エクセルは事務職のイメージが強いですが、システムエンジニアもITスキルの1つに求められる時代です。

しかしながら、いざ習得しようとしても、勉強方法がわからないという方も多いでしょう。

この記事ではシステムエンジニアにエクセルスキルが必要な理由と、ITスキルにもつながる関数一覧を解説します。

スキルレベルの目安から勉強方法、おすすめの本まで紹介するので、エクセルを学びたいSEやフリーランスの方は参考にしてみてください。

システムエンジニアにはITスキルとしてエクセルの知識は必要か?

システムエンジニアにはITスキルとしてエクセルの知識は必要か?

IT業界では仕様書などの文書がエクセルで作成されていることが多いことから、エクセルの知識は欠かせないといえます。

エンジニアにも複数の職種がありますが、エクセルを主軸のツールにする職種も多いです。

また、IT人材を募集している企業は、「ITスキルを持つ人材はエクセルも使いこなせる」と思い込んでいるケースも珍しくありません。

求められるレベルは業務によって異なるものの、一定のエクセルスキル・ITスキルを身に付けておくことが大切です。

システムエンジニアなら知っておきたいITスキルにもつながるエクセルの関数一覧

システムエンジニアなら知っておきたいITスキルにもつながるエクセルの関数一覧

SUM関数

SUM関数は、指定範囲内の合計値を求める関数です。

例えば請求書や見積書などでSUM関数を使ったフォーマットを用意しておけば、個数や単価を入力するだけで簡単に書類を作成できます。

ROW関数

ROW関数は、対象データの行番号を取得する関数です。

例えば、A列5行目のセルに「=ROW(A5)」という数式を入力すると、セル上には行番号である「5」が表示されます。

VLOOKUP関数

VLOOKUP関数は検索値をもとに、指定した範囲からデータを縦方向に検索できる関数です。

利用されるシーンが多く、習得すればエクセルをデータベースとして活用しやすくなります。

大量のデータの中から特定の情報を瞬時に見付けられることから、業務効率化に大きく貢献できるでしょう。

ROUND関数

ROUND関数とは、指定した値を任意の桁数に四捨五入するための関数です。

主に製品価格の消費税を計算したり、従業員の作業時間を集計したりする際に用いられます。

例えば「123.45」で小数点以下2位を四捨五入する場合、「=ROUND(123.45,1)」と入力すると「123.5」という結果が返ってきます。

IFERROR関数

IFERROR関数は値のエラーがあった場合に、エラーの替わりに表示する値を指定できる関数です。

VLOOKUP関数などの計算結果でエラーが出やすい場合に、IFERROR関数を用いてエラーの表示を別の値で表示したり空白にできたりします。

ITスキルが乏しい方やクライアントにエクセルシートを提出する際に、分かりやすい表を作成できるのがメリットです。

エクセルのスキルレベル|初級・中級・上級でできること

エクセルのスキルレベル|初級・中級・上級でできること

初級

エクセルの初級レベルは、仕事をするうえで最低限必要な基本操作ができるレベルです。

  • 基本計算(足し算や引き算など)
  • 表の作成
  • セルの入力と書式設定が行える
  • 印刷ができる
  • SUM関数やAVERAGE関数といった基本的な関数が使える
  • 画像や図形を挿入できる
  • ヘッダー・フッターを調節できる

中級

中級レベルはどのような会社でも、事務職として働けるレベルを指します。

見やすさやスピード感、ミスの少なさが特徴といえるでしょう。

  • 複数のシートをまたいでデータの集計や抽出が行える
  • 表を結合したり画像に加工編集をしたりできる
  • 基本的な関数(SUM、VLOOKUP、COUNTIFなど)を使いこなせる
  • ページ指定を行って印刷ができる
  • 印刷用紙サイズの拡大・縮小ができる
  • 絶対参照が行える
  • 基本的なショートカットキー(コピー&ペースト、Altキーの使い方など)が使える

上級

上級レベルは初級・中級の操作に加えて、実務に合わせられるレベルのことです。

  • マクロやVBAで簡単な作業の自動化ができる
  • ピボットテーブルでデータ分析が行える
  • コメント機能や校閲機能を扱える
  • 変更履歴などを利用して文書管理ができる

エクセルスキルの目安は?

