Salesforceを導入している企業にとって、蓄積されたデータを活用することはビジネス成長の鍵となります。そのデータ活用の中心となるのが「Salesforceレポート」機能です。
本記事では、ITエンジニアを200名以上抱え、システム開発を25年以上経験する弊社、FS部 佐々木舞美が、Salesforceレポートの基本的な作成方法から、データの抽出・編集、さらには関数を利用した高度な分析、そして出力・共有方法まで、網羅的に解説します。

- 導入:Salesforceレポートとは?その重要性
- Salesforceレポート作成の基本:ステップバイステップガイド
- Salesforceレポート作成方法:具体的な手順
- Salesforceレポートのカスタマイズ:グルーピングと集計
- Salesforceレポート 抽出条件の設定:必要なデータを絞り込む
- Salesforce レポート 編集:作成後の微調整と管理
- Salesforce レポート 関数:数式項目を活用する
- Salesforceレポート エクスポート:外部での活用
- Salesforce レポート 出力と共有:ダッシュボード連携と印刷
- まとめ:レポートをビジネス成長に活かす
- Salesforceの活用についてご相談ください!
導入:Salesforceレポートとは?その重要性

Salesforceレポートとは、Salesforceオブジェクト(取引先、商談、ケースなど)に保存されているデータを、必要な形式で抽出・集計し、一覧化するための機能です。
単なるデータの一覧ではなく、「今期の売上目標達成率」「顧客からの問い合わせ件数の推移」「各営業担当のパイプライン状況」など、ビジネスの現状把握やKPI追跡、そしてデータに基づいた意思決定を行うための「羅針盤」として機能します。
レポートを活用することで、営業、マーケティング、サービスなど、あらゆる部門がデータドリブンな活動を推進できるようになります。
Salesforceレポート作成の基本:ステップバイステップガイド
Salesforce レポート 入門
レポート作成は、以下の基本的なステップで進めます。
- レポートタイプの選択:
- レポートビルダーでのカスタマイズ:
- 保存と実行:
まず最も重要なのが、どのレポートを作成するかを定義する「レポートタイプ」の選択です。レポートタイプは、どのオブジェクトのデータ(例:商談と取引先、リードと活動など)を組み合わせるかを決定します。
- 標準レポートタイプ: Salesforceがあらかじめ用意している基本的なレポートタイプ。
- カスタムレポートタイプ: 複数のオブジェクトを関連付けたり、特定の項目を含めたりするために、管理者によって作成されるレポートタイプ。
Salesforceレポート作成の最初のステップは、これらのレポートタイプから目的に合ったものを選択することから始まります。
Salesforceレポート作成方法:具体的な手順
レポートタイプの選択後、レポートビルダー画面に遷移し、本格的なSalesforceレポート作成方法を実行します。
- レポートビルダー画面の構成
- 項目(フィールド)パネル: レポートに追加できる項目の一覧。
- プレビューエリア: リアルタイムでレポートの結果が表示される。
- フィルタパネル: データを絞り込むための条件を設定する。
- アウトラインパネル: 列の順序やグルーピング、集計を設定する。
- フィールド(列)の追加・削除
- 項目パネルから必要なフィールドをプレビューエリアにドラッグ&ドロップするか、アウトラインパネルの「列」に追加します。
- 不要な列はアウトラインパネルから削除します。
- レポート形式の選択
- 表形式(Tabular): 単純な一覧表。
- サマリー形式(Summary): グループ化と小計・合計が可能。
- マトリックス形式(Matrix): 行と列の両方でグループ化(クロス集計)。
- 結合レポート(Joined): 複数のレポート形式を一つのレポート内で結合。
最初は「サマリー形式」を選び、データのグルーピングや集計を行うのが一般的です。
Salesforceレポートのカスタマイズ:グルーピングと集計

