
会社名 | 株式会社エフ・ディー・シー |
設立 | 1997年 |
事業内容 | システム開発 コンサルティング業務 情報処理サービス ネットワークサービス システム製品の販売・導入 |
1. 紙とハンコからの卒業!リモート時代に対応した新しい決裁のかたち

— 今回は、Salesforceを使った「決裁システム」導入の背景や、実際の効果についてお話を伺います。まず、導入を検討されたきっかけや当時の課題について教えてください。
私たちは、Salesforceを導入する前は、見積書や請求書などの営業関連書類の申請・承認は、すべて紙と押印で対応していました。
多い月では200件以上の書類を処理する必要があり、複数の承認者を経るケースも少なくありませんでした。
そのため、どうしても出社してハンコを押す必要があり、業務の効率性に課題を感じていました。
コロナ禍が明らかにした「押印文化」の限界
特にコロナ禍に入り、リモートワークが中心となる中で、決裁者がオフィスにいないために書類の承認が止まってしまう、というケースが増えました。
緊急対応が必要な案件でも、承認に2~3日、長いと1週間もかかってしまい、ビジネスのスピードが落ちてしまっていたんです。この経験が、決裁業務の電子化を進めるきっかけになりました。
複数システムからの脱却と情報一元管理への要望
特に営業書類はエクセルや既存の受発注システムなど、さまざまなツールにまたがって管理されていて、どこに何の情報があるのか分かりづらい状態でした。
こうした分散された情報を一つにまとめて、検索性や集計効率を高めたいという声も社内で強くありました。紙文化の見直しとあわせて、情報の一元管理も大きなテーマになっていましたね。
2. Salesforceを選んだ理由――スピード感・コスト・セキュリティのバランスが決め手に

ー決裁業務をデジタル化するにあたっては、他にもさまざまな製品や方法があったと思います。その中でSalesforceを選ばれた理由を教えてください。
最終的にSalesforceに決めた一番の理由は、「ノーコード開発によるスピード感」と「ライセンス活用によるコストメリット」、そして「高いセキュリティ」です。
加えて、社内にSalesforceの保守運用経験者がいたことも大きな後押しになりました。長年のシステム開発経験やコンサルティング業務で培った知見からも、今回の課題にはSalesforceが最もフィットするという結論に至りました。
ノーコードだからこそ実現できた短期間の立ち上げ
経験者がいたことで、Salesforceのノーコード開発機能をしっかり活かすことができ、要件定義からプロトタイプ稼働までをおよそ約3ヶ月で進められました。
さらに、本稼働までも含めて約6ヶ月。
通常のスクラッチ開発と比べて、開発期間を約半分に短縮できたんです。
他の製品を使う場合、どうしても追加開発が必要になりがちですが、Salesforceは柔軟なカスタマイズが可能なので、そのあたりも非常に助かりました。
ライセンスを活かした運用ノウハウでコスト面も最適化
Salesforceにはいくつかライセンスの種類がありますが、当社では比較的リーズナブルな「Platform Starter」を活用しています。
加えて、Salesforceの運用ノウハウが社内にあったことで、無駄な構築や開発をせずに済み、コストを抑えた導入ができました。
正確な金額は出せませんが、同規模のスクラッチ開発と比べて約30~40%のコスト削減が見込めています。
これは、高機能なシステムを導入しながらも、費用対効果を最大化できるSalesforceならではの強みだと考えています。
3. 営業・経理・経営、それぞれの視点で実感した導入効果
ーSalesforce導入によって、現場でどのような変化があったのでしょうか?営業・経理・経営、それぞれの立場から感じた効果について教えてください。
営業部門にとっての一番の効果は「スピード感」
営業部門としては、やはり「決裁スピードの向上」が何よりも大きな変化でした。
以前は紙の書類が承認されるまでに数日かかり、お客様へのご提案やご返信が遅れてしまうケースもありました。
Salesforce導入後は、外出先からでも承認状況を確認できるようになり、必要に応じてフォローも可能になりました。これにより、顧客対応のスピードが格段に上がりました。
また、過去の見積書や契約情報をすぐに検索できるようになったことで、資料作成の効率も向上しました。提案の質にも良い影響が出ています。
