初心者がITスキル・資格を取得すれば、業務を効率的に進めたり就職・転職で有利になったりします。

とはいえIT業界に入るためには、どのようなITスキル・資格が必要かわからない方も多いでしょう。

この記事では初心者向けIT系資格10選に加えて、エンジニアに求められるスキル8選を解説します。

初心者が資格を取得する際の注意点や勉強方法もお伝えするので、IT業界で活躍したい方は参考にしてみてください。

初心者がITスキル・資格を取るべき理由とは?

IT業界初心者がITスキル・資格を取るべき理由は、主に次の通りです。

  • IT業界の人手不足が深刻化しているから
  • DX化が進み一般企業でもITスキルが求められるから

ここから、詳しく見ていきましょう。

IT業界の人手不足が深刻化しているから

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にIT人材が最大約79万人不足するとされています。

出典:IT人材需給に関する調査 調査報告書|経済産業省

2023年でもすでに30万人以上が不足していることから、IT業界では初心者・未経験者でも引く手数多な状況です。

AIやクラウドの分野ではエンジニア不足が特に深刻であり、ITスキル・資格がある人材は非常に重宝されます。

DX化が進み一般企業でもITスキルが求められるから

DXの推進により、一般企業においてもITスキルの重要性が高まりました。

そのため、初心者のうちから資格を取得してITスキルを伸ばしておけば、業務に対応しやすくなるはずです。

ITスキル・資格がなくてもIT業界で働くことは可能?

ITスキル・資格がなくてもIT業界で働くことは可能?

結論からいうと、ITスキル・資格がなくてもIT業界で働けます。

実際に、未経験者OKの求人を多く見かけることから、ITスキル・資格がなくても問題ないことがわかります。

ただし、就職先・転職先で求める「未経験者」では、希望通りの仕事を担当できないケースが多いです。

例えばプロジェクトに参画してプログラミングを行うのわけではなく、エンジニアの知識を使った営業や雑務を任せられることもあります。

そうなるとエンジニアとして実績を積み重ねたり、知識を蓄えたりするのは難しいでしょう。

就職活動・転職活動の際には、業務内容や入社後の流れをきちんと確認しておくことが重要です。

初心者向けのIT資格10選【ITスキル標準レベル別】

初心者向けのIT資格10選【ITスキル標準レベル別】

ここでは初心者が取得したいIT資格を、「国家資格」と「ベンダー(民間)資格」に分けて紹介します。

ITスキル標準に準ずるレベルも記載するので、取得難易度の目安にしてみてください。

資格試験名称資格種類(国家資格/ベンダー資格)取得がおすすめな人ITスキル標準(ITSS)
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)ベンダー資格データ整理やビジネス文書作成などの事務能力を証明したい人レベル1
ITパスポート国家資格IT基礎知識を証明したい人レベル1
基本情報技術者試験国家資格情報技術全般の知識・技能を証明したい人やプログラム設計からテストまでを担当する人レベル2
Ruby技術者認定試験 Silverベンダー資格Rubyベースのシステム開発を行う人レベル1
Python3エンジニア認定基礎試験ベンダー資格Pythonの文法基礎を習得したい人レベル1
Oracle認定Javaプログラマ Silverベンダー資格Javaプログラマーを証明したい人レベル1
PHP技術者認定 初級ベンダー資格PHPの基礎知識を身に付けたい人レベル1
Linux 技術者認定試験 LinuC レベル1ベンダー資格サーバーエンジニアを目指す人レベル1
AWS認定資格ベンダー資格技術スキルとクラウドの専門知識を身に付けたい人レベル1
ITILファンデーション試験ベンダー資格ITサービスマネジメントを習得したい人レベル1

ITエンジニアに求められるスキル8選

ITエンジニアに求められるスキル8選

ITエンジニアに求められるスキルを8つに厳選しました。

スキル名内容
プログラミングスキルすべての業務に活用できる必須スキル。ある程度の応用が効くのもメリット
ネットワーク知識需要が多く、インフラエンジニアとして活躍できる
クラウドの知識DXやコスト削減などの観点から需要が高い
セキュリティ関連の知識会社の資産を守るために必要なスキル
マネジメントスキルシステム開発における最重要ポジション
コンサルティング能力クライアントに最良な提案を行うために必要なスキル
コミュニケーション能力ITスキルより重視される。適切なコミュニケーションが取れると経験者と遜色のない業務効率を生み出せる
データ分析能力企業の課題解決や目標達成に欠かせないスキル

