レガシーシステムについてご存知でしょうか?

レガシーシステムは多くの問題をもたらすため、新しいシステムへの移行が必要です。

本記事では、レガシーシステムの意味や問題点、脱却方法についてITエンジニアを150名以上抱え、多くのシステム開発に25年以上携わりながらISO9001を取得している弊社の開発本部 佐藤が解説いたします!

弊社の紹介は、企業情報ページをご確認ください。

レガシーとはどういう意味か

レガシー(英語:Legacy)は遺産を意味する英単語です。

他にも受け継いだもの、業績、功績を意味します。

IT分野におけるレガシーの意味とは

一方で、ITの分野におけるレガシーは、時代遅れといったネガティブなイメージで使用されることがあります。

技術の進歩が早いIT分野では、新しいシステムに取って代わられる古いシステムをレガシーシステムと呼びます。

レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、過去の技術で構築された古いシステムのことです。

時代遅れのシステムとも呼ばれています。

企業で古くから利用されている旧型システムのことを指し、

IT業界では、1980年代に多くの企業がオフィスコンピューターやメインフレームを導入したこともあり、

現在でもその時代のシステムが利用されるケースが多々あります。

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レガシーシステムのデメリットとは

レガシーシステムには以下のようなデメリットがあります。

システム障害による事業への影響

レガシーシステムは、大規模なシステム障害を起こすリスクを持っています。

古いシステムは情報処理能力が落ち、老朽化が進んでいるため、膨大なデータを処理しきれずにダウンすることがあります。

システム障害が起これば、業務自体が止まってしまい、事業への多大な影響を与えてしまいます。

維持するためのコスト増加

レガシーシステムを利用し続けるには、定期的な改修が必要となります。

老朽化による不具合の発生頻度も高くなるため、メンテナンス費用もかかります。

さらに、レガシーシステムの保守・運用に人員を割く必要もあります。

コンプライアンスへの対応できない

コンプライアンスへの対応が難しいというデメリットもあります。

IT関連の法制度は度々改正されているため、それに合わせて企業も柔軟に仕組みの改善を行う必要があります。

しかし、レガシーシステムはそんな改善に追い付くことができません。

既存システムだけでは対応できず、新しいシステムを部分的に利用したり、

人手を使い対処したりしなければならず、非効率でコストパフォーマンスが低下してしまいます。

セキュリティリスクの増加

レガシーシステムは新しいシステムよりもハッキングに対して脆弱です。

データのセキュリティ対策も時代遅れのため、データを漏洩の危険にさらしてしまいます。

実際にデータ漏洩が発生した場合には、企業に深刻なダメージを与えます。

保守運用の属人化によるIT人材の不足

レガシーシステムの保守運用の属人化により、利用継続が困難になるという問題もあります。

レガシーシステムは部分改修をしながら利用していることが多いため、全ての改修履歴を管理しなければなりません。

また、レガシーシステムで使われているプログラミング言語を扱える人材も必要です。

若手人材は、最新システムを想定してスキルを身に着けているため、古いシステムへの対応が難しいです。

それだけではなく、若手人材からは、自身のスキルを活かせないという理由で就職先の候補から外されてしまいます。

ブラックボックス化により継続困難に

レガシーシステムは、中身がブラックボックス化してしまうことが大きな問題です。

長期的に利用することで、改修履歴が失われてしまうことがあります。

構築時の担当SEの転籍や、会社の体制が変わることで、内部構造がどんどん不明瞭になっていきます。

結果、システム更改が必要になっても、そのまま利用する選択を取ってしまう企業も多いのです。

レガシーシステムから脱却する方法

さまざまなデメリットがあるレガシーシステムから脱却する方法をいくつかご紹介します。

マイグレーション

マイグレーションは、既存システムを新しいシステムへ移行することです。

例えば、古いシステムからデータの欠損を修理し、新しいシステムに移行する方法です。

要件や機能を大きく変えずに、データ損失のリスクを抑えながら段階的に行うことができます。

