Salesforceは、単一のソフトウェアではなく、企業の様々なビジネス課題を解決するために設計された複数の「クラウド製品」の集合体です。それぞれのクラウド製品が特定の業務領域に特化した機能を提供し、連携することで、企業全体の顧客管理と業務効率化を実現します。

この記事ではITエンジニアを200名以上抱え、システム開発を25年以上経験する弊社、FS部 佐々木舞美が解説します。

その他、Salesforce「使いこなせない」を解決!成功への基礎知識を開発担当者が、別記事でもまとめておりますので合わせて参考にしてください。

Salesforceの全体像:なぜ「クラウド製品」と呼ぶのか?

Salesforceの全体像:なぜ「クラウド製品」と呼ぶのか?

Salesforceは、従来の単一ソフトウェアとは異なり、企業の多様なニーズに応えるためにモジュール化されたサービス群として提供されています。これを「クラウド製品」と呼ぶのは、インターネット経由でサービスを利用するクラウドコンピューティングの形態を取っているためです。

これにより、企業は必要なSalesforce 機能だけを選択し、柔軟に導入・拡張することができます。では、具体的にSalesforceで何ができるのでしょうか?主要なSalesforceの種類を見ていきましょう。

営業の羅針盤:Sales Cloud(セールスクラウド)で売上を最大化する

企業の売上向上に直結するSales Cloud(セールスクラウド)は、営業活動を効率化・自動化し、売上向上を促進する営業支援(SFA)の決定版です。まさにSalesforce 営業支援の中核をなすクラウド製品と言えるでしょう。

主な機能:

  • 見込み客(リード)管理: 獲得したリードを効率的に管理し、商談へとつなげるSalesforce Sales Cloud 機能の一つです。
  • 商談進捗管理: 商談のフェーズ、金額、確度などを一元管理し、次のアクションを明確にします。
  • 顧客(取引先)情報管理: 顧客の基本情報から過去の取引履歴、担当者情報まで網羅的に管理します。
  • 売上予測: 過去データや現在の商談状況に基づいて、精度の高い売上予測を立て、効果的なSalesforce CRM 活用を促進します。
  • 営業担当者の行動履歴記録: 電話、メール、訪問などの営業活動を自動で記録し、進捗を可視化します。
  • 見積書作成: 商談情報に基づいて迅速に見積書を作成できます。

目的とメリット: 営業プロセス全体の効率化・自動化を図り、営業活動の属人化解消売上向上を促進します。

営業活動の見える化、無駄の削減、顧客への迅速なアプローチを可能にし、営業担当者が本来の営業活動に集中できる時間を増やします。Salesforce 導入 メリットの中でも、特に営業部門への効果は絶大です。

顧客満足度を高める:Service Cloud(サービスクラウド)で顧客サポートを強化

顧客満足度を高める:Service Cloud(サービスクラウド)で顧客サポートを強化

Service Cloud(サービスクラウド)は、顧客からの問い合わせに迅速・的確に対応し、顧客満足度を最大化する顧客サポートの品質向上ツールです。

Salesforce 顧客管理におけるサポート業務の要となるクラウド製品です。

主な機能:

  • 顧客からの問い合わせ(ケース管理): 電話、メール、チャット、SNSなど、あらゆるチャネルからの問い合わせを一元管理するSalesforce Service Cloud 機能の核となります。
  • よくある質問集(ナレッジベース): 顧客やサポート担当者が自己解決できるFAQサイトを構築し、問い合わせ数を削減します。
  • 顧客対応履歴の記録: 過去のやり取りをすべて記録し、担当者が変わってもスムーズな対応を可能にします。
  • チャットボットによる自動応答: 定型的な問い合わせにはAIチャットボットが自動で対応し、担当者の負担を軽減します。

目的とメリット: 顧客対応の迅速化と質の向上、サポート担当者の負担軽減、そして結果として顧客ロイヤルティ向上につながります。Salesforce 業務効率化にも大きく貢献するクラウド製品です。

パーソナライズされた顧客体験:Marketing Cloud(マーケティングクラウド)で成果を最大化

Marketing Cloud(マーケティングクラウド)は、顧客一人ひとりに最適なタイミングで、最適なメッセージを届け、効果的なマーケティング活動を自動化します。

Salesforce 機能の中でも、特にパーソナライズされた顧客体験の提供に特化したクラウド製品です。

主な機能:

