企業の人数に限りがある以上、人員配置はコスト削減・業務効率化に欠かせません。

エクセルで人員配置を行うと、複数人で同時編集できなかったり属人化してしまったりと、面倒な場面に遭遇してしまいます。

この記事では人員配置の考え方と戦略的な進め方、得られる効果についてまとめています。

人員配置で成果を出すポイントもお伝えするので、コスト削減・利益最大化を実現したい方は参考にしてください。

詳細は弊社コーポレートサイトをご確認ください

人員配置とは?

人員配置とは?

人員配置とは社員の適性や能力を考慮して、プロジェクトを完遂するチームを作り上げることです。

新規採用や中途採用、人事異動などを駆使して、適材適所に人材を配置します。

人員配置は工事現場や介護施設、IT企業のオフィスなど、幅広い業界・職種で実施されています。

どの企業も、活用できる人員数には限りがあるでしょう。

コスト削減や利益を最大化するという観点からも、人員配置は本腰を入れて実施していく必要があるのです。

人員配置の最適化で得られる効果

人員配置の最適化で得られる効果

生産性が向上する

自身にマッチするポジションで働く従業員が増えると、組織全体の生産性は向上します。

なぜならパフォーマンスを最大限に発揮できる環境で働くことで、業務効率を高められるからです。

少ない労働力でより多くの利益を生み出せるので、コスト削減の効果にも期待できます。

従業員のモチベーションが向上する

仕事に自身の強みや特性を活かせるようになると、従業員のモチベーションは上がります。

モチベーションが高いと自発的に資格勉強に励んだり仕事に取り組んだりするなど、行動面にプラスの影響が生まれやすいです。

また「仕事にやりがいを感じる」「自分に合っている」と感じられるので、離職防止の効果にも期待できます。

効果的な人材育成ができる

適度な頻度で人員配置を行うと、人材育成を強化できます。

なぜなら、新しい仕事を覚えたり自身のスキルを伸ばしたりする機会が増えるからです。

ただし、頻繁な人員配置は組織全体の作業効率を落としてしまうため、適度に実施するのがポイントです。

人材配置を最適化する考え方

人材配置を最適化する考え方

人員配置を最適化する4つの考え方(計画)について、順番に取り決めていきましょう。

  1. 定員計画
  2. 要員計画
  3. 人員計画
  4. 代謝計画

1.定員計画

定員計画は事業計画の達成に必要な、おおよその人員数と人件費を算出することです。

人件費は従業員の役職や雇用形態から給与を計算して、見込みを立てることとなります。

人件費の決定は経営だけでなく従業員のモチベーションにも影響するため、慎重に行うことが大切です。

2.要員計画

要員計画は、事業計画や予算から部門ごとに必要な人員数を割り出すことです。

長期の事業計画と照らし合わせて「どのような人材を何人くらい採用するか」を検討してください。

他にも「採用スケジュールをどうするか」「雇用形態や待遇面」について検討します。

雇用形態によって社会保険料などが異なることから、ある程度把握しておけば要員計画がスムーズになります。

3.人員計画

人員配置は従業員一人ひとりのスキルや適正を考慮して、具体的に誰を配置するかを検討するフェーズです。

要員計画と同じ意味で使われることもありますが、人員計画は要員計画から「誰が」という個人にスポットを当てています。

人件費を考慮したうえで配置転換や雇用形態の変更、昇進・昇格などを検討しましょう。

4.代謝計画

代謝計画では、要員計画と人員計画の間に生まれたギャップ(人材不足など)を埋めるための調整を行います。

要員計画で必要な人員数を割り出しても「いざ人員計画に落とし込んだら人材が足りない」というのはよくある話です。

新卒採用や中途採用で人材不足を解消したり、部署間の異動を再検討したりして差異を調整します。

人材配置を最適化する決め方

人材配置を最適化する手順を3ステップで解説します。

  • ステップ1.現在の人員配置と人材情報を把握する
  • ステップ2.キャリアプランについてヒアリングを実施する
  • ステップ3.人員配置を実行して効果を検証する

