ITスキルとは、情報技術領域で業務を行ううえで必要なスキルのことです。

しかしながら、ITエンジニアが身に付けておくべきITスキルや資格を、理解していない方も多いでしょう。

この記事ではIT人材に求められるITスキルや、ITスキル標準・ ITSS+を分かりやすく解説します。

スキルアップで得られるメリットや勉強方法も紹介するため、企業から求められるIT人材になりたい方は、参考にしてみてください。

ITスキルとは?

ITスキルとは情報技術領域で業務を行ううえで必要な、技術や知識のことです。

一般的には、プログラミング能力やセキュリティ知識などのハードスキル、コミュニケーションスキルや論理的思考力といったソフトスキルを指します。

ITスキル標準(ITSS)とは

ITスキル標準(ITSS)とは

ITスキル標準(ITSS)とは、2002年に経済産業省が策定した、IT業界における人材のスキル指標のことです。

ITSSは「IT Skill Standard」の略で、2004年から情報処理推進機構(IPA)が管理しています。

IT領域における11職種を35の専門分野に分類し、能力に応じて7段階のレベルで評価を行います。

近年IT業界は急速に発展を続けているものの、高度IT人材は慢性的に不足状態です。

ITSSで人材の保有スキルとレベルを可視化して、人材育成を加速させることが重要になります。

ITスキル標準(ITSS)認定資格

ITパスポート

ITパスポートはITの基礎知識を証明する国家資格で、社会人や学生におすすめです。

東京では1週間に1度程度試験が開催されており、受験手数料は7,500円となっています。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は情報技術全般の知識・技術を証明したい人や、プログラム設計からテストまでを担当する人におすすめの国家資格です。

春季と秋季に年2回の試験が実施され、受講手数料は7,500円になります。

ITSSのレベル2に該当しますが、初心者でも十分に合格を狙える試験といえるでしょう。

ITスキル標準(ITSS)が策定する7段階のレベル

ITスキル標準(ITSS)が策定する7段階のレベル

ITSSでは能力や実績に応じて、7段階のスキルレベルを策定しています。

引用:ITスキル標準(ITSS) 2.ITスキル標準とは-ものさしとしてのITスキル標準|IPA

レベル1

情報技術に携わる者に最低限必要な基礎知識を有します。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められます。

レベル2

上位者の指導の下に、要求された作業を担当します。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められます。

レベル3

要求された作業を全て独力で遂行します。スキルの専門分野確立を目指し、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有します。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められます。

レベル4

プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして求められる経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献しており、ハイレベルのプレーヤとして認められます。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められます。

レベル5

プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして自他共に経験と実績を有しており、企業内のハイエンドプレーヤとして認められます。

レベル6

プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内だけでなく市場においても、プロフェッショナルとして経験と実績を有しており、国内のハイエンドプレーヤとして認められます。

レベル7

プロフェッショナルとし てスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。市場全体から見ても、先進的なサービスの開拓や市場化をリードした経験と実績を有しており、世界で通用するプレーヤとして認められます。

ITスキルを身につける3つメリット

就活・転職で有利になる

就活・転職の場において、ITスキルが高い人材はITスキルが低い人より重宝されます。

高度な専門知識・専門スキルを有する人は、まだまだ少ないのが現状です。

ITスキルを高めることで、就職先・転職先の幅が広がり、自身のキャリアアップにも大きくつながるでしょう。

副業やフリーランスでも稼ぎやすい

エンジニアとしてのITスキルを身に付ければ、副業やフリーランスで稼ぎやすくなります。

実際にITエンジニア向けの案件は高単価なものが多く、クラウドソーシング上にはたくさんの仕事が掲載されています。

人によっては会社員よりも稼げるため、独立を考える機会があるかもしれません。

ITスキルを高めると、好きな時間好きな場所で働くという、ワークライフバランスの充実にもつながるのです。

給料の高い職種に転職できる

経済産業省の発表によると、エンジニアの職種別の平均年収は以下の通りです。

  • プロジェクトマネージャー:891.5万円
  • 高度SE:778.2万円
  • SE・プログラマー:589.6万円
  • インフラエンジニア:758.2万円

参考:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

エンジニアの平均年収は、他の職種と比較しても高いのが特徴で、転職先も多いです。

身に付けた知識や技術を活かして、高年収が得られるエンジニアを目指しましょう。

ITスキルを効率よく身につける3つの方法

ITスキルを効率よく身につける3つの方法

学習サイトや本から知識を得る

スキルアップの手段として、学習サイトや本から知識を得るエンジニアは多いです。

学習サイトは無料で利用できるものも多く、時間や場所を選ばずに学習できます。

ただし、独学で勉強する場合は、途中で詰まったり間違った知識を吸収したりする恐れがあるので注意が必要です。

また、情報が古いと案件にマッチしないこともあるので、最新の情報が記載されているものを選ぶようにしてください。

勉強会やセミナーで学習する

勉強会やセミナーには同業種の方が多く集まることから、有益な情報が手に入りやすいです。

勉強会やセミナーは全国各地で開催されていますが、X(旧Twitter)などを利用すれば概要などを簡単に見つけられるでしょう。

無料で開催される場合も多いため、気になる勉強会やセミナーを見つけたら積極的に参加することをおすすめします。

ITエンジニアのコミュニティに参加する

ITスキルを効率的に身に付ける方法として、コミュニティへの参加は欠かせません。

例えばITエンジニア向けのオンラインサロンは、情報収集と人脈形成に大いに役立ちます。

他者とのつながりがないままだと、情報を掴みにくく、成長スピードも遅くなりがちです。

コミュニティに参加していればメンターがスキルアップの講義を行うこともありますし、案件受注の機会にも恵まれやすいでしょう。

ITエンジニアに求められるスキルの種類

ITエンジニアに求められるスキルの種類

プログラミングスキル

プログラミング言語の習得は、ITエンジニアの基礎であり必修科目です。

プログラミング言語は業務ツールやWebサービス、スマホアプリなど多くの場面で求められます。

手っ取り早くプログラミングを学びたい方は、プログラミングスクールやプログラミングキャンプを検討してみてください。

あらかじめどのような企業・分野で活躍したいかをイメージしておけば、必要なITスキルが明確になります。

わかりやすい資料を作成するスキル

IT人材として活躍していくため、わかりやすい資料を作れるようになりましょう。

ITエンジニアはプログラミング能力以外にも、上司やクライアントにプレゼンを行う機会があります。

誰が見てもわかりやすい資料を作成できれば、社内でも高い評価を得られるのです

また、わかりやすい資料を作成できるスキルは、思考の整理や深い分析力にもつながります。

ITSS+とは

ITSS+とは2017年にIPAが策定した、IT業界における人材のスキル指標のことです。

ITSSの領域にデータサイエンス領域・アジャイル領域・IoTソリューション領域・セキュリティ領域が加わり、ITSSと同様7つのレベルが設定されます。

まとめ

ITスキルとは、情報技術領域の業務で欠かせないスキルのことです。

ITスキルを身に付ければ就活・転職が有利に働き、年収アップを実現できます。

自分の職種や興味のある分野のITスキルを身に付けて、重宝されるIT人材を目指しましょう。