当記事では、ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのスキル管理を25年経験してきて効率化し、スキル管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がエンジニアが案件受注しやすくなるように、スキルシートの書き方についてわかりやすく解説しています。
スキルシートを作成する目的や効果、職務経歴書との違いもお伝えするので、記載が初めての方も参考にしてください。
実際の書き方の例では、具体例を示しながら順を追って説明します。
注意点も確認することで、採用担当者の目に留まる効果的な書き方が身につきます。
スキルシートとは?目的や理由

スキルシートとはスキルに資格、使用できる言語やプロジェクト経験などを明記した経歴書です。
SEやデザイナー、プログラマーなどIT業界での利用が多いですが、フリーランスが活用しているケースもあります。
スキルシートは「技術経歴書・職務経歴表・業務経歴表」とも呼ばれ、派遣先や常駐先企業がポートフォリオを確認して合否を判断します。
多くの場合A4サイズ1〜2枚程度にまとめますが、用紙のフォーマット(雛形)は特に存在しません。
したがってスキルシートを作成する際は、応募案件に適したテンプレートをダウンロードする必要があります。
エンジニアがスキルシートを作成する目的と効果
- 自己PRが収入アップにつながるため
- 仕事のミスマッチを防げるため
- キャリアプランを見直せるため
企業担当者はスキルシートを参考に、エンジニアをプロジェクトへ参画するか判断します。
そのため、スキルシートが充実していると高収入の案件に受かりやすく、エンジニアと企業間のミスマッチ防止にもつながります。
スキルシートと職務経歴書の違い
「スキルシート」と「職務経歴書」はスキルや職務経験の記載は同じですが、比較すると細かな違いがあります。
スキルシート | 職務経歴書 | |
利用される業界 | IT業界 | IT業界以外の業務 |
主な記載内容 | 氏名・スキル・資格・参画した案件の内容と期間・実績・自己PR | 氏名・スキル・経験・応募先の企業に合わせた志望動機・自己PR |
フォーマット | 決まりなし(ダウンロードや自身で作成) | ある程度決まっている |
PCでスキルシートを記入する際は、応募先の企業に合わせて項目を追加・削除してください。
職務経歴書は履歴書と同時に提出することになるので、スキルや志望動機、自己PRを重点的に記載します。
なお派遣会社先でスキルシートを作成する際、氏名はイニシャル、年齢は○○代、連絡先は記載しないといったルールがあります。
派遣企業が個人を特定して人材を選出しないようにすること(労働者派遣法)が理由です。
スキルシートの書き方見本

ここではスキルシートの作り方の例を、順を追って解説します。
- 生年月日などの個人情報を明記する
- 資格やスキル、得意分野などを明記する
- 参画したプロジェクトなど業務内容について記載する
- 自己PRを記載する
スキルシートのテンプレートによって書き方は異なりますが、サンプル例としてご覧ください。
あらかじめ業務経験や自身の強みなどを棚卸ししておくと、スムーズに書き進めることができます。
生年月日などの個人情報を明記する
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
- 生年月日
- 最終学歴
- 最寄駅
個人情報記載欄にテンプレートの様式に沿って内容を明記します。
最終学歴では学校名の誤字・脱字に気を付けて、正式名称で記載してください。
卒業年度がわからない場合は、卒業証書を参考にしましょう。
資格やスキル、得意分野などを明記する
- 資格
- スキル
- 保有技術
- 得意分野
- 主な実績
続いて資格やスキル、得意分野などを明記します。
資格欄は「TOEIC 800点、実用英語技能検定 2級」などと明記したうえで「○年△月時点」と記載すると丁寧です。
いずれも案件や業務に役立つものを記載し、無関係な内容は盛り込まないように注意してください。
実績欄には自身が関わった公開可能なURL、個人で運営するサービスのURLなどがあれば、担当者に好印象を与えられます。
参画したプロジェクトなど業務内容について記載する
- 参画先企業
- 参画期間
- 案件名
- 業務内容
- 役割・役職
スキルシートのなかでも重視される過去の業務内容について記載しましょう。
参画先の企業名は「大手転職サービス企業」などと表現し、具体的な企業名の記載を避けます。
記載のポイントは、業務内容に限らずスキルシート全体を「言い切り型」で作成することです。
業務内容は誰が見てもわかるように、プロジェクトではどのような製品を開発しどんな立ち位置だったか、と詳細に記載してください。
自己PRを記載する
最後にエンジニアとしての強みや自身の性格、長所をアピールできる自己PRの作成です。
内容を詰め込みすぎると何が言いたいかわからなくなるので、端的に事実だけを記載することを意識してください。
なお、自己PRに限り「ですます調」で記載しても構いません。
スキルシートの書き方のポイントと効果的な管理方法

読みやすい書き方を意識する
スキルシートは採用担当者が流し読みしても、内容が理解できるようにします。
- 誤字・脱字、表現の間違いがない
- レイアウトを整える
- 内容を整理する
- 全体的に「言い切り型」で表現(自己PR欄のみ「ですます調」)
- 端的でわかりやすい文章を心がける
上記の内容を盛り込めば読みやすさが格段にアップしますので、ぜひ参考にしてください。
また、家族や友人などにスキルシートを見てもらって、客観的に判断してもらうのも効果的です。
定量的な表現で記載する
スキルシート内で定量的な表現ができる項目は、積極的に「数値」や「数量」を記述しましょう。
数字を使うことで情報の信頼性がグッとアップして、説得力のある内容になります。
例えば「自身がリーダーを務めたプロジェクトの売上げが前年比○%アップ」となります。
「自身がリーダーを務めたプロジェクトの売上げが前年比より良くなりました」では、説得力が乏しいですよ。
定量的な表現ができる部分は、積極的に「数値」や「数量」を使うことを覚えておいてください。
エンジニア経験がない場合スキルシートは不要
エンジニア未経験者の方は案件応募の際、スキルシートは不要です。
職務経歴書には直近まで担当していた業務や、プロジェクト内の役割などを記載するといいでしょう。
採用担当者はエンジニアのやる気や協調性、人柄を見ています。
自分が企業にどう貢献できるかを主軸に、読みやすい内容にまとめることが大切です。
クラウドサービスで管理する
スキルシートの作成・保管はクラウドサービスに対応したツールがおすすめです。
ツールの機能として、スキルシートの自動作成や経歴書の自動メール送信などが挙げられます。
最新のスキルや資格の保有状況、熟練度が確認できるため、エクセルやサーバー管理と違って集計・分析の手間を抑えられるのがメリットです。
特にエンジニアを抱えるSES企業や派遣企業の方は、業務効率化のために一度検討することをおすすめします。
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まとめ
当記事ではスキルシートの重要性と書き方のポイント、注意点についてお伝えしました。
スキルシートの出来は、エンジニアを案件に参画するかどうかを決める重要な基準です。
「書く内容がまとまらない」「うまく伝わるかわからない」という方は、自身の経験を再度見直したり身近な人に確認してもらったりしてください。
スキルシートは何度も使い回さず、プロジェクトごとに常に内容をアップデートすることが大切です。
積極的な姿勢が採用担当者の心を動かし、収入アップやエンジニアとしての信頼性確保につながります。