自社の課題を把握できる顧客満足度は、工務店・住宅メーカーにとって無視できない指標の一つです。
「顧客満足度が向上しない」「原因がわからない」と、頭を悩ます経営者や営業担当者も多いでしょう。
この記事では工務店が顧客満足度を高めるメリットと、向上しない原因について深掘りします。
具体的な改善方法を注意点も交えながら解説しますので、顧客満足度を改善して利益を確保したい方は参考にしてください。
顧客満足度とは?
顧客満足度とは、顧客が企業から提供された商品・サービスに対して、どれほど満足したかを表す指標です。
企業によっては「お客様満足度」「顧客アンケート」といわれ、英語では「Customer Satisfaction」「CS」と呼ばれます。
工務店の場合は、一般的に顧客アンケートの調査結果から顧客満足度を知ることになります。
「この工務店で注文住宅を建てて良かった」「友人にもこの工務店を紹介しよう」となれば、顧客満足度が高い結果と言えそうです。
顧客満足度の向上は、工務店に多くのメリットをもたらすのです。
工務店が顧客満足度を高めるべき理由・メリット

工務店の良い評判が広まる
顧客満足度の高い工務店は、口コミサイトやSNSで良い評判が広まります。
住宅展示場への来場、新規顧客の獲得など工務店の売上や利益に深く関わるため、常に調査を進めておくことをおすすめします。
なお、オリコンが発表する「ハウスメーカー 注文住宅 顧客満足度総合ランキング」では、お客様のリアルな声を知ることが可能です。
自社の改善につながる部分が見つかる可能性があるため、定期的に目を通してみてください。
リピーターになったりリフォームを依頼されたりする
工務店の顧客満足度が向上すると、お客様がリピーターになったりリフォームを依頼されたりします。
お客様が工務店に求める一番の要素は「信頼」です。
長い付き合いができる関係になれば、工務店の経営を長く続けることにつながります。
新しいお客様紹介につながる可能性がある
満足度が非常に高かった場合は、施主側に家族や知人に工務店を紹介したいという気持ちが生まれます。
お客様紹介から契約につながれば、メンテナンスやリフォームの受注といった長期的な関係に期待できるでしょう。
顧客獲得のコストを抑えられるうえ施主様の知り合いという安心感から、商談が比較的スムーズに進むケースが多いです。
工務店の改善点がわかる
お客様アンケートに目を通すと、工務店の改善ポイントがわかります。
例えば「オフィスに清潔感がない」「営業の説明に専門用語が多い」などが挙げられます。
改善点は工務店内で共有し、同じミスを繰り返さないことが大切です。
アンケート調査はお客様が「本音」を書きやすいこともあり、有効性が高いところもメリットです。
工務店の顧客満足度が向上しない理由・原因

顧客満足度の向上と利益の関連性を理解していない
工務店の顧客満足度が向上しない一つ目の理由は、顧客満足度の向上と利益の関連性を理解していないからです。
顧客満足度と工務店の利益は密接に関係しており、日頃からデータを記録しておく必要があります。
データを調査すれば「サービスを改善する」「商品の品質を上げる」など、最適な対応が可能となります。
集客や顧客満足度を向上するための社員がいない
集客や顧客満足度の重要性は理解しているものの、実際に動ける社員がいないことが原因です。
顧客満足度の向上に対応できる社員がいない場合は、コンサルタントの力を借りるのも一つの手です。
経営者や社員が短期的な利益しか見えていない
経営者や社員が短期的な利益しか見えておらず、視野が狭まっているケースです。
自社を優先して顧客の要望に応えられなければ、長期的にみて不利益を被るかもしれません。
結果的に、顧客満足度が低下して顧客離れや評価が下がる可能性が高いです。
クレーム問題を放置している
時間がない、人材が足りないなどを理由にクレーム問題を放置すると、同じクレームが連続することもあるでしょう。
同じクレームを起こさないこと、発生したクレームへの対応の速さは、顧客満足度に直結します。
社内で情報を共有してその都度解決策を練り、顧客満足度の向上につなげてください。
デジタルツールを活用していない
デジタルツールを使わないことも顧客満足度が向上しない原因の一つです。
ツールにはたくさんの種類がありますが、顧客情報や議事録を管理したりオンライン住宅見学会ができたりするものがあります。
ツールを活用しないと「打ち合わせが重なった」「住宅情報がわかりにくい」など、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。

