選ばれる工務店になるためには、住宅引き渡し後のアフターサービス(カスタマーサポート)が欠かせません。お客様は住宅のデザインや価格に加えて、同じくらいアフターサービス・アフターメンテナンスを重視しています。
この記事では工務店・ハウスメーカーがアフターサービスを行なうメリット・デメリット、注意点についてお伝えします。
工務店とハウスメーカーのアフターサービスの共通点や成功事例も紹介するので、自社の見直しを行いたい方は参考にしてください。
工務店がアフターサービス・メンテナンスを行なう重要性とは?

アフターサービス・アフターメンテナンスは工務店とお客様双方にメリットがあります。
その中のひとつが長期優良住宅の認定です。
長期優良住宅は工務店の定期的なサポートを受け「100年以上使い続けられる」「リフォームがしやすい
」など、一定の条件をクリアした住宅です。
長期優良住宅に認定されると「住宅ローン減税の控除枠拡大」「フラット35の金利優遇」「固定資産税の軽減」など、さまざまな恩恵を受けられます。
固定資産税を例に挙げると、軽減期間は5年間「2分の1」に軽減されます。(一般住宅は3年間)
一般住宅とは2年間の違いですがトータルで数十万円の違いになることから、お客様にとってメリットは大きいといえるでしょう。
地震に強く夏や冬でも快適に暮らせる、というメリットもあります。
工務店のアフターサービス・メンテナンスは長期優良住宅の認定に関わることから、お客様が住宅施工会社を選ぶ一つの基準となっています。
工務店とハウスメーカーによるカスタマーサポートの共通点

工務店やハウスメーカーは、新築住宅を引渡す際に「瑕疵担保責任」を負う義務があります。
瑕疵担保責任とは建築した住宅に瑕疵(傷や欠陥)があった場合に、施主側が補修費用を請求できる制度です。
最低10年間は欠陥が保証され、保証内容は「地盤保証」「シロアリ保証」「雨漏り保証」などが挙げられます。
仮に住宅施工会社が倒産しても制度が適用されることから、お客様は安心して住宅を建築できます。
お客様が工務店を選ぶ決め手

2021年6月に全研が実施した「工務店を選んだ決め手」に関する調査では、以下の結果が出ています。
要望を詳細に聞いてくれたから | 50.5% |
コストパフォーマンスが比較的高かったから | 31.7% |
アフターフォローなどのサービスが手厚いから | 29.7% |
工務店の強みが自分の要望とマッチしていたから | 28.7% |
提案力が高かったから | 21.8% |
実績が豊富だったから | 19.8% |
評判が高かったから | 17.8% |
その他 | 12.9% |
覚えていない | 5.9% |
施主は住宅のデザインや価格に加えて「アフターサービスの手厚さ」も同じくらい考慮することがわかります。
どんな住宅であれ、雨風や車の排気ガス、生活の積み重ねなどで経年劣化は必ず発生します。
メンテナンスに関して言えば、工務店は早期発見・早期解決に努めることが大切です。
ケアが遅れると施主側の金銭的・精神的負担は大きくなり、工務店への信頼が大きく失墜するからです。
外壁のコーキングであれば施主自身で見つけられるため、「定期的に確認してください」と声をかけるだけで随分結果は変わってきます。
日頃から「これは伝えた方がいい」と思うものはすぐにメモを取り、施主からの信頼を蓄積して選ばれる工務店を目指してください。
アフターサービス・メンテナンスのメリット・デメリット

【アフターサービス・メンテナンスのメリット】顧客との関係が長続きする
アフターサービス・メンテナンスに力を入れると顧客との信頼関係や顧客満足度が高まります。
工務店と顧客の関係は、家を建ててからの方がずっと長く続くものです。
アフターサービス・メンテナンスの説明をする際は、保証内容の詳細をわかりやすく伝えることをおすすめします。
また、良好な関係が続くとリフォームや増改築の依頼が増えます。
工務店の良い口コミが広がれば、売上アップにも期待ができるはずです。
【アフターサービス・メンテナンスのデメリット】顧客へアピールできない場合もある
長期保証を設けられない工務店は、顧客に十分アピールできない可能性が高いです。
資本力のある大手ハウスメーカーと違って、工務店は長期保証をつけられないケースも珍しくありません。
大手ハウスメーカーの場合、有料にはなりますが最長で35年保証まで伸ばすことができます。
長期保証で住宅施工会社を選ぶ顧客には、気候や風土を知り尽くした提案、迅速に対応できる所などをアピールしてみてください。
工務店のアフターサービス・メンテナンスのポイント

