人員配置表は事業・プロジェクトの目標達成を果たし、コスト削減や利益確保のために欠かせない存在です。
人員配置表とは、従業員を適材適所に配置し作業の効率を上げることを目的とした表のこと。
この記事では、人員配置の目的や効果的な作成手順をステップごとにわかりやすく解説します。
エクセル作成での注意点や、人員配置表の専用ツール「人員配置表システム」でできることをお伝えします。
おすすめツール3選も紹介しますので、人材を最適化して利益率アップを図りたい方は参考にしてください。
ITエンジニアを150名以上抱え、日々SES営業を25年経験し生産性を向上してきたクラウドDXの専門企業であり、アサイン管理のシステムを開発・運用している経験やノウハウ・実績をもとに、株式会社エフ・ディー・シー DXサービス事業推進部 佐々木がこの機会に解説します。
人員配置とは?

人員配置とは従業員の能力や特性を考慮して、生産性の高い組織を実現するために行う人事マネジメントのことです。
組織にとって従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮できる「適材適所の人員配置」は欠かせません。
なぜなら人員配置によって、事業やプロジェクトの目標達成が決まるといっても過言ではないからです。
次項から、人員配置を最適化する目的をわかりやすく解説します。
人員配置の目的とは?

事業計画・プロジェクト計画の最適化
適切な人員配置は事業計画やプロジェクト計画をスムーズに進めます。
従業員一人ひとりがスキルや業務経験を活かし、モチベーションを保つことで最大限のパフォーマンスを発揮できるのです。
人材マネジメントの強化
従業員の個性を活かした人員配置は、人材マネジメントの強化にもつながります。
近年、従業員の働く意識は変化を続け、気軽に転職したり昇進を望まなかったりする人が増えました。
適切な人員配置は従業員に能力向上や成長機会を提供し、モチベーションアップの効果が期待できます。
離職防止
人員配置の見直しは、貴重な人材の離職防止にも効果があります。
人口減少や少子化が騒がれる昨今、各企業が持つ人的資本は限られています。
フリーランスやユーチューバーといった新たな働き方が増えるように、人材の流出は止まりません。
人員配置表は会社の都合だけではなく、従業員の希望も取り入れて長く働ける環境を作る必要があります。
人員配置表とは?

人員配置表とは、従業員を適材適所に配置し作業の効率を上げることを目的とした表のことです。
企業の目標達成のため戦略的に人員数や人員構成、所属部署などを管理し、実行・改善を行います。
一般的に、人員配置表は「Excel」と「人員配置表システム」で作成する方法があります。
人員配置 決め方
ここでは、人員配置表を作成する手順を5段階に分けて解説します。
現状の人員配置を可視化
適切な人員配置表を作成するために、まずは現状の人員配置を可視化する必要があります。
実際に、人員数や人員基準、業務内容を把握せずに人員配置表を作るのは不可能と言えます。
人員配置の可視化は各現場の人員不足や人員過剰がわかるだけでなく、ダブルカウント防止といった効果も生み出すでしょう。
事業・プロジェクト計画を達成するための要件定義
現状の人員配置を把握したら要件定義を行います。
要件定義とは、目的達成のために分析や検討を行い「やるべきこと」や「やるべき人」を明確にする作業です。
事業・プロジェクト計画は要件定義を基に進められるので、抜け漏れのない正しい要件定義が求められます。
実行する為の人員配置の検討
要件定義を基に、事業計画やプロジェクト計画にマッチする人員配置表を検討します。
従業員のスキルや経験、業務の負荷などを考慮し、バランスの取れた人員配置が大切です。
また、計画にあった人員をある程度リストアップしてから人員配置を行うと、大きなトラブルを防げます。
人員配置計画の実行
人員配置計画を実行する前に、現場や業務に影響が出る場合は関係者と連絡を取り調整してください。
計画実行中に、達成目標の変更や人員配置がうまく回らないことも想定されます。
その場合は要件の再定義や人員配置から検討をし直してください。
効果検証
人員配置計画を実行したあとは効果検証も欠かせません。
検証する際は、以下の項目に注目してみてください。
- 従業員数と業務量のバランス
- 作業効率と成果物の品質
- 異動した従業員の仕事満足度
短期的ではなく中長期的の視点で見極めて、人員配置の改善や最適化につなげていきましょう。
人員配置を最適化する為の必須管理項目と方法

