ISO9001が求める「力量」とは、個々の業務に必要な技能、知識、資格、経験などの能力を意味します。
ISO9001から認証を得たり、企業のサービス・商品価値を高めたりするのに有効なのが「スキルマップ(力量管理表)」です。
特にエクセルやスプレッドシートでスキル管理を行い限界に感じている方が何を最優先に行う事が良いかを、ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのスキル管理を25年経験してきて効率化し、スキル管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美が解説いたします!スキル管理の業務効率化を図りたい方は参考にしてください。
本記事ではISO9001の概要や力量管理の重要性、スキルマップ(力量管理表)の作り方について解説します。
スキル管理ツールで力量を最適化する方法もお伝えするので、Excelや既存ツールでの管理に限界を感じている方は参考にしてください。
ISO9001が求める力量を最適化する、おすすめクラウドツールも紹介します。
ISO9001とは?取得企業が解説します

ISO9001は製品やサービスの品質を高めることを目的とした、品質マネジメントに関する国際規格です。
ISO9001は世界でもっとも普及しているマネジメントシステム規格であり、170カ国以上、100万を超える組織で利用されています。
日本では建設業・製造業を中心に、22,000件以上の企業が取得。 (2023年8月現在)
ISO9001の目的は「プロセスが明確化していて、プロセス通りに業務を進めることで顧客満足につなげる」と、要約できます。
ISO9001が求める力量とは?

ISO9001が要求する力量とは個々の業務に必要な技能、知識、資格、経験などの能力を指します。
建設業を例にすると、設計図の知識やCADツールを使いこなす技能などが必要となります。
製造業の場合は、リスクマネジメント能力やプレス製造機を扱う技能などが必要でしょう。
このように、ISO9001が求める要件を満たすことが「力量がある」と言えるのです。
組織の力量を把握したうえで社員の教育・訓練を行い、プロセスに対するPDCAを回し続けることが大切です。
なお、ISO9001では力量の明確化や実施証拠として、「力量評価表、スキルマップ(力量管理表)、教育訓練計画表」などの提出を求めています。
力量評価表 | プロセスに関わる社員一人ひとりの力量を数値化して評価したもの |
スキルマップ(力量管理表) | 力量評価表を一枚のシートにまとめたもの。一度により多くの社員の情報を確認できる |
教育計画表 | 品質目標を達成するために力量を明確にし、該当者が従事できるように計画を立てたもの |
力量管理とは?

力量管理とは社員の保有スキルを把握して、会社運営に活用することです。
力量管理によって適切な人材配置や人材教育につながり、正当な人事評価につながるというメリットがあります。
力量管理にはISO9001の要求事項をクリアする以外に、以下の目的があります。
- スキル情報に基づいた正当な評価
- 評価による社員のモチベーション・エンゲージメントの向上
- 企業のサービスや商品の価値が高まる
- 最適な人材配置が業務効率化や離職率の低下につながる
- 部署をまたいだ人材活用
- 安全衛生・品質維持につながる
- 効果的な人材教育・訓練
力量管理にはスキルマップ(力量管理表)が有効
力量管理には、スキルマップ(力量管理表)の活用が有効です。
ISO9001では認証を得るための要求事項の一つに「製品品質に影響がある仕事に従事する人の力量を把握し、必要な教育・訓練を実施すること」とあります。
この力量の把握に使われるのが、スキルマップ(力量管理表)です。
力量管理表はISO9001を取得する多くの企業で利用されています。
ISO9001で必要なスキルマップ(力量管理表)を作成する方法

ここでは ISO9001で必要なスキルマップ(力量管理表)の作り方を4ステップで解説します。
ステップ1.スキル項目をツリー形式で一覧化
Excelでスキルマップ(力量管理表)を作成する場合は、スキル項目を「ツリー形式」で一覧化してください。
一覧化ができていないと、後々の力量管理の効果が薄れたり修正が必要になったりするため注意が必要です。
なお、スキルツリーはスキルマップの作成方法において、一番重要な部分となります。
ステップ2.スキルの分類
業務内容や製品カテゴリーなどの階層を作成したら、関連するスキルをリストアップしてください。
業務プロセスをイメージすることで、必要なスキルがわかりやすくなります。
ステップ3.スキルの階層数を決定
スキルの階層数に決まりはありませんが、業務内容や製品カテゴリーで大別してその下に小項目をツリー化していきます。
スキル項目の階層数は、2〜3階層程度がいいでしょう。
階層数が多くなると、管理が頻雑になってしまうため注意が必要です。
ステップ4.スキルの評価基準を策定
最後にスキルの評価基準を策定します。
判断基準はスキルの習熟度に応じて1〜5、A〜Eなど「5段階」での評価がおすすめです。
段階評価にすることで、スキルレベルの把握や強み弱みの分析が容易になります。
スキルマップ(力量管理表)を適切に管理・運用する方法

