Salesforceの導入サポート、開発・連携を行う(株)FDCのエンジニアチームが、SalesforceのAPIについて、種類ごとの特徴や活用方法を一覧で詳しく解説します

Salesforce APIは、外部システムとの連携やデータ操作を実現する重要な機能であり、2025年現在、12種類のAPIが提供されています。

それぞれのAPIには独自の特徴があり、用途に応じて適切なAPIを選択することで、業務効率化やシステム統合がきっとスムーズに進むことでしょう。ぜひこの記事を読んで各APIの特徴や用途をつかんでください


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Salesforce APIとは?基本を理解する

Salesforce APIとは、Salesforce上のデータや機能を外部のアプリケーションやシステムから操作するためのインターフェース(接続の窓口)です。APIを活用することで、Salesforceのユーザーインターフェースを介さずに、直接データの取得、作成、更新、削除といった操作を実行できます。

例えば、マーケティングツールとSalesforceを連携してリードを自動登録したり、基幹システムからSalesforceの売上データを取得して集計したりといったことが可能になります。2025年2月現在、Salesforceでは12種類のAPIが提供されており、それぞれ異なる目的や特性を持っています。

なぜSalesforce APIが必要なのか

Salesforce APIを利用する主なメリットは以下の通りです。

  • 外部システムとのシームレスな連携が実現できる
  • 手動作業を自動化し、業務効率が向上する
  • リアルタイムでのデータ同期が可能になる
  • 大量のデータを効率的に処理できる
  • カスタムアプリケーションの開発が可能になる

Salesforce APIの種類を一覧で紹介

ここからは、Salesforceで提供されている12種類のAPIについて、それぞれの特徴や用途を一覧形式で詳しく解説していきます。

1. REST API

REST APIは、Salesforceで最も広く利用されているAPIの一つです。軽量で柔軟性が高く、WebアプリケーションやモバイルアプリケーションとSalesforceを連携する際に最適です。

項目 内容
プロトコル REST
データ形式 JSON、XML
処理方式 同期処理
主な用途 Webアプリ、モバイルアプリとの連携、一般的なCRUD操作

REST APIは、HTTPメソッド(GET、POST、PATCH、DELETE)を使用してデータ操作を行います。JSONやXML形式でデータをやり取りできるため、多くの開発言語やプラットフォームとの互換性が高いのが特徴です。

2. SOAP API

SOAP APIは、エンタープライズレベルの統合に適したAPIです。厳密な型定義やトランザクション処理が必要な場合に選択されます

項目 内容
プロトコル SOAP(WSDL)
データ形式 XML
処理方式 同期処理
主な用途 エンタープライズ統合、厳密な型定義が必要な処理

SOAP APIでできることは基本的にREST APIでも可能ですが、SOAP APIは細やかなオプション設定が可能です。ただし、Salesforceは将来的にSOAP API login()の廃止を予定しており、OAuth認証への移行が推奨されています。

3. Connect REST API(旧Chatter REST API)

Connect REST APIは、Salesforceのソーシャル機能であるChatterのフィード、ユーザー、グループなどにアクセスするための専用APIです。

項目 内容
プロトコル REST
データ形式 JSON、XML
処理方式 同期処理
主な用途 Chatterフィード、ユーザー、グループ、ファイルへのアクセス

モバイルアプリケーションでChatter機能を実装したり、社内コミュニケーションツールとSalesforceを連携させる際に活用されます。

4. Bulk API(Bulk API 2.0)

Bulk APIは、大量のデータを効率的に処理するための専用APIです。1,000件から100万件単位のレコードを非同期で処理することに特化しています。

項目 内容
プロトコル REST
データ形式 CSV、JSON、XML
処理方式 非同期処理
主な用途 大量データの一括登録・更新・削除、データ移行

Bulk API 2.0は、前バージョンと比較して、Salesforce RESTフレームワーク上に設計されており、より簡単にコードを記述でき、ジョブの進行状況確認も容易になっています。2,000件を超えるレコードを含むデータ操作にはBulk API 2.0の利用が推奨されています。

5. Metadata API

Metadata APIは、Salesforceの設定やカスタマイズ情報(メタデータ)を管理するためのAPIです。

項目 内容
プロトコル SOAP(WSDL)
データ形式 XML
処理方式 同期処理
主な用途 カスタムオブジェクト、カスタム項目、ページレイアウトなどの管理

本番環境とサンドボックス環境間での設定の移行や、大規模な設定変更を自動化する際に活用されます。開発・リリース管理の効率化に不可欠なAPIです。

6. Tooling API

Tooling APIは、Apex、Visualforceなどの開発ツールに関連するメタデータにアクセスし、操作するためのAPIです。

項目 内容
プロトコル REST、SOAP(WSDL)
データ形式 JSON、XML、カスタム
処理方式 同期処理
主な用途 Apexクラス、トリガー、Visualforceページの管理・開発

カスタムアプリケーションの開発やデバッグ、既存のプラットフォームツールに機能を追加する際に使用されます。メタデータ型がsObjectとして公開されているため、きめ細かな操作が可能です。

7. Streaming API

Streaming APIは、Salesforceでのデータ変更をリアルタイムで受信するためのAPIです。

項目 内容
プロトコル Bayeux(CometD)
データ形式 JSON
処理方式 プッシュ通知(非同期)
主な用途 レコード変更の即時通知、リアルタイムダッシュボード

PushTopicを定義することで、特定の条件に合致するレコードの変更を検知し、外部システムに通知できます。ポーリング処理を削減し、システム負荷を軽減できるのが大きなメリットです。

