【執筆者プロフィール】 株式会社エフ・ディ・シー DX推進部 佐々木 舞美

この記事では、ITエンジニアを200名以上抱え、システム開発を25年以上経験する弊社、DX部 佐々木舞美が解説致します。

システム開発の世界では、新規顧客の獲得よりも「既存顧客の継続利用と満足度向上」の方がはるかに高い利益率をもたらすとされています。これを工務店経営に置き換えたのが「紹介受注」です。25年にわたり「顧客と長く、深くつながり続ける仕組み」を構築してきたITのプロの視点から、紹介を生み出すためのロジカルなアフターフォロー術を伝授します。


紹介受注が工務店の利益率を劇的に改善する理由

紹介受注が工務店の利益率を劇的に改善する理由

多くの工務店が広告宣伝費の高騰に悩むなか、紹介受注は「成約率の高さ」と「獲得コストの低さ」において圧倒的な優位性を持ちます。

紹介客は、すでにOB顧客から貴社の信頼性を聞き及んでいるため、初回面談時点での熱量が非常に高く、相見積もりになりにくいのが特徴です。この「紹介」を単なるラッキーな出来事で終わらせるのではなく、再現性のある「経営の仕組み」として組み込むことが、安定経営への最短距離となります。

なぜ多くのアフターフォローは「紹介」に結びつかないのか?

「引渡し後に定期点検のハガキを送っているが、紹介が来ない」という相談をよく受けます。その原因は、フォローが「義務的」であり、顧客との「情緒的なつながり」が途切れていることにあります。

顧客は「点検に来てくれる会社」ではなく、「自分たちの暮らしをずっと見守ってくれるパートナー」を紹介したいと考えます。ITプロジェクトにおける保守運用と同じく、重要なのは「問題が起きた時だけ動く」ことではなく、「常に繋がっているという安心感」を提供し続けることです。

紹介を生む「ファン化」のステップ:引渡し後が営業のスタート

システム開発におけるLTV(顧客生涯価値)最大化の視点では、納品後のサポートこそが次のビジネスの種です。

工務店におけるアフターフォローも同様です。引渡し直後は満足度が最も高い「ゴールデンタイム」ですが、そこから時間が経過するにつれ、顧客の熱量は下がります。この低下曲線をいかに緩やかにし、逆に再浮上させるか。そのためには、点検日以外にも「あ、この工務店に頼んでよかった」と思わせる小さな接触回数の設計が必要です。

[関連記事:施主をファンに変える「家づくり スケジュール表」の演出] 建築中の感動体験が、アフターフォローの効果を最大化させる土台となります。

OB顧客が「紹介しやすくなる」ためのツールと情報の提供

顧客が誰かに貴社を紹介しようと思ったとき、手元に情報がなければ行動に移せません。

OB専用のマイページ」や、スマホで簡単に見せられる「施工事例アーカイブ」があれば、紹介のハードルは一気に下がります。特に今の時代、紙のパンフレットではなく「スマホで共有できるデジタルな実績」こそが、リアルな口コミを加速させる武器となります。

属人性を排除する!「忘れない・漏れない」定期点検の自動管理

ベテラン営業マンの勘や記憶に頼ったアフターフォローは、担当者の退職や繁忙期に必ず形骸化します。200名のエンジニアを管理する私たちの世界では、タスクの自動化は常識です。

引渡し日を起点として、3ヶ月、1年、2年、5年、10年といったフォロータスクをシステムが自動で発行し、担当者にアラートを送る環境を整えてください。この「当たり前のことを当たり前に続ける継続性」こそが、顧客にとっての最大の信頼となります。

【解決策】plantableで築く「一生涯途切れない」OB顧客との接点

私たちシステム開発のプロが、工務店業界のために開発した つながる家づくりplantable は、アフターフォローにおいてもその真価を発揮します。

plantableは、建築中の連絡ツールで終わるものではありません。

  • 図面・書類のデジタル保管:施主はいつでも自分のスマホで「我が家の履歴」を確認可能。
  • メンテナンス時期の自動通知:点検時期が来れば、施主と工務店双方に通知。
  • 気軽な相談窓口:チャット機能により、不具合やリフォームの相談が心理的にしやすくなる。