近年のIT業界ではプログラミングなどのハードスキルより、コミュニケーション能力といったソフトスキルが重視されるのが特徴です。

ITスキルだけではなく、コミュニケーション能力やマネジメントスキルもしっかりと磨いていく必要があります。

初心者がIT系の資格取得をするメリット

IT業界の初心者がITスキル・資格を取得すると、実務にスムーズに順応できます。

なぜなら勉強する過程で製品やサービスの使い方、エンジニアの仕事の流れも学べるからです。

実務への順応が早ければ他のエンジニアと協調しやすく、チーム間の負担を軽減できます。

他にも、ITパスポートで5,000円、基本情報技術者で10,000円ほどの資格手当を受け取れる場合もあります。

収入アップが見込めることからも、初心者が資格を取得するメリットは大きいといえるでしょう。

初めてIT資格を取る際の注意点

初心者がIT資格を取得する際には、いくつか注意点があります。

  • 初心者レベルの資格でも十分に対策する
  • 試験に合格しても必ず就職できるわけではない

これからIT業界で働くのを目指している方は、目を通してみましょう。

初心者レベルの資格でも十分に対策する

初心者レベルの資格なので難易度は低いとはいえ、合格率100%の試験はありません。

例えばRubyの基礎知識を証明する「Ruby技術者認定試験 Silver」の合格率は、75%程度です。

初心者の場合はある程度まとまった学習時間が必要になることから、計画的に勉強を進めることが重要になります。

試験に合格しても必ず就職できるわけではない

有利に働くのは間違いありませんが、資格を取得しても必ず就職できるとは限りません。

就職面接ではサークルやアルバイトで得た経験、自発的に挑戦したことなど、総合的に人材を判断します。

自身が取得する資格・ITスキルは、募集する職種と関連するものを選ぶのがポイントです。

初心者がITスキル・資格を取るための勉強方法

初心者がITスキル・資格を取るための勉強方法

初心者がITスキル・資格を取るための勉強方法は、主に3つです。

  • 初心者向けの書籍で勉強する
  • IT系スクールに通う
  • 学習サイトで勉強する

初心者向けの書籍で勉強する

初心者向けの書籍ならば、比較的安価で体系的にITについて学べます。

書籍を読み進めると、自分の知識不足に気付かされることもあるでしょう。

勉強する際は、ある程度学習した後で実際に手を動かしてみることが大切です。

書籍には情報の濃さや読みやすさなどに違いがあるので、実際に書店で中身を確認してから購入するようにしましょう。

IT系スクールに通う

IT系スクールに通って、ITスキル・資格取得を目指すのも手です。

IT系スクールなら講師のサポートを受けられるので、効率的な勉強法を学べたり問題を早く解決できたりします。

なおIT系スクールは、独学では勉強に手が付きにくい人にもおすすめの勉強方法といえます。

学習サイトで勉強する

学習サイトとは、Web上でプログラミングなどのITスキルを勉強できるサイトのことです。

例えばIPAが運営する公式学習サイトでは、「ITパスポート試験」の過去問に挑戦したり実際の試験に採用される「CBT方式」を体験できたりします。

本番と同様の試験方式を経験できることから、早い段階から試験に慣れたい方におすすめです。

また、学習サイトによってはスマートフォンに対応しているため、移動中などの隙間時間に勉強できます。

まとめ

この記事ではIT系初心者におすすめの、IT系資格10選とスキル8選を紹介しました。

資格を取得すればスムーズに業務をこなせるだけでなく、収入アップや転職でも有利になります。

人手不足のIT業界では、ITスキル・資格を有した初心者が渇望されています。

この記事を参考に、自分の目標に合わせてスキルアップを目指しましょう。