プロジェクトが成功するか失敗するかは、要員計画にかかっています。
必要なスキルや人数を明確にして、アサイン計画の正確性を担保する必要があるのです。
この記事では要員計画の概要と重要性、要員計画の立て方を解説します。
これから要員計画を立てる方を支援する、おススメの管理ツールも紹介します。
要員計画とは?

要員計画の定義は、事業計画の達成に必要な人員数や人件費、人員配置などの予測・計画を立てることです。
目標を達成するために、経営リソースの人的リソースのマネジメントを行います。
要員計画にはプロジェクトに必要な「人員」「スキル」「時間」の把握が必要です。
また「他の部署や社外から人員を調達するか」「人材育成は行うのか」など、多角的な視点による人事戦略も盛り込みます。

要員計画と人員計画の違い
企業やチームによって要員計画と人員計画は一緒くたにされますが、厳密には意味が異なります。
策定する目的と考え方の違い | |
要員計画 | プロジェクトに人材が何人必要かという「量」の把握。社外の人間も考慮する |
人員計画 | プロジェクトにどのような人材が必要かという「質」の把握。社内の人間を考慮する |
このように、要員計画と人員計画は目的も範囲も違うことがわかります。
要員計画はなぜ重要か?

要員計画がプロジェクト進行に欠かせない理由は,、大きく5つあります。
- 適材適所の人員配置を実施できるため
- 中長期的な人材育成につながるため
- コストバランスを最適化できるため
- 生産性が向上するため
- 離職防止につながるため
プロジェクトの成功とは、納期内に成果物を納品し利益を残すことです。
人員が少なければプロジェクトの達成は難しいですし、多すぎると人件費や労務費がかさんで利益は低下してしまいます。
コストバランスを考慮しながら適材適所の人員配置を実施することで、生産性の向上や人材のミスマッチによる離職防止に期待できるのです。
要員計画を立てる手順は?

要員計画を立てるプロセスを3ステップで解説します。
- 現状把握
- 要員調達
- 要員計画
現状把握
最初のステップでは従業員の現状を把握するために、従業員のスキルマップを作成します。
スキルマップには以下の項目を設定しましょう。
- 氏名
- スキル
- 業務経験
- 部署
- 役職
- 給与
要員調達
部署ごとの在籍人数を把握したら、トップダウン方式とボトムアップ方式を使って、従業員の過不足を調査します。
トップダウン方式 | 経営戦略や利益計画をもとに、適正な人員数を導き出す計算方式 |
ボトムアップ方式 | 各部署の業務量から人員数を求める計算方式 |
ボトムアップ方式から検討すると必要な人員数が膨らみやすいので、トップダウン方式から始めることをおすすめします。
算出した要員数を比較して、数値が適切かどうかを確認しながらギャップを埋めていってください。
「従業員のスキルアップを図るのか」「中途採用も行うのか」など、詳細に検討を重ねましょう。
要員計画
調査した要員数を踏まえて、要員計画書を作成します。
要員計画書はテンプレートやフォーマットを活用することで、作成の時間や手間を軽減できます。
要員計画書が完成したら、経営者や各部署の責任者から確認してもらってください。
承認を得たら実行に移し、効果の測定や定期的な見直しを行います。
プロジェクトにおける要員計画とは?

プロジェクト計画における要員計画では、体制図を作成します。
体制図の目的は、プロジェクトに参画するすべてのメンバーの責任と作業分担を明確にすることです。
その際、自社だけではなく委託先など外部メンバーも記載するのがポイントです。
プロジェクト計画時点では開発規模が不明瞭であり、全工程における必要人数の把握は難しいでしょう。
したがって、クライアントから提供される提案依頼書をもとに、プロジェクト概要をまとめて概算で見積もりを行います。
その後算出した工程別の工数から、必要と予測される要員を計画します。
プロジェクトに必要な要素は?

プロジェクトに必要な要素を、以下にまとめました。
- 目的
- ゴール
- 成果物
- スケジュール管理
- リソース
- 品質管理
- リスク管理
- ルール
これらの要素はプロジェクト計画書に記載した後、チーム全体で共有します。
プロジェクトに関連するすべてのメンバーが理解することで、その後の作業がスムーズになるでしょう。
ちなみに、プロジェクトマネジメントのノウハウや手法をまとめた「PMBOK」では、6つの管理項目が定義されています。
- 要員管理
- コミュニケーション管理
- リスク管理
- スコープ管理
- 調達管理
- ステークホルダー管理
プロジェクト計画書は誰が作成するのですか?

プロジェクト計画書は、プロジェクトマネージャーが作成することがほとんどです。
プロジェクトの規模によって内容や量は異なりますが、大規模になるとドキュメントが100ページ分になることもあります。
作業を進めていると、思いがけないトラブルに見舞われてタスクの変更が余儀なくされることがあります。
そのため、プロジェクトマネージャーは1つのプロジェクトの間に何度か修正を加えることになるでしょう。
なお、組織やチームによってはプロジェクト計画書ではなく「プロジェクト企画書」「プロジェクトマネジメントブック(PMB)」と呼ばれます。
プロジェクト計画書はいつ作ればいいですか?

プロジェクト計画書の作成タイミングは、プロジェクト立ち上げ前の会議になります。
なぜならプロジェクト計画書は社内でプロジェクトの承認を得るための、説明資料になるからです。
プロジェクト計画書なくして、プロジェクトの成功はありません。
最初から完璧なものは作れませんが、仮の見積もりも含めて早めに取り掛かることが重要です。
要員管理はExcel管理よりもクラウド管理がおススメ

要員管理を効率化するツール・システムは、Excelとクラウドツールが代表的です。
結論から伝えると、要員管理はクラウドツールがおススメです。
ネット環境が必須なものの情報の把握や共有がしやすく、簡単に導入ができます。
タスクや要員数が増加しても、データ管理が頻雑にならずスムーズに業務を続けられるでしょう。
また、要員検索やスキルマップの自動作成など、業務効率化を図れる点もメリットです。
Excel管理はファイル共有の難しさやデータの不確実性、チーム・タスク数の増加で管理が属人化しやすいといった課題が残ります。
プロジェクトマネジメントに人的リソースが欠かせない以上、クラウド管理でリアルタイムの動きを追うことが望ましいです。
要員管理ツールの紹介(スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi)

要員計画におススメしたいのが、スキル管理・アサイン管理支援ツール「fapi」です。
クラウド型のメリットを活かし、スキル情報の正確性と効果的な人材調達で、迅速かつ的確な要員計画を実現します。
スキルの細かい絞り込みと部署の横断検索に加え、管理項目の自由度の高さは「fapi」独自の強みです。
管理項目はExcelから同様の項目を反映できるため、スムーズな移行が可能です。
アサイン状況のリアルタイムな可視化、業務工数をカットすることで可能となるスピーディーな要員提案もご注目ください。
まとめ
本記事では要員計画の概要から重要性、要員計画の立て方までを解説しました。
プロジェクトの全行程とスキルを明確にすることで、チームメンバーに求められるスキルやコストが見えてきます。
限りあるリソースを最大限に活かすために、ツール・システムも視野に入れて要員計画を立案してみてください。