25年の開発実績が生み出した「使い続けたくなるインターフェース」が、施主と貴社をデジタルな絆で結び、紹介の機会を逃しません。

【DX部:佐々木’s Eye】IT業界の「カスタマーサクセス」に学ぶ紹介戦略

IT業界には「カスタマーサクセス(顧客の成功)」という概念があります。これは、製品を売るだけでなく、顧客がその製品を使って幸せになるまで伴走する考え方です。 工務店に置き換えれば、「家を建てた後の豊かな暮らし」をサポートすることです。例えば、plantableを通じて「季節のメンテナンス動画」を送ったり、「住まいのDIYワークショップ」の案内をしたり。顧客が家を使いこなして満足している状態(サクセス)こそが、最強の紹介トリガーになります。

OB顧客を「広報アンバサダー」に変える紹介キャンペーンの設計

OB顧客を「広報アンバサダー」に変える紹介キャンペーンの設計

心理学的な報酬設計も重要です。紹介してくれたOB顧客と、紹介された新規客の両方にメリットがあるキャンペーンを「システム」として運用しましょう。

紹介のお礼に地域の特産品やメンテナンスチケットを贈る、あるいはOB限定のイベントへ招待する。こうした施策をplantableの通知機能を使って「特別感」を持って伝えることで、OB顧客は「紹介すること」を誇らしく感じるようになります。

不具合対応こそが最大のチャンス!「リカバリー」が紹介を生む

システム開発でも、バグへの対応スピードがその後の信頼を左右します。住宅でも同様です。

不具合が起きた際のスピード対応は、顧客満足度を一気にV字回復させるチャンスです。plantableで写真付きの相談を受け、即座に現場監督が回答する。この圧倒的なレスポンスの速さが「この会社なら誰に紹介しても恥ずかしくない」という確信に変わります。

次の関連記事:【成約率向上編】工務店の成約率を上げる「注文住宅 スケジュール表」の標準化

アフターフォローで得た「紹介」を確実に契約に結びつけるためには、初回面談での圧倒的な「安心感」の提示が不可欠です。次のステップとして、紹介客の期待を裏切らない営業術を確認しましょう。

[関連記事:工務店の成約率を上げる「注文住宅 スケジュール表」の標準化へ]


FAQ:紹介を増やすアフターフォローの疑問

「25年の実績」が保証する、止まらない・消えないプラットフォーム 一般的なアプリ開発会社と異なり、200名以上のエンジニアを抱える弊社では、提供するシステムの継続性とセキュリティに最大限の投資を行っています。工務店様の大切な顧客データや過去の図面資産を、10年、20年先まで安全に守り抜く。この「技術的体力」こそが、多くの地域密着型工務店様にplantableを選んでいただいている理由です。

Q1:少人数でアフターフォローまで手が回りません。
A:だからこそITによる「自動化」が必要です。200名のエンジニアを抱える弊社でも、定型業務はすべて自動化し、人間は「情緒的なコミュニケーション」に集中しています。plantableを導入することで、事務的な連絡や日程調整の時間を大幅に削減し、少人数でも質の高いフォローが可能になります。

Q2:OB顧客に嫌がられないフォローの頻度は?
A:重要なのは頻度ではなく「情報の価値」です。不要な売り込みは敬遠されますが、「住まいを長持ちさせるためのヒント」や「補助金情報」などは喜ばれます。plantableを通じて、顧客一人ひとりに最適化された情報を届けることが、嫌がられないフォローのコツです。

Q3:なぜITのプロがアフターフォローの仕組みを語るのですか?
A:システム開発において「保守(運用)」は全体のコストの7割を占め、かつ最も重要な工程だからです。家づくりも全く同じで、建てた後の「運用」をどうデザインするかが、企業のブランド価値を決定づけます。25年の保守運用の知見を、工務店の皆様の力にしたいと考えています。