優れた建築プレゼンボードによる提案は、ユーザーやクライアントの心に響きます。
プレゼンテーションの本質は、余計な情報を省いてシンプルに要点を伝えることです。
この記事では建築プレゼンボードの概要と作り方、品質を高めるためのポイントを解説します。
デザインやレイアウトの参考になるサイトや、プロも使うプレゼンボード作成に便利なソフトも紹介します。
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建築プレゼンテーションボード(プレゼンボード)とは?
建築プレゼンボードとは建築物のデザインやコンセプトイメージを、わかりやすく伝える表現手法の一つです。
具体的には手書きやCGで作成した建築物の外観、間取り、構成ダイアグラムなどを、説明文付きで掲載します。
写真やパースを用いて視覚的に訴えかけることで、ユーザーやクライアントは提案をイメージしやすくなり、商談がスムーズに進行するのです。
建築プレゼンボードは建築コンペや建築学生の卒業制作にも使用されます。
特にコンペでは応募者がたくさんいるため、見栄えの良さとわかりやすさが求められます。
建築プレゼンボードは建築物のイメージやコンセプトを伝えるために、欠かせない要素と言えるのです。
建築プレゼンテーションボード(プレゼンボード)の作り方

1.提案のポイントやテーマ・コンセプトを決める
建築プレゼンボードを提案する際のポイントは、自分がアピールしたいことを伝ないことです。
提案ではユーザーやクライアントが魅力を感じられる、メリットを伝えることが大切です。
このプレゼンテーションは「何を・誰に・どのように・何を使って」伝えるかを明確にした上で、テーマやコンセプトを決めてみてください。
2.ターゲット選定・リサーチ
次に、ターゲットとなる人物像を選定してリサーチを行います。
以下のように、人物像を具体的に絞ること(ペルソナ設定)が重要です。
20代男性 |
独身 |
IT企業に5年勤務している |
年収430万円 |
趣味はアウトドアとサーフィン |
温厚な性格 |
自宅では観葉植物を愛でる |
具体的にペルソナを設定できれば、建築プレゼンボードに軸が生まれて、刺さりやすい内容に仕上げられます。
3.プレゼンボードの構成を考える・必要資料を集める
プレゼンボードの構成を考える際には、提案する建築物を「PREP法」に当てはめてみてください。
PREP法とは「結論・理由・具体例・再度結論」の順に話を展開する、文章構成術のことです。
情報が論理的に整理されるため、読み手にとってわかりやすい建築プレゼンボードに仕上がります。
構成の際に資料や情報が不足することがあるため、資料を集めておくとよいでしょう。
4.作成するツールを決めて建築プレゼンボードを作成する
建築プレゼンボードを作成するためのツールを決定してから、実際に作成フェーズに移行します。
建築プレゼンボードの作成には、以下のツールを使うのが一般的です。
- Power Point(パワーポイント)
- InDesign(インデザイン)
- Photoshop(フォトショップ)
- Illustrator(イラストレーター)
- Auto CAD(オートキャド)
ツールを使うと建築物のイメージをわかりやすく表現でき、おしゃれな建設プレゼンボードに仕上がります。
5.全体を調整する
建築プレゼンボードの作成を進めていると、レイアウトのズレや追加すべき項目が見つかることがあります。
この場合は、全体のバランスを見ながら構成を調整していってください。
建築プレゼンテーションボード(プレゼンボード)の作り方のポイント

