事業計画を達成するために「リソース管理」は欠かせません。
特に人的リソースは経営リソースの中でもっとも重要であり、管理が難しいのが特徴です。
リソース管理の重要性を理解して適切に運用できれば、効率的に業務を進めて利益を残せるでしょう。
この記事ではITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのリソース管理を25年経験してきて効率化し、リソース管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がプロジェクトに欠かせない、的確なリソース管理やり方について実務者がわかりやすく解説します。
リソース管理のメリットに加えて、Excelではなくシステムで管理を行う重要性についてもお伝えします。
リソース管理とは

リソース管理とは、事業計画を達成するためのリソースを適切に管理して、利益の最大化を目指すことです。
リソースは「経営資源」を意味し、目に見えるものから知的財産など目に見えないものまで、さまざま種類が存在します。
ビジネスにおけるリソースは、主に以下の要素をマネジメントします。
- ヒト
- モノ
- カネ
- 情報
- 時間
プロジェクトのリソースには限りがあるため、適切にマネジメントを行わないとすぐに枯渇してしまいます。
事業計画の達成に必要なリソースはどれか、どれくらい必要かなど、きちんと把握することが重要です。
企業が管理すべきリソース

リソース管理やり方で求められる、代表的な5つのリソースマネジメントを紹介します。
ヒトのマネジメント
ヒトは人的リソースとも呼ばれ、リソースの中でもっとも重要な存在です。
リソース管理もプロジェクト進行も、ヒトがいなければ成り立ちません。
ヒトをプロジェクトに参画する場合は、スキルや業務経験、キャパシティなどを考慮してください。
リソース管理がうまくできていないと、プロジェクト進行中に人手不足や遅延が発生する恐れがあります。
業務委託先を含む従業員一人ひとりをマネジメントして、プロジェクトの効率性を高めることが重要です。
モノのマネジメント
モノのマネジメントは現場にある設備や備品、材料にソフトウェア、車など広範囲の道具が対象です。
モノには使用・維持コストがかかるため、プロジェクトの予算に合わせて適切に調整する必要があります。
カネのマネジメント
事業を継続していくためには、カネのマネジメントも欠かせません。
カネにはプロジェクトメンバーの給与から開発資金、融資、株式まであらゆる要素が含まれます。
「採算が合わない」という事態にならないように、常にお金の動きには目を配る必要があります。
情報のマネジメント
情報とは顧客情報や売上情報、仕事のノウハウにマーケティングで得たデータなどです。
情報が不足していると業務が滞るため、プロジェクト発足時にきちんと情報を収集して、チーム内で共有する必要があります。
なお情報やノウハウは属人化しやすいので「Excel」や「リソース管理ツール」での管理が望まれます。
時間のマネジメント
生産性を向上させるためにも時間のマネジメントは欠かせません。
従業員の勤務時間は限られているので、いかに少ない時間で成果を上げられるかが大切です。
プロジェクトの完了時間を見積もったり仕事に優先順位をつけたりすることで、より効率的に業務を遂行できるようになります。
的確なリソース管理やり方のメリット

的確なリソース管理やり方は、プロジェクトにおいて多くのメリットを生み出します。
正確なリソース配分(アサイン)ができる
的確なリソース管理やり方は、正確なアサインでプロジェクトの成功率を高められます。
スキルや業務経験といった「データ」をもとにしたアサインは、スケジュールが遅れにくくなり成果物のクオリティの高さにも期待できます。
また最小限のメンバーで業務をこなせるようになるため、利益の最大化も見込めます。
リスク回避・トラブルの予防ができる
スキルや経験を無視したプロジェクトアサインでは、業務中や製品に問題が発生しやすいです。
また、特定の従業員へ業務が偏るあまり、休職や離職につながる恐れがあります。
リソース管理をしっかり行うとリスク回避・トラブル予防になります。
無理なスケジュールはミスが多発したり問題が先送りになったりして、後々顧客から大きなクレームにつながる可能性が高いです。
リソース管理はリスク回避やトラブル予防の観点からも、欠かせない取り組みといえるのです。
部署・部門等の組織で共通認識が持てる
プロジェクトに関わる「ヒト」「モノ」「カネ」の可視化は、組織全体で共通認識を持てます。
例えば人材リソース不足が発生しても、他のメンバーをサポートに回したりスケジュールを再調整したりといったことが容易になります。
迅速かつ的確に対応できるうえ、チームの結束力を高められるでしょう。
リソース管理やり方・手順

