どの企業も人手不足が深刻化していることから、適切な進捗管理や生産性の向上が叫ばれています。

プロジェクトのタスクを細分化してプロジェクト達成に必要なメンバーや時間を管理するには、工数管理表を活用します。

当記事ではITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアの工程管理を25年経験してきて効率化し、工程管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美が、工数管理表の重要性とエクセルを使った工数管理表の作り方について解説します。

プロジェクトをより効果的・効率的に進められる「工数管理ツール」もお伝えするので、工数管理の導入を検討している方は参考にしてみてください。

詳細は弊社コーポレートサイトをご確認ください

工数管理表とは?

工数管理表とは?

工数管理表とは、プロジェクト完了までに「だれが」「どの作業に」「どれくらい時間がかかったか」を記録した表のことです

従業員の得意業務や改善ポイントなどを把握できるので、業務効率化やコスト削減、新規プロジェクトへ役立てることができます。

工数管理表はリソースの効率化に必須なツールであり、プロジェクトで利益を残すためには欠かせません。

一般的に、工数管理表はエクセルやスプレッドシート、専用ツールで作成および管理を行います。

また、工数管理表エクセルテンプレートも存在しますので、作成する際に活用してみてください。

工数管理はプロジェクトマネジメントの基本といわれ、プロジェクトマネージャーの必須スキルです。

工数の表し方

工数管理では以下の単位が使われます。

人時(にんじ)チームメンバー1人が1時間でこなせる作業量
人日(にんにち)チームメンバー1人が1日でこなせる作業量
人月(にんげつ)チームメンバー1人が1ヶ月でこなせる作業量

工数計算で人日を用いるときは、1日の作業時間を何時間に設定するか決めておきましょう。

なぜなら休憩時間やミーティング時間など、作業が行えない時間もあるからです。

また、人月は稼働日を「20日」として計算するケースが多いのを覚えておきましょう。

工数の測り方

工数は「工数=作業人数×作業時間」で求められます。

作業人数や作業時間が多くなるほど「工数がかかるプロジェクト」ということです。

例えば工数が「30人月」で作業時間が「5ヶ月」かかる場合は、作業人数は「6人」となります。

プロジェクト完了までに30人月かかる見積もりで納期が3ヶ月だった場合は、チームメンバーが10人必要という計算です。

工数÷作業時間=作業人数

基本的な計算方法を覚えておけば、プロジェクトごとの生産性や利益率を把握できたり新規プロジェクトのスケジュールが組みやすくなったりします。

エクセルでの工数管理表の作り方

エクセルでの工数管理表の作り方

工程管理表の作り方は「テンプレート」「WBS」「ガントチャート」の3種類です。

ここでは、エクセルを用いたWBSとガントチャートを利用する工数管理表の作り方をお伝えします。

WBSタスクを細分化したリストのことで、タスクは大小のカテゴリに分類される。タスクの抜け漏れを防ぎプロジェクトを網羅的に把握できるのがメリット
ガントチャート棒グラフを用いてプロジェクトの進捗状況を把握しやすくした表のこと。作成にはWBSを利用し、スケジュールの状況は他のメンバーと簡単に共有できるのがメリット

基本的に、工数管理表はWBSを作成してからガントチャートを作成する流れとなります。

  1. 【WBS】タスクを大・中・小のカテゴリーに分ける
  2. 【WBS】タスクごとに担当者を割り振る
  3. 【WBS】タスクの開始日・終了日を入力する
  4. 【ガントチャート】タスクごとに進捗ステータスを設定する
  5. 【ガントチャート】横軸に日付と棒グラフを作成する

【WBS】タスクを大・中・小のカテゴリーに分ける

まずはプロジェクトに必要なタスクを大まかに洗い出します。

さらに大カテゴリーの下には中カテゴリー、その下に小カテゴリーと階層分けを行いましょう。

大カテゴリー中カテゴリー小カテゴリー
例)自社製品の販売製品の製造商品ジャンルの決定市場調査、売れそうな商品ジャンルの洗い出し

【WBS】タスクごとに担当者を割り振る

「タスクリスト」の右側のセルに「担当者」と入力し、その下にはタスクごとの担当者名を入力します。

担当者のスキルレベルや負担を考えて作成することが、実用的な工数管理表のコツです。

【WBS】タスクの開始日・終了日を入力する

「担当者」の右側のセルに「開始日」、その右側には「終了日」と入力しましょう。

終了日とは期限を意味します。

プロジェクトの進行中にトラブルが発生する可能性もあるため、無理のない工数管理表に仕上げてください。

【ガントチャート】タスクごとに進捗ステータスを設定する

工数管理表にWBSを作成したら、ガントチャートを作成します。

まずはWBSで入力した「終了日」の右側のセルに「進捗ステータス」を追加します。

進捗ステータスには「未着手、作業中、完了」のドロップダウンリストを設定しましょう。

【ガントチャート】横軸に日付と棒グラフを作成する

タスクごとの開始日・終了日を元に、セルに色を付けるとガントチャートは完成です。

工数管理ツールの一覧

工数管理ツールの一覧

工数管理表より見やすく手軽に管理できるのが「工数管理ツール」です。

Backlog(バックログ)

