工務店をはじめとする住宅業界は、お客様との認識の違いなどが原因でクレームが起こりやすい傾向にあります。
自らの言い分だけを通そうとするモンスタークレーマーも増えていますが、可能な限りお客様との衝突は避けたいところです。
この記事では住宅業界がクレーム産業と呼ばれる理由と、工務店のクレーム4選について解説します。
対策方法と具体的な対策手順もお伝えするので、クレームに追われる状況から解放されたい方は参考にしてみてください。
住宅業界がクレーム産業と呼ばれる理由とは?
住宅業界はクレーム産業と呼ばれるほど、お客様が不満を感じやすい業界です。
クレーム産業といわれる主な原因は、以下の通りです。
- 初心者のお客様に対して、工務店のペースで話を進めているため
- ご主人だけ、または奥様だけのときに話を進めて、意思疎通ができていないため
- お客様に言われるがままで、工務店側から提案をしていないため
- 工務店内部の連携が悪く、お客様に情報が伝わっていないため
- 誰も責任を取りたくない体質になっているため
当然ですが、工務店側とお客様側には専門知識に差があります。
例えば14畳のLDKにお客様の強い要望で、2畳の小上がり和室を作るとどうなるでしょうか。
専門知識のある工務店としては「圧迫感が出る」「狭くて使いにくい」といったことが、予想できるでしょう。
お客様としては夢の注文住宅を実現したい気持ちが大きく、どうしても多くを期待してしまいます。
クレームとは商品やサービスに対して、お客様の期待値が大きく下回ったときに発生するのです。
参考URL:https://www.kokusen.go.jp/adr/hunsou/data/adr_kekka_M.html
工務店のクレーム4選

コミュニケーション不足によるトラブル
つい忘れがちですが、工務店担当者とお客様とでは住宅関連・建築関連の知識量が異なります。
住宅業界では当たり前になっている事柄でも、お客様には浸透していないケースが多々あり、認識のギャップが生まれやすいです。
コミュニケーションが十分にとられていないと、たとえ工事内容に問題がなくても、ミスや欠陥と受け取られる可能性があります。
イメージの相違によるトラブル
イメージの相違によるトラブルも、工務店によくあるクレームの1つです。
特に色味の違いによるトラブルが多く「実際に住宅が完成したらイメージと違った」と、いうクレームがよく起こります。
住宅の打ち合わせではお客様から間取りやデザインの要望をヒアリングして、それをもとに設計書を作成します。
しかしながら外壁のサンプルやクロスのサンプルは小さ過ぎるため、お客様はイメージが掴みにくいでしょう。
サンプルを見る距離や角度でも印象は変わってくるため、見せ方を色々と変えてお客様がイメージしやすいような配慮が求められます。
金銭にまつわるトラブル
一般的にお客様が工務店で住宅を建築することは、初めての経験になるでしょう。
住宅や土地の相場、住宅ローンなど、お客様の知識不足から金銭トラブルにつながります。
例えば見積もりを予算オーバーしてプランを練り直したり、最悪の場合は工事が中断したりする恐れがあります。
また、家づくりでは住宅費用以外に地盤改良や解体工事、登記など思わぬ費用がかかるものです。
追加費用は金銭トラブルにつながりやすいので、費用変更などの連絡は多いくらいが丁度良いでしょう。
契約関係のトラブル
契約関係のトラブルは、いわゆる「言った言わない問題」です。
例えば「食洗機のタイプを変更したのに反映されていない」「追加料金を記載し忘れた」などが挙げられます。
契約関係のトラブルは顧客満足度の低下につながることから、工務店の評判を落としかねません。
言った言わない問題をいかに少なくするかによって、工務店経営の今後を大きく左右するのです。
工務店のクレーム対応手順