人員配置表を最適化するために必要な管理項目や方法を4つお伝えします。
「人員配置がうまくいかない」という人は参考にして改善に活かしてください。
人員の稼働状況の管理
人員配置を最適化するため、従業員の稼働時間と仕事の進捗率を把握します。
現場担当者とのコミュニケーションも疎かにせず、従業員の過不足などについて情報を管理しましょう。
スキル・資格・業務経験の管理
従業員のスキルや資格、業務経験を把握すれば、最適な人員配置ができる確率を高められます。
ただし、データベースのフォーマットは現場ごとに異なることがあり、情報管理が複雑になる可能性があります。
従業員数が多ければ多いほどヒューマンエラーが起こり管理も大変です。
全社で管理を統一したい場合は専用ツールの「人員配置表システム」を検討してみてください。
人員配置前の面談
情報管理が終わったら、人員配置前に従業員と面談を行います。
希望やキャリアプランをヒアリングして、モチベーションや志向に基づいた配置を検討していきます。
本音で話せる雰囲気を作って意見を取り入れることも、人員配置を成功に導く大切なポイントです。
人員配置の シミュレーション
従業員の意向を基に、人員配置を何パターンか想定しシミュレーションを行います。
人員配置の違いによって生産性の違いや利益率の変化、人間関係などさまざまな視点から最適解を探ります。
人員配置の失敗は従業員のモチベーション低下や離職の恐れがあるので、納得が行くまで検証を重ねましょう。
人員配置表をエクセルで管理する方法

多くの会社や工場で使われる、Excelを使った人員配置表の作り方を簡単に解説します。
- Excelを起動して人員配置表のヘッダーを作成する
- 従業員の仕事内容や習熟度、在籍期間といった情報を入力する
- 人員配置情報を入力する
- 必要に応じてグラフや集計機能を活用する
- 実行・検証・改善を行う
Excelには「組織図ウィザード」というテンプレートが存在します。
テンプレートを使用すれば、より手軽に人員配置表の作成が可能です。
【無料エクセルテンプレート】人員管理表
インターネット上には、Excel向けの人員配置表テンプレートがあります。
ここでは、無料で使用できる2種類の人員配置表テンプレートを紹介します。
人員配置表テンプレートの種類 | ダウンロードURL |
A4縦用紙 17部署 | https://template-matsuri.com/template/jininhaichi.html |
A4横用紙 13部署 現状の人員数を追加 | https://template-matsuri.com/template/jininhaichi.html |
テンプレートはゼロから作成する手間を省いて、的確な人員配置が実現できます。
目的にあわせてカスタマイズもできますので、ダウンロードして活用してみてください。
人員配置表をエクセルで行う注意点

人員配置表をExcelで管理する場合の注意点は3つあります。
- 部署ごとにフォーマットが異なると集計が大変
- 複雑なマクロ処理は属人化の原因になる
- セキュリティ面に不安がある
部署によって管理方法やフォーマットが異なると、集計・管理作業は困難を極めます。
複雑なマクロは担当者しか対応できないケースも多く、引き継ぎや人材育成の時間が必要になるでしょう。
また、人員配置表は個人情報の集合体ですが、関係者以外が閲覧したり編集されたりする恐れがあります。
人員配置表をExcelで管理する場合は、これらの課題と向き合わなければなりません。
人員配置表をシステムで管理する方法

人員配置計画表の作成は、専用開発された「人員配置表システム」がおすすめです。
人員配置表システムとは個人情報やスキル、稼働状況などさまざまな情報を一元で管理できるツールのこと。
最新情報を基にプロジェクトの進行に必要なスキルセットの洗い出し、人員募集、人員構成が容易になります。
ツール導入後は「各種データ登録」や「権限設定」から始めてください。
人員配置表システムでできることは次の項目から具体的に解説します。
人員配置システムで出来る事

