ITエンジニアや社員のスキル管理ツールfapi(ファピー)を提供する(株)FDCの佐々木舞美が、アサイン管理ツールの選び方について詳しく解説いたします。
プロジェクトを成功に導くためには、適切なアサイン管理ツールの選定が重要です。
本記事では、アサイン管理ツールを選ぶ際の具体的なポイントや、失敗しないための選定基準について、実務経験に基づいた情報をお届けしますので、アサイン管理ツールの選び方のポイントを押さえて、自社に最適なツールを見つけましょう。
アサイン管理ツールとは
アサイン管理ツールとは、プロジェクトや業務の割り当てを効率的に管理し、チームメンバーの稼働状況や作業進捗を可視化するためのツールです。アサイン管理ツールを導入することで、誰がどの業務を担当しているのかをリアルタイムで把握し、業務の偏りを防ぎ業務生産性を向上させることができます。
リソース管理ツールとの違い
アサイン管理ツールとリソース管理ツールは密接に関連していますが、その焦点が異なります。リソース管理ツールは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」など、プロジェクト遂行に必要なあらゆるリソースを包括的に管理します。一方、アサイン管理ツールは特に「人材のアサイン(配置)」に特化しており、誰をどのプロジェクトにいつアサインするかという最適化に重点を置いています。
| 比較項目 | アサイン管理ツール | リソース管理ツール |
|---|---|---|
| 主な管理対象 | 人材の配置・アサイン | ヒト・モノ・カネ・情報・時間など全般 |
| 管理の焦点 | 誰を・いつ・どのプロジェクトに | プロジェクト全体の資源最適化 |
| 管理範囲 | 単一または複数プロジェクトの人員配置 | 複数プロジェクトの包括的なリソース |
| 主な機能 | スキル管理、稼働率管理、アサイン調整 | 予算管理、設備管理、工数管理、予実管理 |
| 向いている企業 | 人材配置の最適化を重視する企業 | 総合的なプロジェクト管理を必要とする企業 |
複数のプロジェクトを並行して進める企業では、アサイン管理ツールとリソース管理ツールの両方の機能を持つ統合型ツールを選ぶことで、より効率的な管理が可能になります。
アサイン管理ツールを導入するメリット
業務の可視化による効率向上
アサイン管理ツールを導入する最大のメリットは、業務の可視化による劇的な効率向上です。誰がどのプロジェクトにどれくらいの時間をアサインされているかが一目で分かるため、リソースの過不足を即座に判断できます。
- チームメンバーの稼働状況をリアルタイムで把握できる
- プロジェクトごとの人員配置を最適化できる
- 稼働率を可視化することで、適切な業務量の調整が可能になる
- アサイン調整にかかる時間を大幅に削減できる
リソース稼働率を最大化するためには、リアルタイムでリソースの状況を把握し、可視化することが重要です。これにより、効率的なリソース配置が実現できます。
属人化の防止
Excelやスプレッドシートでのアサイン管理では、特定の担当者しか管理方法を理解していない「属人化」が発生しがちです。アサイン管理ツールを導入すれば、誰でも簡単に操作できる環境が整い、担当者の不在時でもスムーズに業務を継続できます。
利益損失の防止
適切なアサイン管理ができないと、リソースの確認や調整に時間がかかり、機会損失につながります。アサイン管理ツールを活用することで、迅速かつ正確な人員配置が可能となり、プロジェクトの受注率向上や利益最大化が実現します。
アサイン管理ツールの選び方:重要な7つのポイント
1. 自社の課題と目的を明確にする
ツール選定の第一歩は、自社が抱える課題と導入目的を明確にすることです。以下のような点を整理しましょう。
- 現在のアサイン管理でどのような課題があるか(属人化、時間がかかる、可視化できないなど)
- 何を解決したいのか(稼働率の向上、アサイン調整時間の削減、スキル管理との連携など)
- どのような効果を期待するか(生産性向上、利益率改善、離職率低下など)
2. 必要な機能を洗い出す
アサイン管理ツールには様々な機能がありますが、自社に必要な機能を見極めることが重要です。
| 機能カテゴリ | 具体的な機能 | 重要度 |
|---|---|---|
| 可視化機能 | ガントチャート、カレンダービュー、稼働率グラフ | 高 |
| スキル管理 | スキルマップ、資格情報管理、経験値の可視化 | 高 |
| 予実管理 | 工数入力、実績集計、予算管理 | 中〜高 |
| アラート機能 | 稼働率超過通知、アサイン漏れ検知 | 中 |
| レポート機能 | 稼働率レポート、プロジェクト別集計 | 中 |
| 外部連携 | 勤怠管理システム、プロジェクト管理ツールとの連携 | 中 |
3. 操作性とユーザビリティを確認する
どれだけ機能が充実していても、現場のメンバーが使いこなせなければ意味がありません。無料トライアルやデモを活用して、以下の点を確認しましょう。
- 直感的に操作できるインターフェースか
- ITリテラシーが高くないメンバーでも使えるか
- 教育にどれくらいの時間が必要か
- モバイル対応しているか
多機能すぎるツールは、かえって使いこなせずに定着しないケースがあります。自社に必要な機能に絞り、シンプルで使いやすいツールを選ぶことも一つの戦略です。
4. 料金体系とコストパフォーマンスを比較する
アサイン管理ツールの料金体系は製品によって大きく異なります。以下の点を確認して、総合的なコストを把握しましょう。
- 初期費用の有無
- 月額料金(ユーザー数による従量課金か、定額制か)
- 最低契約期間(12ヶ月契約が一般的)
- オプション機能の追加費用
- サポート費用(無料サポートの範囲を確認)
5. 既存システムとの連携性を確認する
既に使用している勤怠管理システムやプロジェクト管理ツール、会計ソフトなどと連携できるかどうかは、業務効率化の大きなポイントとなります。API連携やデータインポート・エクスポート機能の有無を確認しましょう。
