工数管理は、プロジェクトにおける課題を洗い出して業務改善につなげる活動です。
生産性の向上は利益に結びつくことから、近年では工数管理の重要性が囁かれています。
工数管理は「エクセル」と「工数管理ツール」を使う方法があり、当記事ではITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアの工数管理を25年経験してきて効率化し、工数管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介しています。
エクセルを導入済みの方、工数管理自体を効率化したいと思っている方の悩みを解決する内容です。
工数管理とは?
工数管理とはプロジェクトにおいて「誰が」「何に」「どれぐらい」時間がかかっているかを把握する取り組みです。
工数管理はムダな業務を見直してコスト削減につながることから、企業に欠かせない活動といえます。
近年、どの企業でも人手不足が叫ばれており、限られたリソース(ヒト・モノ・カネ)を最大限に活用する必要があります。
工数管理を行う具体的なメリットは、以下の通りです。
- 適材適所の人材配置ができる
- 業務の可視化が改善につなげる
- プロジェクトの進捗を可視化して適切に対応できる
- 従業員の目的意識を高められる
プロジェクトのタスクを分析して課題を洗い出し、生産性の向上、コスト最適化を図りましょう。
一般的に、工数管理の方法は「エクセルで作成する」か「工数管理ツールを導入する」かのいずれかです。
【無料】工数管理表をエクセルで作る3つの方法
エクセルでの工数管理表の作り方は「テンプレート」「WBS」「ガントチャート」の3つの方法があります。
ここでは、それぞれの作成手順を簡単に解説します。
1.テンプレートを利用する
Microsoftの公式サイトから、工数管理のテンプレートをダウンロードしてください。
テンプレートはプロジェクトやタスクに合わせて項目を追加できますし、無料で利用できるのがメリットです。
インターネット上にはテンプレートが多数存在するので、自社の目的に合わせて導入してください。
2.WBSを利用した作成方法
- プロジェクトを大中小のカテゴリーに分ける
- タスクを洗い出して担当者を割り振る
- タスクごとに開始日や終了日を入力する
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトとタスクを細分化して階層構造的にまとめたものです。
エクセルの知識がなくても工数管理表を作成できますので、ぜひ試してみてください。
3.ガントチャートを利用した作成方法
- WBSの作成方法を参考にして「3.タスクごとに開始日や終了日を入力する」まで進める
- タスクごとに進捗ステータスを追加で設定する
- 横軸に日付と棒グラフを作成する
ガントチャートはWBSを元に、縦軸にタスクの階層構造、横軸に時間を設定してプロジェクトを視覚的にわかりやすくまとめたものです。
エクセルの知識がある方はマクロや関数を用いて、データ集計や計算、操作の自動化を取り入れてみてください。
エクセルで工数を管理するメリット2個・デメリット5個
エクセルで工数管理するメリット1.ローコストで運用できる
すでにエクセルを導入している場合は、追加費用をかけずに運用できます。
操作に慣れていることもあり、教育コストをかけずに運用できるのはエクセルの大きな強みといえるでしょう。
エクセルで工数管理するメリット2.少人数の工数管理・入力に向いている
エクセルは少人数の工数管理に向いています。
少人数なら入力の手間がそれほどかかりませんし、入力ミスがあっても修正しやすいからです。
少人数の工数管理を検討している場合は、エクセルから試してみてもいいでしょう。
エクセルで工数管理するデメリット1.入力に時間と手間がかかる
エクセルで工数管理を行う場合、データ入力はすべて手作業で時間がかかります。
要員数やプロジェクト数が多いと、さらに集計と分析に手間がかかることを覚えておいてください。
エクセルで工数管理するデメリット2.ヒューマンエラーが起こりやすい
手作業がメインとなるエクセルでは、ヒューマンエラーにも注意が必要です。
工数管理は正確なデータを集計・分析する必要があり、入力ミスが多発すると本来の意味を成しません。
また、工数管理の担当者によっては、属人化を引き起こしたりファイルのブラックボックス化を招いたりしてしまいます。
入力ミスや属人化を防ぐのは難しいことから、規模の大きい工数管理には不向きといえます。
エクセルで工数管理するデメリット3.リアルタイムでプロジェクト進捗を把握できない
プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握できないため、手動でデータを入力・更新しなければなりません。
その都度データを入力・更新しない場合は、情報や認識のズレが生じることになるので注意しましょう。
エクセルで工数管理するデメリット4.同時編集に向かず作業効率が悪い
複数人で同時編集する際、エクセルには「共同編集」か「共有ブック機能」を使うことになります。
「共有ブック機能」には一部の機能に制限がかかったり設定が面倒だったりと、作業効率が悪いのが現状です。
また、共有相手のエクセルのバージョンを確認して、共同編集か共有ブック機能にするかを決めるという煩わしさが生じます。
エクセルで工数管理するデメリット5.スマホやタブレット操作に向いていない
働き方の変化に伴い、スマホやタブレットで業務を行うシーンが増えています。
しかしながら、狭い画面での工数管理は見にくいうえに動作が重くなりがちで、とてもおすすめできるとはいえません。
スマホやタブレットで工数管理を操作する場合は、最適化された専用ツールがおすすめです。
工数管理はクラウドツールの利用がおすすめの理由3個
プロジェクトやタスクの工数管理は、クラウドツールを利用する方法もあります。
ここでは、エクセルと比較して工数管理ツールが得意なことを3つお伝えします。
1.プロジェクトごとにリアルタイムで進捗を把握できる
クラウドツールはいつでもどこでも操作可能で、プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握できます。
時間がかかりそうなタスクは予定を変更する、支援メンバーを増やすなど、納期を守るスケジュール調整が可能です。
また、自分が「何に」「どれぐらい」時間を要しているかを理解できれば、課題に向き合い、目的を達成しようという意識が高まります。
2.外部ツールと連携して入力の負担を軽減できる
工数管理ツールは勤怠管理システムやカレンダーなどを自動反映できるので、入力の負担を軽減できます。
新たにツールを組み立てる必要がなく、工数管理ツールだけでシームレスな業務を実現します。
3.複数人で同時編集ができる
クラウドの工数管理ツールは同時編集が可能なため作業効率がアップします。
機能に制限はありませんし、面倒な設定も不要です。
エクセルで頻発する「読み取り専用で開いてください」という事態を回避して、本来の業務に集中しましょう。
【無料あり】工数入力・管理におすすめのクラウドツール『fapi』

『fapi』は、ソフトウェア開発・製造業の工数管理におすすめできるスキル管理・アサイン管理ツールです。
スキル管理では人員のスキルや資格、業務経験、アサイン管理はプロジェクトやタスクの進捗状況、空き要員を可視化して要員稼働率100%を目指します。
保有スキルやアサイン状況は最新の状況を把握できるので、スムーズに業務を見直し生産性の向上につなげます。
『fapi』ならExcelで起こりがちな「集計・分析が大変」「属人化でブラックボックス状態」「適任者がわからない」といった事態が起こりません。
プロジェクトに関わるあらゆるリソース(ヒト・モノ・カネ)を一本化して、利益率アップを実現してください。
まとめ
今回は、工数管理の概要や「エクセル」と「クラウドツール」はどちらが工数管理に向いているかについて解説しました。
話をまとめると、小規模なプロジェクトでない限り、工数管理は「クラウドツール」がおすすめです。
クラウドツールはエクセルでありがちなヒューマンエラーや属人化が発生しませんし、リアルタイムでプロジェクトの進捗を把握できます。