アジャイルという言葉をご存知でしょうか?

主にソフトウェア開発の分野で使用されてきた言葉ですが、今DX化を進めていく場面でも目にする機会が増えてきました。

本記事では、アジャイルとは何か知っておきたい方に向けて、開発本部の佐藤が詳しく解説いたします。

開発本部
佐藤

ITエンジニアを150名以上抱え、多くのシステム開発に25年以上携わりながらISO9001を取得している弊社の開発本部で活躍しています。GMとしてチームメンバーを率いながら、多くのITエンジニアを育成中です。

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アジャイルとは?ビジネス用語としての意味や使われ方

アジャイルとは?ビジネス用語としての意味や使われ方

アジャイル(英語:agile)は、元は「機敏な」を意味する英単語です。

変化に柔軟にすばやく対応するという意味で使用されることが多いです。
ビジネスシーンにおいては、ビジネス価値の実現にむけて、ITとビジネスにおける複雑・不確実な問題を探索と適応を繰り返して解決するアプローチのことを指します。

通常、アジャイルという言葉は、アジャイル開発やアジャイルマインドのように、言葉を組み合わせて使用されています。

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いを解説

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いを解説

「アジャイル」はもともとは、ソフトウェア開発の場面で、多く使われてきました。

以下で、比較されることの多いウォーターフォール開発と合わせて解説していきます。

アジャイル開発とは?

アジャイル開発とは、変化に柔軟に対応し、顧客に価値を継続的に提供することを重視する開発手法です。

「要件定義」「設計」「開発」「テスト」といったイテレーション(短い開発サイクル)を繰り返すことで、段階的に開発を進めていきます。

ユーザーのフィードバックを頻繁に取り入れることで、柔軟に仕様変更を行うことができます。

ウォーターフォール開発とは?

一方で、ウォーターフォール開発とは、計画を重視する開発手法です。

「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用・保守」といった工程を、滝のように順番に進めていきます。

計画が立てやすく、進捗管理がしやすいため、要件が明確な大規模プロジェクトに向いてる開発手法です。

DXを推進するのにアジャイル開発が適しているのはなぜか?

DXを推進するのにアジャイル開発が適しているのはなぜか?

アジャイル開発は、DX推進に適している多くのメリットがあります。

なぜ適しているのかを3つのポイントに絞り、説明していきます。

①変化に柔軟に対応できるため、競合優位性を確立しやすい

アジャイル開発は、 変化に柔軟に対応できる開発手法です。
そんなアジャイル開発は、デジタル技術の進化や顧客ニーズの多様化により、変化の激しい市場でも、競争優位性を確立できます。

②市場の変化スピードについていくことができる

アジャイル開発は、小さな単位での開発やテストを繰り返すので、一つの開発にかける時間が短いです。

変化のスピードが速い市場に対して、短期間で単発の開発を行うことができるので、DXを推進するのと相性が良いです。

③組織の変革を行うことができる

アジャイル開発は、短期間でのフィードバックを通じて、段階的に組織の変革を行うことができます。

企業のDXの推進では、組織の変革も競争優位性の確立のために、非常に重要なポイントです。

変化スピードの速い市場で生き残るためには、短期間で検証を行いながら試行錯誤できる「アジャイル」の考え方が求められるようになったのです。

DXの必要性を訴えている経済産業省のDXレポートについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご一読ください。

レガシーシステムの脱却にも有効な手段

レガシーシステムの脱却にも有効な手段

アジャイル開発は、DX推進の課題の一つである「レガシーシステム」にも有効な手段です。
レガシーシステムをいざ刷新しようとしても、データ損失リスクや、現場業務への影響など様々な課題があります。

柔軟性の高いアジャイル開発を取り入れることで、一気に刷新するのではなく、段階的に刷新することができるので、様々なリスクを最小限に抑えられます。

また、刷新時に予期せぬ問題や仕様変更が発生することがありますが、アジャイル開発であれば、このような状況にも柔軟に対応することができます。

ただ、レガシーシステムの規模や複雑さによっては、対応できない場合もあります。

特性を十分に理解し、適切な開発手法を選択することが大切です。

レガシーシステムからの脱却方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご一読ください。

代表的なアジャイル開発の手法

代表的なアジャイル開発の手法

アジャイル開発には様々な種類の手法があります。

スクラム

少人数のチームで短期間に「計画」「設計」「開発」「テスト」を繰り返す、代表的なアジャイル開発の手法です。

メンバーの役割を明確に定めることができ、チームでのコミュニケーションも取りやすいです。

カンバン

視覚的にタスクの進捗状況を整理し、効率的な開発を支援する手法です。

カンバンボードという、プロジェクト進行状況を視覚的に管理するツールを用いて、タスクを「未着手」「進行中」「完了」などの状態に分けて管理をします。

可視化することによって、チーム全体が現在の作業状況を把握しやすくなり、生産性が上がります。

エクストリーム・プログラミング(XP)

高品質なソフトウェア開発を目指し、2人1組でプログラミングを行う「ペアプログラミング」やテスト後に実装を行う「テスト駆動開発」などのプラクティス(慣習)を重視する手法です。

エクストリーム・プログラミング(Extreme Programming)を略して「XP」と呼ばれることもあります。

ユーザー機能駆動開発(FDD)

顧客にとって価値のある小さな機能を中心に開発を進める手法です。

ユーザー機能駆動開発(Feature Driven Development)を略して「FDD」と呼ばれることもあります。

リーンソフトウェア開発(LSD)

無駄を排除し、効率的な開発を目指す手法です。

トヨタ自動車の生産方式等に代表されるリーン生産方式をソフトウェア開発に応用したものです。

以下の7つの原則に当てはまる開発プロセスすべてが該当します。

1不要な機能や過剰なドキュメント等の無駄をなくす
2多くのフィードバックや開発のノウハウを蓄積し知識を作り出す
3多くの情報を収集し、最適な判断が下せるように最終決定を遅らせる
4フィードバックを早く得て改善できるように速やかにリリースする
5開発チームに決定権限を与えることでモチベーションを高める
6品質を重視し、手戻りを防ぐ
7開発の各工程だけではなく、開発のすべての工程を俯瞰し、最適化する

7つの原則を実践することで、変化に強いソフトウェア開発が可能になります。

リーンソフトウェア開発(Lean Software Development)を略して「LSD」と呼ばれることもあります。

適応型ソフトウェア開発(ASD)

継続的な仕様変化に適応することを重視し、複雑な環境に適した開発手法です。

「思索」「協調」「学習」のサイクルを繰り返します。

適応型ソフトウェア開発(Adaptive Software Development)を略して「ASD」と呼ばれることもあります。

開発をどのように進めていくのかを決め、目的に応じた手法を取り入れていきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

企業が変化の激しい市場で生き残るには、アジャイルの考え方を導入することはとても重要です。

短期間で検証を行いながら試行錯誤することで、市場や顧客に対して新たな価値を提供し、競争優位性を確立できることでしょう。

ぜひアジャイルの考え方を取り入れて、DX推進の課題を解決していきましょう。

また、弊社にはVisual Basic 6.0(VB6)のレガシーシステムのコンバージョンサービスもございます。

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以上、DX推進への重要な鍵「アジャイル」とは何か?についてでした。