ステップ1.現在の人員配置と人材情報を把握する

まずは、事業所や部署ごとに従業員の現状を把握します。

現場の担当者に人員の過不足や人員基準などをヒアリングして聞いてみるのもいいでしょう。

同時に、人員配置の判断材料を集めるため、従業員のスキルや能力、業務経験などを可視化してください。

従業員数が数千人を超える際は、一人ひとりがデータ入力を行えるシステムがあると便利です。

ステップ2.キャリアプランについてヒアリングを実施する

従業員のスキルデータを取得したら、キャリアプランや不満点などについてヒアリングを行います。

「業務内容にばらつきがある」「業務量が多すぎてストレスが溜まっている」といった問題は早急に対処する必要があります。

ヒアリングでは、従業員から本音を聞き出せるようにフレンドリーな雰囲気作りを意識してください。

ステップ3.人員配置を実行して効果を検証する

一元管理した従業員データで何度か人員配置シミュレーションを行ない、人員配置を実行します。

このとき、空いたポジションへ補充する「適所適材」ではなく、パフォーマンスを発揮できそうなポジションへ配置する「適材適所」を意識してください。

人員配置の実施後は以下の項目に注目して効果検証を重ねていきます。

  • 各従業員の業務量は適正か?
  • 異動した従業員の仕事満足度はどうか?
  • 作業効率と成果物の品質は担保できているか?

人員配置の2つの手法

人員配置の2つの手法

人員配置の2つの手法に「適材適所」と「適所適材」があります。

両者の意味の違いは、漢字の並び順に注目すると気づきやすくなります。

適材適所その人(人材)にとって最適な職務
適所適材その職務にとって最適な人(人材)

つまり、適材適所は人材がもつ「特性や能力を発揮できる」組織・部署に配置する、という意味です。

適所適材は「組織・部署が求める」特性や能力をもった人材を配置する、となります。

両者をうまく使い分けて、適切な人員配置・人事異動を図ってください。

最適な人員配置にはシミュレーションが重要

人員配置の最適化には、人員配置シミュレーションが欠かせません。

人員配置シミュレーションとは社員のデータを一元管理して、人事異動や配置転換によって組織へどれほど影響が出るかを予測・検討することです。

データとは主に「スキル」「業務経験」「人件費」「異動希望」を意味します。

人事担当者の勘に頼らない客観的なデータを参照するため、実際の仕事に落とし込みやすくなります。

なお、人員配置シミュレーションは、エクセルなどの表計算ソフトではなく「人員配置ツール」がおすすめです。

最新のスキルや業務経験情報をもとに効率よくシミュレーションが行えることから、非常に再現性が高くなります。

シミュレーションしたデータはテンプレートとして残せるので、新規プロジェクト立ち上げ時などで時間を節約できます。

まずは資料や無料トライアルを活用して、操作性や作業効率について試してみてください。

人材配置する上での注意点

人材配置する上での注意点

全ての従業員を対象にする

人員配置は非正規者社員や委託業務先などを含めた、全ての社員を対象にしてください。

人員配置の選択肢が広がり、柔軟性に富んだ運用が可能となります。

個々の特性や能力を活かした人員配置は、人材力を強化し組織力を高めることにつながります。

上司や人事担当者の勘に頼らない

上司・人事担当者の勘や経験を頼りにして、人員配置・人事異動を行なっている企業は多いです。

経験や知見をすべて取り除くのは不可能ですが「前回は○○だったから今回も○○だろう」という考えで実施するのは危険です。

プロジェクト内容もかけられるリソースも毎回異なります。

「ヒト」「モノ」「カネ」を適正に列挙し人員配置シミュレーションを実施したうえで、人員配置を決定してください。

人員配置自体を目的にしない

人員配置は業務効率化や事業目標を達成するための「手段」にすぎません。

頻繁に実施すると従業員の成長を妨げるうえ、ストレスになる可能性があります。

人員配置の最適化に気を取られるあまり、時間をかけすぎたり人事担当者の生産性を下げたりしては本末転倒でしょう。

人員配置を行う際は、それ自体が目的にならないように注意してください。

まとめ

この記事では人員配置の考え方や進め方、得られる効果についてお伝えしました。

人員配置は従業員一人ひとりの能力を一元管理して、業務効率化や事業目標を達成するものです。

人員配置を最適化して人材育成・利益最大化に活かすには、人員配置シミュレーションが有効です。

「人員配置ツール」を導入すれば従業員数が多くても管理が簡単で、情報がリアルタイムに反映されます。

無料トライアルを活用して「適材適所」の人員配置を実感してください。