メンテナンス内容や期間を提示する
お客様にはメンテナンスの実施内容や期間について、きちんと説明する必要があります。
住宅は金額の大きな買い物になるので、安心して暮らせる住宅を求めています。
住宅説明会や資料ではメンテナンスを詳細に説明して、安心感や信頼感を覚えてもらいましょう。
また、建築中の住宅の「土台」や「柱」を見学する機会を設けるのもおすすめです。
アフターメンテナンスがイメージしやすくなりますし、工務店ならでは強みをアピールするチャンスになります。
お客様とコミュニケーションを深める
前述した「工務店を選んだ決め手」にあるように「要望の詳細を聞くこと」「親身になって相談に乗ること」は工務店ならではの強みです。
地域の気候や風土を理解しているからこそ、お客様にとっての最適な住まいを提案できます。
専門のアフターサービス部門を持たない工務店も多いかと思います。
営業や現場管理者が直接お客様とやり取りを重ねて、徐々にコミュニケーションを深めることが大切です。
人手不足の課題と向き合う
工務店が人手不足では、アフターサービス・メンテナンスに力を注げません。
人手不足に悩んでいる工務店は、一度採用方法や条件を見直してみてください。
顧客管理や雑用業務に時間を取られるならば「業務効率化ツール」を導入してみてはいかがでしょうか。
メンテナンス時期を自動で顧客へ通知できますし、伝達漏れがなく安心して本来の業務へ集中できます。
定期点検は工務店が行なう
定期点検は外部委託ではなく、工務店自身で行なってください。
工務店は自社商品の知識があり、その土地の気候や風土を熟知しています。
例えば豪雪地帯の住宅ならば、どこが痛みやすいか、どこをケアすべきかを理解できているはずです。
また、外部委託は審査基準や作業プロセスが工務店と違うところも多く、品質にバラツキが発生しやすい懸念点があります。
カスタマーサポートの成功事例

一条工務店
業界大手のハウスメーカー『一条工務店』は、アフターサポートに非常に力を入れています。
お客様と一条工務店をつなげるサポートアプリ「iサポ」では、消耗品の購入サイトやメンテナンスマニュアル、サポート窓口などを用意。
オンラインストアは自宅に使用されている交換部品だけが表示されるため、誤発注がなくスムーズに注文できるのがメリットです。
アプリ内のサポート窓口は、相談先の電話番号をリスト表示してトラブル発生時に瞬時に連絡できる 嬉しい機能です。
細田工務店
創業80年を迎える『細田工務店』では、ホームページ上に「外壁」や「電気設備」など、部位ごとのお手入れ方法を公開しています。
外壁はひび割れや色褪せの症状が出やすいですが、アフターメンテナンスとして施主が目視確認やブラシでのお手入れ方法を学ぶことができます。
さらに、はしごや脚立を使う際は、転落防止のため二人一組で作業するなど、注意点も公開。
施主自らアフターメンテナンスを行なうことで、問題の早期発見・早期解決が実現できるのです。
まとめ
選ばれる工務店に!アフターサービス・フォローの充実でお施主様の満足度UP
今回は工務店がアフターサービスを行なう重要性とメリット・デメリット、注意点について解説しました。
従業員が少ない場合、アフターサービスにまで人員を回せないというケースは多いはずです。
人手不足問題は「業務効率化ツール」で大幅に改善できる可能性が高まります。
顧客管理や業務内容を可視化することで、業務工数を削減しアフターサービスや提案業務に力を注げます。
アフターサービスを充実させて「選ばれる工務店」を目指す方は、一度資料を問い合わせてみることをおすすめします。
弊社工務店、住宅メーカー向けコミュニケーションアプリ『つながる家づくり-plantable- 』は、お施主様とのつながりをより強いものに、理想の家づくりの打合せをひとつのtableを囲んでお話しするように気軽に、工務店、住宅メーカー様に寄り添い課題解決をお手伝いします。お気軽にご相談ください。
