品質マネジメントシステムとは?要求事項や有効性・認証取得の流れについて
・新規取引先の取引条件にISO9001認証取得が含まれており導入を検討している
・エンジニアが100名以上になり、品質マネジメント導入の有効性が知りたい
・品質マネジメントシステムの目的・要求事項を認識して導入を検討したい
以上のような課題を抱えている経営者や管理職の方々から、品質マネジメントシステムに関するご相談をよくいただきます。
今回、ISO品質マネジメントシステムを構築して2000年2月に認証を取得した弊社が、これから認証を受けるかどうか検討されているシステム開発会社の経営者様や管理職の方々向けに
・ISO品質マネジメントシステム導入の有効性
・ISO品質マネジメントシステム導入の目的
・要求事項や導入メリット・デメリット・認証取得の流れ
について、わかりやすく解説いたします。
弊社の実績など詳細は、会社概要ページでご確認ください
品質マネジメントシステムとは
品質マネジメントシステムとは、わかりやすく言いいますと、顧客の要求を満たす製品サービスを提供するために、方針・目標の設定をして計画・実行・改善するのPDCAサイクル(仕組み)のことです。

品質マネジメントシステム導入の目的
品質マネジメントシステムの導入目的は、一言でいうと「顧客満足度向上」になります。
製品サービスの開発プロセスをルール化して、そのルールを運用し、定期的にレビューを実施し、改善計画を実行しながら国際規格(基準)の品質管理(マネジメント)をしていくことで、顧客満足の向上を目指していきたいシステム開発会社にとって、目標達成手法の1つが品質マネジメントシステムの導入です。
もし、システム開発プロジェクトの品質を向上させたいと感じられている方は、以下の業務効率化クラウドツール紹介ページをご確認ください。
ISOとは
ISOとは、1974年に発足した国際的な基準をつくる機関です。

国際規格の身近な事例として、クレジットカードのサイズや電池のサイズ、非常口のロゴマークが上げられます。そして、情報セキュリティマネジメントシステムや環境マネジメントシステム、品質マネジメントシステムなどの仕組みにも規格を設定しています。
ISO9001とは
ISO9001とは、組織活動を行うにあたって、顧客満足を追求し、顧客に提供する製品やサービスの品質をISOが保証する、品質マネジメントシステムの国際規格(ルール)のことです。
この国際規格(ルール)に沿って、組織のトップが方針や目標を明確にして、方針や目標の達成に向けて、PDCAサイクルの仕組み(社内の品質マネジメントシステム)を構築して運用・改善し、審査の時にルールを守れていた実績が確認できた場合、ISOから認証をうけることができます。

ISO品質マネジメントシステムの導入事例
システム開発会社である弊社のISO品質マネジメントシステム導入事例をご紹介いたします。
当社の品質方針と顧客ニーズ・期待、ビジネスゴールは以下となります。

弊社の品質方針
・顧客要求事項の完遂
・品質目標の達成
・顧客の満足度向上
・法令・規制、その他の要求事項の遵守
・営業能力
・技術能力の向上
以上の方針を達成するために、品質マネジメントシステムの有効性のある継続的改善を推進しています。
弊社の顧客のニーズ・期待
・高品質、要求事項の完遂、斑がない、クレームを起こさない、顧客の立場に立った製品の完成度、対応が早い
・時間が短い、要求納期よりも早く納品できる
・安い、技術力の向上、生産性のアップ
・顧客情報の収集・提案・対応
・顧客満足の追求、顧客が喜んでいるか、本当に役に立っているかの追求
になります。
弊社のビジネスゴール
・顧客の拡大
素早い対応や高いスキルにより顧客満足度が向上した結果、顧客の拡大につなげること。
・受注/売上拡大
品質や価格、納期を高品質にして低価格と短納期を実現し、受注と売上の拡大につなげること。
・利益の拡大
生産性の向上により、低価格化と利益拡大に繋げること。
になります。
要は、弊社社内で、品質方針や顧客ニーズ、ビジネスゴールに関する認識を共有するためのルールを構築し、そのルールを運用して、一般財団法人日本品質保証機構へ審査申込をし、審査を受けて、認証を取得し、3年に一度の有効期間に更新しております。
詳細は弊社のコーポレートサイト内、マネジメントシステムの品質管理ページをご確認ください。
品質マネジメント7つの原則
品質マネジメント7つの原則について、よくご質問をいただきますので、わかりやすくお伝えいたします。

1.顧客重視
・顧客満足度の向上に努める
2.リーダーシップ
・方針・目的・目標の認識を共有し、組織を成長へと導く
3.人々の積極的参加
・力量のある積極的な人へ権限を与える
4.プロセスアプローチ
・PDCAサイクルでインプットをアウトプットに変換する活動としてマネジメント(管理)する
5.改善
・必要に応じて課題を改善し、さらなる成長に努める
6.客観的事実に基づく意思決定
・データや情報など数値に基づいた分析と評価をして最終的に判断をする
7.関係性管理
・原料提供など供給側の組織(利害関係者)とお互いによりよい協力関係の構築をする
以上が、品質マネジメント7つの原則でした。
この7つを意識してPDCAサイクルを管理していくことで、認証取得へ近づきます。
また、ISOにこだわりはなく、システム開発の品質マネジメント向上を検討されている企業様へは、アメリカの非営利団体PMI(プロジェクトマネジメント協会)が、プロジェクトの品質マネジメントについてまとめた参考書のpmbok(ピンボック)についてもこの機会に情報として収集されることをオススメします。
プロジェクトの品質管理詳細は、受託開発10年のPMが解説するシステム開発のプロジェクト管理で必要なツール紹介ページをご確認ください。
品質マネジメントシステム認証取得の有効性・メリット・効果
ある一定の組織規模(社員数100名位)のシステム開発会社の場合、品質マネジメントシステム認証取得の有効性・メリットは
・技術の蓄積
・技術の向上
・非属人化
・品質の向上
といった点で、計り知れないほどあると感じております。
その理由は、弊社で認証を取得した時の実体験があるからです。
具体的に品質マネジメントが向上した業務は
・エンジニアのスキル管理業務の効率化
・スキルマップの作成・確認・更新・提案業務の効率化
・各プロジェクトにアサインされている要員管理業務の効率化
・システム開発プロジェクトのリソースを管理・調整する業務の効率化による黒字
などがあげられます。
社員数が100名いない会社でも、ロゴマークをホームページや名刺、パンフレットなどに入れて利用することで、取引先への品質マネジメントシステムに対する信頼性をアピールすることに役立ち、受注の拡大や売上と利益の向上に影響する可能性はあると思います。

