従業員数が50人を超えるような企業は、Excelでのスキル管理に限界を感じていることでしょう。

管理フォーマットを統一して、スキル状況から瞬時に必要な人材を探し出せるのが「スキル管理ツール」です。

この記事ではスキル管理ツールのメリット・デメリットから、おすすめのスキル管理ツールまでを解説します。

人材管理を効率化して受注率アップ・利益向上につなげたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

スキル管理ツール(システム)とは?

スキル管理ツール(システム)とは?

スキル管理ツールとは「従業員のスキルを一元化・可視化する」「社内で情報を共有すること」を目的としたツールです。

一元管理するスキルの中には、従業員の技術や知識、保有する資格を含みます。

蓄積したスキル情報をもとに、勘や経験に頼らずに人材配置や人材育成を最適化するのが強みです。

スキル管理ツールのタイプ

タレントマネジメントシステムタイプ

タレントマネジメントシステムタイプは従業員のスキル管理に加えてキャリア志向やサーベイなど、人材情報を幅広く管理します。

人材採用や人事評価など、人事労務に関する幅広い機能を備えているのが特長です。

スキル管理特化タイプ

スキル管理特化タイプは機能を集約している分、機能がシンプルな製品が多いです。

タレントマネジメントタイプより低コストで、従業員のスキル管理に注力したい企業におすすめできます。

業界・職種特化タイプ

業界・職種特化タイプは、その名の通り特定の業界や職種に特化しているのが特徴です。

例えばIT業界や製造業に特化したタイプならスキルマップや教育訓練計画を一元化して、それぞれの分野に必要な技術・資格に焦点を当てて管理します。

おすすめのスキル管理ツール3選!

スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi

fapiはエンジニアのスキル管理や、ITプロジェクトのアサイン検討・管理に特化したスキル管理ツールです。

エンジニアのスキルや業務経歴を一元管理して、プロジェクトへマッチするエンジニアの検索およびアサイン業務を効率化します。

スキルの管理項目は自由に変更でき、自社の管理項目をそのまま移行することも可能です。

初期費用の中には管理項目の設定代行や、利用方法のレクチャーなどが含まれます。

1ヶ月間の無料トライアルも用意されているので、使用感や業務の改善度合いを検討できるのが魅力です。

料金プラン
ミニマム300円/月・人
スタンダード400円/月・人
プレミアム800円/月・人
無料トライアル0円(1か月)