6. セキュリティ対策を確認する
アサイン管理ツールには、社員の個人情報やプロジェクトの機密情報が含まれます。以下のセキュリティ対策が実装されているか確認が必要です。
- データの暗号化(通信時・保存時)
- アクセス権限の細かな設定
- 二段階認証の対応
- 定期的なバックアップ
- ISMS認証やプライバシーマークの取得状況
7. サポート体制を確認する
導入後のサポート体制は、ツールを定着させるために非常に重要です。以下の点を確認しましょう。
| サポート項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 導入支援 | 初期設定のサポート、導入研修の有無 |
| 問い合わせ対応 | 電話・メール・チャットでの対応、対応時間 |
| マニュアル・FAQ | 分かりやすいマニュアルの整備状況 |
| アップデート | 機能改善の頻度、ユーザーの声の反映 |
アサイン管理ツール導入でよくある失敗パターン
目的が不明確なまま導入してしまう
「他社が導入しているから」「流行っているから」という理由だけでツールを導入すると、現場で活用されず形骸化してしまいます。導入目的と期待効果を明確にし、全社で共有することが成功の鍵です。
現場の意見を聞かずに決定してしまう
実際にツールを使うのは現場のメンバーです。経営層や管理職だけで決定せず、現場の意見を取り入れることで、使いやすく定着しやすいツールを選ぶことができます。
無料トライアルを活用しない
多くのアサイン管理ツールは無料トライアル期間を設けています。実際に使ってみることで、自社の業務フローに合うかどうかを確認できます。複数のツールを比較検討することをおすすめします。
運用ルールを決めずに導入する
ツールを導入しても、運用ルールが曖昧だと定着しません。以下のルールを事前に決めておきましょう。
- 誰が何を入力するのか
- どのタイミングで更新するのか
- データの確認頻度はどうするか
- 問題が発生した際のエスカレーションフロー
アサイン管理ツールの選定フロー
効果的なアサイン管理ツールを選定するために、以下のフローに沿って進めることをおすすめします。
- 現状分析:現在のアサイン管理の課題を洗い出す
- 要件定義:必要な機能と予算を明確にする
- 情報収集:候補となるツールを3〜5つピックアップする
- 無料トライアル:実際に使用して操作性を確認する
- 現場ヒアリング:実際に使用するメンバーの意見を収集する
- 費用対効果の検証:導入コストと期待効果を比較する
- 最終決定:経営層と現場の合意を得て決定する
- 導入計画:運用ルールと教育計画を策定する
選定には十分な時間をかけましょう。急いで決めると、後で「こんなはずではなかった」という事態になりかねません。少なくとも2〜3ヶ月の選定期間を見込むことをおすすめします。
クラウド型とオンプレミス型の選択
クラウド型のメリット・デメリット
現在主流となっているのがクラウド型のアサイン管理ツールです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 初期費用が低い | ランニングコストが継続的に発生 |
| どこからでもアクセス可能 | インターネット環境が必須 |
| 自動アップデート | カスタマイズの自由度が低い場合がある |
| 導入が簡単 | データの保管場所が外部サーバー |
オンプレミス型のメリット・デメリット
セキュリティ要件が厳しい企業では、オンプレミス型も選択肢となります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| セキュリティを自社で管理できる | 初期費用が高額 |
| カスタマイズの自由度が高い | 導入に時間がかかる |
| 自社サーバーでデータ管理 | 保守・運用に専門知識が必要 |
| インターネット環境不要 | 外部からのアクセスに制限 |
中小企業や中堅企業であれば、導入のしやすさやコスト面からクラウド型をおすすめします。大企業でセキュリティ要件が厳格な場合は、オンプレミス型も検討しましょう。
業種・業態別の選び方のポイント
IT・システム開発会社の場合
- エンジニアのスキル管理機能が充実しているか
- プロジェクト別の工数管理ができるか
- 複数プロジェクトへの同時アサインに対応しているか
- 開発ツール(GitHubなど)との連携ができるか
コンサルティング会社の場合
- コンサルタントの専門領域や経験を管理できるか
- クライアント別のアサイン状況を可視化できるか
- 稼働率とビリング(請求)を連携できるか
広告・クリエイティブ業界の場合
- 案件ごとのクリエイターアサインを管理できるか
- 制作進行管理と連携できるか
- 外部パートナーの管理もできるか
導入後の成功のために
段階的な展開を計画する
全社一斉導入ではなく、まず小規模なチームやプロジェクトで試験的に導入し、運用ノウハウを蓄積してから全社展開する方法が成功率を高めます。
定期的な振り返りを実施する
導入後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の節目で振り返りを実施し、期待していた効果が得られているか、運用上の課題はないかを確認しましょう。
継続的な教育と改善
新入社員や異動者向けの教育を継続的に実施し、運用ルールを見直すことで、ツールの定着率を高めることができます。
まとめ:次の一歩へ
アサイン管理ツールの選び方について、7つの重要なポイントと失敗パターン、業種別の選び方をご紹介しました。自社の課題と目的を明確にし、現場の声を取り入れながら、最適なツールを選定することが成功への近道です。
無料トライアルやデモを積極的に活用し、実際の使用感を確認してから導入を決定しましょう。適切なアサイン管理ツールの導入により、業務効率化、生産性向上、そして利益最大化を実現できます。
次の記事ではおすすめのアサイン管理ツール5選を詳しく紹介しています。各ツールの特徴や料金、向いている企業のタイプなどを比較していますので、ぜひ参考にしてください。
