Visual Basic 6.0(VB6)はサポートが終了していることから、継続利用にはリスクを伴います。
しかしながら、すぐにシステム移行ができないなどの理由もあり、VB6ランタイムのライフサイクルが気になる方も多いことでしょう。
この記事では、VBエンジニアがVisual Basic 6.0(VB6)を継続利用するリスクや、Windows 11におけるVB6のサポートについてお伝えします。
VB6からVB.NETへの移行・変換をサポートする、おすすめマイグレーションサービスも紹介します。
「Visual Basic 6.0」の継続リスク
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「Visual Basic 6.0(VB6)」は2008年でサポートが終了していることから、継続利用にはリスクを伴います。
VB6とはMicrosoft社がWindows向けにリリースしたプログラミング言語で、当時のクライアントサーバーシステムの構築に数多く採用されました。
現在もVB6で開発されたシステムは、特に製造業(工場内)や金融・保険、サービス業など幅広い分野に残っています。
VB6の継続利用で考えられるリスクは「セキュリティリスク」「開発環境のリスク」「実行環境(ランタイム)のリスク」「システム維持・運用のリスク」です。
ここでは、Visual Basic 6.0(VB6)の継続リスクである「開発環境のリスク」と「実行環境(ランタイム)のリスク」を取り上げます。
「Visual Basic 6.0」の開発環境のリスク
「Visual Basic 6.0(VB6)」はWindows 7以降のOSで統合開発環境は動作するものの、Microsoftは動作を保証していません。
Windows XPでも統合開発環境が動作していましたが、2014年にサポートが終了しています。
つまり、VB6で開発されたシステムは何も保証がない状態といえるのです。
サードパーティ製の開発支援ツールも存在しますが、こちらも現在はサポートがほとんど終了しています。
動作することとサポートされていることでは、重要度が全く異なります。
「システムの開発が継続できない」「レガシー技術での開発が難しい」など、今後は乗り越えるのが難しい場面に遭遇する機会が増えてくることでしょう。
システムの運用・保守を行ううえで、公式サポートの有無は非常に重要であるといえます。
「Visual Basic 6.0」の実行環境(ランタイム)のリスク
VB6におけるランタイムとは、VB6アプリケーションの実行に必要なライブラリやコンポーネントを意味します。
Windows10およびWindows11では、ランタイムライブラリは標準でインストールされていません。
MicrosoftはWindows10の有効期間はランタイムをサポートすると表明していますが、いつまでサポートが続くかは不明瞭な部分があります。
また、VB6に関するサードパーティ製の開発支援ツールも、そのほとんどがサポートを終了しているのが現状です。
VB6ランタイムのライフサイクル
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Microsoftでは、VB6ランタイムのライフサイクル ポリシーについて次のように発表しています。
VB6ランタイムのライフサイクル【サポート期限】
Windows10、およびWindows11がサポートされる期間
Microsoft は、Windows Vista、Windows Server 2008 (R2 を含む)、Windows 7、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2016、Windows 8.x、および Windows 10 上で実行される既存の Visual Basic 6.0 アプリケーションをサポートすることにコミットしています。 こちらに記載されているように、コア Visual Basic 6.0 ランタイムは、Windows オペレーティング システムの全サポート期間にわたり、深刻な不具合や重大なセキュリティの問題を回避できるようにサポートされます。 |
VB6ランタイムのライフサイクル【補足】
- Visual Basic 6.0 IDE (統合開発環境) は 2008 年 4 月 8 日以降サポートされていません。
- サードパーティーのOCXについては、サードパーティー次第。例えばグレープシティなどはWindows 10での動作をサポートしていない。
VB6ランタイムのライフサイクル【参照】
ライフサイクルに関する FAQ – 開発者ツールと SDK | https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/faq/developer-tools#smallwhat-lifecycle-policy-does-visual-basic-60-followsmall |
Support Statement for Visual Basic 6.0 | https://learn.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/visualstudio/visual-basic-6/visual-basic-6-support-policy |
VB6ランタイムはWindows 11で動作するか?

Windows10のサポート期限が2025年に迫っていることから、Windows 11でVB6のランタイムがいつまで動作するか気になるところです。
VB6のランタイムファイルはWindows11と後方互換性があることから、一部のVB6アプリケーションは大きなトラブルもなく動作します。
ただし「comctl32.ocxエラー」や「文字化け」といった軽微なエラーは発生しますし、予期せぬトラブルが起きる可能性は十分に考えられます。
マイクロソフトのWindows 11におけるVB6の保証とサポートについて
MicrosoftはWindows10のサポート期間内はVB6のランタイムをサポートすると表明しているので、Windows11も同様にサポートが継続するでしょう。
VB6のサポートを廃止すると多くのプログラムやアプリケーションが機能しなくなることから、今すぐサポートが終了するとは考えにくいです。
しかしながら、今後どうなるかわからないので、あくまで参考程度に留めておいてください。
前述したとおり、VB6で開発された業務システム・アプリケーションを使い続けるのはリスクが高いといえます。
VB6の移行先には「Visual Basic.NET(VBNET)がおすすめです。
VB.NETとはWindows関連の開発に用いられるプログラミング言語で、VB6の後継言語にあたります。
VB.NETの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- VBと比較して実行速度が速い
- .NETに対応している
- VBとVB.NETには互換性がない
- オブジェクト指向でのプログラミング向け
Windows 11でVB6を使うことのメリットとデメリット
Windows 11でVB6を使うメリットとして、システム開発の経験がある方は慣れ親しんだ開発環境と言語を使える点です。
新しいプログラミング言語を学んだりツールを導入したりしなくて済むため、時間的・費用的なコストを抑えられます。
デメリットは、Microsoftからの公式サポートが終了している点です。
保証やサポート、セキュリティを更新できないことから、安定性や安全面に不安が残るのは大きな課題といえそうです。
アプリケーションのクラッシュなど、今後どのような問題が発生するかわからない点も留意しておいてください。
VB6のさまざまな課題を考慮して、VB.NETへの移行を検討している方は多いかもしれません。
VB6とVB.NETは互換性がないため、移行する際はVBマイグレーションサービスを利用することをおすすめします。
VB6からVB.NETへの移行・変換をサポートするおススメめコンバートツール

VB6からVB.NETへの移行・返還をサポートするのが、VBマイグレーションサービスの「VBリメイク工房」です。
「VBリメイク工房」は株式会社エフ・ディー・シーが提供するサービスで、操作性を変えずに短期間・低コストでVB.NETへ移行できます。
経験豊富な技術者が過去の手動コンバートで培ったノウハウを生かし、多言語へのアップグレードや最新の開発環境にも対応可能です。
さらに、サードパーティ製品へも対応していることから、自社の環境に合わせて移行・変換を行えます。
無料見積もりや資料のダウンロードも可能ですので、まずは気軽にホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事ではVisual Basic 6.0(VB6)を継続利用するリスクと、VB6ランタイムのライフサイクルについて解説しました。
繰り返しになりますがVB6はすでにサポートが終了しており、動作の安定性やセキュリティ面に不安が残ります。
VB6からVB.NETへ移行するとなると大量のエラー修正が必要となり、膨大な時間と手間がかかります。
VB.NETへの移行を短期間・低コストで行いたい方は、「VBリメイク工房」を検討してみてください。
サポート窓口も設けているので、システム移行に関する悩みもお気軽にご質問ください。