近年、IT競争は激しさを増しており、DX推進が期待される日本。
ITスキル標準(ITSS)は高度IT人材の育成を目的に作成された、能力を測定するための指標です。
ITSSを活用することで、従業員の保有スキルや知識の度合いを可視化および認識共有ができます。
この記事ではITSSの定義や11職種と35の専門分野、7段階のスキルレベルについてお伝えします
人材育成への活用方法なども私、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がこの機会に解説いたします。
弊社は、1997年から25年以上数々のプロジェクトアサインを積み重ねてきたシステム開発の専門企業です。
実際に150名以上のスキル管理・アサイン管理を最適化してきました。
企業を率先する人材を育成したい方は参考にしてください。

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ITスキル標準(ITSS)の定義や目的とは?

ITスキル標準(ITSS)の定義や目的とは?

ITスキル標準(ITSS)とは高度IT人材の育成を目的に作成された、ITに関する能力を測定する「指標」です。
ITスキル標準は2002年に経済産業省が策定し、2004年以降は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が管理しています。
IT業界の急速な成長で、高度な専門知識を持った人材が必要となり、ITスキルを測る指標や可視化を目的に導入されました。

ITSSとUISS、ETSS、CCSFとの違い

ITSSとUISS、ETSS、CCSFとの違い

ITスキル標準(ITSS)とUISS、ETSS、CCSFとの違いを一覧にまとめました。

ITスキル標準(ITSS)高度IT人材の育成を目的に作成された、ITスキルを測る指標のこと
情報システムユーザースキル標準(UISS)経済産業省が推進する、ITを活用する企業のITスキルを測定する試験のこと
組み込みスキル標準(ETSS)経済産業省が定めた、組み込みソフトウェアの開発スキルを測定する指標のこと
共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)IT戦略の策定・遂行に携わる人材育成のフレームワークのこと

それぞれ用語こそ似ているものの、ITスキル標準とは意味が異なります。
ITスキル標準は単なる指標にすぎず、自社へ導入する際は目的を明確にすることが大切です。
従業員へ導入の目的を明確にすることで、理解が深まりスキルの研鑽や資格試験に力を入れやすくなります。
また、人材のスキルを細分化して把握できれば、プロジェクトに活かしたり不足部分を補えたりします

「ITSS+(プラス)」とは?

ITSS+(プラス)は第4次産業革命に必要なITスキルを強化するために策定された、新しいITスキル標準です
ITSSの領域に加えて「データサイエンス領域、アジャイル領域、IoTソリューション領域、セキュリティ領域」が追加されます。