「Backlog」は誰がどのタスクを進めているかをわかりやすく見える化し、スケジュール遅延を防いで業務の進行をサポートしてくれます

直感的に操作できるUIを採用しているので、誰でも見やすく入力に手間取らないのがメリットです。

料金プラン(月額)
スターター2,970円
スタンダート17,600円
プレミアム29,700円
プラチナ82,500円
30日間無料お試しあり

Pace(ペース)

エクセルの工数管理表から「Pace」に移行することで、管理に費やす手間や工数を大幅に削減できます。

「日報提出だけで営業利益を見える化」「メンバーごとに稼働割合や累積時間をグラフ化」など、多角的な経営分析へとつなげます。

料金プラン550円/月
30日間無トライアルあり

クラウドERP ZAC.

「ZAC」はベンチャーから大企業まで、950社以上の導入実績がある業務管理システムです。

工数管理から勤怠管理、経費管理まで、すべての業務を一本化できるのが最大の特徴です。

料金プラン要問い合わせ
無料デモあり

freee工数管理

クラウド会計ソフトで有名なfreeeが提供する工数管理ツールで「使いやすさ」が特徴です。

「カレンダーと自動連携」「工数の一括登録」といった豊富な機能により、誰もシステムを使ってくれないという問題を解決できます。

料金
メンバー600円/月
システム管理者/プロジェクトマネージャー2,400円/月
無料お試しあり

CrowdLog(クラウドログ)

「CrowdLog」はプロジェクト予実や工数管理を、手軽に行いたい方へおすすめできる工数管理ツールです。

プロジェクト、メンバー、業務項目ごとにリアルタイムに集計して、集計作業の手間を95%削減した実績があります。

料金プラン
無料トライアル0円(7日間)
ベーシックプラン要問い合わせ
プレミアムプラン要問い合わせ

スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi

「fapi」は専門的なスキルの細分管理や正確なアサイン管理で、エクセル比で全体工数85%カットに成功したクラウドツールです。

エンジニアのスキル管理にシステムが最適化され「管理項目の自由度の高さ」「効率的なデータ集計・分析」が大きな特徴となっています。

料金プラン
ミニマム300円/月・人
スタンダード400円/月・人
プレミアム800円/月・人
30日間無料トライアルあり

TeamSpirit(チームスピリット)「チムスピ工数」

「チムスピ工数」はリアルタイムな工数集計により、正確な原価管理・工数計画をサポートするツールです。

必要に応じて「チムスピ勤怠」「チムスピ経費」を組み合わせることで、プロジェクトをより効率的・効果的に進行できます。

料金
月額ライセンス300円/1人
月額15,000円/50ライセンス〜

EnkinGT.

「EnkinGT.」はカンバンやガントチャートなどでタスクを簡単に共有して、無理な計画を回避し適切なアサインを実現します。

モバイルアプリにも対応しているので、タスクの参照以外にも登録や編集を外出先から行えます。

料金
フリー永久無料/10ユーザー
スタンダード「スターター」1,000円/月・10ユーザー
スタンダード「ノーマル」8,500円/月・ユーザー無制限
スタンダード「グローバル」15,000円/月・ユーザー無制限
プロフェッショナル900円/月・20ユーザー〜
スタンダードの9日間無料トライアルあり

TimeCrowd(タイムクラウド)

「TimeCrowd」はワンクリック打刻およびカレンダー連携をするだけで、プロジェクトごとの時間管理や人件費管理をリアルタイムで実現できます。

どの業務に時間がかかっているかを確認できるので、業務改善の次の一手が検討しやすいです。

料金プラン要問い合わせ

【まとめ】工数管理表を活用してプロジェクトを成功させよう

今回は工数管理表の概要とExcelを用いた作成方法、工数管理に特化した専用ツールについてお伝えしました。

工数管理表はリソースを最大化して、無駄なく無理のないプロジェクト進行を実現します。

工数情報はだれがどんな働き方をしているのかを表す、組織戦略に欠かせないデータです。

本記事を参考に工数管理表を作成して、プロジェクトの完遂と利益確保を実現しましょう。