インターネットやSNSの普及に伴い、顧客のニーズが多様化しています。
従来のマーケティング手法が通じなくなっていることから、しっかり顧客管理を行なって営業活動を進める必要があるでしょう。

この記事では、工務店がエクセルで顧客管理する方法とポイントについて解説します。エクセルで顧客管理を行う課題と解決策もお伝えするので、営業活動を効率化して受注機会を増やしたい方は参考にしてください。

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顧客管理(CRM)とは?

顧客管理(CRM)とは

顧客管理とは顧客の属性から趣味・関心事、購買履歴までの情報を管理することです。顧客の属性やニーズを把握できれば、最適なアプローチによって長期的な関係を築きやすくなります。
かつて、営業手法といえばDMの一斉送信といった均一的なものが主流でした。

近年は、インターネットとSNSの普及により情報が溢れかえっています。従来のアプローチ手法では顧客の心に刺さりにくくなっており、一人ひとりに合わせたアプローチ手法へ切り替えなければなりません。

したがって、各工務店は顧客管理で集めた「データ」をどう活用するかが重要となります。
なお、顧客管理は「エクセル」か「顧客管理ソフト・システム」を使うのが一般的です。

工務店が顧客管理すべき理由と目的

工務店が顧客管理すべき理由と目的
  1. 営業業務を効率化するため
  2. 顧客満足度が高まるため
  3. データをマーケティング施策に活用できるため

営業業務を効率化するため

顧客管理を導入する目的の一つが、効率的に業務を回して受注機会を増やすことです。紙での管理と違って情報を見つけやすく、業務スピードを改善できます。

工務店内の引き継ぎ時間を短縮して、誰でも同じような対応ができるところもメリットといえます。

顧客満足度が高まるため

適切な顧客管理は、顧客満足度を向上させます。

嗜好や購買傾向から一人ひとりに寄り添ったサービスを提供できれば、長期的な関係を続けられるでしょう。関係が継続すれば、商品が再度購入されたりお友達紹介につながったりと工務店の売り上げアップに期待できます。

データをマーケティング施策に活用できるため

顧客情報からニーズやノウハウを把握できれば、マーケティング施策を最適化できます。例えば4〜5年前に住宅を建築した顧客がいた場合、外壁のクリーニングを促すようなメールを配信できるのです。

近年はマーケティング手法の細分化で、均一的なアプローチの効果が薄まっています。
データに基づいた営業提案は、結果的に時間やコストの節約にもつながります。

工務店がエクセルで顧客管理する方法とポイント

ここでは、工務店がエクセルで顧客管理する方法について解説します。
顧客管理のデータベース化はとても簡単なので、ぜひ試してみてください。

工務店がエクセルで顧客管理する方法とポイント

顧客情報を設定する

まずは顧客管理に必要な項目を設定します。管理項目の事例は以下のとおりです。

  • 顧客番号
  • 名前
  • 住所・地区
  • 生年月日
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 初回購入日
  • 購入品
  • 興味・関心
  • 趣味
  • 営業担当
  • クレーム回数・内容

管理項目は工務店によって異なるので、工務店に合わせて情報を厳選してください。管理項目が少ないとマーケティング施策に活かせず、多すぎると管理が複雑になってしまいます。
バランスを見極めることが、顧客管理がうまくいくコツです。

データを入力する

管理項目を設定したらエクセルへデータを入力します。一行目には、管理項目をひとつずつ左から右へ入力してください。上記の管理項目を例にすると、A2に「顧客番号」、B2に「名前」といった具合です。

続いて、管理項目の下にデータを入力します。
情報量が多くなると、打ち間違いが起こりやすくなるので十分に注意してください。

データベース化する

最後に、エクセルのテーブル機能を使って顧客管理表をデータベース化します。

  1. データベース化したい情報の範囲を指定する
  2. [ホーム]→[スタイル]→[テーブルとして書式設定]からスタイルを選択

データベース化されたリストは「フィルター」や「並び替え」など、さまざまな機能を利用できます。一行おきに色分けを行えば、情報が見やすく管理がしやすくなるのでおすすめです。