ここからリソース管理やり方について、実務者がわかりやすく解説します。
この記事で紹介するポイントを押さえて「業務効率化」「利益率の最大化」を実現してください。
【リソース管理やり方①】現状のリソースを把握
リソース管理やり方の第一ステップは、リソースの現状把握です。
特に人材に関連するスキルやアサイン状況、プロジェクト参加経験などは明確にする必要があります。
人材リソースの把握は大変ですが、事業目標を達成するために時間をかけて洗い出してください。
なお、リソース状況によっては新規採用が必要になるなど、プロジェクトに大きな影響が出る可能性もあります。
【リソース管理やり方②】リソースの洗い出し
以下の項目を例に、プロジェクトに必要なリソースを洗い出しましょう。
ヒト | どのようなスキルや経験のある人員が必要か、何人必要か |
モノ | 設備やツール |
カネ | ヒトやモノの予算、利益目標の策定 |
時間 | プロジェクトの開始から完了までを細かく策定 |
リソースの洗い出し作業は正確なアサインにつながるだけでなく、リスクやトラブルを回避しやすくします。
【リソース管理やり方③】プロジェクトの計画・実行
リソース管理やり方の第三ステップは、実際にリソースをプロジェクト・タスクに落とし込んで実行するフェーズです。
どんなに準備を重ねても、プロジェクト進行中は何かしらのトラブルが起こるものです。
「人材に欠員が出た」「予算が足りなくなった」といった事態に対応できるように、対処方法を考えておくといいでしょう。
【リソース管理やり方④】課題・問題を把握する
課題や問題が発生した場合は、大きくなる前に早めに対処します。
例え小さな問題でも、時間が長引くと経営を破綻させる事態に発展しかねません。
定期的にメンバーにヒアリングをしたり費用の動きを注視したりして、早い段階で課題・問題を見つけることが大切です。
【リソース管理やり方⑤】課題・問題を分析し、対策を実施
リソース管理やり方の最終ステップは、課題・問題の原因分析と対策です。
課題や問題の原因を探るため、現場の声をもとに分析を進めてください。
このとき、自身の勘や経験を頼りに分析を行うのは間違いです。
リソース管理で明らかになった現場の「状況」を自身の目で確認して、正しい対策を検討・実施することが求められます。
効率的なリソース管理やり方はExcelよりもツール・システムがおすすめ!

リソース管理はさまざま要素が複雑に絡み合うため、管理が難しい側面があります。
リソース管理やり方を効率化するには「リソース管理ツール」がおすすめです。
ここでは、リソース管理ツールのメリットを読みやすい一覧表にまとめました。
- リアルタイムでリソース状況を把握できるので、会議の回数が減る
- スピーディーかつ臨機応変に対応できる
- プロジェクトとコストの集計・分析が容易
- 部署を横断して人材を検索できる
- 外部システム(カレンダーや勤怠管理)と連携可能
- ムダな業務工数を削減できる
いうまでもなく「リソース管理ツール」はリソース管理に特化しており、誰でも見やすく使いやすいように設計されています。
一方で、リソース管理をExcelで管理している企業はまだまだ多い印象です。
Excelは属人化が起こりやすかったり複数人で同時編集ができなかったりと、業務が効率化できるとは言いにくいです。
操作慣れしていたり少人数のリソース管理に優れていたりしますが、リアルタイムで状況を確認できる点から「リソース管理ツール」の活用をおすすめします。
まとめ
プロジェクトを効率的かつ円滑に進めるためにも、正確な「リソース管理」は欠かせません。
常に変化する「ヒト」「モノ」「カネ」の動きをリアルタイムで可視化および調整することが、プロジェクトを成功に導くカギとなります。
この記事で紹介したリソース管理やり方と「リソース管理ツール」を組み合わせれば、ムダのない業務が可能となります。
リソース管理ツールは自社に合わせて柔軟にカスタマイズできるものを選択し、業務工数を大幅に削減してください。