エンジニアの中には提案力やコミュニケーション能力といった、ソフトスキルの重要性を理解している方も多いでしょう。
エンジニアに必要なスキルは「ハードスキル」と「ソフトスキル」に分けられ、ニーズに合わせて身につけることで市場価値の高い人材を目指せます。
効率よく学習を進めるためには、自身のスキル状況を把握して「ITSS(ITスキル標準)」「スキルマップ」を活用することが大切です。
この記事ではITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのスキル管理を25年経験してきて効率化し、スキル管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がIT業界で働くうえで必要となる、エンジニアが習得すべき8つのスキルについて解説します。
「ITSS(ITスキル標準)」や「スキルマップ」の重要性についてもお伝えするので、市場価値を高めるための参考にしてください。
IT業界で必要なスキルとは?

ITエンジニアに求められるスキルは、プログラミング・デザインなどの「ハードスキル」、マネジメント・課題解決力といった「ソフトスキル」の2種類です。
IT業界なのでプログラミングやネットワークの知識だけで大丈夫、というわけではなくコミュニケーションや交渉力といったスキルも重視されます。
なぜなら、コミュニケーションが取れないと、認識のズレが発生したりクライアントのニーズに応えられなかったり可能性があるためです。
実際に、VSNがITエンジニアを対象に行った調査(2019年)によると、約6割もの人が「技術的スキルだけでは生き残れない」と回答しています。
これからのDX時代を生き抜くためには、ニーズに応えられるハードスキルとソフトスキルの両方を身につける必要があるのです。
ITエンジニアが身につけたいハードスキル一覧

ハードスキルは「業務経験や研修、独学によって取得できるスキル」です。
ここでは、ITエンジニアが習得したい4種類のハードスキルについてお伝えします。
プログラミング言語
プログラミング言語はITエンジニアとして活躍していくうえで、必要不可欠です。
アプリケーションやシステムの開発など業務によって異なりますが、どんな業務でもプログラミング言語は使われています。
システムエンジニアとして就職経験があり転職や独立を考えている人は、新たにプログラミング言語を習得したり既存のスキルを伸ばしたりすることが大切です。
プログラミング言語はある程度応用がきくため、どんどんスキルアップの幅を広げていってください。
ネットワーク知識
クラウドサービスが行政から民間企業まで多くの業界で導入され、ネットワークやサーバに関するIT知識の需要が高まっています。
ネットワークの資格を取得したり実践を重ねたりすれば、インフラエンジニアとしても活躍できるでしょう。
セキュリティ関連の知識
セキュリティエンジニアの仕事はサイバー攻撃への対処やネットワークの設計など、高い知識と技術力が必要です。
サイバー攻撃とウイルスとの戦いに終わりはありませんが、会社の資産を守るためにも欠かせないポジションのひとつといえます。
クラウドの知識
コスト削減のために多くの企業がインフラ環境をクラウドに移行しており、クラウドの知識を持ったITエンジニアの需要が高まっています。
DX化やリモートワークが広まる背景からも、今後はクラウドの知識とスキルを習得しておくことが理想的です。
具体的にはサーバ・ネットワークの知識、Linux技術者認定資格、AWS認定資格などが挙げられます。
ITエンジニアが身につけたいソフトスキル一覧

ソフトスキルは業界や職種に関係なく、個人が習得しているスキルです。
近年はハードスキル以上に注目されていて、IT業界でも欠かせないものとなっています。
マネジメント能力
エンジニアのマネジメント能力にはエンジニアとしての技術力はもちろん、チームを束ねて組織の利益を上げることが求められます。
具体的には案件の進捗管理からメンバーに対する仕事の割り振り、チームのフォローまでを含みます。
メンバーの意見に振り回されすぎないように注意して、多角的な視点から物事を診断する力が必要です。
コンサルティング能力
論理的思考能力、コミュニケーションスキルなどを駆使して、クライアントに最良なシステムの提案を行うスキルです。
ITコンサルタントに必要な資格は特にありませんが、ITSS(ITスキル標準)を通じて知識や実践を重ねておくといいでしょう。
企画能力
企画能力があるITエンジニアは、クライアントのアイデアやニーズを具体化するため開発の企画会議に参加します。
DX化やフリーランスへの注目が高まっている現代、ITエニジニアが増加すれば企画能力を持ったITエンジニアは重宝されます。
データ分析能力
収集・蓄積したデータの内容を分析して活用することが、データ分析能力の目的です。
企業の課題解決や目標を達成するための思考力、データ分析に必要なプログラミングスキルやビッグデータに関連する知識も必要となります。
データ分析能力をスキルアップするためには、データ解析士や統計検定といった資格の取得が望ましいです。
ITSSとは?【関連知識】
ITSS(ITスキル標準)とは高度なIT人材の育成を目的に作成された、ITに関する能力を測定する「ものさし」のこと。
IT業界の急速な成長で高度な知識・スキルを持つ人材が必要になったことから、ITスキルの指標や可視化を目的に経済産業省が策定しました。 (2004年から情報処理推進機構(IPA)が管理しています)
ITスキル標準ではIT領域の11の職種と35の専門分野に分かれており、自身の保有スキルを把握して、スキルアップの勉強に活かせます。
記載例としてコンサルタント業を例にすると、専門分野は「インダストリ」「ビジネスファンクション」となります。
ITSSは習熟度や実績に応じて7段階でレベル評価される、自身のITスキルを客観的に判断可能です。
レベル1は業界未経験や新卒レベル、レベル3からは高度IT人材といわれ、レベル7になると世界に通じるIT人材に認定されます。
ITSSにはたくさんの資格があるため、キャリアアップや転職を目指すITエンジニアは、一度確認しておくといいでしょう。
なお、企業は「ITSS」と「スキル管理」を組み合わせることで、経営戦略に沿った人材育成が容易となります。
「ITSS+(プラス)」とは?
「ITSS+(プラス)」は第4次産業革命に必要な、ITスキルの強化を目的に策定されたITスキル標準です。
ITSSが定めたIT領域に加え「データサイエンス領域」「アジャイル領域」「IoTソリューション領域」「セキュリティ領域」が追加されました。
力量管理が重要な理由

社員の力量(スキル)を管理することで、組織の現状を把握して経営戦略の参考にしたりスキルアップに活かしたりできます。
力量管理を行うために必要となるのが「スキルマップ」です。
スキルマップとは社員のスキルや資格をリストアップして、習熟度を評価した一覧表のこと。
習熟度は5段階などで評価を行い、誰でもわかりやすいところがメリットです。
あらかじめ保有スキルを可視化しておけば、足りないところを補うなどの方向性が定まり効率的に学習を進められます。
ITエンジニアはプログラミングスキル以外にも、コミュニケーション能力や提案力なども問われます。
スキルマップを導入して効率的に学習を進め、希少価値の高いITエンジニアを目指してください。
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まとめ
この記事ではITエンジニアが身につけたい、8つのスキルについてお伝えしました。
ITSS(ITスキル標準)とスキルマップを活用することで、より効果的に学習を進められます。
IT業界で市場価値の高いエンジニアを目指し、自らレベルアップを図ってデジタル時代を突き進んでください。