部門やチームによって、スキル・成果に大きな隔たりが生じていませんか。
人員配置は上司や人事担当者の勘、従業員の経験年数だけを頼りにしている、というケースも珍しくありません。
適切な人員配置は事業計画の達成にとどまらず、人材育成や利益最大化のために欠かせない取り組みのひとつです。
当記事では人員配置シミュレーションの重要性やメリット・デメリット、リソースを最大化する方法を実務者が解説します。
人員配置シミュレーションを効率化するおすすめツールも紹介しますので、人員配置でお悩みの方は参考にしてください。
人員配置シミュレーションとは?

人員配置シミュレーションとは従業員のスキルや業務経験などを元に、異動・配置でどのような影響が出るかを分析する、人事マネジメント方法です。
人員配置シミュレーションを実施する目的は「人材育成」「利益の最大化」「コスト削減」の3つです。
人事もしくは上司の勘や経験を頼りにした人員配置は、従業員が本来の力を発揮できず作業効率が悪化する恐れがあります。
的確な人員配置シミュレーションによって最適解を導き出し、事業計画やプロジェクトを効率的に進めることが大切です。
人員配置シミュレーションをおこなうメリット・デメリット

【人員配置シミュレーションのメリット①】人材育成につながる
人事異動や配置転換で新しい業務を担当すると、従業員のレベルアップにつながります。
さまざまな業務経験を通して新しいスキル・資格を習得できれば、企業にとってプラスに働くことでしょう。
人員配置シミュレーションでは、企業全体のバランスを見ながら効果的な人材育成を心がけてください。
【人員配置シミュレーションのメリット②】公平な人事評価につながる
従業員の能力や希望を反映した人員配置は、公平な人事評価を実現します。
根拠のない人員計画では、従業員が本来の力を発揮できないこともしばしばです。
適性や希望を無視した人員配置では、不平不満が生まれるのも事実です。
適切な人員配置で従業員のモチベーションやエンゲージメントが高まれば、離職防止・定着率の向上に期待ができます。
【人員配置シミュレーションのメリット③】コスト削減・利益最大化が見込める
人員配置シミュレーションでアサインを最適化すれば、コスト削減と利益を最大化できます。
シミュレーションではプロジェクトに合わせて的確に人材選定をして、人件費を抑えたり業務効率を高めたりすることが重要です。
【人員配置シミュレーションのデメリット①】人員配置の頻度によってはマイナス効果になる
人事異動・配置転換の頻度が早すぎたり遅すぎたりすると、一時的に従業員のパフォーマンスが低下します。
従業員は新しい環境下に身を置くことになるため、多少なりとも不安を感じるものです。
人事担当者は人員配置の前後にヒアリングを実施して、社員のフォローアップを欠かさないようにしてください。
人員配置シミュレーションを最適化する方法
現状を分析して目標・計画を立てる
組織の課題を把握して解決するための分析を行なった後、人員配置シミュレーションの目標を設定します。
人員配置の検討には以下の4つの計画を順序だって進めてください。
1.定員計画 | 事業計画の達成に必要な人員数と人件費の大枠を決める |
2.要員計画 | 定員計画でまとめた人員を事業計画や予算をもとに詳細を決めた後、部門ごとに割り振る |
3.人員計画 | 従業員一人ひとりのスキルや適正をバランス調整して具体的な人員配置を検討する |
4.代謝計画 | 要員計画と人員計画の間に生まれた差異を埋めるために部署異動などの調整を行う |
人事異動・配置転換後に効果検証する
人員配置シミュレーションは一度実行すれば終わりではありません。
人事異動・配置転換後に人材が活躍しているか、パフォーマンスを発揮できているかといった効果検証が必要です。
また、ヒアリングで失敗原因や新しい考え方を学べれば、次の人員配置に活かすことができます。
人材配置の最適化にはツール(システム)の活用がおすすめ

最適な人員配置シミュレーションを実現するには、ツールの活用が欠かせません。
ツールでは従業員のスキルや資格、業務経験に要望など、必要なデータを一元管理できます。
スキルや過去の参画経験などを簡単に検索できるため、人員配置シミュレーションの工数を減らして担当者の負担を軽減します。
シミュレーションはドラッグ&ドロップで直感的に操作できる上、シンプルなレイアウト画面と相まって誰でも使いやすいのがメリットです。
リアルタイムに情報・データを確認できるので、検討・調整が容易ですし結果をレポートに出力できます。
エクセルで人員配置シミュレーションは可能?
エクセルで人員配置シミュレーションは可能です。
人員配置のテンプレートが豊富で、Microsoft社もしくはインターネット上からダウンロードのうえ利用してください。
エクセルは操作に慣れている人が多く、特別なマニュアルを用意しなくてもスムーズに活用できるのがメリットです。
一方で「集計・変更が大変」「リアルタイムで情報を把握できない」「セキュリティに不安がある」といったデメリットが存在します。
部署やチームごとにデータが分散して集計には多くの手間を要しますし、抜けや漏れも発生しやすいでしょう。
手動でデータを更新する必要があり、生産効率が低下することも覚えておいてください。
上記の理由から、データを一元管理してリアルタイムでの把握が必要な人員配置シミュレーションでは、エクセルは不向きといえます。
人材配置を最適化するおすすめツール4選
SmartHR
『SmartHR』はシステムに蓄積した労務データや人事評価などを活用して、効果的な人員配置シミュレーションを実現します。
最新で正確な人事データを参照することで、急を要する配置から未来の戦略的配置までスムーズな意思決定を支援します。
料金プラン | |
HRストラテジープラン | 要問い合わせ |
人事・労務エッセンシャルプラン | 要問い合わせ |
タレントマネジメントプラン | 要問い合わせ |
スマカン
人材情報を見える化して、従業員のスキルに合わせた育成や企業と個人の成長につながる人材戦略をサポートします。
自社人材の強み・弱みを把握して類似性に着目することで、事業計画に合わせた採用計画を組むことが可能です。
料金プラン | |
ベーシック | 50,000円〜/月額 |
カオナビ
導入企業数は約3,300社以上、タレントマネジメントシステムとしては8年連続1位を獲得する人員配置ツールです。
人員配置シミュレーションでは人件費やスキル値を確認しながらシミュレーションしたり、人員計画の進捗をダッシュボードで確認できたりします。
料金プラン | |
ストラテジープラン | 要問い合わせ |
パフォーマンスプラン | 要問い合わせ |
データベースプラン | 要問い合わせ |
スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi
『fapi』は脱エクセルを目的とした、IT企業向けのスキル管理・アサイン管理ツールです。
エクセル比で全体工数85%カットに成功しており、ASPIC、つくばクオリティから「管理項目の自由度」が高く評価されました。
クラウド型の強みを活かしてアサイン状況をリアルタイムで可視化し、無駄のない効率的な人員配置を実現します。
料金プラン | |
ミニマム | 300円/月・人 |
スタンダード | 400円/月・人 |
プレミアム | 800円/月・人 |
まとめ
人員配置シミュレーションの重要性については、ご理解いただけましたか?
スキルや経験などから従業員が最大限にパフォーマンスを発揮するには、適切な人員配置シミュレーションが欠かせません。
うまく「ツール」を活用すれば人員配置シミュレーションを効率化できる上、担当者の工数負担を減らして他の業務に集中できるようになります。
「人材育成」「コスト削減」「利益最大化」と企業へ大きなプラスになるので、ぜひ今から人員配置シミュレーションに取り組んでみてください。