「Salesforceの運用が非効率的で困っている」「手作業が多くてヒューマンエラーが減らない」といった課題を抱えていませんか?多くの企業が業務改善のために活用するSalesforceには、業務自動化を強力に推進するフロー(Flow)と承認プロセス(Approval Process)という2つの機能があります。
これらのツールは、プログラミング知識がなくても複雑なビジネスプロセスをノーコードで自動化し、業務効率化、ヒューマンエラー削減、生産性向上を実現します。この記事では、Salesforce管理者や運用担当者向けに、ITエンジニアを200名以上抱え、システム開発を25年以上経験する弊社、FS部 佐々木舞美が、フローと承認プロセスの具体的な活用方法から、発展的な連携方法までを詳しく解説します。
その他、【Salesforce初心者向け】オブジェクト・レコード・リレーションを徹底解説!データモデル設計の基本から具体例までを開発担当者が、別記事でもまとめておりますので合わせて参考にしてください。
Salesforceフローとは?ノーコードで業務プロセスを自動化する最強ツール

Salesforceのフローは、あらゆる業務自動化要件に対応できる最も柔軟なツールです。
直感的なビジュアルインターフェース「フロービルダー」を使って、まるでプログラミングするかのように複雑な業務フローを設計できます。
従来のワークフロールールやプロセスビルダーは、今後フローに一本化されることがSalesforceのロードマップで示されており、Salesforce運用においてフローの習得は必須スキルと言えるでしょう。
の機能とは?CRMとの違いや活用事例を解説.png)
フローの種類と使い分け:レコードトリガ、画面、スケジュールの違い
Salesforceには、主に3つのタイプのフローが存在し、それぞれ異なる業務自動化の目的に応じて使い分けます。
- 画面フロー(Screen Flow)
- 特徴:ユーザーが操作する画面を持つフロー。業務担当者が特定の業務プロセスを完了させるためのカスタム画面を提供します。
- 活用シーン:顧客サポート担当者がケースを完了する際に、顧客満足度調査の画面をポップアップで表示する業務フローを構築。
- 特徴:ユーザーが操作する画面を持つフロー。業務担当者が特定の業務プロセスを完了させるためのカスタム画面を提供します。
- レコードトリガフロー(Record-Triggered Flow)
- 特徴:Salesforceのレコード(データ)が作成・更新・削除されたタイミングで自動実行されるフロー。
- 活用シーン:商談が「受注」フェーズに変わったら、自動で契約書作成のタスクを作成し、関連部署にメールで通知する業務自動化。
ある製造業の企業では、このフローを導入したことで契約書作成に要していた作業時間が月間20時間から5時間に短縮され、生産性向上を実現しました。
- 特徴:Salesforceのレコード(データ)が作成・更新・削除されたタイミングで自動実行されるフロー。
- スケジュールトリガフロー(Scheduled-Triggered Flow)
- 特徴:指定したスケジュール(例:毎月1日、毎週月曜日)で実行されるフロー。
- 活用シーン:毎月末に、未完了の商談を持つ営業担当者にリマインダーメールを自動化して送信。
- 特徴:指定したスケジュール(例:毎月1日、毎週月曜日)で実行されるフロー。
Salesforce承認プロセスとは?決裁業務を標準化する仕組み

Salesforceの承認プロセスは、特定の条件を満たしたレコード(例:高額な商談、経費精算、稟議申請など)に対して、定められた承認者が許可するまで次のステップに進めないようにする自動化機能です。
これにより、企業の意思決定フローを標準化し、内部統制を強化します。
承認プロセスの設定方法とメリット:内部統制と効率化
承認プロセスを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 迅速な意思決定:明確な承認ルートと自動通知により、承認時間が短縮されます。ある企業の事例では、高額商談の決裁スピードが平均3日から1日に短縮され、商談成立率が5%向上しました。
- コンプライアンスの強化:承認プロセスの履歴がすべてSalesforce内に残り、誰がいつ、何を承認したかの監査証跡として活用できます。
- 業務の透明性向上:申請者は自分の申請がどの承認ステップにあるかをリアルタイムで確認でき、業務フローの滞留を防ぎます。
フローと承認プロセスを連携させて自動化を加速する具体的な方法
フローと承認プロセスを組み合わせることで、より高度な業務自動化が実現します。
例えば、レコードトリガフローで「特定の条件を満たした商談」を検知し、自動で承認プロセスを開始する、といった連携が可能です。
このように、フローでトリガーを管理し、承認プロセスで意思決定を標準化するという役割分担をさせることで、人の手を介さない完全な業務フローを自動化し、Salesforceを最大限に活用した業務効率化を達成できます。
まとめ:フローと承認プロセスを使いこなし、Salesforceの可能性を広げよう

Salesforceのフローと承認プロセスは、業務自動化を実現するための強力なツールです。
フローで複雑なデータ操作や業務プロセスをノーコードで自動化し、承認プロセスで高額商談や重要な申請の意思決定フローを標準化することで、企業のガバナンス強化も実現できます。
Salesforce管理者としてこれらの機能を習得すれば、あなたの組織の業務効率化は劇的に加速します。
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