挨拶と謝罪
まずはお客様に挨拶をして、謝罪の言葉を伝えます。
この段階ではクレームの全容を把握できないため、クレームについて連絡をしていただいた手間に対する謝罪になります。
会話中は相槌を打つ、途中で話に割り込まないなど、相手の身になって考えることが重要です。
話を聴く
謝罪を済ませたら、お客様へクレームの内容をヒアリングします。
ここでのポイントは「何が起こったのか」「工務店にどうしてもらいたいのか」といった情報を、精査することです。
事実を調査する
クレームに至った理由やお客様の意見に相違がないかなどを確認するため、工務店内で事実関係を調査します。
場合によっては関連企業に責任が及ぶケースもあり、関係者からきちんと話を聞き出すことが重要です。
対応策を考える
事実関係を把握したら、対応策を検討しましょう。
クレームの原因となった問題の解決に発生するコストや手間も考慮して、お客様が納得できる対策を立てます。
改めて謝罪をしたうえで対応策を伝える
お客様に対して自社に非があった場合は、謝罪したうえで対応策を伝えます。
このとき専門用語を用いるのではなく、お客様が理解しやすい言葉に言い換えて説明するのがポイントです。
なお、お客様に誠意を見せた対応をとるときは、良識の範囲内に抑えることが重要です。
度を超えた内容の誠意を見せると噂が広まってしまい、他の顧客からクレームをつけられる恐れがあるため注意しましょう。
結びの言葉を伝える
最後に、今後につながる結びの言葉を伝えます。
例えば「再発防止に努めてまいります」「何かございましたらまたご連絡ください」といった言葉を述べます。
住宅業界でトラブルを減らすためにできることとは?

二次クレームを出さない
クレームに対する初期対応をしっかりと行い、二次クレームを出さないようにします。
お客様が最初の対応に満足していれば、二次クレームを起こすことはほとんどありません。
曖昧な言い方をしない、お客様の心情に寄り添った対応をするなど、お客様が納得のいく対応が求められます。
クレームの内容を社内で共有する
クレーム共有は再発防止や社員のケア、顧客満足度の向上の観点からも欠かせません。
クレームを担当者だけで解決して工務店内で情報共有をしないと、同じミスを繰り返す恐れがあるので注意しましょう。
マニュアルを整備する
クレームの対応策が固まったら、マニュアル化して再発防止につなげましょう。
マニュアルを整備するにあたり、日々顧客から寄せられるクレームをきちんとデータベースで管理することが重要です。
マニュアルでは、クレーム対応の手順を明確にしましょう。
クレームが起きた直後、調査する段階、対応策を考える段階と、フェーズごとに「どう対応するか」をまとめます。
なぜなら、誰が対応しても差が生まれにくくなるからです。
クレームの大半が施主とのコミュニケーション不足がトリガー

言った言わない問題に代表されるように、工務店に対するクレームの大半は施主とのコミュニケーション不足です。
つまりコミュニケーション不足を解消できれば打ち合わせはスムーズに進み、認識のズレをなくせます。
コミュニケーション不足の解消に役立つツールには、CRMやSFA、コミュニケーションツールが挙げられるでしょう。
これらのツールを導入すると、クレームの原因を全社的に共有できたり議事録で認識のズレをなくしたりできます。
アプリ活用で工務店のお客様トラブルをなくす!「つながる家づくり‐plantable‐」とは?

「plantable(プランテーブル)」は、お客様との新しいコミュニケーションの場を提供するメッセンジャーアプリです。
plantableを活用するメリットは大きく3つあります。
- 図面とコメントの連動・イメージ共有により、認識のズレをなくす
- 「連絡未返信」機能を搭載し、返信の遅延や対応遅れを防ぐ
- 必要書類や情報を一元管理して、業務工数の削減やスムーズな社内共有につなげる
例えば図面を見ながらコメントを登録することで「どの場所の話題か」が明確になり、工務店とお客様とで共通のイメージを持つことができます。
クレーム対策に本腰を入れたい工務店経営者の方は、まずはお気軽に資料から取り寄せてみてください。
まとめ:【クレーム産業?】工務店のクレーム4選|対策と解決方法を解説
この記事では、工務店のクレーム対策について解説しました。
クレーム対応では初期対応をしっかりと行い、二次クレームを防ぎ、内容を工務店内で共有することが重要です。
クレームの大半は、施主とのコミュニケーション不足がトリガーになります。
plantableのようなコミュニケーションアプリで「言った言わない問題」をなくし、お客様の夢のマイホームづくりに活用するのもおすすめです。