Salesforceの導入を検討されている企業の皆様へ。
「Salesforceって、結局いくらかかるの?」「導入までどれくらいの期間が必要?」といった疑問をお持ちではありませんか?
Salesforceは、顧客管理から営業支援、マーケティングまで、企業のビジネスプロセスを強力にサポートする世界トップクラスのCRMプラットフォームです。
その高い柔軟性と豊富な機能が魅力ですが、導入費用や期間は企業の規模や要件によって大きく変動するため、事前にしっかりと把握しておくことが成功への鍵となります。
この記事ではITエンジニアを200名以上抱え、システム開発を25年以上経験する弊社、FS部 佐々木舞美が、Salesforce導入にかかる費用とその内訳、導入期間の目安、そして費用を抑えながらスピーディーに導入するための具体的なポイントを詳しく解説します。
貴社のビジネスに最適なSalesforce導入を実現するためのロードマップを、ぜひここで見つけてください。
その他、Salesforceクラウド製品:知らないと損!機能群を徹底解説を開発担当者が、別記事でもまとめておりますので合わせて参考にしてください。
Salesforce導入費用の全貌:内訳と価格の決まり方

Salesforceの導入にかかる費用は、主にライセンス費用と導入・開発費用の2つのカテゴリに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Salesforceライセンス費用の種類と価格帯
Salesforceのライセンス費用は、毎月または毎年発生する基本的な利用料金です。以下の要素で価格が変動します。
- エディションの種類と機能: Salesforceには、「Essentials」「Professional」「Enterprise」「Unlimited」など、機能や利用制限が異なる複数のエディションがあります。上位エディションほど機能が豊富ですが、その分費用も高くなります。貴社のビジネスに必要な機能を洗い出し、最適なエディションを選ぶことが重要です。
- ユーザー数に応じた課金: Salesforceはユーザー数に応じて課金されるため、利用する人数が増えるほど費用も上がります。
- 利用するクラウドサービス: Sales Cloudだけでなく、Service Cloud、Marketing Cloud、Experience Cloudなど、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する場合、それぞれのライセンス費用が加算されます。
- アドオン機能の追加: AI機能、追加ストレージ、高度なレポート機能など、標準機能ではカバーできない特定の機能を追加する場合は、別途オプション費用が発生します。
価格帯の目安: 数千円/ユーザー/月から、数万円/ユーザー/月まで、非常に幅広い価格帯が存在します。具体的な金額は、貴社の要件によって大きく異なるため、Salesforceの担当者または導入パートナーへの直接問い合わせが最も正確な見積もりを得る方法です。
2. Salesforce導入・開発費用の詳細
Salesforceを貴社の業務に合わせて設定し、稼働させるためにかかる初期費用やプロジェクト費用です。
- コンサルティング費用: 導入パートナーに、現在の業務分析、Salesforceの要件定義、システム設計、初期設定、データ移行、ユーザー教育などを依頼する際に発生します。
プロジェクトの規模や複雑性によって大きく変動する主要な費用項目です。 - カスタマイズ費用: Salesforceの標準機能だけでは業務要件を満たせない場合に、画面レイアウトの変更、独自の自動化(フロー)、複雑なビジネスロジックを実現するためのApexコード開発などを行う費用です。
- データ移行費用: 既存のシステムからSalesforceへ顧客データや商談履歴などの重要データを移行するための費用です。データの量、質(重複や表記揺れの有無)、複雑性によって変動します。
- トレーニング費用: 社員がSalesforceを効果的に使いこなせるようになるための研修費用です。導入パートナーによるトレーニングや、Salesforce公式の学習プラットフォーム「Trailhead」を活用する方法があります。
Salesforce導入期間の目安とスピーディーな導入の秘訣
Salesforceの導入期間は、プロジェクトの範囲や複雑性、企業の規模によって大きく異なります。一般的には数週間から1年以上と幅広いケースがあります。
Salesforce導入期間のパターン別目安
- 短期間(数週間~3ヶ月程度)のケース:
- 小規模企業や特定の部門(例:営業部門のみ)でのSalesforce利用を想定。
- Sales Cloudの標準機能をベースに、必要最低限のカスタマイズ(項目追加、レイアウト変更など)とデータ移行を行う場合。
- 導入パートナーが提供するクイックスタートパッケージなどを利用する場合。
- 中期間(3ヶ月~6ヶ月程度)のケース:
- 中規模企業や複数の部門(例:営業とサービス部門)でのSalesforce利用。
- 複数のクラウドを導入したり、既存システムとの限定的な連携、一部の自動化(フローなど)を実装する場合。
- ある程度のカスタマイズや、複雑なデータ移行が含まれる場合。
- 長期間(6ヶ月~1年以上)のケース:
- 大企業やグローバル展開、複数拠点でのSalesforce導入。
- 複数のクラウドを統合的に導入し、全社的なCRM基盤を構築する場合。
- 複雑な業務プロセスに合わせた大幅なカスタマイズ開発や、基幹システムとの大規模なデータ連携が必要な場合。
Salesforceをスピーディーに導入する5つの秘訣
導入期間を短縮し、早期にSalesforceの恩恵を受けるためには、以下のポイントが重要です。
- 1. 要件の明確化とスコープ(範囲)の限定: 最初からすべての機能を導入しようとせず、最も優先度の高い機能や部門に焦点を当てましょう。
まずは必要最低限の機能(MVP: Minimum Viable Product)から導入を開始し、段階的に拡大していく「スモールスタート」が成功の鍵です。 - 2. アジャイルな導入アプローチの採用: 短いサイクルで開発・テスト・改善を繰り返す「アジャイル型」で導入を進めることで、計画変更への柔軟性とスピードを確保できます。
これにより、現場のフィードバックを迅速に反映し、より実用的なシステムを構築できます。 - 3. 社内チームと導入パートナーの連携強化: Salesforceの知識を持つ社内担当者(Salesforce管理者など)を育成し、導入パートナーとの密接な連携体制を築くことが成功の鍵となります。
定期的なミーティングや情報共有を通じて、認識のズレをなくし、スムーズなプロジェクト推進を図りましょう。 - 4. 既存データの前準備とクレンジング: 移行するデータの重複排除、表記揺れの修正、不足情報の補完など、事前のデータクレンジングを徹底することで、データ移行フェーズでの時間を大幅に短縮し、データの精度を高めることができます。
- 5. トップマネジメントの強力なコミットメント: 経営層がSalesforce導入の重要性を理解し、積極的に推進することで、社内全体がプロジェクトに協力的な姿勢になります。
これにより、部門間の調整やリソース確保が円滑に進み、導入が加速します。
Salesforce導入費用を賢く抑える7つのポイント

