ITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピー)を提供する株式会社エフ・ディー・シーのDXサービス事業推進部 佐々木舞美が、SES営業・ITエンジニア向けの用語を逆引き辞典形式で解説します。私は200名以上のITエンジニアのスキル管理とアサイン管理に、25年以上携わってきました。

SESの用語は、まず一覧で全体像をつかみ、そのうえで「どの場面で使う言葉か」を押さえると理解が早まります。この記事では、頻出用語を五十音順・アルファベット順の一覧表にまとめたうえで、特に重要な言葉の意味と実務での使いどころを解説します。案件理解や提案、社内連携の精度向上にお役立てください。

SES用語一覧【五十音順・アルファベット順】

まずは、SESの現場でよく使われる用語を一覧で確認しましょう。気になる言葉から拾い読みできるよう、五十音順とアルファベット順に整理しています。

用語読み方意味
アサインあさいん案件やプロジェクトに要員を配置すること
案件あんけんクライアントから発注される仕事・プロジェクトの単位
請負契約うけおいけいやく成果物の完成に対して報酬が発生する契約
エンドえんど発注元となる最終顧客企業。エンドユーザーとも
稼働率かどうりつ稼働可能な時間のうち、案件に充てている時間の割合
下流工程かりゅうこうてい実装・テスト・保守など、システムを形にする工程
客先常駐きゃくさきじょうちゅうクライアント先に出向いて業務を行う働き方
業務経歴書ぎょうむけいれきしょ経験工程や使用技術をまとめた資料。スキルシートとも
工数こうすう作業の完了に必要な時間・作業量
参画さんかくエンジニアが案件に加わること
準委任契約じゅんいにんけいやく業務の遂行に対して報酬が発生する契約
商流しょうりゅう発注元から参画エンジニアまでの取引の流れ
上流工程じょうりゅうこうてい要件定義や設計など、開発の方向性を決める工程
スキルシートすきるしーと経験・技術・参画可能時期などをまとめた提案資料
精算幅せいさんはば単価の基準となる稼働時間の上下限(例:140〜180時間)
待機たいき次の案件が決まっていない状態。ベンチとも
単価たんかエンジニア1名の1か月あたりの契約金額
提案ていあん案件に対して自社のエンジニアを推薦すること
二次請けにじうけ一次請け企業から業務を請ける立場
入場にゅうじょうエンジニアが案件への参画を開始すること
人月にんげつ1人が1か月働く作業量を基準にした単位
人日にんにち1人が1日働く作業量を基準にした単位
派遣契約はけんけいやく派遣先の指揮命令のもとで業務を行う契約形態
引き合いひきあいクライアントからの案件の打診・問い合わせ
保守運用ほしゅうんようリリース後のシステムを維持・管理する業務
面談めんだん参画前にクライアントとスキル・条件を確認する場
元請けもとうけエンドから直接受注する企業。プライムとも
要員よういん案件の遂行に必要な人材
要件定義ようけんていぎシステムに必要な機能・条件を固める工程
用語読み方意味
BPびーぴービジネスパートナー。協力会社のこと
PLぴーえるプロジェクトリーダー。現場の実務を主導する役割
PMぴーえむプロジェクトマネージャー。計画・品質・収支の責任者
PMOぴーえむおープロジェクト管理を支援する組織・役割
SEえすいーシステムエンジニア。設計・開発を担う技術者
SESえすいーえす技術者の業務遂行を提供するサービス形態。契約は準委任が中心
SIerえすあいやーシステム開発を請け負う企業の総称

ここからは、この中でも特に質問の多い用語を、使う場面ごとに詳しく解説していきます。

SES用語は4つのカテゴリで押さえると理解しやすい

用語を1つずつ暗記するより、大きく4つのカテゴリに分けて捉えると整理しやすくなります。営業とエンジニアで言葉の認識がずれやすいポイントも、この地図があると確認しやすくなります。

カテゴリ代表的な用語押さえるポイント
契約・商流SES、準委任、派遣、商流契約形態と責任範囲を理解する
営業・提案案件、単価、精算幅、スキルシート提案条件とマッチ度を確認する
開発・現場要件定義、設計、実装、テスト工程ごとの役割を把握する
管理・配属アサイン、工数、稼働率、人月配属判断と収支管理に生かす

私たちの現場でも、最初からすべてを暗記する必要はないと考えています。まずは自分の業務に近いカテゴリから覚え、次に関連語へ広げる進め方が実践的です。

SES営業がまず覚えたい用語

商流

商流とは、案件を発注する企業から実際に参画するエンジニアまでの取引の流れです。元請け、一次請け、二次請けのように階層で表現されることが多く、階層が深いほど情報伝達や条件調整が複雑になりやすい傾向があります。営業担当者は、誰が決裁権を持つのか、条件変更の連絡がどこを通るのかまで確認しておくことが重要です。