8. GraphQL API

GraphQL APIは、必要なデータだけを効率的に取得できる新しいタイプのAPIです。

項目 内容
プロトコル GraphQL
データ形式 JSON
処理方式 同期処理
主な用途 複数オブジェクトのデータを一度に取得、モバイルアプリケーション

従来のREST APIでは複数のリクエストが必要だった場合でも、GraphQL APIなら1回のリクエストで必要なデータをすべて取得できます。これにより、ダッシュボードやモバイルアプリの表示速度が大幅に向上します。

9. Apex REST API

Apex REST APIは、開発者が独自に作成したApexクラスをRESTサービスとして公開できるAPIです。

項目 内容
プロトコル REST
データ形式 JSON、XML、カスタム
処理方式 同期処理
主な用途 カスタムビジネスロジックの外部公開

Salesforceのビジネスロジックを外部アプリケーションから呼び出したい場合や、標準APIでは実現できない複雑な処理を実装する際に活用されます。

10. Apex SOAP API

Apex SOAP APIは、開発者が独自に作成したApexクラスをSOAPサービスとして公開できるAPIです。

項目 内容
プロトコル SOAP(WSDL)
データ形式 XML
処理方式 同期処理
主な用途 エンタープライズシステムとのカスタム統合

Apex REST APIと同様に、カスタムビジネスロジックを外部に公開する際に使用されますが、SOAP形式を採用しているため、厳密な型定義が必要な基幹システムとの連携に適しています。

11. User Interface API

User Interface APIは、SalesforceのUIメタデータにアクセスし、標準的なUIコンポーネントを外部アプリケーションで再現できるAPIです。

項目 内容
プロトコル REST
データ形式 JSON
処理方式 同期処理
主な用途 カスタムUIの構築、フォーム情報の取得

ページレイアウトや項目レベルのセキュリティ設定など、Salesforceの標準UI情報を取得できるため、外部アプリケーションでSalesforceと同じようなユーザーエクスペリエンスを提供できます。

12. Pub/Sub API

Pub/Sub APIは、イベント駆動型アーキテクチャを実現するための最新のAPIです。

項目 内容
プロトコル gRPC
データ形式 Apache Avro
処理方式 非同期(パブリッシュ/サブスクライブ)
主な用途 プラットフォームイベント、Change Data Captureイベントの送受信

高速かつスケーラブルなイベント配信が可能で、Streaming APIよりも高いパフォーマンスを実現します。リアルタイムデータ統合やマイクロサービスアーキテクチャに最適です。

Salesforce API選択のポイント

12種類のAPIから最適なものを選ぶには、以下のポイントを考慮することが重要です。

データ量で選ぶ

  • 少量のデータ(数百件まで):REST API、SOAP API
  • 中量のデータ(数百〜2,000件):REST API、SOAP API
  • 大量のデータ(2,000件以上):Bulk API 2.0

処理方式で選ぶ

  • 即座にレスポンスが必要:REST API、SOAP API(同期処理)
  • 処理時間がかかっても問題ない:Bulk API 2.0(非同期処理)
  • リアルタイム通知が必要:Streaming API、Pub/Sub API

用途で選ぶ

  • 一般的なCRUD操作:REST API
  • エンタープライズ統合:SOAP API
  • 大量データ処理:Bulk API 2.0
  • メタデータ管理:Metadata API、Tooling API
  • ソーシャル機能:Connect REST API
  • カスタムロジック公開:Apex REST API、Apex SOAP API
  • リアルタイム連携:Streaming API、Pub/Sub API
  • 効率的なデータ取得:GraphQL API
  • UI情報取得:User Interface API

Salesforce APIを利用する際の注意点

Salesforce APIを効果的に活用するためには、いくつかの重要な注意点があります。

APIコール数の制限

Salesforceには、24時間あたりのAPIコール数に上限があります。エディションによって制限が異なるため、事前に確認が必要です。

エディション 24時間あたりのAPIコール数上限
Professional Edition 15,000 + (ライセンス数 × コール数)
Enterprise Edition 25,000 + (ライセンス数 × コール数)
Unlimited Edition 100,000 + (ライセンス数 × コール数)

API制限を超えないように、適切なAPIの選択と効率的な処理設計が重要です。

APIバージョンの管理

SalesforceのAPIには複数のバージョンが存在します。2025年のSummer ’25リリースでは、Platform API バージョン 21.0〜30.0が廃止される予定です。定期的にAPIバージョンを確認し、最新のバージョンへの移行計画を立てることが推奨されます。

認証とセキュリティ

API接続には適切な認証が必要です。OAuth 2.0を使用した認証が推奨されており、SOAP API login()は将来的に廃止される予定です。セキュリティトークンの管理や、接続アプリケーション(Connected App)の適切な設定も重要です。

まとめ:Salesforce APIを効果的に活用しよう

本記事では、Salesforceで提供されている12種類のAPIについて、それぞれの特徴や用途を一覧で解説してきました。REST API、SOAP API、Bulk API 2.0をはじめとする各APIは、データ量、処理方式、用途に応じて使い分けることで、Salesforceの機能を最大限に活用できます。

API選択の際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 処理するデータ量に応じた適切なAPIを選択する
  • 同期処理か非同期処理かを検討する
  • APIコール数の制限を考慮した設計を行う
  • APIバージョンを定期的に確認し、最新版への移行を計画する
  • セキュリティ面でOAuth 2.0認証を採用する

これらのポイントを押さえることで、Salesforceと外部システムの連携を効率的かつ安全に実現できます。

Salesforce API連携でお困りの方へ

いかがだったでしょうか、今回はSalesforce APIの認証についての認証について詳しく解説してきました。

この記事を読むことで、ある程度は仕組みややり方についてご理解いただけたと思いますが、やはりエンジニア領域のこともあり、自社内では難しそうだな、と感じられている方もいらっしゃるかもしれません。

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