エクセルのスキルレベルを測る目安に、MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)資格を取得する方法があります。

MOSはその名の通りマイクロソフト社が開催する資格試験で、取得すればWordやExcelの利用スキルを客観的に証明可能です。

試験科目は「一般」と「上級」に分かれており、1ヶ月に1度程度試験が開催されています。

上級まで取得すれば就職・転職時のアピールポイントになりますし、キャリアアップや年収アップにも効果が期待できます。

エクセル関数スキルレベルチェックテスト【無料】

「パソコンスクール パソカレッジ」では、「エクセル関数スキルレベルチェックテスト」を公開しています。

出題内容は試験によく出るVLOOKUP関数や関数を利用する際の必要知識などで、登録不要かつ無料で診断ができます。

自身のエクセル関数スキルを知ることで、得意分野の理解や勉強の方向性を整理の整理に役立ててください。

参考:エクセル関数スキルレベルチェックテスト【無料】|パソコンスクール パソカレッジ

【ITスキルを強化】Excelを勉強する5つの方法

【ITスキルを強化】Excelを勉強する5つの方法

パソコンスクール

パソコンスクールは対面式やオンラインスクールなど、さまざまな方法で指導を受けられます。

基礎的な内容であれば、近所の家電量販店や書店で開催している場合も多いです。

パソコンスクールは直接講師から指導を受けられるため、質問したりモチベーション対策になったりするのもメリットといえます。

Webサイト

Webサイトには、エクセルの初心者から上級者まで対応するサイトが多く見られます。

特に評判が高く利用者が多いサイトは、以下の3つです。

  • 100Excel
  • エクセルの神髄
  • Excelチュートリアル(マイクロソフト公式)

エクセルに触れるのが初めてという方は、マイクロソフト社のチュートリアルから試してみると良いでしょう。

本を利用するメリットは、手元に教材を広げながら勉強を進められることです。

エクセルを学べる本は多数出版されていますが、立ち読みできるなら軽く目を通しておくことをおすすめします。

読みやすさやフォントの種類、実際の画面付きかどうかなどを、よく比較してみてください。

YouTube

YouTube上にも、ITスキルやエクセルスキルを学べるチャンネルが多数存在します。

基礎から応用までさまざまなエクセル解説動画が公開されており、無料で始められるのがメリットです。

動画ながら対面で講義を受けているような構成になっていて、本やWebサイトが合わなかったという人にもおすすめできます。

スマホアプリ

手軽にエクセルの学習を始められるという意味では、スマホアプリも便利です。

特におすすめのアプリは「仕事で役立つ表計算の技」と「表計算関数 使い方を覚えて作業効率アップ」が挙げられます。

ただし、SNSやWebニュースなど、学習以外の誘惑に負けないように注意が必要です。

【ITスキルを強化】Excelを勉強するときにおすすめの本

【ITスキルを強化】Excelを勉強するときにおすすめの本

Excel 2019 やさしい教科書 [Office 2019/Office 365対応]

本書はエクセルの基本操作や表作成、効率的なデータ入力、関数など知識ゼロから学ぶことができます。

操作手順は実際の画面付きで詳しく解説しているので、初心者でも読み進めていくだけで確実に実行できるようになるでしょう。

また、エクセルの幅広い機能の中から逆引きして検索できるという、実務中でも使いやすい機能を備えています。

参照:Excel 2019 やさしい教科書 [Office 2019/Office 365対応]|SBクリエイティブ

たった1日で即戦力になるExcelの教科書【増強完全版】

300社5,000人の指導実績に裏打ちされた、エクセルの実践的な入門書です。

すでにエクセルの基礎知識を習得している方が対象で、エンジニアとしてさらに応用知識を身に付けられる点がメリットです。

基礎的な使い方をアレンジして作業を効率化する方法や、関数に関するテクニックなども紹介されています。

参照:たった1日で即戦力になるExcelの教科書【増強完全版】|技術評論社

まとめ:ITエンジニアにExcelのスキルは必須

エンジニアにも複数の職種がありますが、いずれも一定のエクセルスキル・ITスキルを身に付けておくことをおすすめします。

幸いなことに、今の時代は無料でも密度の濃い情報で学習することが可能です。

勉強方法に正解はないので、まずは自分に合う方法を見付けられるように色々試してみると良いでしょう。