  • メールマーケティング: ターゲットセグメントに応じたパーソナライズされたメールを大量配信します。
  • SNS広告配信: Facebook、InstagramなどのSNSプラットフォームで効果的な広告を配信・管理します。
  • 顧客行動に基づいた自動メール送信(ジャーニービルダー): 顧客の行動(サイト閲覧、購入履歴など)に応じて自動でメールを送信し、顧客との関係を深めるSalesforce Marketing Cloud 機能の強力な武器です。
  • 広告効果測定: 配信した広告の効果を詳細に分析し、ROIを可視化します。
  • 顧客セグメンテーション: 顧客データを分析し、属性や行動パターンに基づいて顧客を細かく分類します。

目的とメリット: マーケティング活動の費用対効果(ROI)を最大化し、顧客エンゲージメントを強化します。Salesforce 活用事例の中でも、デジタルマーケティング領域での貢献度は非常に高いです。

顧客・パートナーとの協業を強化:Experience Cloud(エクスペリエンスクラウド)でつながりを深める

Experience Cloud(エクスペリエンスクラウド)は、顧客やパートナーが自分で情報を見つけたり、質問を解決したりできる環境を提供し、連携を強化するポータル構築ツールです。

Salesforce クラウド製品の中でも、外部との連携を強化する重要な役割を担います。

主な機能:

  • 顧客向けFAQサイト: 顧客が自己解決できるセルフサービスポータルを構築するSalesforce Experience Cloud 機能です。
  • パートナー向け情報共有ポータル: 代理店や販売パートナーと効率的に情報共有し、協業を促進します。
  • 社員向けコミュニティサイトの構築: 社内コミュニケーションを活性化し、情報共有をスムーズにします。

目的とメリット: 問い合わせ対応の削減、情報共有の効率化、そして顧客・パートナーとの関係性強化を実現します。Salesforceで何ができるかを知る上で、この協業機能は欠かせません。

高度なデータ分析と可視化:Tableau(タブロー)でビジネスの洞察を得る

高度なデータ分析と可視化:Tableau(タブロー)でビジネスの洞察を得る

Salesforceは中核となるCRM機能に加え、さらに高度な分析やシステム連携、チームコラボレーションを支援する様々なソリューションも提供しています。

その一つがTableau(タブロー)です。

Tableauは、Salesforce内外の多様なデータを統合し、複雑なデータも分かりやすいグラフやダッシュボードで表現する高度なデータ分析と可視化ツールです。Salesforce Tableau 連携により、データに基づいた深い洞察が得られます。

目的とメリット: データに基づいた深い洞察を得て、迅速かつ正確なビジネス意思決定を支援します。データ活用によるビジネス課題の早期発見、売上向上施策の立案に貢献します。

システム連携を加速する:MuleSoft(ミュールソフト)でデータ統合を実現

MuleSoft(ミュールソフト)は、Salesforceと企業の基幹システム(ERP、会計システムなど)や外部サービスとのデータ連携を容易に実現する統合プラットフォームです。Salesforce MuleSoft 連携は、異なるシステム間のデータ連携における強力なソリューションです。

目的とメリット: 異なるシステム間に散らばるデータを統合し、ビジネスプロセス全体の自動化と効率化を図ります。データサイロの解消、リアルタイムな情報共有、業務のシームレス化を実現します。

Salesforceと連携するチームコラボレーション:Slack(スラック)で生産性向上

Slack(スラック)は、チーム間のチャット、ファイル共有、特定のSalesforceレコードと紐づいた会話など、チーム内のコミュニケーションと情報共有を効率化し、迅速な意思決定を促進するツールです。Salesforce Slack 連携により、より円滑な業務遂行が可能です。

目的とメリット: リモートワーク環境での連携強化、情報伝達のスピードアップに貢献します。

Salesforceクラウド製品導入のメリット:企業成長を加速する理由

Salesforceの各クラウド製品やソリューションを組み合わせることで、企業は以下のような大きなSalesforce 導入 メリットを享受できます。

  • 顧客中心主義の実現: 顧客情報の一元管理により、顧客への理解が深まり、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
  • 業務プロセスの効率化と自動化: 各部門の業務が連携し、手作業や重複作業が削減されます。Salesforce 業務効率化の真髄です。
  • データに基づいた意思決定: リアルタイムなデータ分析により、迅速かつ的確な経営判断が可能になります。
  • 属人化の解消: 営業やサポートのノウハウがシステムに蓄積され、個人のスキルに依存しない安定した業務遂行が可能です。
  • スケーラビリティと柔軟性: クラウドベースのため、企業の成長や変化に合わせて柔軟にSalesforce 機能を拡張・変更できます。

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