マイクロソフト社が開発したプログラミング言語であるVisual Basic(VB)についてご存知でしょうか?
初心者にも使いやすい分かりやすいプログラミング言語であり、システム開発に携わることのあるエンジニアにとってもなじみ深い言語であるかもしれません。
そんな長い間多くの方から愛されているVisual Basic(VB)の特徴や活用方法を詳しく紹介していきます。
Visual Basic(VB)について解説
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Visual Basic(VB)について
Visual Basicはマイクロソフト社が開発したBasicと呼ばれるプログラミング言語の中の種類のひとつです。
Visual Basicの頭文字からVBと呼ばれています。
1990年代に開発されたプログラミング言語で、Windows関連のさまざまな種類のアプリケーション開発に用いられています。
その他のプログラミング言語に比べて、簡単に習得ができ、導入も手軽であることから、優秀なプログラミング言語として知られています。
VBは1998年のVisual Basic6.0を最後にサポートが終了しています。
2002年にVBの後続として、Visual Basic.NET(VB.NET)が登場し、現在でも利用されています。
Visual Basic.NET(VB.NET)について
Visual Basic.NET(VB.NET)はVisual Basic(VB)が進化したもので、.NET Frameworkや.NET Coreと統合されています。
現役の言語ということで、現在ではVBという略称はVisual Basic.NETを指すことも多いです。
Visual Basic.NETをVB.NETとし、Visual Basicの明確に区別することもあります。
Visual Basic for Applications(VBA)について
VB、VB.NETと並んで、VBAという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
VBAはVisual Basic for Applicationsという名前で、その名前の通り、アプリケーション用のVB言語です。
VBAもVB同様にマイクロソフト社が開発したプログラミング言語であり、VBと同じ文法を持っています。
違いとして、VBAはMicrosoft Officeシリーズに組み込まれているため、対象アプリケーションであるExcel、Word等があれば、すぐに使うことができます。対象アプリケーションとともに動作するため、実行時にExcelやAccessなどのファイルが必要となります。
Visual Studioとの関係
Visual Studioという言葉も聞いたことがあるかもしれません。
Visual BasicはVisual Studioという開発ツールに搭載されているため、使用の際は一緒にインストールが必要となります。
Visual Studioとはマイクロソフト社の製品で、ソフトウェア開発において必要な機能をそろえたプログラム環境用パッケージです。統合開発環境(IDE)とも呼ばれています。
Visual Studioは開発する上で必要なコードエディタ、コンパイラ、デバッガなどのツールがパッケージ化されています。現在、Visual Studio 2022が最新バージョンです。
Visual Basicのバージョン履歴について
Visual BasicはVB1~VB6、Visual Basicの後続言語であるVB.NETはVB7~VB16のことを指します。
Visual Basic6.0(VB6)まではアップデートを繰り返していましたが、2002年から.NETに対応し、後方互換性のない言語VB.NETへと変わっていきました。
その後もアップデートを繰り返し、現在の最新バージョンはVisual Basic2019(VB16)となっています。
改良と成長を続けているVisual Basicは、今でもプログラミング言語として愛されています。
興味を持った方はぜひVisual StudioやVisual Basic.NET(VB.NET)をダウンロードして使ってみてください。
製品名 | 内部バージョン | リリース | サポート状況 |
Visual Basic 1.0 | 1.0 | 1991年 | 終了 |
Visual Basic 2.0 | 2.0 | 1992年 | 終了 |
Visual Basic 3.0 | 3.0 | 1993年 | 終了 |
Visual Basic 4.0 | 4.0 | 1995年 | 終了 |
Visual Basic 5.0 | 5.0 | 1997年 | 終了 |
Visual Basic 6.0 | 6.0 | 1998年 | 終了 |
Visual Basic .NET | 7.0 | 2002年 | 終了 |
Visual Basic 2005 | 8.0 | 2005年 | 終了 |
Visual Basic 2008 | 9.0 | 2007年 | 終了 |
Visual Basic 2010 | 10.0 | 2010年 | 終了 |
Visual Basic 2012 | 11.0 | 2012年 | 終了 |
Visual Basic 2013 | 12.0 | 2013年 | 終了 |
Visual Basic 2015 | 14.0 | 2015年 | 2025年10月終了予定 |
Visual Basic 2017 | 15.0 | 2017年 | 2027年4月終了予定 |
Visual Basic 2019 | 16.0 | 2019年 | 2029年4月終了予定 |
Visual Basicはサポート終了している?

