KDIを適切に設定すれば、一人ひとりのやることが明確になり、最終的な目標を達成しやすくなります。
今回はKDIの概要から具体例、KGI・KPIとの違いに設定の手順までを解説します。
注意点もまとめているので、目標達成に向けて戦略的にアプローチを行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
KDIとは?【工務店のマーケティング担当者向け】
KDIとは「Key Do Indicator」の略で、日本語では「重要行動指標」という意味です。
簡単にいうと目標達成に向けた、具体的な行動を数値化した指標になります。
KDIは現場の行動レベルの指標なので、日次や週次で管理するのが一般的です。
また、自分でコントロールしやすいという特徴があります。
詳しくは後述しますが、KDIはKGI(最終目標)・KPI(中間目標)と密接につながっています。
そのためKDIの設定を誤ると、KGI・KPIの達成も困難です。
KDIを達成したにもかかわらずKGI・KPIが未達成だった場合は、KDIを見直す必要があります。
なお、KDIは主要診断指標を意味する「Key Diagnostic Indicator」の略称で使われることもあるので、留意しておきましょう。
KDI設定の具体例
ここでは設定したKPIに対する、KDIの具体例を紹介します。
KPI(中間目標) | KDI(具体的な指標) |
WebサイトのPV数増加 | 毎週ブログ記事を2件投稿する。記事のリライトを1週間に1回行う |
見積もりを月20件獲得 | 月80件商談する |
新規顧客数10%アップ | 新たな年齢層に向けたSNSの発信を週3件増やす |
このようにKDIで具体的に定量化することで、従業員一人ひとりが取るべき行動を明らかにします。
KGIやKPIとの違いとは【工務店のマーケティング担当者向け】

KDIと混同しやすいのが、KGIとKPIです。
ここではKGI・KPIとの違いを見ていきましょう。
KGI
KGIとは「Key Goal Indicator」の略語で、日本語で「重要目標達成指標」という意味です。
一言で表すとプロジェクトの「最終的なゴール目標」であり、売上高や利益率などを指します。
KGIを設定する際は、達成可能な数値にするようにしましょう。
「去年より利益をあげる」よりも「去年より利益を5%改善する」と設定した方が、目標達成までのプロセスがわかりやすいからです。
KPI
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」を指します。
簡単にいうとKPIとは「中間目標」であり、サイト訪問者数や成約件数、顧客満足度などです。
KPIはKGIと同様に、自分で結果をコントロールするのが難しいという特徴があります。
例えばKGIが「去年より利益を5%改善する」だった場合、KPIは「50万円の案件を20件獲得する」などと設定します。
KDI・KGI・KPIを設定する重要性【工務店のマーケティング担当者向け】
プロジェクトを推進するうえで、KDI・KGI・KPIを設定することは重要です。
重要な理由をまとめると、次のようになります。
- 定量的な目標設定が可能になる
- 正当な評価につながる
- 改善点を見つけやすい
指標を定量化することで目的達成までの道標になり、一人ひとりのやるべきことが明確になるのです。
KDI・KGI・KPIを連携させて、目標達成への道標にしてみてください。
KDIを活用した目標の設定方法とは【工務店のマーケティング担当者向け】

KDIを活用して、目標設定をする流れを見ていきましょう。
- 目的を明確にする
- KGIを決める
- KGIを達成するためのKPIを設定する
- KPIを達成するためのKDIを設定する
1.目的を明確にする
まずは、最終的に到達したい目的を明確にします。
この段階では数値化する必要はありません。
目的はプロジェクトの期限内で実現できるか、という視点で考えるのがポイントです。
2.KGIを設定する
次に、抽象的だった目的をKGI(重要目標達成指標)を使って数値化しましょう。
例えば「既存顧客へのアンケートで顧客満足度90%を獲得」といった具合です。
「いつまでに」「どれほどの数値を達成するか」を明確にすると、その後のKPIやKDIで定める指標が現実的なものになります。
3.KGIを達成するためのKPIを設定する
KGIを設定したら、分解・逆算したうえでKPI(中間目標)を設定します。
KGIを達成するための各プロセスでの目標なので、具体的に数値で表すのがポイントです。
例えば「メール開封率を30%に向上する」などと定めていきます。
KPIを細分化しすぎると指標に振り回されることになり、KGIを見失う可能性があるので注意が必要です。
4.KPIを達成するためのKDIを設定する
KPIを設定したらKDI(アクションの実施度合)を設定します。
KPIをもとに行動回数の記録数値を取るので、KDIの項目数は多くなりやすいです。
効果が高いと思われる行動から優先順位をつければ、効率的に目標へと近づけます。
最後に、3つの指標がつながっているかを確認しましょう。
この順序を守らないと、やることがバラバラになってしまうので慎重に考慮します。
KDIを分析する手順【工務店のマーケティング担当者向け】
KDIを分析して改善を繰り返せば、KGI・KPIの迅速な達成につながります。
KDIを分析する手順は次のとおりです。
- 現状を把握する
- 未達要因を分析する
- 改善案を検討・実行する
- KDI達成まで繰り返す
まずはKDIを定期的に計測して、現時点での達成度合を可視化します。
例えばWebサイトのPV数増加というKPIに対して、KDIは「毎週ブログ記事を5件投稿する」と設定したとしましょう。
1週間で4記事しか投稿していなければ未達であり、達成率は80%です。
未達要因があった場合は複数の視点から要因を追求し、課題をクリアにします。
具体的には「リソースが不足していた」「時間配分に問題があった」などを明らかにします。
上記の例の場合、作業の効率化やアウトソーシングの活用で、目標を達成できる可能性が高いです。
継続的に効果検証を行いながらPDCAを回して、KDI達成を目指します。
KDI設定時の注意点【工務店のマーケティング担当者向け】

SMARTの法則を使う
SMARTの法則を活用すると、プロジェクトを達成しやすくなる目標を立てられます。
SMARTの法則とは効果的な目標を設定するために、5つの基準を示したフレームワークのことです。
Specific | 具体的である |
Measurable | 測定可能である |
Achievable | 達成可能である |
Relevant | 目標と関連性がある |
Time-bound | 時間に制限がある |
設定後でも定期的に見直しや修正を行うことで、達成可能な優れた目標へと近づきます。
バニティメトリクスばかり設定しない
バニティメトリクスばかり設定しても、本当の成果にはつながりません。
バニティメトリクスとは虚栄心を満たす指標を表し、見栄えは良いものの実際の意思決定には役に立たない指標のことです。
KDIが適正でなければ、プロジェクトの達成および利益の確保は難しいです。
適切なKDIを設定してメンバー一人ひとりの成長を促し、プロジェクトを達成することを目指します。
まとめ
KDIとは、KPI達成のための行動計画を数値に置き換えたものです。
具体的に「数値」で表せるため、目標達成のために欠かせない指標になります。
定期的にKDIの見直しと改善を行ない、目標達成に向けた効果的な戦略を実現しましょう。