データ管理に役立つエクセルのおすすめ機能

顧客管理におすすめできる、エクセルの便利機能3つを紹介します。

データ管理に役立つエクセルのおすすめ機能

【エクセルの便利な機能①】ウィンドウ枠の固定

「画面を下にスクロールするとどの管理項目かわからなくなる」といった経験はありませんか。
ウィンドウ枠の固定機能を使うと、管理項目を表示したまま画面を下にスクロールできます。

  1. 固定したい行の下の行、かつ固定したい列の右の列にあるセルを選択
  2. [ホーム]→[表示]→[ウィンドウ枠の固定]を選択

なお、固定を解除する際は[表示]→[ウィンドウ枠の固定]を選択してください。

【エクセルの便利な機能②】重複チェック

顧客管理のデータ量が多いと、データが重複してしまうケースがあります。
以下の手順から、データが重複していないかを確認してみてください。

  1. [ホーム]→[条件付き書式]→[重複する値]

【エクセルの便利な機能③】検索機能

検索機能を使うと、エクセルの画面内から瞬時に情報を探し出せます。

Windowsの場合は「Ctrl」キー+「F」、Macの場合は「Command」+「F」でページ内検索が可能です。

データ量が多ければ多いほど、検索機能の便利さを体感できるはずです。

エクセルで顧客を管理する際の注意点

エクセルで顧客を管理する際の注意点

顧客のデータは「一行に一件」にする

顧客のデータ入力は「一行に一件」を守ってください。同じ行に2件以上のデータが入力されていると、並び替え時などにエクセルの機能が反映されません。

業務を効率化するためにも「一行に一件」でまとめることを忘れないようにしてください。

リアルタイムな情報をつかめない

エクセルはスプレッドシートのように、リアルタイムでの情報共有に適していません。集計結果をすぐにマーケティング施策に活用できない点は、大きなデメリットと言えそうです。

例えば工務店で売れた製品を瞬時に解析できれば、翌日以降に営業手法に組み込むことができます。工務店でスムーズにデータ共有したい場合は、エクセルが不便と感じる可能性が高いです。

スマホでの使い勝手がよくない

スマホ向けにエクセルのアプリがありますが、使い勝手がいいとは言えません。大量の情報を扱うエクセルは基本的にパソコンが前提となっており、データの確認や入力がしにくいからです。

営業先でもデータの入力は難しく、工務店に戻ってから作業することになるでしょう。どうしても営業先でエクセルを使いたい場合は、タブレットを活用することをおすすめします。

工務店がエクセルで顧客管理を行う課題と解決法

工務店がエクセルで顧客管理を行う課題と解決法

顧客管理表の作成に時間がかかること

顧客管理表をイチから作成するのは時間がかかります。
作成を簡略化したい場合は、エクセル向けの「顧客管理テンプレート」が便利です。インターネット上には顧客管理テンプレートが数多く提供されており、無料でダウンロードすることができます。

複数人による同時操作・同時編集ができないこと

エクセルの機能上、2人以上でデータを入力できません。すでに誰かが入力作業している場合は終わるまで待つ必要があり、業務が滞ってしまいます。

顧客管理をスムーズに行いたい場合は、工務店・建設業界向けの「顧客管理ツール」がおすすめです。順番待ちのストレスがなく、営業効率を底上げできます。

動作が重くなるときがあること

データ量が膨大でエクセルの動作が重くなった、という経験は誰にでもあるでしょう。

動作の遅さは業務効率が落ちるだけでなく、データ破損のリスクがあることから見逃せないポイントと言えます。余計なデータや関数は極力なくして、こまめにバックアップを取ることが重要です。

セキュリティに不安があること

エクセルの顧客管理表には、お客様のプライベートな情報が数多く含まれています。
工務店によっては情報のアクセスもコピーも簡単にできる、という状態かもしれません。

情報の流出を最小限に抑えるためにも、エクセルの「アクセス権限」を忘れずに設定してください。

まとめ
工務店向けエクセルで顧客管理する方法と活用方法について

この記事では、工務店向けにエクセルで顧客管理を行う方法について解説しました。

エクセルはほとんどの工務店へ導入され操作慣れしていることから、顧客管理で手間取る機会も少ないでしょう。便利な機能が豊富で使いやすいエクセルですが、見逃せない課題があるのも事実です。

顧客情報を一元管理して営業業務を効率化したい方は、顧客管理ツールの活用をおすすめします。

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