経理部門では「転記ミスの削減」と「月次決算の効率化」
経理部門としては、紙ベースや複数システムで発生していた「転記ミス」や「集計の手間」が大きな課題でした。
Salesforce上で情報が一元管理され、他のシステムとも自動で連携されるようになったことで、こうしたミスはほぼゼロに。
月末の締め処理や月次決算のスピードも上がり、業務負荷がかなり軽減されました。
監査対応の際にも、必要なデータをすぐに取り出せるので、対応がスムーズになったという声もあがっています。
経営層にとっては「意思決定の迅速化」が何よりの価値
経営層としては、どこからでも承認や確認ができるようになったことで、「判断が止まらない」状態が実現できたのは非常に大きなメリットでした。
コロナ禍のような緊急事態でも、業務を止めずに進められるというのは、事業継続性の観点からも大きな安心材料です。
また、リアルタイムで売上や契約状況を確認できるようになったことで、市場の動きに合わせた判断がスピーディにできるようになりました。
「何が起きているのか」をすぐに把握できることは、経営の機動力を高めるうえで欠かせません。
レポート機能がもたらした「見える化」と「次のアクション」
ーSalesforceのレポート機能についても、部門ごとに活用されているとお聞きしました。
はい。レポート機能は本当に便利で、それぞれの部門が自分たちの視点でデータを活用しています。
営業部門は、案件ごとの進捗状況や過去の受注履歴、顧客別の売上推移などを可視化して、「次に何をすべきか」がすぐに判断できるようになりました。
経理部門は、月次・四半期ごとの売上予測や請求書の処理状況、未回収債権の管理などをレポートで可視化し、キャッシュフローの安定化に役立てています。
経営層は、全社の売上トレンド、部門別の業績達成度、決裁プロセスのボトルネック分析などをダッシュボードで一目で把握し、データドリブンな経営判断に役立てています。手作業で集計せずとも、常にSalesforceの最新データをリアルタイムで確認できるのは、経営判断において大きなアドバンテージです。
4. Salesforce導入後の変化―業務の効率化と安心のセキュリティ、そして運用定着

ー実際に「決裁システム」としてSalesforceを導入されてみて、現場の反応はいかがでしたか?
正直に言うと、最初は「紙の方が楽だった」という声もありました。
Salesforceには入力ルールなどもあるため、最初は少し制限があるように感じたスタッフもいたと思います。
使いながら改善するサイクルで、スムーズな定着へ
しかし、利用していく中で出てくる課題を開発担当者にすぐに伝え、改善サイクルが非常に早かったことが、使いやすさにつながりましたね。
特に、ユーザーからの要望を1週間以内にシステムに反映できることが多く、「言ったことがすぐ改善される」迅速な対応への評価は高かったです。
リリース前から一緒に動かしながら構築していったことで、操作にも早く慣れてもらえました。
そういったアジャイルな進め方が、運用の定着やユーザー満足度につながったと思います。
データ一元管理で、検索性と業務スピードが大幅に向上
ーSalesforce導入によって、業務上でどのような変化がありましたか?
一番の変化は、やはり「データを探す時間が減ったこと」ですね。
過去の案件や見積書などを数秒で検索できるようになり、営業担当の資料作成時間が平均で約20%短縮されました。
また、月次レポートの作成も自動化されたことで、月に10時間以上の業務削減につながっています。
紙の書類では当たり前だった「探す」「集計する」手間がなくなったことは、非常に大きいですね。
5. コロナ禍でも止まらなかった業務と、安心の情報セキュリティ

ー2020年以降のコロナ禍においても、Salesforceが業務の継続に大きく貢献したとお聞きしています。
はい。当社でも在宅勤務やリモートワークを余儀なくされる時期がありましたが、そのときに「業務が止まらなかった」という点で、Salesforceの存在は非常に大きかったです。
印鑑押印のためだけに出社するという事態も避けることができました。これは本当に助かりました。
また、紙書類の削減により、年間で約2,400枚の紙使用量を削減でき、保管スペースも約2㎡削減できました。
細かいことですが印鑑のインク補充頻度の減少といった、日々の業務改善効果もありました。
ーセキュリティ面での効果についてはいかがでしょうか?