準委任契約と派遣契約

SESで特によく出るのが準委任契約です。準委任は業務の遂行に対して報酬が発生する契約で、成果物の完成そのものを約束する契約ではありません。一方で派遣契約は、指揮命令の関係が明確に異なります。この違いを曖昧にすると、現場での役割認識にずれが生まれます。営業担当者は「何をどこまで求められているか」を契約の言葉で説明できる状態にしておきたいところです。

単価・精算幅

単価は、エンジニア1名が1か月稼働した際の契約金額を指すことが一般的です。あわせて確認したいのが精算幅で、たとえば140時間から180時間のように、基準時間の上下限が設定されます。ここを理解していないと、請求や原価の見通しにずれが出ます。単価だけを見るのではなく、稼働想定と精算条件をセットで確認することが大切です。

スキルシートと面談

スキルシートは、エンジニアの経験工程、使用技術、得意分野、参画可能時期などを整理した資料です。面談は、その内容を具体的な案件条件に照らして確認する場です。営業側は、単に資料を送るだけでなく、案件に対してどの経験が強みになるかを言語化できると提案の質が上がります。

ITエンジニアが知っておきたい用語

アサイン

アサインとは、エンジニアを案件やプロジェクトに配置することです。単に空いている人を埋める作業ではなく、スキル、経験工程、参画時期、働き方の条件を見ながら決めていきます。アサインの判断が適切だと、現場立ち上がりのスピードが上がり、ミスマッチも減らせます。

工数と人月

工数は、作業を完了するために必要な時間や作業量のことです。人月は、1人が1か月働く量を基準にした単位で、見積もりや収支管理でよく使われます。たとえば、2人で2か月かかる作業なら4人月です。ただし、単純に人数を増やせば短縮できるとは限りません。引き継ぎや認識合わせにも時間がかかるためです。

稼働率

稼働率は、どれだけの時間を実作業に充てられているかを見る指標です。高すぎると余裕がなくなり、低すぎると配置や計画の見直しが必要になります。私たちの現場では、数字だけで判断せず、教育時間や引き継ぎ期間も含めて見るようにしています。稼働率は、働いているかどうかを測るだけの数字ではなく、運用の健全性を確認する指標でもあります。

上流工程と下流工程

上流工程は要件定義や基本設計など、開発の方向性を固める工程です。下流工程は実装、テスト、保守のように、形にしていく工程を指します。自分がどの工程の経験を持っているかを説明できると、案件とのマッチング精度が高まります。スキルシートでも、言語名だけでなく担当工程まで書けると評価されやすくなります。

SES用語を効率よく覚えるコツ

用語を覚えるときは、五十音順で暗記するより、会話の流れに沿って覚える方法がおすすめです。たとえば「引き合いが来る」「条件を確認する」「スキルシートを出す」「面談する」「アサインが決まる」「入場する」と並べると、単語同士の関係が見えてきます。

意味があいまいなまま使われやすい言葉ほど、短い定義を自分の言葉で言い換えられるようにすると定着しやすくなります。「商流は取引の流れ」「精算幅は請求条件の範囲」のように、一文で説明できる状態を目指してください。

また、実務では単語単体より、案件票、スキルシート、見積もり表、アサイン表の中で覚えるほうが効果的です。当社が提供するfapiのように、スキル情報とアサイン状況をまとめて管理できる環境があると、用語と実データが結びつき、営業とエンジニアの共通認識もつくりやすくなります。

SES用語のよくある質問

Q. SESと派遣は同じですか?

同じではありません。現場での関わり方が近く見える場合もありますが、契約や指揮命令の考え方が異なります。会話の中では混同されがちなので、契約の前提から確認することが大切です。

Q. SES営業は技術用語をどこまで覚えるべきですか?

すべてを深く理解する必要はありません。まずは工程、言語、インフラ、テスト、契約まわりの基本語を押さえ、案件説明とスキルシートの読み合わせができる水準を目指すと実務で役立ちます。

Q. ITエンジニアは営業用語も覚えたほうがよいですか?

はい、覚えておくと案件選びや条件確認がしやすくなります。単価、精算幅、商流、参画時期などの意味を理解しておくと、認識違いを防ぎやすくなります。

Q. 人月と工数の違いは何ですか?

工数は必要な作業量を表す広い言葉です。人月は、その工数を1人が1か月働く量で換算した単位です。見積もりでは関連して使われますが、同じ意味ではありません。

Q. 用語を覚えても実務で使えません

その場合は、用語の定義だけでなく、実際にどの資料で使われるかまで確認するのが効果的です。案件票、スキルシート、面談メモと一緒に覚えると、会話の中で使いやすくなります。

まとめ:SES用語は営業とエンジニアの共通言語

SES用語は、営業とエンジニアが同じ景色を見るための共通言語です。まずは一覧表で全体像をつかみ、契約、提案、開発、アサインの4つの視点で整理すると、現場での会話や判断がぐっと楽になります。

用語の理解を、スキルの見える化や適切なアサインにつなげたい方は、fapiの機能や導入事例もあわせてご覧ください。