工務店DXにおけるクラウドサービスの重要性・課題やおすすめのサービスをご消化します。
お客様満足度を改善する具体的な方法
住宅メーカー・工務店が顧客満足度を向上する具体的な方法をお伝えします。
- ステップ1.現状を把握する
- ステップ2.目標を設定して施策を実行する
- ステップ3.評価と改善を繰り返す
ステップ1.現状を把握する
まずは顧客満足度を把握するため、一人でも多くの人からアンケートに協力してもらいます。
WEBアンケートならコストを抑えられますし、もし記入特典を用意できればより多くのデータが集まるでしょう。
調査結果から工務店の良い点・悪い点をリストアップしたら、情報やデータを整理してください。
ステップ2.目標を設定して施策を実行する
次に、目標の設定と施策の実行です。
調査結果をもとに目標を設定して、5段階評価で目標数値を決めてください。
良い点はさらに伸ばす、悪い点は改善することを目的にして施策を実行します。
一度に全てを改善するのは難しいので、優先度の高い順から施策を実行するのがおすすめです。
ステップ3.評価と改善を繰り返す
半年から1年を目安に、アンケートの調査結果から施策の効果を検証してください。
高評価に至らなかった場合は、工務店で意見を出し合い改善を繰り返します。
効果の有用性をより正確に測りたい場合は、調査会社にアンケート項目や調査を依頼するのもおすすめです。
工務店がお客様満足度を向上させるポイント・注意点

【顧客満足度を向上させるポイント1】社員のモチベーションを高める
社員のモチベーションやパフォーマンスは、お客様の一言一言に左右されるといっても過言ではありません。
家づくりには営業担当者をはじめ、設計士、コーディネーターなど多くの社員が関わっています。
社員がモチベーションを高く保ち続けることができれば、必然的にお客様へ恩返ししたいという行動につながります。
社員の労働環境やメンタル面を整えることも、顧客満足度を向上させる大きなポイントです。
【顧客満足度を向上させるポイント2】接客方法を見直す
お客様アンケートが営業対応を評価することからわかるように、接客方法は重要です。
具体的には「真摯な対応ができているか」「曖昧な返事はしていないか」「ハキハキと明るく接しているか」などが挙げられます。
仕事中はチェック項目を設けたマニュアルを用意して、自身の営業方法を振り返りながら接客にあたるといいでしょう。
【顧客満足度を向上させるポイント3】地域密着だからこその提案
工務店の強みは、大手ハウスメーカーとは異なり「地域に沿った提案がいち早くできること」です。
積雪地帯には雪下ろしが不要の住宅、単身世帯が多い地域なら平屋の提案など、顧客のニーズをいち早く形に変えることで、顧客満足度は大きく向上します。
地元工務店の強みを活かすため、顧客の悩みに寄り添い真摯に向き合う気持ちを忘れないようにしてください。
【顧客満足度を向上させる注意点1】工務店の利益は下げないようにする
顧客満足度を向上するために工務店の利益を下げるのは本末転倒です。
顧客満足度の調査および向上する目的は「工務店の利益を伸ばすこと」です。
過剰な値引きやキャンペーンを続けていると、売上は上がるかもしれませんが利益は下がってしまいます。
工務店の利益を伸ばすことを考えて、全社員でアイデアを出し合うことを意識してください。
【顧客満足度を向上させる注意点2】過剰な営業をかけない
顧客には「営業が鬱陶しい」「嘘くさい」という心理が、どこかにあるものです。
過剰な営業は顧客離れの原因になるだけでなく、悪い口コミとして広まる恐れがあります。
「人」を相手にする営業は難しい職種ではありますが、顧客と適度な距離感で接することを意識してください。
アンケート調査や口コミサイトを参考にして、今一度自身の対応を見つめ直してみてください。
まとめ
工務店の顧客満足度が向上しない理由と解決策お客様対応
この記事では顧客満足度が工務店・住宅メーカーにとって重要な理由と向上しない原因についてお伝えしました。
顧客満足度は顧客の声をもとに改善を繰り返すことが大切ですが、社員のモチベーション管理も欠かせません。
顧客満足度を重視するあまり、損をしないように注意して優先度の高い順から改善を進めてください。
弊社工務店、住宅メーカー向けコミュニケーションアプリ『つながる家づくり-plantable- 』は、お施主様とのつながりをより強いものに、理想の家づくりの打合せをひとつのtableを囲んでお話しするように気軽に、工務店、住宅メーカー様に寄り添い課題解決をお手伝いします。お気軽にご相談ください。