さまざまなバージョンがあるVisual Basicですが、上記の通り、すでにサポートが終了してしまっているバージョンもあります。
その中でもVisual Basic 6.0(VB6)は2008年4月8日でマイクロソフト社の延長サポートが終了しています。
サポートが終了したバージョンを利用し続けるのは、保守要員の確保問題や動作保証、セキュリティ等のさまざまなリスクが伴いますので、早めにVisual Basic 6.0(VB6)からVisual Basic.NET(VB.NET)へ移行することをおすすめします。
Visual Basic(VB)の特徴とメリット
次にVisual Basicの特徴とメリットをご紹介します。
文法が簡単で覚えやすい
VBはBASICと呼ばれる初心者向けのプログラミング言語から派生したことから、理解しやすく使いやすいという特徴を持っています。
プログラムを初めから順に処理していく手続き型プログラミング言語なので、順番通りに記述するだけで簡単に処理や操作を自動化することができます。
使用する文法も簡単なものが多く、初心者のプログラミング入門言語となっています。
感覚的に操作ができる
Visual Basicは操作も簡単で、初めてでも感覚的にプログラムを組むことが可能です。
必要なボタンやエディタなどのGUIパーツがボックス内にあるため、マウスのドラッグ&ドロップで配置するだけでプログラムを組むことができます。
統合開発環境(IDE)を利用できる
Visual Studioのような統合開発環境(IDE)を使用することで、セットアップ処理等を手動で設定し、統合する必要がなくなるため、手間なくアプリケーションの開発に着手することができます。
また、コーディングやデバッグを一元的に行うことができます。
高速アプリケーション開発が可能
Visual BasicはRAD(Rapid Application Development)の先駆者です。
RAD(Rapid Application Development)は、高速アプリケーション開発と訳されます。
プログラミングを行わず、GUIパーツを配置することで基本的な機能を実装できるので、開発期間を短縮することができます。
豊富なライブラリが揃っている
.NETをサポートしたことで、豊富なライブラリが追加されました。
Windows APIやCOM(コンポーネントオブジェクトモデル)を利用するためのライブラリが用意されているため、さまざまな機能を簡単に実装することができます。
データベースとの連携が簡単にできる
ツールや機能を利用することで、プログラムなしでデータベースとの接続や操作が簡単に行えます。
Visual Basic(VB)のおすすめ活用方法
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Visual Basicを利用すると、さまざまなアプリケーションや機能を開発することができます。
おすすめの使い方9選をご紹介します。
デスクトップアプリケーションの開発
Windowsアプリケーションを簡単に作成できます。
フォームやボタン、テキストボックスなどのコントロールを利用して、ユーザーインターフェースを設計できます。
業務用アプリケーションの作成
経費管理や顧客管理等のデータ入力を行う業務用アプリケーションを開発し、業務の効率化を図ることが可能です。
データを活用した情報分析
SQL ServerやAccessなどのデータベースと連携し、データの取得や更新を行うアプリケーションを作成できます。
Microsoft Office製品の自動化
ExcelやWordなどのMicrosoft Office製品で、Visual Basic for Applications(VBA)を利用してマクロを作成し、業務プロセスを自動化できます。
Webアプリケーションの作成
VB.NETを利用して、WebアプリケーションやWebサービスを開発することができます。
インターネット上で動作するアプリケーションを作成できます。
ゲーム開発の作成
Visual Basicを利用して、簡単な2Dゲーム、3Dゲームを作成することができます。
ツールやユーティリティの作成
特定のニーズに応じたツールやユーティリティを開発し、日常業務をサポートすることができます。
IoTデバイスとの連携と活用
センサーやアクチュエーターなどのIoTデバイスを制御するアプリケーションを開発できます。
APIとの連携と活用
外部のWebサービスと連携するアプリケーションを作成できます。
このようにさまざまな場面で活躍できるVisual Basicですが、特にWindows環境でのアプリケーションに強みを持っており、用途に応じた柔軟な開発が可能です。
Visual Basic(VB)の将来性について
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現在も多くの企業がVisual Basicを使用してアプリケーションを運用しています。
特に、VB.NETへ進化したことにより、利用範囲は広がっています。
一方で、C#やPython、Javascriptなどのプログラミング言語が人気を集めており、新しいプロジェクトではこのような言語が採用されることが多くなっているのも事実です。
特にWeb開発やデータサイエンスの分野では、上記のプログラミング言語が採用されることが多いです。
新しいプロジェクトや技術のトレンドにおいては、他の言語に比べると将来性が限られているかもしれませんが、特定のニーズや既存システムの保守での需要はあるので、将来的にも一定の需要は継続していくと思われます。
まとめ
いかがでしたか?
Visual Basic(VB)は、Visual Basic.NET(VB.NET)へと進化し、多くの開発の現場で利用されているプログラミング言語です。
Visual Basic(VB)を使ったアプリケーションは数多くありますが、今一度サポート状況を確認し、長く使っていくことを考えてみても良いかもしれません。
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以上、Visual Basic(VB)についてでした。