VB.NET(Visual Basic .NET)は、Microsoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。
初心者にも使いやすい分かりやすいプログラミング言語であり、システム開発に携わることのあるエンジニアにとってもなじみ深い言語であるかもしれません。
ただ、近年はさまざまなプログラミング言語の登場によって、人気のあるプログラミング言語も廃れていく可能性があります。
では、VB.NETは今後どうなっていくのでしょうか?
本記事では、VB.NET(Visual Basic .NET)の将来性や特徴について詳しく解説します。

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VB.NETとは何か?VBとの違いは?

Visual Basic.NET(VB.NET)はMicrosoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語の一つです。
Visual Basicの頭文字のVBと.NETを合わせてVB.NETと呼ばれています。
最近では、Visual Basic現役の言語ということで、VBという略称はVisual Basic.NETを指すことも多くなっています。
その他のプログラミング言語に比べて、簡単に習得ができ、導入も手軽であることから、優秀なプログラミング言語として知られています。
VBとVB.NETの最大の違いは、.NETに対応しているかどうかです。
Visual Basic.NET(VB.NET)はVisual Basic(VB)が進化したもので、.NET Frameworkや.NET Coreと統合されています。
Visual Basic(VB)は、1991年に開発され、バージョンアップを繰り返してきましたが、2002年から.NETに対応し、後方互換性のない言語に変わっていきました。
Visual BasicはVisual Basic 1.0~Visual Basic 6.0までのことを指し、Visual Basic.NETはVisual Basic .NET~Visual Basic 2019のことを指します。
成長を続けているVisual Basicは、今でも主要なプログラミング言語の一つとして愛されています。
VB.NETの主な特徴5選

VB.NETにはさまざまな特徴があります。
以下で、VB.NETの特徴5つについて詳しく解説していきます。
①オブジェクト指向(OOP)に特化している
VB.NETは、現代のソフトウェア開発において不可欠なオブジェクト指向プログラミング(OOP)をサポートしています。
この特徴により、大規模かつ複雑なシステムの設計・実装において、高いコードの再利用性、保守性、拡張性を実現できます。
また、開発者が構造化され、かつ保守しやすいコードを記述する上での強力な基盤となります。
②イベント駆動型プログラミングへの最適化
ユーザーの操作(ボタンクリックなど)に応じて処理を実行するイベント駆動型プログラミングに非常に適しています。
この特徴は、ユーザーインターフェースとのインタラクションが頻繁に発生するWindowsアプリケーション開発に活用できます。
③高速アプリケーション開発「RAD(Rapid Application Development)」の推進
VB.NETは、Visual Studioという統合開発環境(IDE)と組み合わせることで、RAD(Rapid Application Development)を推進します。
RAD(Rapid Application Development)とは、高速アプリケーション開発のことを指します。
この特徴により、視覚的な要素(アイコン、ボタン、ウィンドウなど)の設計からコード記述までを視覚的に行うことができ、開発期間を大幅に短縮することが可能です。
④.NETエコシステムの活用
VB.NETは、.NETエコシステムを活用することが可能です。
.NETエコシステムとは、VB.NET言語とそれに関連する技術やツール、コミュニティのことを指します。
.NET Frameworkや.NET Core ( .NET)、.NET MAUIが提供する豊富なライブラリとフレームワークを最大限に活用することができます。
これによって、データベース連携、Webアプリケーション開発、クラウドサービスとの連携など、多岐にわたる機能を実現することができます。
⑤品質向上のための強力なデバッグ機能
Visual Studioには強力なデバッグ機能があります。
これは、VB.NET開発における生産性と品質を大きく向上させる機能です。
複雑なバグを効率的に特定し、修正する機能で、開発者の生産性とコード品質の向上に大きく貢献します。
VB.NETを利用するメリット