マイグレーションには、以下の2つがあります。

レガシーマイグレーションシステムの移行が目的
データマイグレーションデータの移行が目的

モダナイゼーション

モダナイゼーションは、システムそのものを最新技術で刷新することです。

例えば、業務効率化のために新しい機能やインターフェースの導入を行う方法です。

既存のデータやプログラムを活用しつつ、システムを刷新するため、新システムを一から構築するよりもコストを抑えることができます。

また、モダナイゼーションの代表的な方法として、以下の3つがあります。

リプレース既存のシステムやデータの一部・すべてを新規のシステムに置き換えること
リホストプログラムはそのままに、新システムに移行すること
リライト既存のシステムと同等のシステムを新たなプログラミング言語によって再開発すること

システム更改の実施手順

レガシーシステムの脱却決めた後は、実際に更改作業を行う必要があります。

以下で基本的な実施手順を紹介します。

システムの規模や実施内容で手順は変わりますので、あくまで参考程度の情報となります。

①既存システムの把握と目的や方針決定

まずは既存システムを把握し、課題の洗い出しを行うことが大切です。

既存システムを適切に把握することで、目的や基本方針を整理することができます。

以下は、この手順で洗い出すべき一例です。

・既存システムの課題を整理

・既存システムの構成やデータの調査

・システム更改実施範囲の決定

・更改手法の選択

・リスクや費用の把握

・タスク・スケジュール整理

②更改計画書の作成

更改計画書を作成することで、システム更改を円滑に行うことができます。

誰が、いつ、何をするかなどの詳細を決定し、業務担当者が正しく理解できるような内容にすることが大切です。

以下は、更改計画書に記載するべき具体例です。

・更改手法

・更改の影響範囲(リスク)

・更改前のテスト計画

・全行程スケジュール

・組織体制(チーム)

③検証環境でのリハーサル実施・移行判定

次に実際の更改作業に移ります。

更改前のテスト完了後、本番環境でのテストも実施します。これをリハーサルと呼びます。

リハーサルを複数回行い、不具合発見と修正を繰り返します。

不具合を防ぐためにも念入りにテストを繰り返す必要があります。

④本番環境での移行実施

リハーサル完了後、本番環境での更改作業を行います。

⑤運用テスト

全ての更改が完了したら、再度運用テストを行います。

万が一、不具合が発生した場合は、チームと連携し、速やかに対処しましょう。

システム更改後も、システムを改善しながら生産性の向上を目指していくことが大切です。

レガシーシステム更改の際の注意点

レガシーシステム更改の際の注意点がいくつかあります。

実施前に以下を確認しておきましょう。

データ損失リスク

新しいシステムへの移行中にデータが失われてしまうリスクがあります。

必ずデータのバックアップを取り、復元プロセスも確認しましょう。

セキュリティリスク

システム移行の際は、重要なデータを取り扱うため、セキュリティ対策も求められます。

移行中に発生するセキュリティリスクを確認し、対策を取ることが大切です。

現場業務への影響

システムが更改することによって、現場業務には少なからず影響があります。

事前にコミュニケーションを取り、周知しておくことが大切です。

レガシーシステムと2025年の崖の関係性とは?

2025年の崖という言葉をご存知でしょうか?

日本の経済産業省は、レガシーシステムが放置されることで2025年以降に毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性を示しています。

これを「2025年の崖」と呼んでいます。

企業には、2025年の崖が現実とならないような対策や対応が求められています。

レガシーシステムを長期間利用することは、さまざまなリスクがあります。

企業としての利益損失にもなる問題なので、早期に対応することが大切です。

まとめ

いかがでしたか?

レガシーシステムの問題は、古いシステムを導入するすべての企業が抱える問題です。

放置することでリスクやコストが増えていきます。

2025年の崖もありますので、早めに対策を行うことが重要です。

一度ご利用中のシステムを確認し、更改や移行について検討した方が良いかもしれません。

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以上、レガシーシステムについてでした。