定されます。 |
積算資料
積算資料は経済調査会が発刊する物価本のことです。
建設に関わる資材価格や労務単価などの価格を数量・流通・都市別に掲載されています。
積算資料のデータは、価格調査基準や工事費調査基準にもとづいています。
建設物価とは調査方法や調査対象が違うことから、公共工事では「建設物価」と「積算資料」の掲載価格の平均値を採用するのが一般的です。
【月刊 積算資料】 | |
書籍の価格(税込) | 4,180円(1冊)、40,920円(年間定期購読) |
書籍の申込先 | BookけんせつPlaza |
電子本の価格(税込) | 50,160円(12ヵ月契約) |
Web版の申込先 | BookけんせつPlaza |
Web建設物価

Web建設物価の特徴・機能
Web建設物価はその名の通り、建設物価のWeb版です。
以下に、Web建設物価の特徴を一覧にまとめました。
- 約54万単価と充実した情報
- 利用場所を選ばずテレワークに最適
- 最大3人まで同時に利用できる(標準版のみ)
- 2002年4月以降のバックナンバーを閲覧できる
- Web限定の追加情報を閲覧できる
書籍の建設物価には、約31万単価が掲載されています。
ところが、Web建設物価には約23万単価が追加されており、より多くのデータを参照可能です。
また、標準版は最大3人まで同時に利用できるので、本の順番待ちをしたり連絡をとりあったりしなくて済む点も優れています。
Web建設物価の主な機能は、以下の通りです。
- 価格情報の検索機能
- 単価を保存・リスト化できるお気に入り機能
価格情報は分類名や品名、メーカー名によるキーワード検索に加えて、「生コン」「コンパネ」といった略称検索にも対応していて非常に便利です。
お気に入りに保存した情報は、ダウンロードや印刷できることから情報収集の手間が軽減されます。
Web建設物価の無料体験の詳細
Web建設物価の無料体験では、すべての機能を7日間無料で利用できます。
申込者しか利用できなかったり閲覧できる価格情報が過去号のものだったりしますが、それほど大きな問題にはならないでしょう。
体験版の使い方や機能を詳しく知りたい方は、オンライン無料説明会に申込むのも一つの手です。
Web建設物価の料金プラン・価格リスト
Web建設物価は4種類のプランが用意されているので、価格は表を参考にしてください。
Web建設物価 標準版 | 年間利用料:52,800円(税込) |
産廃経済比較機能(標準版オプション機能) | 年間利用料:5,940円(税込)※標準版の契約が必要 |
Web建設物価 簡易版 | 年間利用料:38,940円(税込) |
Web建設物価 単月版 | 1ヵ月間利用料:5,500円(税込) |
積算で建設物価を利用するメリット

積算で建設物価を導入するメリットは以下の3つです。
現在の社会情勢を反映しやすくなる |
積算業務の効率化につながる |
積算価格の透明性を高めることができる |
建設物価では資機材費や労務費が毎月公表されており、社会情勢を反映した数値を確認できます。
建設物価の単価を積算業務に活用すれば、計算する手間が省け計算ミス・ケアレスミスの防止に役立つでしょう。
なお、建設物価を刊行する建設物価調査会は、国土交通省が所管する公益法人です。
公正な立場で調査および公表した市場価格は、工事業者間での取引において積算価格の透明性を高めることができるのです。
Web建設物価やコミュニケーションアプリ(plantable)で工務店DXを推進

工務店DXの推進には「Web建設物価」と「plantable」を組み合わせるのがおすすめです。
「plantable」は、工務店と施主との間で新しいコミュニケーションの場を提供するメッセンジャーアプリです。
家づくりで必ず発生する「言った言わない問題」の解決を目的としており、顧客満足度の向上を強力にサポートします。
設計担当者と施主同士で図面にコメントを残したり写真を追加したりできるので、打ち合わせがスムーズになり打ち合わせ回数の削減にもなります。
ご存知の通り、建築業界は深刻な人手不足に直面しており、1日でも早いDX化が欠かせません。
「Web建設物価」や「plantable」の導入は、業務効率化や失注率の減少に大きな効果を期待できるでしょう。
工務店向けコミュニケーションツールつながる家づくり‐plantable‐の詳細はこちら
まとめ
今回は積算業務に欠かせない、建設物価(Web建設物価)についてお伝えしました。
積算業務に建設物価を導入すれば業務を効率化できるだけでなく、より精度の高い見積もりを作成できます。
Web建設物価は書籍の2倍近い約54万単価を網羅し、キーワード検索やお気に入り登録など便利な機能を搭載しています。
7日間の無料体験もWeb建設物価ならではの特徴ですので、積算業務を効率化したい方や工務店DXを推進したい方はぜひ自身の目で確認してみてください。