開発者やシステム管理者、Salesforceを学習したい方にとって、実際の環境で機能を試したり、アプリケーションを開発したりできる貴重なプラットフォームとなっています。
この記事ではSalesforceの導入サポート、開発・連携を行う(株)FDCのエンジニアチームが、本記事ではSalesforce Developer Editionの基本的な概要から、2026年の最新アップデート情報、実践的な活用方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

Salesforce Developer Editionとは
Salesforce Developer Editionは、Salesforce社が開発者やシステム管理者向けに提供している完全無料のSalesforce環境です。本番環境と同様の機能を備えており、開発、テスト、学習など多様な用途に活用できます。
Developer Editionの基本概念
Developer Editionは、Salesforceプラットフォームのすべての機能に無料でアクセスできる個人向けの開発環境です。最大の特徴は、使用し続ける限り無期限で利用できる点にあります。
2025年3月に発表された最新版では、AgentforceとData Cloudが標準で利用可能になり、AIエージェントの開発やデータ統合の学習環境としても注目されています。
本番環境との主な違い
Developer Editionは無料で提供されるため、本番環境と比較していくつかの制限があります。
| 項目 | Developer Edition | 本番環境(例:Enterprise) |
|---|---|---|
| データストレージ | 5 MB | 10 GB~ |
| ファイルストレージ | 20 MB | 10 GB~ |
| ユーザーライセンス数 | 最大2名(フルユーザー) | 契約に応じて無制限 |
| Identityユーザー | 10ライセンス | 契約に応じて拡張可能 |
| Sandboxの作成 | 不可 | 可能(エディションによる) |
| 料金 | 完全無料 | 有料(ライセンス費用) |
Salesforce Developer Editionの主な特徴と機能
2025年版の最新機能
2025年にアップデートされたDeveloper Editionには、以下の最新テクノロジーが標準搭載されています。
- Agentforce:AIエージェントの構築とカスタマイズが可能。ドラッグ&ドロップツールまたはコードでエージェントを作成できます
- Data Cloud:複数のデータソースを統合し、顧客データの一元管理を体験できます
- Apex開発環境:カスタムコードによる高度な機能拡張が可能です
- Lightning Web Components(LWC):最新のWebコンポーネントフレームワークで開発できます
- REST API・SOAP API:外部システムとの連携機能を実装できます
開発・カスタマイズ機能
Developer Editionでは、以下のような本格的な開発作業を実施できます。
- カスタムオブジェクトとカスタムフィールドの作成
- フロー(Flow)による自動化プロセスの構築
- Apexクラスとトリガーの開発
- Visualforceページの作成
- Lightning Componentの開発
- レポートとダッシュボードの設計
- 外部APIとの統合開発
学習環境としての活用
Developer Editionは、Trailheadとの連携に最適化されています。Trailheadは、Salesforce公式の無料学習プラットフォームで、Developer Editionをハンズオン環境として活用することで、実践的なスキルを習得できます。
Salesforce Developer Editionの活用シーン
開発者向けの活用方法
開発者にとってDeveloper Editionは、以下のような場面で活躍します。
- 新機能の検証:本番環境に導入する前に、新しい機能やカスタマイズを安全にテストできます
- プロトタイプ開発:顧客向けのアプリケーションプロトタイプを素早く作成し、デモンストレーションできます
- スキル習得:Apex、LWC、統合開発などの技術スキルを実践的に学習できます
- 認定資格の学習:Salesforce認定資格の取得に向けた実習環境として利用できます
システム管理者向けの活用方法
システム管理者は、Developer Editionを以下のように活用できます。
- 設定変更の事前検証:本番環境に影響を与えずに設定変更の影響を確認できます
- 自動化ツールの構築:フロー、プロセスビルダー、承認プロセスなどを試作できます
- レポート・ダッシュボードの設計:複雑なレポートやダッシュボードを事前に作成し、完成度を高められます
- ユーザートレーニング:新しい機能や画面レイアウトをトレーニング用環境として活用できます
Trailheadとの連携活用
Trailheadの学習コンテンツは、Developer Editionでの実践を前提に設計されています。以下のような学習パスで効果的に活用できます。
- Trailheadでモジュールを受講し、概念を理解する
- Developer Editionでハンズオンチャレンジを実施する
- 学んだ内容を独自のカスタマイズで応用する
- バッジを獲得してスキルを証明する
2025年時点では、「Become an Agentblazer Champion」トレイルなど、AI関連の最新学習コンテンツがDeveloper Editionで実践できるようになっています。
Salesforce Developer Editionの登録方法
サインアップの手順
Developer Editionの登録は、以下の手順で簡単に完了します。
- Salesforce Developer Edition公式サインアップページにアクセスします
- 必要情報を入力します
- 氏名(First Name / Last Name)
- メールアドレス(Email)
- 役職(Role)
- 会社名(Company)
- 国(Country)
- 郵便番号(Postal Code)
- ユーザー名(Username):メールアドレス形式で、世界中で一意である必要があります
- 「Sign me up」ボタンをクリックして登録を確定します
- 登録したメールアドレスに確認メールが届きます(通常5~10分以内)