レポートの価値を高めるのが、データの整理(グルーピング)と集計です。
グループ化(データの整理)
サマリー形式以上のレポートでは、行レベルでのグルーピングが可能です。
- アウトラインパネルの「行のグループ化」セクションに、グループ化したい項目(例:営業担当者、フェーズなど)をドラッグ&ドロップします。
- これにより、同じ値を持つデータがグループ化され、小計が表示できるようになります。
サマリー集計(計算)
グループ化されたデータに対し、合計、平均、最大値、最小値などの**集計値(サマリー)**を計算できます。
- 集計したい数値項目(例:金額、件数)の▼をクリックし、「サマリー項目の追加」から計算方法を選択します。
Salesforceレポート 抽出条件の設定:必要なデータを絞り込む
Salesforceレポート 抽出 条件(フィルタ)は、レポートに表示するデータを絞り込むために非常に重要です。適切なフィルタを設定することで、ノイズのない、目的に合ったデータ分析が可能になります。
標準フィルタ
レポートタイプに基づいて、最初から用意されている基本的なフィルタです。
- 表示(Show Me): レコードの所有者(例:私の商談、すべての商談など)を絞り込みます。
- 日付項目: 特定の日付項目(例:作成日、完了予定日)に基づき、期間を絞り込みます。
- ヒント: 日付フィルタでは「今期」「先月」「過去90日」など、相対的な日付範囲を設定すると、レポートを毎回編集しなくても最新のデータが自動的に表示されるようになります。
カスタムフィルタ
レポートに含める項目(列)を基に、より詳細な条件を設定します。
- フィルタパネルの「フィルタを追加」から項目を選択し、「次の文字列と一致する」「次の値より大きい」などの演算子と値を設定します。
- 複数のカスタムフィルタを設定し、AND/ORの条件ロジックを組み合わせることで、複雑な抽出条件を実現できます。
Salesforce レポート 編集:作成後の微調整と管理
レポートは一度作成したら終わりではありません。状況に合わせて調整(Salesforce レポート 編集)し、管理することが大切です。
レポートの修正
- 列の追加・削除・並び替え:アウトラインパネルで簡単に行えます。
- フィルタの変更:フィルタパネルで期間や抽出条件を変更します。
- レポート形式の変更:形式を変更することで、データの見せ方を変えられます。
レポートの保存と管理
- 保存:「保存」または「名前を付けて保存」で、レポート名と保存先フォルダを指定します。
- フォルダ管理:レポートは必ずフォルダに保存されます。公開フォルダ(社内全体で共有)や非公開フォルダ(自分専用)を適切に使い分けます。
- 共有設定:フォルダの共有設定により、レポートを誰が閲覧・編集できるかを管理できます。
Salesforce レポート 関数:数式項目を活用する

レポートの数式項目(カスタムサマリー項目)を活用することで、データベースに保存されていない計算結果を表示できます。これがSalesforce レポート 関数の活用です。
数式項目の種類
- 行レベルの数式: レコード(行)ごとに計算を行う(例:合計金額に対する割引率の計算)。
- カスタムサマリー項目: グループや総計に対する計算を行う(例:グループ内のレコード数に対する特定のレコードの割合)。
主な活用例
例えば、レポートに「商談総数に対する成立商談の割合」や、「目標達成率」などのパーセント計算をレポート上で実行し、データ分析の精度を高めることができます。
数式ビルダーを開き、PERCENT_B(RowCount) のようなレポート関数や、基本的な算術演算子(+、-、/、*)を使って数式を作成します。
Salesforceレポート エクスポート:外部での活用
作成したレポートのデータを、Salesforce外のツール(Excelなど)でさらに加工・分析したい場合に、Salesforceレポート エクスポート機能を利用します。
エクスポートの手順
- レポートを実行し、結果画面を表示します。
- 画面右上の「▼」ボタンをクリックし、「詳細をエクスポート」を選択します。
- エクスポートビューとエクスポート形式を選択します。
エクスポート形式の使い分け
| 形式 | 特徴 | 用途 |
| .xlsx (Excel形式) | レポートの形式(グルーピング、サマリーなど)を維持して出力。 | Excelでそのまま体裁を整えて利用したい場合。 |
| .csv (カンマ区切り) | 生データ(行データ)のみを出力。データ分析・加工に最適。 | 他の分析ツールやシステムにデータを取り込みたい場合。 |
Salesforce レポート 出力と共有:ダッシュボード連携と印刷
作成したレポートは、単に画面で見るだけでなく、組織全体でSalesforce レポート 出力し、共有・活用することが重要です。
ダッシュボード連携(最も重要な出力先)
レポートは、ダッシュボードの構成要素となります。
- ダッシュボードでは、複数のレポートをグラフやゲージなどの視覚的なコンポーネントとして表示し、一目で現状を把握できるようにします。
- データに基づいた意思決定を迅速に行うために、レポートを作成したら必ずダッシュボードに連携させることを推奨します。
スケジュール設定
レポートやダッシュボードを定期的にメールで自動配信する設定が可能です。これにより、レポートを毎回手動で実行する手間が省けます。
まとめ:レポートをビジネス成長に活かす
Salesforceレポートは、単なるデータの「出力」ツールではなく、ビジネスの「分析」と「意思決定」を加速させる強力なツールです。
基本的なレポート作成方法をマスターし、抽出条件でデータを絞り込み、関数で高度な分析を行うことで、組織のデータ活用レベルは格段に向上します。
ぜひ本記事を参考に、Salesforceレポートを最大限に活用し、データに基づいたビジネス成長を実現してください。
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