SmartHRタレントマネジメント

SmartHRタレントマネジメントは全従業員の人材データベースをもとに、人事業務の効率化から組織改善までを担うシステムです。

スキル管理はもちろんのこと、従業員のサーベイや配置シミュレーションまでの機能を搭載し、総合的に管理できます。

また、学習管理機能によって動画やPDFを研修シーンに活用できるので、人材育成が捗ります。

「年間有給休暇取得率」や「離職率の推移」の分析機能もあり、人事戦略へ積極的に活かす使い方もできまです。

料金プラン
HRストラテジープラン要問い合わせ
人事・労務エッセンシャルプラン要問い合わせ
タレントマネジメントプラン要問い合わせ

カオナビ

カオナビは従業員の基本情報に加えて、過去の評価やキャリアなど幅広い人材情報を一元管理するツールです。

スキルマップをドラッグ&ドロップで簡単に作成でき、スキル情報はグラフで表示することもできます。

直感的に操作ができるうえ、アクセス制限を細かく設定できるので、使いやすさとセキュリティーを両立しているといえるでしょう。

導入企業数は4,000社を超えており、タレントマネジメントシステムと人事管理システムとしての高いシェア率を誇ります。

料金プラン
ストラテジープラン要問い合わせ
パフォーマンスプラン要問い合わせ
データベースプラン要問い合わせ

スキルをシステムで管理するメリット

スキルをシステムで管理するメリット

アサインや人材配置が最適化される

正確なスキル情報を活用することで、主観では実現できなかったプロジェクトへのアサインやアサイン調整が最適化されます。

Excelでは難しい部署をまたいでの人材検索が可能で、スキル・資格のある従業員を漏れなく採用できるからです。

製品によっては配置シミュレーション機能を搭載しているので、目標達成の確率を高めつつ人件費・コストを削減できます。

客観的な人事評価につながる

従業員の詳細なスキル情報や業務経験が可視化されていないと、客観的な人事評価は行えません。

スキル管理ツールで人材情報を一元管理することで、現在や過去の実績が明らかになり、正当な人事評価を行えます。

また、従業員のモチベーションがアップして、従業員が自らスキルアップに臨んだり定着率の向上につながったりします。

監査対応を効率化できる

スキルマップ(力量管理表)と教育記録を一元化する機能を搭載し、ISOやIATF、監査対応に対応できます。

有効期限が近い資格は事前に通知されるので、更新時期が明確になり予期せぬ資格の失効を防げるでしょう。

ドタバタしやすい第三者機関の監査前でも慌てずに対応でき、情報の抜け・漏れも起こりにくくなります。

スキルをシステムで管理するデメリット

導入・運用にコストがかかる

スキル管理ツールの導入・運用は、コストがかかります。

一般的に、ツールはアカウント(ユーザー)数に応じて料金が変動するタイプが多く、社員数が多いと費用も高くなります。

自社の予算と併せて複数のツールを比較して、検討すると良いでしょう。

なお、経済産業省が支援する「IT導入補助金」を活用すれば、導入コストを大幅に軽減可能です。

不必要な機能は業務を圧迫する

スキル管理ツールが多機能すぎると、研修・教育に時間がかかります。

多機能すぎても費用が無駄になりますし、管理が頻雑だとツールが形骸化する恐れもあるでしょう。

ツールによっては人事課題や目的に合わせて、欲しい機能だけを選べる製品も存在します。

スキル管理ツールの選び方

スキル管理ツールの選び方

導入目的を明確にする

スキル管理ツールは導入目的を明確にしてから、比較・検討することが重要です。

自社のニーズを満たせなければ、形骸化して無駄なコストを支払うことになります。

「スキル情報をもとに人材育成の効果を高めたい」「アサイン業務を効率化して受注率をアップしたい」など、関係者同士でよく話し合うと良いでしょう。

導入・運用コストを比較する

少人数のスキル管理であればExcelでも問題ありませんが、ユーザー数が50人を超えるならコストも確認したい項目です。

スキル管理ツールは導入だけではなく運用にもコストがかかるため、自社の予算内で収まるか試算することをおすすめします。

無料トライアルも活用しながら複数のツールを比較・検討して、規模や相場感を掴むと良いでしょう。

サポート体制の充実度で選ぶ

スキル管理ツールの導入にあたって不安がある方は、サポート体制の充実度で選ぶのもおすすめです。

例えばデータ移行(人事情報の入力)や遠隔操作サポート、不明点を質問できる、などです。

サポート方法は電話やチャットなど複数ある場合もあるので、併せてチェックしておくと安心です。

厚生労働省が無料で公開する職業能力評価シート

スキル管理ツールではありませんが、厚生労働省では職業能力評価シートとキャリアマップを無料で公開しています。

対応する職種は人材開発や情報システムなどの19種類、業種はウェブ・コンテンツ制作業などの16種類です。

システムではないので入力や管理は自ら行う必要がありますが、スキル項目などの登録・変更は自由です。

「まずは無料からスキル管理を始めたい」という企業にとっては、職業能力評価シートは効果的な手段といえます。

従業員数やプロジェクト数が少ない企業は、導入を検討してみても良いでしょう。

まとめ

今回は「スキル管理・アサイン管理支援ツールfapi」「SmartHRタレントマネジメント」「カオナビ」という、おすすめのスキル管理ツールを紹介しました。

スキル管理・アサイン管理支援ツールfapiIT業界・SES業界向け。正確なスキル情報をもとにアサイン・人材配置を効果的・効率的なものにする
SmartHRタレントマネジメント業界に関わらず人事業務を効率化したい方向け。客観的かつ正確なデータをもとに組織力を強化する
カオナビ人材管理・労務管理を一つのシステムに集約したい方向け。優秀な従業員の発掘やモチベーション分析も行える

ツールによっては無料トライアル期間を設けていたり、IT導入補助金に対応していたりします。

導入目的と必要な機能を絞り出して、自社の人材配置や人事管理を最適化しましょう。