- メール内の「アカウントを確認」ボタンをクリックします
- パスワードを設定します(8文字以上、英大文字・小文字・数字を含む必要があります)
- ログインが完了し、Developer Editionが使用可能になります
出典:Salesforce Developer Edition サインアップ手順(2025年10月版)
ログイン方法と初期設定
登録後のログインは、以下のURLから行います。
- ログインURL:https://login.salesforce.com
- サインアップ時に設定したユーザー名とパスワードを入力します
- 初回ログイン後は、言語設定を日本語に変更することをおすすめします(設定 > 個人設定 > 私の個人情報 > 言語)
ログインURLをブラウザにブックマーク登録しておくと、次回以降のアクセスが便利です。
Developer EditionとSandboxの違い
それぞれの目的と用途
Developer EditionとSandboxは、どちらもテスト・開発環境ですが、目的が異なります。
| 項目 | Developer Edition | Sandbox |
|---|---|---|
| 取得方法 | 個人で無料サインアップ | 本番組織から作成 |
| 本番環境との関連 | 独立した環境 | 本番環境のコピー |
| 主な用途 | 学習、個人開発、機能検証 | 本番リリース前のテスト |
| データの同期 | なし | 定期的な更新が可能 |
| 費用 | 無料 | 契約エディションにより有料 |
| 複数環境の作成 | メールアドレスごとに作成可能 | 契約による制限あり |
使い分けのポイント
Developer EditionとSandboxは、以下のように使い分けることが推奨されます。
- Developer Editionを使うべき場合:個人学習、Trailhead実習、新技術の検証、プロトタイプ開発
- Sandboxを使うべき場合:本番環境への変更前のテスト、チーム開発、本番データを使った動作確認
組織に所属していない個人学習者や、本番環境と切り離して開発を進めたい場合には、Developer Editionが最適な選択肢となります。
Developer Edition利用時の注意点
ストレージ容量の制限
Developer Editionの最大の制約は、ストレージ容量です。データストレージが5MB、ファイルストレージが20MBと非常に限られているため、大量のデータを扱う検証には向いていません。
レコード数に換算すると、約2,500件程度が上限の目安となります。そのため、大規模なデータインポートや、本番環境と同規模のテストは困難です。
組織の有効期限
Developer Editionには厳密な有効期限はありませんが、90日間ログインがない場合、組織が無効化される可能性があります。定期的にログインして利用を継続することが重要です。
Sandboxの作成不可
Developer Edition組織からは、Sandboxを作成することができません。本番環境のような階層的なテスト環境構成が必要な場合は、有料エディションの契約が必要となります。
API呼び出し制限
24時間あたりのAPI呼び出し制限があります。大量のAPI連携テストを行う場合は、この制限に留意する必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. Developer Editionは本当に無料ですか?
はい、完全に無料です。クレジットカードの登録も不要で、使用し続ける限り無期限で利用できます。
Q2. 複数のDeveloper Edition組織を作成できますか?
はい、可能です。異なるメールアドレスを使用すれば、複数の組織を作成できます。ただし、各組織は独立しており、データの共有はできません。
Q3. Developer Editionで学んだ内容は本番環境に移行できますか?
設定やカスタマイズの内容は、変更セットやメタデータAPIを使用して本番環境に移行することができます。ただし、Developer Edition自体を本番環境として使用することはできません。
Q4. AgentforceとData Cloudは追加料金が必要ですか?
いいえ、2025年以降にサインアップしたDeveloper Editionには、AgentforceとData Cloudが標準で含まれており、追加料金なしで利用できます。
Q5. 日本語で利用できますか?
はい、インターフェースを日本語に設定できます。設定メニューから言語を変更することで、日本語環境で利用可能です。
まとめ:Salesforce Developer Editionを活用して開発スキルを向上させよう
Salesforce Developer Editionは、無料でありながら本格的なSalesforce環境を提供する、開発者・管理者にとって非常に価値のあるツールです。2025年にはAgentforceとData Cloudが標準搭載され、最新のAI技術やデータ統合機能を無料で学習できる環境となっています。
ストレージ容量などの制限はありますが、学習、機能検証、プロトタイプ開発など、多くの用途で十分に活用できます。Trailheadと組み合わせることで、体系的にSalesforceのスキルを習得し、認定資格取得にも役立てることができます。
まだDeveloper Editionを利用していない方は、ぜひこの機会にサインアップして、Salesforce開発の第一歩を踏み出してみてください。
Salesforce APIの導入サポートは(株)エフ・ディー・シーへ
いかがだったでしょうか、今回はSalesforce Developer Editionについて詳しく解説してきました。
この記事を読むことで、ある程度はSalesforce Developer Editionについてご理解いただけたと思いますが、やはりエンジニア領域のこともあり、自社内では色々と難しそうだな、と感じられている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、弊社(株)エフ・ディー・シーが提供している「SFsolution」。
これはSalesforce導入・活用サポートサービスで、数多くの企業様にご利用いただいています。
もちろん今回のトピックスであるDeveloper Editionを活用した開発支援やAPIについてもサポート可能ですので、興味をお持ちの方はお問い合わせ、もしくは資料ダウンロードをしていただければ幸いです。