弊社の場合、社員が100名に近づいた頃から、国際品質マネジメント規格ISO9001の認証を取得するまでの間、社内で品質マネジメントシステムを計画し、実行、評価、改善のPDCAサイクルを実施し、実際に成果が上がりましたので審査申込をして認証取得できました。
その頃から弊社内で導入していた品質マネジメントシステムが、弊社のスキル管理ツールfapiになります。
スキル管理・アサイン管理ツールfapiの詳細は、fapiに関するよくある質問集ページをご確認ください。
品質マネジメントシステム認証取得のリスク
小さな組織ではISO認証取得に向けた細かい手順書作成や管理業務にかかる費用と時間をリスクとして認識される企業様もいらっしゃると思います。 その理由は、小さな組織は、そもそも予算や人的リソースも限られるからです。
具体的なリスクとして
・審査にかかる時間と費用
・手順書・マニュアルなど書類作成時間と運用管理する書類の増加
・ISOに関わるコンサルタントや社員の人件費
そして、マネジメントする規模が小さい場合、導入・運用しても、その効果は薄くなるリスクは事前に把握されておくことをオススメします。
例えば・・・・
・1人あたり1日30分の生産性がアップしても社員数が10名の会社では100名の会社と比較すると10倍の違いがあるため、規模が小さな会社にとっては費用対効果が低くなる可能性があるということです。
要は、「認証取得すれば効果がある」とメリットだけに目を向けないようにされていただきたいということです。
決して、売上拡大するための魔法ではないことを強くご認識いただき、自社の規模や予算以上に効果がありそうな時に認証取得をオススメいたします。
また、弊社の品質マネジメントシステム(fapi)導入のデメリットにつきましては、スキル管理・スキルマップに関するよくある質問集ページをご確認ください。
品質マネジメントシステムの要求事項
品質マネジメントシステムの要求事項は、MSS共通事項と追加された固有要求箇条があります。 MSSとは、2012年に発行されたISO専門業務用指針のことです。 その中でも特に、顧客重視や顧客満足、資源と運用に関しての要求事項が際立ちます。

ISO9001要求事項の中で際立つのが「支援・運用」ですが、その中でも特に
・人や設備など資源の管理
・教育訓練を主体とする人材管理と育成
・情報伝達
・文書記録の作成管理
について要求されます。
この支援に関する要求を満たすために、エンジニアのスキルマップ(力量管理表)の管理業務をクラウドDX化(webシステム化)して運用し、品質向上に成功して、生産性向上、顧客獲得、売上拡大や利益の拡大を実現でき、ISO9001の要求を満たすことでの効果・メリットも実感いたしました。
弊社のようなある程度社員(100名位のエンジニア)を抱えられているシステム開発会社様や製造業の企業様は、ISO9001認証取得に向けて支援・運用の要求事項を満たそうとする時に、スキルマップの作成やスキル管理業務を非属人化することで、より早く確実に認証を取得し、認証取得後も品質マネジメントシステムをカンタンに運用でき、弊社のように成果も上げることができるかもしれません。
スキルマップの作り方の詳細は、組織の強みと弱みが一目でわかるスキルマップの作り方ページをご確認ください。
品質マネジメントシステム認証取得の流れ
品質マネジメントシステムの認証取得の流れは、大きく2つになります。
1.品質マネジメントシステムの整備
2.品質マネジメントシステムの実行
の2つになります。

目的、目標、計画、ルールを作成、ルールの運用を少なくとも1回はPDCAサイクルを実施しておくことです。その後、審査機関へ申込、審査、認証取得という流れになります。 有効期限は3年です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
品質マネジメントシステムとは?要求事項や有効性、認証取得の流れを解説いたしました。
まとめますと
・品質マネジメントシステムとは、顧客の要求を満たす製品サービスを提供するためのPDCAサイクル(仕組み)のこと。
・品質マネジメントシステムの導入目的は、一言でいうと「顧客満足度向上」になります。
・ISO9001とは品質マネジメントシステムの国際規格でした。
・システム開発会社である弊社のISO品質マネジメントシステム導入事例をご紹介いたしました。
・品質マネジメント7つの原則は、1.顧客重視、2.リーダーシップ、3.人々の積極的参加、4.プロセスアプローチ、5.改善、6.客観的事実に基づく意思決定、7.関係性管理の7つでした。
・品質マネジメントシステムの有効性は、ある一定の組織規模(社員数100名位)のシステム開発会社の場合、計り知れないほどメリットがあります。
・マネジメントする規模が小さい場合、導入・運用しても、その効果は薄くなるリスクがあるかもしれません。
・品質マネジメントシステムの認証取得の流れは、整備と実行の大きく2つでした。
以上になります。
もし、アサイン管理ツールfapiについて、気になることがある方は、よくある質問アサイン管理に関するページをこの機会にご確認ください。