人材の流動化や人材不足が深刻化するなかで、スキルマネジメントに注目が集まっています。
スキルマネジメントは人材配置や人材育成を最適化するだけではなく、従業員のエンゲージメント向上にも効果が期待できるのです。
この記事ではスキルマネジメントの必要性とメリット・デメリットについて解説します。
スキルマネジメントシステムの有用性もお伝えするので、人材を最大限に活かしたいという方は参考にしてみてください。
スキルマネジメントとは、スキル把握・人材育成に欠かせない手法のひとつ

スキルマネジメントとは、直訳すると「スキルを管理すること」です。
スキルマネジメントの目的は、スキルを定量化して人材育成や人事評価に取り組みやすくすることです。
定量化には物事を数値化や数量化して捉える、という意味があります。
「Adecco Group Japan」の調査によると、部下のマネジメントにおけるもっとも大きな課題として、以下の3つが上位を占めています。
- モチベーションの管理
- 育成
- 一体感の醸成
出典:コロナ禍での部下のマネジメントに関する調査(2022年)|Adecco Group japan
上記の課題を解決する方法として、スキルマネジメントは非常に有効です。
スキルマネジメントでスキルを定量化すれば、人員配置や人材育成、人事評価に役立てることができます。
なおアメリカの経営学者ロバート・L・カッツ氏は、カッツモデル理論でビジネススキルを以下の3種類に分けています。
テクニカルスキル | プログラミング能力や資料作成能力など、業務の遂行に必要な技術や能力のこと |
ヒューマンスキル | コミュニケーション能力やリーダーシップなど、人間関係の構築に必要な能力のこと |
コンセプチュアルスキル | ロジカルシンキングや柔軟性など、複雑な事象を概念化して本質を見極める能力のこと |
スキルをマネジメントするメリット・デメリット

スキルマネジメントは人材育成や人員配置を効率化するメリットがありますが、デメリットも存在します。
デメリットにも目を通して、対策方法を検討しましょう。
スキルマネジメントのメリット
組織全体でスキルの強み・弱みがわかる
今までわからなかったスキル総量が可視化されることで、組織やチームの強み・弱みがわかります。
そのため「スキル保有者をどのプロジェクトにアサインするか」「足りないスキルをどう補うか」など、業務の方向性が明確になるのです。
また、他部署からメンバーを招集したり応援に向かわせたりするなど、臨機応変な対応も可能になります。
スキル検索が容易になる
プロジェクトアサインを検討する際に、必要なスキルを保有した人材をすぐに見つけられます。
スキルが可視化される前は、プロジェクトに適さない人材を採用することが多々あったかもしれません。
つまり、スキルマネジメントによって人材を最大限に活用できるようになるのです。
スキルの維持・管理ができる
スキルの維持は、保有するスキル・資格が古くならないための目安にできます。
時代の流れで求められるスキルは変わることから、スキルアップのひとつの指標になるでしょう。
資格取得日や研修受講日などを一覧表で確認できるので、新たな資格取得や研修を促す際にも活用できます。
人材育成に活用できる
スキルマネジメントは、効果的かつ効率的な人材育成に活用可能できます。
なぜなら従業員一人ひとりのスキルや経験に沿って、目標や育成方法を計画できるからです。
さらに部下をどのように育成するかなど、中長期的な視点で人材育成を検討できます。
適切な人材配置が可能になる
従業員のスキルや経験、特性などをもとに、適切な人材配置が可能になります。
上司やプロジェクトマネージャーの勘に頼った人材配置ではないため、プロジェクトの成果が出やすくなるはずです。
スキルマネジメントのデメリット
整備に時間がかかる
スキルマネジメントは、整備に時間がかかってしまいます。
全ての業務を洗い出して、スキルマップの作成やスキル評価の設定を行う必要があるからです。
スキルマップの作成は、テンプレートを活用したりスキル管理ツールを使ったりするなど、効率化を目指しましょう。
不満が生まれる可能性がある
スキルマネジメントでは保有スキルと評価が、定量化・可視化されます。
そのため「プロジェクトに招集されない」「プライドが傷ついた」といった不満が生まれる可能性があります。
従業員が前向きにスキルアップを目指せるように、適切なコミュニケーションと環境作りを心掛けてみてください。
【課題解決】スキルマネジメントシステムとは?

スキルマネジメントシステムとは、従業員のスキル情報や知識情報を一元管理するシステムです。
スキル情報は技術や能力、資格、業務経験、習熟度、評価などを指します。
クラウド型のスキルマネジメントシステムはスキル情報や利益率の計算をリアルタイムで行えるので、直感的な管理が可能になります。
スキルマネジメントシステムのメリット・デメリット

ここでは、スキルマネジメントシステムのメリット・デメリットを見ていきましょう。
スキルマネジメントシステムのメリット
スキルマネジメントの工数を削減できる
スキルマネジメントシステムは部署をまたいだスキル検索などにより、業務工数の削減に貢献します。
無駄な時間の削除でコスト削減や人材不足の解消、生産性の向上といった恩恵を受けられます。
適切なアサイン管理
個人の強みや特性を活かした人材配置は、作業効率と品質の向上に期待ができます。
特に従業員数が多い企業ほど、システムの恩恵を感じやすくなるはずです。
従業員一人ひとりの最適なアサイン管理を実現して、利益の最大化を目指してください。
従業員のエンゲージメント向上
適切な人材配置や人事評価は、従業員のエンゲージメント向上に効果を発揮します。
従業員のエンゲージメントが高い状態とは、仕事に対する意欲があり「この会社のために頑張ろう」という状態です。
近年は従業員の離職防止や生産性アップに効果があるとして、エンゲージメント向上に力を入れる企業が増えています。
ISO監査を効率化
スキルマネジメントシステムは、スキルマップの自動作成機能を備えています。
ISO監査を前に慌ててスキルマップを更新した経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
スキルマネジメントシステムはスキルマップの更新通知機能があるので、最新の情報を反映しやすくなるメリットもあります。
スキルマネジメントシステムのデメリット
導入コストがかかる
スキルマネジメントシステムはエクセルやスプレッドシートとは異なり、導入コストが発生します。
導入コストを少しでも抑えたい方は、クラウド型を選択する方法がおすすめです。
クラウド型は導入コストが低く、リアルタイムでスキル・アサイン状況を把握できるメリットがあります。
操作に慣れが必要
スキル管理をシステムに一本化できるとはいえ、操作には慣れが必要です。
「エクセルと操作が似ている」「直感的に操作ができる」など、トライアルを利用して自社に合ったシステムを探してみてください。
スキルをマネジメントするおすすめツール【スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi】

「fapi」はスキル管理やスキルマップの作成をサポートする、スキル管理・アサイン管理ツールです。
クラウド型なので低コストで導入できるうえ、いつでもどこでも最新のスキル・アサイン状況を確認できます。
従業員数が50人を超える企業では、エクセルによるスキルマネジメントが頻雑・ブラックボックス化しているケースも多いでしょう。
「fapi」はスキル項目を自由に設定できるため、自社に合ったスピーディーなアサインを強力に支援します。
まとめ
この記事ではスキルマネジメントの必要性と、メリット・デメリットについて解説しました。
スキルマネジメントの工数を削減するには、スキルマネジメントシステムが有効です。
システムで業務工数を削減して、従業員のエンゲージメント向上や利益率アップを加速させましょう。