さまざまな特徴を持つVB.NETですが、開発する上で多くのメリットもあります。
以下で、そのメリットを解説します。
高い開発効率と迅速なアプリケーション展開が可能
直感的な開発環境と豊富なライブラリにより、迅速かつ効率的にアプリケーションを開発することができます。
学習コストの低さ
VB.NETの構文は、英語の命令文に近い自然な記述が特徴です。
プログラミング初心者や他言語からの移行者にとって、学習コストが比較的低いというメリットがあります。
コード補完、エラーメッセージが分かりやすい、デバッグ機能が直感的、という特徴を持つため、ある程度初心者でも問題解決をすることができます。そのため、効率的に学習を進めることができます。
既存システムとの連携
多くの企業で、現在もVB.NETやその前身のVB6で開発された基幹システムや業務アプリケーションが稼働しています。
これにより、既存のVB6システムをゼロから再構築することなく、段階的に.NETへと移行させることも可能です。
VB.NET開発を始めるには?必要な環境

では、実際にVB.NETで開発を始めるには、どうしたら良いのでしょうか?
Microsoft社が提供する統合開発環境(IDE)の「Visual Studio」をインストールすることで始めることができます。
以下で具体的な開発環境について解説します。
Visual Studio
Visual Studioは、Microsoft社が開発・提供する統合開発環境(IDE)です。
プログラミングを行う際に必要なさまざまなツールや機能を一つにまとめたソフトウェアであり、効率的かつ高品質な開発をサポートします。
また、Visual Studioは、多種多様なプログラミング言語や開発プラットフォームに対応しているため、さまざまな開発サイクルをサポートする機能を提供することができます。
Visual Studio Code
Visual Studio Code (VS Code) は、Microsoft社が開発・提供している無料のオープンソースなコードエディタです。
軽量でありながら高機能で、多種多様なプログラミング言語に対応し、拡張性もあることから、世界中の開発者に広く利用されています。
ただ、Visual Studioに比べると機能が少ないため、大規模な開発には向いていません。
VB.NETを応用するには?データ連携とWEB開発への展開

VB.NETは、アプリケーション開発だけでなく、その汎用性の高さから、多岐にわたる分野で応用をすることが可能です。
以下で、応用の例を解説します。
ADO.NETを通じてデータベースとの接続ができる
VB.NETは、ADO.NETを通じて、SQL Server、Oracle、MySQLなどに簡単に連携することができます。
ADO.NET は、.NET アプリケーションがデータベースと連携するためのフレームワークです。
データを扱うアプリケーション開発において、ADO.NETは不可欠な技術となります。
動的なWebコンテンツ開発ができる
VB.NETは、ASP.NETと組み合わせることで、動的なWebコンテンツを開発することも可能です。
ASP.NET は、WebアプリケーションやWebサービスを構築するためのオープンソースのWebフレームワークです。
ASP.NETを活用することで、動的なWebコンテンツの生成が可能になります。
特に、既存のVB.NET資産を活用してWeb化を進めたい企業にとって、ASP.NETは有力な選択肢となります。
表現力豊かで洗練されたUIが実現できる
VB.NETで、Windowsフォームアプリケーションは手軽に開発することができますが、より表現豊かで洗練されたUIを求める場合、WPFを活用して実現することが可能です。
WPF(Windows Presentation Foundation) は、.NET上で動作するデスクトップアプリケーションのUI開発フレームワークです。高度なUI/UXを実現するための機能を提供しています。
VB.NETの将来性は?

「VB.NETはもう古い」という声を耳にすることもありますが、そんなことはありません。
VB.NETは、Microsoftの最新の統合プラットフォームである.NET上で継続的にサポート・進化しており、C#と並ぶ主要な言語として位置づけられています。
新しい開発トレンドが多い今、シェアは徐々に小さくなっていく可能性はありますが、保守・改修の需要が一定数あります。
まとめ
いかがでしたか?
Visual Basic.NET(VB.NET)は、現在も多くの開発の現場で利用されているプログラミング言語です。
新規開発の言語としては徐々にシェアが小さくなってきていますが、一方で既存システムの保守・改修などでの需要はあり、C#と並ぶ主要な言語の位置づけです。
また、多くの企業において、VB.NETやVB6で開発された基幹システムや業務アプリケーションが現在も稼働しています。
皆様の企業でご使用中のシステムやアプリケーションの状況はいかがでしょうか?
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以上、Visual Basic.NET(VB.NET)についてでした。