ここではスキルマップ(力量管理表)を適切に管理・運用する方法についてお伝えします。
適切な評価者を決める
「ISO9001を理解している」「力量管理表を熟知している」など、適切な評価者を選定します。
一般的には部長などの上長が行いますが、評価担当者を新たに設置する場合もあります。
適任の候補者がいなければ教育を行って、ISO9001や力量管理表の理解を深めたうえで運用を行なってください。
定期的に見直しをする
力量管理表は定期的に見直しを行い、情報をアップデートする必要があります。
なぜなら、市場環境の変化や企業の方向性が変わる可能性があるからです。
定期的な見直しは必要な力量を再確認できたり、形骸化を防いだりすることにもつながります。
社員にスキルマップの意識づけを行う
社員に力量管理を意識してもらうために、スキルの教育・訓練や目標設定などを実施しましょう。
力量管理表は上長や人事担当者だけでなく、社員全員で取り掛かることが大切です。
また、力量管理表の意識づけには「クラウドシステム」による作成・管理がおすすめです。
クラウド型のためいつでも好きなタイミングで確認できますし、より身近に感じることができます。
スキル管理・アサイン管理支援ツール fapi の詳細はこちら
【脱Excel】スキル管理ツールの活用でISO9001が求める力量を最適化

スキル管理ツールは、ISO9001が求める力量を最適に管理できます。
クラウド型のツールを導入すれば、以下のようなメリットが生まれます。
- 事業の維持・成長に必要な社員のスキルを「一元管理、可視化、共有」できる
- Excelでは難しかった部署を超えての人材検索・人材配置
- 計画的な人材育成と適切な人材評価
- プロジェクトに最適な人材を検索・配置できる
- 属人化の心配がない
また、企業やプロジェクトに合わせて、力量管理や機能をカスタマイズできるところもポイントです。
スキル管理ツールで複雑化したExcelを脱し、ISO9001が求める力量管理を最適化してください。
社員のスキル・アサインをクラウドツール『fapi』で一元管理

『fapi』は社員のスキル管理・アサイン管理に特化した、クラウドツールです。
クラウド型なので低コストで導入でき、常に最新のスキル・アサイン状況を把握できます。
エンジニアの力量管理やプロジェクトのアサイン検討・管理に必要な機能を搭載し、力量管理や営業提案業務の効率化に貢献します。
『fapi』が他社のツールより優れている点が「管理項目の自由度」「スキル管理」「アサイン管理」の効率性の高さです。
実際に、アサイン管理における「提案候補者の検討」を例に挙げると、60分かかっていた業務時間を5分にまで短縮しています。
改善率は実に92%に達し、見込み案件の候補者管理も可能となりました。
人材が100人を超えるような企業ではExcelによる力量管理が難しく、最悪の場合属人化する恐れもあります。
『fapi』はExcelと違ってフォーマットが統一されていますし、操作方法で悩まされることもありません。
1ヶ月間の無料トライアルを利用して、業務の効率性や生産性の向上といった「違い」をぜひご実感ください。
的確でスピーディーな力量管理でISO9001の要求に応え、適切な人材配置や教育・訓練に活かしてください。
料金プラン | |
ミニマム | 300円/月・人 |
スタンダード | 400円/月・人 |
プレミアム | 800円/月・人 |
お試しプラン | 一か月無料 |

まとめ
本記事では多くの企業が取得する、ISO9001の概要や力量管理の重要性、スキルマップ(力量管理表)の作り方を解説しました。
力量管理表の適切な管理・運用は「適切な評価者を決める」「定期的に見直しを行う」「社員にスキルマップの意識づけを行う」ことが大切です。
ISO9001が求める力量を最適化するには、スキル管理ツールの活用をおすすめします。
Excelでは難しかった適切な人材配置や計画的な人材育成によって、企業のさらなる成長に結びつけてください。