導入コストは企業の重要な検討事項です。費用を効率的に抑え、ROI(投資対効果)を最大化するためのポイントをいくつかご紹介します。
- 1. スモールスタートで段階的な導入を: 一度に大規模な導入を目指すのではなく、最も効果が見込める一部の部門や業務からSalesforceの利用を開始しましょう。その成果を見ながら徐々に利用範囲を拡大していくことで、初期投資を抑えられます。
- 2. Salesforce標準機能を最大限に活用する: できる限りSalesforceの標準機能で業務要件をカバーできないかを検討することが非常に重要です。過度なカスタム開発を避けることで、開発費用だけでなく、将来のメンテナンスコストやバージョンアップ時の影響も軽減できます。
- 3. 自社での学習・設定を積極的に行う: Salesforceには「Trailhead」という無料の学習ツールや、豊富な公式ドキュメントが提供されています。これらを活用し、自社でできる範囲の設定やデータ移行を行うことで、コンサルティング費用を抑えることが可能です。社内でのSalesforceスキル向上にも繋がります。
- 4. 貴社に最適なエディションを慎重に選択する: 「不必要に高機能なプランを選んで、使わない機能にお金を払っている」という状況は避けたいものです。貴社の現在の要件と予算に合わせて、最適なエディションを選択しましょう。無料トライアルを活用して、実際の使用感を試すのも有効です。
- 5. 導入パートナーの選定を慎重に: 導入パートナーの選定は、費用と成功に直結します。複数のパートナーから見積もりを取り、提案内容、実績、サポート体制などを比較検討しましょう。相見積もりを取ることで、適正な価格を把握できます。
- 6. 既存システムとの連携は本当に必要か見極める: 既存の基幹システムや他システムとの連携は、費用と工数がかさむ要因の一つです。連携の必要性を再評価し、本当に必要な連携に絞り込むことで、開発コストを削減できます。手動でのデータ連携で十分なケースもあります。
- 7. 不要なアドオン機能は追加しない: 魅力的なアドオン機能は多数ありますが、本当に貴社のビジネスにとって必要不可欠なものかを見極めましょう。まずは標準機能で運用し、必要に応じて後から追加することも可能です。
の機能とは?CRMとの違いや活用事例を解説.png)
まとめ:Salesforce導入成功への道筋
Salesforceの導入費用と期間は、企業の要件によって大きく異なりますが、適切な計画とアプローチによって最適化が可能です。
費用を抑えつつ、最大限の効果を引き出すためには、スモールスタートで段階的に導入を進め、Salesforceの標準機能を最大限に活用することが鍵となります。また、導入パートナーとの密な連携や社内体制の構築も成功には不可欠です。
貴社のビジネス目標達成のために、ぜひこのガイドを参考にSalesforce導入を成功させてください。
Salesforce導入に関するお悩みはございませんか?

FDCでは、お客様のビジネスに最適なSalesforce導入を支援しています。 「Salesforceの費用について詳しく知りたい」「導入期間を短縮したい」「自社に合ったSalesforce活用法を相談したい」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
貴社のお問い合わせを心よりお待ちしております。