ITスキル標準(ITSS)の11職種と35の専門分野

ITスキル標準(ITSS)の11職種と35の専門分野

ITスキル標準でカテゴリ分けされた、11職種と35の専門分野の基本情報を紹介します。

【ITスキル標準の職種1】マーケティング

専門分野

  • マーケティングマネジメント
  • 販売チャネル戦略
  • マーケットコミュニケーション

顧客ニーズと市場動向を分析して、事業戦略や販売戦略などを行う。

【ITスキル標準の職種2】セールス

専門分野

  • 訪問型コンサルティングサービス
  • 訪問型製品セールス
  • メディア利用型セールス

顧客の経営方針を確認して、課題解決や製品の提案・成約をする。

【ITスキル標準の職種3】コンサルタント

専門分野

  • インダストリ
  • ビジネスファンクション

顧客の経営戦略やビジネス戦略をカウンセリングして、課題解決のサポートをする。

【ITスキル標準の職種4】ITアーキクト

専門分野

  • アプリケーションアーキテクチャ
  • インテグレーションアーキテクチャ
  • インフラストラクチャアーキテクチャ

ビジネスやITの課題を分析して、ITアーキテクチャの設計や評価を行う。

【ITスキル標準の職種5】プロジェクトマネジメント

専門分野

  • システム開発
  • ITアウトソーシング
  • ネットワークサービス
  • ソフトウェア製品開発

プロジェクトの提案から立ち上げ、納品までの責任を持つ。

【ITスキル標準の職種6】ITスペシャリスト

専門分野

  • プラットフォーム
  • ネットワーク
  • データベース
  • アプリケーション共通基盤
  • システム管理
  • セキュリティ

顧客に最適なシステム構築から、運用・保守までを実施する。

【ITスキル標準の職種7】アプリケーションスペシャリスト

専門分野

  • 業務システム
  • 業務パッケージ

アプリケーション開発やパッケージ導入に関する専門技術を活用し、設計から導入、保持までを行う。

【ITスキル標準の職種8】ソフトウェアデベロップメント

専門分野

  • 基本ソフト
  • ミドルソフト
  • 応用ソフト

ソフトウェアエンジニアリング技術を活用して、市場に受け入れられる製品を開発する。

【ITスキル標準の職種9】カスタマーサービス

専門分野

  • ハードウェア
  • ソフトウェア
  • ファシリティマネジメント

顧客の環境に適したハードウェアやソフトウェアの導入、カスタマイズおよびサポートを行う。

【ITスキル標準の職種10】ITサービスマネジメント

専門分野

  • 運用管理
  • システム管理
  • オペレーション
  • サービスデスク

システム運用関連技術を活用して、システム全体の安全稼働に務める。

【ITスキル標準の職種11】エデュケーション

専門分野

  • 研修企画
  • インストラクション

研修カリキュラムや研修コースのニーズの分析や運営を行う。

ITスキル標準(ITSS)を7段階レベル評価に分類

ITスキル標準(ITSS)を7段階レベル評価に分類

ITスキル標準でカテゴリ分けされた11職種と35の専門分野には、高度IT人材を知るためのレベルが設定されています。
レベルによってスキルの習熟度や実績、世界に通用する人材かどうかを知ることができます。

レベル各レベルの定義
(ITSS)
レベル1
情報技術に携わる者に最低限必要な基礎知識を有する。
スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められる。
(ITSS)
レベル2
上位者の指導の下に、要求された作業を担当する。
プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められる。
(ITSS)
レベル3
要求された作業を全て独力で遂行する。
スキルの専門分野確立を目指し、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有する。
スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められる。
(ITSS)
レベル4
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。
社内において、プロフェッショナルとして求められる経験の知識化とその応 用(後進育成)に貢献しており、ハイレベルのプレーヤとして認められる。
スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められる。
(ITSS)
レベル5
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。
社内において、 プロフェッショナルとして自他共に経験と実績を有しており、企業内のハイエンドプレーヤとして認められる。
(ITSS)
レベル6
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、 テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。
社内だけでなく市場においても、プロフェッショナルとして経験と実績を有しており、 国内のハイエンドプレーヤとして認められる。
(ITSS)
レベル7
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、 テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。
市場全体から見ても、先進的なサービスの開拓や市場化をリードした経験と実績を有しており、世界で通用するプレーヤとして認められる。

※引用元:IPA「ITスキル標準V3 2011」1部:概要編(V3 2011対応版)
レベル3までのITスキル標準の評価ポイントは、課題の発見や解決など「個人」にフォーカスを当てています。
レベル4以降は経験や知識を元に「他人に後進育成ができる」レベルの人材であることがわかります。

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スキル管理ツールの活用の手引き

スキル管理をエクセルでの運用で作成・運用・メンテナンス・管理・ルール決めなどの手間や、ファイルの破損、人的入力ミス、閲覧・編集などの権限設定などのリスクやエクセルではできない事を求められるかたはスキル管理ツールを利用する事をオススメします。                   
導入コストはかかりますが、スキル管理ツールは、エクセルで時間をかけて作成しなくても、スキル管理・取得スキルの可視化・評価が一元化管理でき、スキル情報の更新や確認に手間がかからず、必要な情報を必要な時に引き出す事ができます。 

スキル管理ツール利用のメリットとは?                
                                                                     

ISOの力量対応                                                                                                 

・スキルマップ・資格取得管理表を作成共有                                                                    

・スキル所持者をカンタンに横断検索                                                                               

きちんとしたスキル管理・運用を目指される方はスキル管理ツールを利用する事を強くおススメします!

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ITSSを導入してスキル管理と人材育成を!

ITSSを導入してスキル管理と人材育成を!

「ITスキル標準」と「スキル管理」を組み合わせて、IT人材の育成に力を入れましょう。
ITスキル標準は高度IT人材の育成が目的の「ものさし」ですが、職種と専門分野ごとに情報が整理されています。
IPAの「ITスキル標準V3 2011」ではスキル習熟度や研修ロードマップが用意され、体系的にスキルを学べます。
スキル管理と組み合わせて従業員の現状を把握できれば、経営戦略に沿った人材育成が可能です。
中長期的な視点を持ち、従業員が続けやすい環境を整えて、世界に通用する企業を目指してください。

【まとめ】ITスキル標準(ITSS)とは?7段階スキルレベルについて

まとめ】ITスキル標準(ITSS)とは?7段階スキルレベルについて

ITスキル標準は高度IT人材の育成を目的に作成された、ITに関する能力を測定する「ものさし」です。
自社の人材育成を行う際に大きな評価軸となるため、共通認識を持っておくことが大切です。

スキル管理システムと組み合わせれば、経営戦略に沿って効率的に人材育成ができます。
IT競争が激しさを増し、これからさらなるDX推進が期待される日本。
ITスキル標準とスキル管理をうまく活用して、企業を率先する人材を育成してください。