SESとしてスキルアップを目指したいと思う一方、インターネット上には「スキルアップできない」「転職できない」といったネガティブな言葉を目にします。
エンジニアとしては「このままでいいのか」という気持ちが芽生えますし、SES企業としてはスキルアップの機会を提供したいと思われるはずです。
この記事では、ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのスキル管理を25年経験してきて効率化し、スキル管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がSES事業者がSES・エンジニアのスキルアップを実現する方法と、SES事業者におすすめの専用ツールについて解説します。
エンジニアの悩みを解決し、SES事業者の業務効率化に役立つ話ですので、ぜひ最後までご覧ください。
スキルが身につかないは本当?SESのキャリア形成の重要性

SESの情報収集をしていると「スキルアップできない」「やめとけ」「現場変えたい」といったネガティブな言葉を目にします。
結論から伝えると、SES経験者はスキルアップが可能ですがSES未経験者には難しいです。
SES未経験者がスキルアップするのが難しい理由は、3つ考えられます。
スキルアップできない理由1.現場によって仕事内容が異なるから
常駐先によって仕事内容は異なるため、スキルアップにつながらない業務を任せられることも多いです。
仕事内容としてはデバックや単純な入力業務、古いシステムで開発する作業などが挙げられます。
自分の運要素も関係しますが、SESエンジニアとしての経験が少なければ仕事のレベルに気づけないケースも多いです。
また、SES企業はエンジニアを客先へ常駐させれば売上につながるため、仕事内容を重視しないことも考えられます。
スキルアップできない理由2.労働条件が良くないから
SES業界は長時間労働や残業が比較的多いことが特徴で、人によってはストレスが溜まってしまいます。
またフリーランスや契約社員の割合が多く、仕事を必ず獲得できるとは限りません。
労働条件に満足できずに転職や離職を繰り返すと、結果的にスキルアップは遠のいてしまうでしょう。
スキルアップできない理由3.教育環境が整っていないから
常駐先ではチームを組んで業務にあたりますが、一人一人の仕事量は多い傾向にあります。
作業時間が足りないことから、SES業界では先輩エンジニアからスキルやコツを教わるといった機会は少ないです。
一般的な企業は先輩から仕事のコツを学べる機会がありますので、この違いは大きいかもしれません。
SESエンジニアとしてスキルアップしたい場合は、積極的に意見を伝えるようにしてください。
エンジニアがスキルアップに必要な資格4選

SESエンジニアがスキルアップするために、資格を取得することは大切です。
スキルアップに役立つ資格は次の4つになります。
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- LinuC
- シスコ技術者認定
ITパスポート
ITパスポートは情報処理推進機構(IPA)が認定する、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。
試験で問われる内容の一例は以下の通りです。
- 新しい技術(AI、ビッグデータ、IoTなど)の知識
- 新しい手法(アジャイルなど)の知識
- 経営(経営戦略、マーケティングなど)の知識
- IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識
- プロジェクトマネジメントの知識など
ITパスポートは専門性こそ高くないものの、全ての社会人・これから社会人となる学生が取得したい資格のひとつといえます。
参考:ITパスポート試験
基本情報技術者
基本情報技術者はITエンジニアの登竜門といわれ、情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格です。
ITパスポートからステップアップした内容となっており、SESエンジニアとしてのスキルアップに役立ちます。
2023年の合格率は56.4%、IT未経験でも合格が可能なので挑戦する価値は十分にあります。
参考:基本情報技術者
LinuC
クラウド時代に求められるLinuxを中心とした技術者認定試験で、システム構築や運用管理に必要なスキルを証明できます。
2020年に改定され、採用や人事評価に取り入れる企業が上昇傾向です。
4段階のレベルが設定され、レベル4に該当する「LinuCシステムアーキテクト」は、ITSSレベル4に相当します。
スキルアップを目指して、初級者から上級者まで全SESエンジニアに挑戦してもらいたい資格です。
参考:LinuC
シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は世界最大手のネットワーク機器関連メーカー、シスコ社が認定するベンダー資格です。
試験は数種類ありますが、駆け出しのネットワークエンジニアにはOCNAやCCENT、上級者にはCCIEがおすすめです。
上位資格の認定を受ければキャリアアップや転職でも有利になるので、取得する価値は十分にあります。
参考:Cisco
エンジニアに求められるスキル

