ITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピー)を提供する株式会社エフ・ディー・シーのDXサービス事業推進部 佐々木舞美が、IT業界の初心者に向けておすすめのIT資格とスキルを解説します。

200名以上のITエンジニアのスキル管理・アサイン管理を25年以上行ってきた実務経験をもとに、現場で本当に役立つ資格の選び方をお伝えします。

初心者がIT資格を取るべき理由

IT業界の初心者がITスキル・資格を取得すべき理由は大きく2つあります。

IT人材不足が深刻化している

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはIT人材が最大約79万人不足すると試算されています。

特にAI・クラウド・セキュリティ分野では人材不足が顕著であり、ITスキル・資格を持つ人材は即戦力として重宝されます。こうした背景から、初心者でも資格を取得しておけば就職・転職で有利に働く場面が増えています。

DX化が進み一般企業でもITスキルが必要に

DXの推進により、IT企業に限らず一般企業でもITスキルの重要性が高まっています。初心者のうちから資格を取得してITリテラシーを身につけておけば、業種を問わず業務に対応しやすくなるでしょう。

初心者におすすめのIT資格10選

初心者向けのIT資格10選【ITスキル標準レベル別】

初心者が取得したいIT資格を「国家資格」と「ベンダー(民間)資格」に分けて紹介します。ITスキル標準(ITSS)に準ずるレベルに加え、難易度と勉強時間の目安も記載しますので、学習計画の参考にしてみてください。

資格試験名称資格種類ITSS難易度勉強時間の目安おすすめな人
MOSベンダー資格レベル1★☆☆40〜80時間事務能力を証明したい人
ITパスポート国家資格レベル1★☆☆100〜150時間IT基礎知識を証明したい人
基本情報技術者試験国家資格レベル2★★☆200時間程度エンジニア志望の人
Ruby技術者認定試験 Silverベンダー資格レベル1★☆☆50〜100時間Rubyでの開発を行う人
Python3エンジニア認定基礎試験ベンダー資格レベル1★☆☆40〜80時間Python文法を習得したい人
Oracle認定Javaプログラマ Silverベンダー資格レベル1★★☆100〜150時間Javaプログラマーを目指す人
PHP技術者認定 初級ベンダー資格レベル1★☆☆40〜60時間PHPの基礎知識を身に付けたい人
LinuC レベル1ベンダー資格レベル1★★☆100〜150時間サーバーエンジニアを目指す人
AWS認定資格ベンダー資格レベル1★★☆100〜150時間クラウドの専門知識を身に付けたい人
ITILファンデーション試験ベンダー資格レベル1★☆☆20〜40時間ITサービスマネジメントを学びたい人

※勉強時間はIT未経験者を想定した目安です。既にプログラミング経験がある方はこれより短くなります。

まずはITパスポートでIT全般の基礎を固め、エンジニア職を目指す場合は基本情報技術者試験に進むのが王道のルートです。特定の言語やクラウド技術を業務で使う予定がある方は、該当するベンダー資格から取得するのも効率的です。

転職・就職で有利になるIT資格の選び方

ITスキル・資格がなくてもIT業界で働くことは可能?

IT資格は種類が多いため、自分の目的に合った資格を選ぶことが重要です。以下の表で、目的別のおすすめ資格を整理しました。

目的おすすめ資格理由
IT業界への第一歩ITパスポートIT全般の基礎知識を網羅。業種を問わず評価される
エンジニアとして就職基本情報技術者試験エンジニアの登竜門。企業が最も重視する資格のひとつ
クラウド分野で働きたいAWS認定資格クラウド需要の拡大に伴い、市場価値が高い
サーバー運用を担当したいLinuC レベル1Linux環境の基礎知識を証明できる
Web開発に進みたいPHP技術者認定 / Ruby SilverWeb系言語のスキルを客観的に証明できる
事務・営業職でIT活用MOSOffice系スキルの証明として汎用性が高い

資格がなくてもIT業界で働ける?

結論から言うと、ITスキル・資格がなくてもIT業界で働くことは可能です。実際に未経験者OKの求人は多く見かけます。

ただし、未経験で入社した場合、プログラミングなどの開発業務ではなく、営業や事務的な作業を任されるケースも少なくありません。エンジニアとして実績を積みたいのであれば、入社前に資格を取得しておくことで希望する業務に就きやすくなります。

初めてIT資格を取る際の注意点

初心者がIT資格を取得する際には、以下の2点に注意しましょう。

初心者レベルでも十分な対策が必要です。例えば「Ruby技術者認定試験 Silver」の合格率は75%程度であり、IT未経験者の場合はまとまった学習時間を確保して計画的に勉強を進めることが重要です。

資格を取得しても必ず就職できるわけではありません。就職面接ではこれまでの経験や人物面も総合的に判断されます。自身が取得する資格は、募集する職種と関連するものを選ぶのがポイントです。

ITエンジニアに求められるスキル8選

ITエンジニアに求められるスキル8選

資格だけでなく、実務で求められるスキルも押さえておきましょう。ITエンジニアに求められるスキルを8つに厳選しました。

スキル名内容
プログラミングスキルすべての業務に活用できる必須スキル。ある程度の応用が効くのもメリット
ネットワーク知識需要が多く、インフラエンジニアとして活躍できる
クラウドの知識DXやコスト削減などの観点から需要が高い
セキュリティ関連の知識会社の資産を守るために必要なスキル
マネジメントスキルシステム開発における最重要ポジション
コンサルティング能力クライアントに最良な提案を行うために必要なスキル
コミュニケーション能力ITスキルより重視される。適切なコミュニケーションが取れると経験者と遜色のない業務効率を生み出せる
データ分析能力企業の課題解決や目標達成に欠かせないスキル

近年のIT業界ではプログラミングなどのハードスキルだけでなく、コミュニケーション能力やマネジメントスキルといったソフトスキルも重視される傾向にあります。資格取得と並行して、これらのスキルも磨いていくことが大切です。

IT資格の効果的な勉強方法

初心者がITスキル・資格を取るための勉強方法

初心者がIT資格を取得するための勉強方法は、主に3つあります。

書籍で学ぶ

初心者向けの書籍なら比較的安価で、体系的にITの知識を学べます。ある程度学習した後は実際に手を動かしてみることが大切です。書籍には情報の濃さや読みやすさに違いがあるので、書店で中身を確認してから購入するとよいでしょう。

IT系スクールに通う

IT系スクールなら講師のサポートを受けられるため、効率的な勉強法を学べたり、つまずいたポイントを早く解決できたりします。独学が苦手な方にもおすすめの方法です。

学習サイトを活用する

学習サイトとは、Web上でプログラミングなどのITスキルを学べるサービスのことです。

例えばIPAが運営する公式学習サイトでは、「ITパスポート試験」の過去問に挑戦したり、本番と同じCBT方式を体験できたりします。スマートフォン対応のサイトを選べば、移動中などの隙間時間にも学習を進められます。

IT資格×スキル管理で組織の力を最大化

個人がIT資格を取得してスキルアップすることは大切ですが、組織として社員のスキルを把握・管理することも同様に重要です。

誰がどの資格を持ち、どんなスキルを持っているかを一元管理できれば、プロジェクトへの最適なアサインや計画的な人材育成が可能になります。

社員のスキル管理に課題を感じている方は、スキル管理ツールの活用もぜひ検討してみてください。