セキュリティの強化という意味でも、Salesforceの導入は大きな前進でした。
情報がクラウド上で一元管理されることで、個人のPCにデータが残るリスクがなくなりましたし、万が一PCが故障しても業務を止めずに済むようになりました。
アクセス制限やログ管理といった機能もあるので、「誰が・いつ・何にアクセスしたか」が明確に記録されます。その点で、社内の情報管理ルールや監査対応も、より強固なものになったと感じています。
6. Salesforceの活用状況とこれからの展望ー営業活動支援とAI連携
ー現在、「FDC決裁システム」は具体的にどのような場面でSalesforceを活用されていますか?また、今後の展望についても教えてください。
決裁業務から業績予測まで、幅広く活用中
現在は、主に営業関連書類の決裁(承認業務)でSalesforceを活用しています。
例えば、過去に提出した見積書の情報をすぐに確認できたり、月次・四半期ごとの業績予測にも役立てています。
リモートワーク中でも営業書類の確認・承認ができるようになったことで、移動時間の削減や柔軟な働き方の実現に貢献し、業務の効率化にもつながっています。
営業活動支援(SFA)やAIとの連携で、さらに営業力を強化
今後は、現状の見積もり・検収管理だけでなく、営業活動支援(SFA)の機能としてもSalesforceをもっと活用していきたいと考えています。
リード情報や顧客データをSalesforce上で一元管理しながら、営業活動全体をよりスムーズに進めていけるようにしたいですね。
また、当社ではSalesforceのAIライセンスも保持しているため、これを活かしてデータ分析の精度を上げたり、より先を見据えた意思決定ができるようにしていくつもりです。
たとえば、AIによる案件の成約予測や、顧客の分類(セグメンテーション)なども視野に入れています。
Salesforceは導入して終わりではなく、「育てていく」システムだと思っています。現場の声を取り入れながら、今後も少しずつ活用の幅を広げていきたいですね。
7. DX推進を考えている企業のみなさまへ
株式会社エフ・ディー・シーがご提供するSalesforce導入支援の強みとは
ー最後に、Salesforce導入やDX推進を検討している企業へのメッセージをお願いします。貴社ならではの強みもぜひ教えてください。
柔軟なカスタマイズで、内製化も可能に
システムを導入・変更するたびにコストがかかってしまうことにお悩みの企業様も多いと思います。
そんな方には、Salesforceの「自分たちでつくっていける」柔軟性の高さをぜひ知っていただきたいです。
Salesforceなら、専門のベンダーに頼らなくても、社内のニーズに合わせてアプリケーションをカスタマイズできます。
自社の業務やルールの変化にもスピーディーに対応できるので、結果的に長く使える、無駄のないシステム運用が可能になります。
25年以上の実績とワンストップ体制で、安心の導入支援
当社、株式会社エフ・ディー・シーは、システム開発からコンサルティング、情報処理サービス、ネットワーク、製品導入に至るまでをワンストップでご提供しています。
25年以上にわたる開発実績と、さまざまな業種・業務での知見を活かして、お客様ごとに最適な仕組みをご提案しています。
さらに、品質マネジメント(ISO9001)や個人情報保護(JIS Q 15001)といった国際規格にも準拠し、システム品質やセキュリティの面でも安心してご依頼いただける体制を整えています。
Salesforceの導入に関しても、「やりたいこと」をしっかりヒアリングし、目的に合わせた最適なソリューションをご提案できるのが、当社の大きな強みです。
コスト・機能・将来性のバランスで選ばれるSalesforce
「価格だけ」で見ると、もっと安いサービスもあるかもしれません。
でも、Salesforceはローコードで開発ができて、柔軟にカスタマイズも可能です。
コストと機能のバランスがとてもよく、将来の成長や変化にもきちんと対応できるシステムです。
また、AIを含めた高度な機能が標準で備わっており、複数のツールやシステムに分散していた情報を一元管理できる点も魅力です。
自動アップデートによって常に進化を続けるため、導入後の運用も安心です。
保守やメンテナンスもSalesforce側で自動化されており、IT担当者の負担も最小限です。
システム導入を検討する際は、「今の費用」だけではなく、運用のしやすさや将来への拡張性、セキュリティレベルまでを含めて、じっくりと比較してみてください。
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