SESエンジニアには「ハードスキル」だけではなく「ソフトスキル」も求められる時代です。
ここでは、SESエンジニアに欠かせないスキルを3つ紹介します。
プログラミングスキル
プログラミングスキルはエンジニアに欠かせない必要最低限のスキルで、より多くのプログラミング言語を扱えることが望まれます。SESとしてスキルアップを目指す場合は、既存のプログラミングスキルを伸ばすか新しい言語を学ぶといいでしょう。独学で学ぶ方法もありますが、オンラインスクールなら短時間で効率的に学習できます。
クラウドのスキル
インフラ環境をクラウドに移行する企業が増えていることから、クラウドのスキルや知識を備えるエンジニアの需要が高まっています。スキルアップを目指す場合は、LinuCやAWS認定資格などがおすすめです。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは全ビジネスパーソンに求められるスキルで、エンジニアも例外ではありません。
SESではチームを組んで仕事を行うことも多く、目的を共有し認識のズレをなくす必要があります。
コミュニケーションスキルを高めるためには、積極的に社内外の人と交流することが大切です。
SESでエンジニアにスキルアップしてもらうには?
エンジニアのスキル管理・分析を徹底する
まずは現状を把握するために、エンジニアのスキルを徹底的に管理・分析することからはじめます。
SESとして何が足りないかを把握することで、自社で対応の方向性を定められるはずです。
SES企業がエンジニアのスキルを管理・分析する場合は、専用ツールの利用をおすすめします。
技術力の高いエンジニアと同じ案件にアサインする
スキルアップしてほしいエンジニアと技術力の高いエンジニアを同じプロジェクトに参画することで、交流の場を提供します。
コミュニケーションの機会があれば、優秀なエンジニアから「システム構築で何を意識しているか」「エラーにどう対処するか」といったコツや方法を学べるでしょう。
どう学んでスキルアップするかは本人の努力次第ですが、刺激のある環境を提供することが重要です。
SESエンジニアのスキルアップを実現するにはスキル管理ツールの利用がおすすめ
SESエンジニアにスキルアップをしてもらいたい場合は、スキル管理ツールの導入がおすすめです。
スキル管理ツールとはエンジニアのスキルや資格、業務経験といった情報を一箇所で管理・活用できるツールを意味します。
Excelや紙での管理と違って集計や分析を行う必要がなく、常に最新のスキル情報を確認できるところがメリットです。
従来の管理方法ではエンジニア数が増えるに連れて、情報の集計や分析に膨大な時間がかかっていました。
アンケートの提出タイミングもフォーマットも異なることから、手間がかかりますし、非常に非効率です。
また、スキル管理ツールはExcelと同様の管理項目を引き継げるので、導入後でもスムーズに操作できます。
【SES向け】スキル・アサイン管理におすすめのクラウドサービス『fapi』

『fapi』は株式会社エフ・ディー・シーが提供する、SES向けスキル・アサイン管理ツールです。
スキル管理とアサイン管理を一元管理できるので、最新の情報を元にスキルアップ計画やプロジェクトアサインを立案できます。fapiが他のスキル管理ツールより優れている点は「管理項目」の自由度の高さにあります。
今まで企業で管理してきた情報を損なわないばかりか、それ以上に使い勝手を向上して利用することが可能です。
脱Excelで「SES業務を効率化したい」「エンジニアの提案スピードを向上したい」というSES企業の方はぜひ導入を検討してみてください。
まとめ
この記事では、エンジニアがスキルアップに必要なことについて具体的に解説しました。
SESエンジニアは働き方が特殊なこともあり、しっかりとキャリアアップを考えて業務をこなしていく必要があります。
また、SES事業者はエンジニアがスキルアップできる環境を整えることで、自社の信頼性や利益率アップにつながります。
『fapi』はエンジニアのスキルアップに必要な情報から的確なプロジェクトアサインまでをサポートする、スキル管理・アサイン管理ツールです。
今なら1ヶ月間の無料トライアルを実施していますので、機能性や使い勝手を試してみたい方はぜひ確認してみてください。