ビジネスで耳にするアサインは「任命する」「割り当てる」といった意味です。
しかしながら、業界やシーンによって使い方が異なり、類義語や対義語も多数存在します。
この記事では、ITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアの管理をアサイン管理を25年経験してきて効率化し、スキル・アサイン管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美が正しいアサインの使い方について、例文を交えてわかりやすく解説します。
アサインの意味を正しく理解して、柔軟かつ効率的に業務を進めたい方は参考にしてください。

詳細は弊社コーポレートサイトをご確認ください

アサインとは?

アサインとは?

アサインとは「任命する」「割り当てる」などの意味を持つ言葉です
ビジネスシーンで使われることが多く「役職や現場責任者に任命する」「仕事を割り当てる」と用いられます。
基本的には、目上の立場の人が下の人に対して使うということを覚えておきましょう。
そのため、部下が目上の立場の人に対して「アサインしました」というのは、間違った使い方になります。
アサインとは英語の「assign」が語源になっていて、意味や使い方もほとんど変わりません。
幅広い業界で使われ、業界によって意味合いが異なってきます。
アサインの意味を正しく理解して、ビジネスシーンで相手と共通認識を高めることが大切です。

アサインの類似用語と意味の違い

アサインと類似する用語に「アサインメント」「ジョイン」があります。

アサインメント

アサインメントはアサインの名詞形で「割り当て」「任命」などを意味する用語です。
よく耳にする「アサインする」は動詞と動詞の組み合わせであり、表現方法としては実は間違っています。

ジョイン

ジョインは「加わる」「提携する」「合同で作業する」といった意味の用語です。
アサインとは違って、ジョインは能動的な意味合いが強いです。
アサインは目上の立場の人から任命を受けたりチームに割り当てられたりするため、受動的となります。
ジョインは「能動的」、アサインとは「受動的」というのはどのシーンでも変わらないので覚えておくと安心です。

業界によって異なるアサインの意味と使い方

業界によって異なるアサインの意味と使い方

アサインとは業界によって意味や使い方が変わる用語です。

ホテル・旅行業界

ホテル・旅行業界におけるアサインとは「シートアサイン」「ルームアサイン」を指します。
シートアサインとは、飛行機や新幹線の座席を割り当てることです。
ホテル・旅行業界でアサインを使った例文は、以下のようになります。

  • 「座席数の都合上、ビジネスクラスをアサインしました」

ルームアサインとは宿泊部屋の割り当てです。
アサインが入った例文は、以下のようになります。

  • 「眺めの良い部屋にアサインして」

お客の立場でとして「アサインされた」と言う機会は少ないですが、このように使われていることを覚えておくと良いでしょう。

参考:新・ホテル&ブライダル用語集|ホテリエガイド

IT業界

IT業界におけるアサインとは「プロジェクトアサイン」「キーアサイン」があります。
プロジェクトアサインとは、ITエンジニアをプロジェクトに配属することです。
アサインを使った例文は以下のようになります。

  • 「念願だったプロジェクトにアサインされる」

キーアサインとはPCのキー・ボタンにショートカットを割り当てて、作業性を向上することです。
アサインを使った例文は以下の通りです。

  • 「F3キーにプログラム進行キーをアサインしてもらう」

転職業界

転職業界でのアサインとは「採用」「選任」の意味で使われます。
主に新しい人材に対して使うことが多く、アサインを含んだ例文は以下のようになります。

  • 「希望のエリアにアサインしていただく」

ビジネスシーンにおけるアサインとは?

ビジネスシーンにおけるアサインとは?

ビジネスシーンにおけるアサインとは、代表的なものに「アサイン会議」があります。
アサイン会議とは「誰をどのプロジェクトに割り当てるか」を検討する会議です。
アサイン会議では人材のスキルや業務経験を参考にしながら、プロジェクトを達成するための最適な人材配置を検討します。
プロジェクトの成果に関わりますし、不測のトラブルに対応できるように柔軟かつ効果的なアサインが求められます。

アサインとは類義となる日本語

アサインとは類義となる用語は「課す」と「指定する」です。

課す

アサインとは類義語にあたる「課す」は、引き受けさせると言う意味の用語です。
一方的に負担を負わせるというニュアンスが強く、「割り当てる」と比べると義務感や強制感が強い表現といえます。
ビジネスでは「プログラミング研修を課す」といった使い方をします。

指定する

「指定する」とはある物事を定めることです。
物事以外にも人や時間、場所などあらゆるものを対象とします。
ビジネスでは「会議の時間と場所を指定する」「口座を指定する」といった使い方があります。

アサインとは対義となる日本語

アサインとは対義となる用語は「外す」「リリース」「取り下げる」「解任する」です。

外す

「外す」は、アサインとは対極ともいえる言葉です。
上から下に流れるように「一方的」な意味合いが強く、マイナスなイメージを受けることもあります。
例文にすると「Aさんを医療現場から外す」といった具合です。
使い方次第ではパワハラや冷たい印象を与えるので、言葉遣いには気を付ける必要があります。

リリース

アサインとは対義語にあたる「リリース」は、解放するという意味です。
自分の意思で解放される際にも使えることから、一方的な意味合いの強い「外す」とは違った印象を受けます。
ビジネスでは「今月末でプロジェクトからリリースされる」といった使い方をします。

取り下げる

「取り下げる」は、一度提案したものをなかったことにしたい時に使う用語です。
使い方として「発言を取り下げたい」「提出したものを取り下げる」などが挙げられます。

解任する

アサインとは対義語にあたる「解任する」は、マイナスイメージを連想させる言葉です。
「クビにする」「力量不足で役割を解く」と言う意味合いが強いため、使い所には注意が必要です。
ビジネスシーンでは「Bさんが能力不足なのでプロジェクトから解任しよう」などと使われます。

アサインをビジネスで使用する際の注意点

アサインをビジネスで使用する際の注意点

ビジネスシーンでアサインを使う際は、いくつか注意点があります。
「アサイン」は相手の年代や業界によって使われることが少なく、意味すらわからないケースも多いです。
アサインとは「任命する」「割り当てる」といった意味ですが、相手が知らないようなら使わないほうが無難です。
特に、デビューしたてのビジネスマンや転職したばかりの人を相手にする際は、注意してください。
意味がきちんと伝わるように、相手の立場に立って使い分けることが大切です。

ビジネスにおけるアサイン管理の重要性

ビジネスにおけるアサイン管理の重要性

ビジネスシーン、特にIT業界や製造業界はアサイン管理の重要性が問われています。
アサイン管理ができていないと、仕事に隔たりが生じたり生産性が下がったりするなどの、問題が起こります。
アサインとは仕事を割り当てることを意味しますが、アサイン管理はメンバーのスキルや実績を管理して、適切な人員配置につなげることです。
適切な人員配置によって、仕事を効率的に進められますし成果物のクオリティを担保できます。
製品の短納期も実現すればクライアントから信頼を獲得でき、受注機会を増やすことにもつながるでしょう。
アサイン管理は業務効率化やコスト削減、利益の確保など企業にとって欠かせない取り組みです。
なお、アサイン管理はアサイン管理ツール・システムを利用すると、簡単かつスムーズに業務を進められます。

まとめ

本記事ではアサインの意味や使い方、各業界で使う際のポイントを解説しました。
カタカナ用語の多いビジネスシーンでは、意味を正しく理解して相手との共通認識を高めることが大切です。
適切に「アサイン」を使い分けて、ビジネスマンとしてのレベルアップを目指してください。