企業・組織・部署・部門ごとの全体像の可視化
企業・組織・部署・部門ごとの全体像を可視化し、適切なバランス調整ができます。
人員配置表システムによっては、他社の管理も可能でより効率的に業務の円滑化を図れるでしょう。
事業・プロジェクトへの適切な配置(アサイン)
各人材のスキルや業務経歴、稼働状況などを考慮して、事業・プロジェクトへ適切な配置を行います。
また業務進行中に人員配置表に変更があっても、すぐにシミュレーションを行って適切な再配置が可能です。
ムダな人材配置をなくし適材適所のアサインで利益を最大化できる
人員配置表システムの導入で最適なアサインを行えば、人件費を削減と生産性の向上で利益を最大化できます。
ムダのない最適な人材選定は、業務の目的達成だけでなく利益最大化に関わる重要課題です。
Excelによる人員配置表は抜けや漏れが多く、現状把握や改修ができないことが多いです。
従業員の仕事満足度を高めて利益を最大化したい企業は、人員配置表システムの導入を検討してみてください。
リスクマネジメント
人員配置表システムによる適切な人員配置は、リスクマネジメントの効果も期待できます。
従業員の意見を汲み取った人員配置表は、従業員のエンゲージメントの高さやモチベーション維持に直結します。
人口減少で優秀な人材確保が難しい中、離職率の低下は企業に大きな意味をもたらすはずです。
脱エクセル管理による属人化の回避
Excelによる人員配置表は、複雑なマクロ化などで作成者しか使えないケースも多いです。
万が一、作成者が異動や離職してしまうと、計画の進行に大きな支障をきたします。
人員配置表システムは情報の一元化や自動化が可能なので、パソコン操作が苦手な人でも対応しやすいです。
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
人員配置を行う際のおすすめツール3選

業務改善・業務効率向上におすすめの人員配置表管理ツール3選をお伝えします。
適正人員配置システム 株式会社フロントソフト
スーパーマーケット向けの人員配置表システムで、年間5千万円の人件費削減の実績を誇ります。
「来店見込み客数」の自動生成や「時間帯別構成比率」を自動計算して、事務作業の効率化に貢献します。
月間スケジュール表の作成・管理が行える「勤怠管理システム」との併用もおすすめです。
特徴 | ・最適なシフト管理と作業割当で作業効率アップ ・前年度の売上実績データを取り込める |
料金 | 要問合せ |
Hichis 東海業務ソフト株式会社
「Hichis」は複数人で同時編集が可能できる、建築業向けの人員配置表システムです。
人員、車両、設備、工程管理がすべて連携しており、協力会社との共有も行えます。
従来のホワイトボードのような見やすさから導入先でも好評です。
特徴 | ・クラウド型でどこでもアクセス可能 ・工事管理が見やすく使いやすい |
料金 | 要問合せ |
スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi 株式会社エフ・ディー・シー
「fapi」は脱エクセルを目的とした、スキル管理・アサイン管理を支援する人員配置表ツールです。
社会に有益なクラウドサービスとして「ASPIC Iot・AI・クラウドアワード2022」を受賞しました。
エンジニアのスキル管理に最適で、導入先からは管理項目の自由度の高さやExcelの課題を解決できると評価されています。
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
特徴 | ・1ヶ月無料トライアルあり ・Excelでの管理項目を据え置きでデータベース化 ・要員情報が自動的にフォーマット化される |
料金 | ミニマム (300円/月・人)〜 |

まとめ
この記事では人員配置表の目的と重要性、最適な作成方法と注意点についてお伝えしました。
従業員は企業の宝であり、適材適所に配置することで、モチベーションを保ちながら生き生きと働くことができます。
適切な人員配置表にはムダなコストを削減し、企業の利益を最大化する「力」があります。
「人員配置表システム」は属人化をなくすだけではなく、情報の一元管理や業務効率の劇的な改善が可能です。
おすすめツールを参考にして、ムダな人材配置をなくし適材適所のアサインで利益を最大化してください。