結論を提示する
PREP法を用いて文章のはじめに結論を伝えると、その後の話の内容が理解しやすくなります。
話の結論はユーザーやクライアントがもっとも知りたい部分なので、冒頭で伝えることを意識してみてください。
また、内容について話しすぎないようにすることも大切です。
建築物を想像する余地を残すのが、上手いプレゼンボードを作成するコツになります。
スライドサイズを決める
建築プレゼンボードに配置するスライドサイズを間違えると、元データの再作成や再印刷が必要になり非常に手間がかかります。
構成の段階で「スライドサイズに間違いはないか」「レイアウトは適正か」などをきちんと確認しましょう。
無駄な装飾やデザインを乱用しない
装飾やデザインを多用すると、プレゼンテーションで伝えたいことがぼやけて読み手にストレスを与えます。
資料作成の本質は、余計な情報を省いてシンプルに要点を伝えることです。
意味のない装飾やデザインを取り除けば、一番伝えたいメッセージをより引き立てることが可能となります。
フォントや文字サイズを統一する
同一の建築プレゼンボードではフォントや文字サイズ、色を統一しましょう。
例えばスライドごとにフォントが変わると、読み手は内容よりデザインの変化に意識が向き、プレゼン内容が伝わりにくくなる恐れがあります。
フォントや文字サイズを統一するだけでも、キレイで読みやすい建築プレゼンボードが完成します。
なお、一つのスライドの色は「3色」までということを覚えておきましょう。
Zの法則を使ってレイアウトする
レイアウトを考える際は、Zの法則を使ってみてください。
文章や作品などを見る際に、人の目線はZの順番(左上→右→左下→右)で動くといわれています。
最初に目に入る「左上」へ結論を持ってくれば、視覚的に説得力のある建築プレゼンボードになります。
補助線を利用しメイン素材を基準に配置する
メインの図面をたよりに補助線(グリッド)を引くと、図面の端が揃って統一感のあるおしゃれな仕上がりになります。
具体的な手順はメインの図面を配置する、メインの図面をたよりに補助線を引く、他の図面を補助線に沿うように配置する、という流れです。
建築家は「直角」が好きな傾向にあるので、図面の端が揃っているレイアウトを心地よく感じるのです。
グラフは左側、説明は右側が基本
「左グラフ、右メッセージ」は、スライド資料作成における鉄則です。
人間は左目から入ってくる情報を右脳で判断し、右脳はイメージや創造性、ひらめきなどを司っています。
一方で、右目から入ってくる情報は左脳でジャッジを行い、左脳では言語や計算などを処理します。
「左グラフ、右メッセージ」のレイアウトにすることで、視線を動かさずに情報をパッと処理できるのです。
プレゼンテーションボードやデザインの参考になるサイト
Pinterest(ピンタレスト)
「ピンタレスト」は、インターネット上にある画像や動画を収集して、コレクションにしたりシェアできたりするサービスです。
建築プレゼンボードが多数掲載されているので、ダウンロードして作成する際に参考にしてみてください。
参考サイト:Pinterest
ダイワハウスコンペティション
ダイワハウスコンペティションの公式サイトでは、毎年の受賞作品の詳細に加えて審査員講評も見ることができます。
講評では優秀な点や課題点を知ることができるため、自分のプレゼンボードやデザインを作成する際の参考にしやすいです。
参考サイト:ダイワハウスコンペティション
キルコス国際建築設計コンペティション
キルコス国際建築設計コンペティションは、プロ・アマを問わず参加できる建築プレゼンテーションのコンペティションです。
応募作品すべてのプレゼンボードを確認でき、20人の審査員による審査結果も閲覧可能です。
平面図やパース、模型写真などさまざまなプレゼンボードがあるので、一度目を通してみることをおすすめします。
参考サイト:キルコス国際建築設計コンペティション
プロも使うプレゼンテーションボードの作成に便利なソフト

InDesign(インデザイン)
「InDesign」は「Photoshop」や「Illustrator」と同様に、Adobe社が提供するグラフィック系ソフトです。
特にグリッド作成や図版挿入など、レイアウト周りの操作性に優れています。
建築学生の卒業制作からプロのプレゼンボード作成まで、幅広く活用されているソフトと言えます。
PowerPoint(パワーポイント)
プレゼンテーションといえばパワーポイント、というほどプレゼンテーション作成に特化したソフトです。
画像の加工をしたりアニメーションで動きを演出したりと、建築プレゼンボードの表現に幅を持たせることができます。
コミュニケーションアプリを活用し建築プレゼンテーションボードを共有
つながる家づくり‐plantable‐

「plantable」はメールやチャットツールでは難しかった、要望管理や図面と話題の関連づけを得意とするコミュニケーションアプリです。
「plantable」にはひとつのテーブルを囲んで話し合うように、施主様とのつながりを気軽に高めてくれるという意味が込められています。
アプリに図面をアップロードして部分ごとに要望や詳細を展開できるため、話が混同せず要件が伝わりやすくなります。
施主様は打ち合わせから完成までの間、家づくりに深く関わることで、より愛着のある家が完成するのです。
ぜひ、「plantable」で家づくり中に発生する「言った言わない」問題をなくし、トラブルフリーで効率的な顧客コミュニケーションを実現してください。
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まとめ
この記事では建築プレゼンボードの作り方と提案力を上げるポイント、デザインの参考になるサイトについて解説しました。
おしゃれさや見栄えも大切ですが、プレゼンテーションの本質は余計な情報を省いてシンプルに要点を伝えることです。
提案力を上げたい方は配置やレイアウトのポイントを抑えて、ユーザーやクライアントにとってわかりやすい構成を心がけてください。