営業プロセスは、顧客との商談が成立するまでの一連の流れを指します。

営業プロセスを効率化・最適化するためには、フレームワークの活用が有用です。

この記事では営業プロセスの基本的な流れからフレームワークの活用方法、注意点までを解説します。

業務効率化に欠かせないデジタルツールもお伝えするので、営業チームの成約率・売上アップを目指す方はぜひご確認ください。

営業プロセスとは?

営業プロセスとは?

営業プロセス(セールスプロセス)とは、リード客の獲得からアフターフォローまでの工程を可視化したものです。

営業プロセスの基本的な流れをフロー図で表すと、次のようになります。

1.リード選定2.ヒアリング3.商談4.クロージング5.受注6.アフターフォロー

営業プロセスを共有することで、ボトルネックの発見や営業活動の効率化につながる効果に期待ができます。

コロナ禍をきっかけに、営業手法は急速に変化しているのが現状です。

今一度自社の営業活動を見直して、営業チームのパフォーマンス改善や利益の向上につなげると良いでしょう。

営業プロセスで活用するフレームワーク

SWOT分析

SWOT分析は自社を取り巻く内部要因と外部要因を整理して、経営戦略に役立てるためのフレームワークです。

「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」に情報を分けて、それぞれを比較しながら分析します。

プラスの要因マイナスの要因
内部要因(コントロールできる)強み弱み
外部要因(コントロールできない)機会脅威

多角的な視点で自社を徹底分析して、今後の営業戦略に役立てましょう。

営業プロセスとは?

3C分析は「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとったもので、マーケティングにおける環境を分析するためのフレームワークです。

Customer(顧客)自社の商品・サービスはどのような顧客にニーズがあるのか
Competitor(競合)自社の商品・サービスにどのような競合が存在するか
Company(自社)自社のリソースや強み、投資能力をどう活かせるか

それぞれの要素をしっかりと分析すれば、営業の事前準備の方向性が定まって顧客ニーズに刺さる商品を提案できます。

ロジックツリー

ロジックツリーは一つのテーマ・問題における事柄を論理的に整理して、解決策を講じるためのフレームワークです。

Whatツリーテーマ・課題における要素を分解して、現状できる選択肢を把握する
Whyツリー想定できる要素の中から根本的な原因を発見する
Howツリー問題の解決策を深掘りして、何をどう実行するかを決める
KPIツリー目標から逆算してKPI(中間目標)の数値を設定する

例えば「受注率の低さ」を解決したい場合は営業担当者や商品、価格などの要素を洗い出せば、それぞれの問題点を発見できます。

より細かく問題点を洗い出すことで、具体的な解決策が立てやすくなります。

SPIN

SPINは顧客の潜在的なニーズを引き出すフレームワークです。

「Situation(状況質問)」「Problem(問題質問)」「Implication(示唆質問)」「Need payoff(解決質問」で構成され、順番通りに質問を展開します。

営業活動における質問例は、次の通りです。

Situation(状況質問)使用頻度はどれぐらいですか?
Problem(問題質問)商品にこんな機能が欲しいというのはありますか?
Implication(示唆質問)パフォーマンスが低いと業務に支障はありませんか?
Need payoff(解決質問)新しい機能が追加されると業務効率化につながると思いませんか?

商談を成功させるためにも、顧客の潜在的ニーズを引き出すSPIN話法は欠かせないフレームワークといえます。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は営業活動を可視化して、営業プロセスに付加価値を見出すためのフレームワークです。

例えば商品・サービスの付加価値には、「納期が短い」「アフターサービスが手厚い」などが挙げられます。

自社の強みや優位性を理解してさらに伸ばし続けると、収益を大きくアップできます。

また、余計なコストの削減につながるのもメリットです。

PEST分析

PEST分析は、自社を取り巻く外部環境を分析するためのフレームワークです。

具体的には「Politics(政治)」「 Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの観点から分析を行います。

フレームワークを活用すれば社会情勢の変化に対応できる営業戦略を立てられたり、撤退すべき商品・サービスが見極められたりします。

つまり外部環境の変化による影響を多角的に捉えられると、攻めと守りの対策方法を早期に打ち出せるのです。

BANT条件

BANT条件はBtoB営業において、顧客のニーズを把握するために用いられるフレームワークです。

BANTとは「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」を指します。

それぞれの項目を明確にすることで、商談の重要度を判定して受注確度を上げられます。

FABE分析

FABE分析は、営業プロセスのプレゼンテーションに活用されるフレームワークです。

「Feature(特徴)」「Advantage(利点)」「Benefit(便益)」「Evidence(証拠)で構成され、順番通りに伝えることで理解されやすい提案を行えます。

例えば自社で動画配信サービスを提供する場合は、FABEに当てはめると次のようになります。

F:特徴当社の動画配信サービスは家族・友人と料金を折半できます
A:利点映画・ドラマが充実しています
B:便益料金の負担が減るだけでなく、動画の共有が可能です
E:証拠今年中に更に動画コンテンツを充実させます

営業プロセスでフレームワークを活用するメリット

営業プロセスでフレームワークを活用するメリット

営業チームの現状を把握ができる

営業プロセスのフレームワークを採用すると、営業活動のステップごとの課題や成果が数値化されます。

例えば営業担当者Aのクロージング率が高いことがわかれば、他の担当者の改善のヒントになるのです。

営業プロセスが最適化されると、業務効率化や利益向上につながります。

営業チームの方針が共有しやすい

フレームワークに沿った根拠のある分析は、営業活動を標準化でき、営業チームの方針を共有できます。

標準化とは手順や評価方法などを統一して、誰でも同じ結果を出せるようにすることです。

標準化された営業プロセスをもとに、適切な営業活動で成約率アップを目指しましょう。

営業プロセスでフレームワークを活用する際の注意点

フレームワークを使い分ける

フレームワークを1つに絞ると、分析が偏ってしまいます。

営業の成約率を高めるためには、多角的な視点で課題を捉えることが重要です。

例えばBANT条件で得た顧客のニーズを3C分析に取り込めば、受注確度をより高められます。

各フレームワークの特徴をしっかりと理解して、自社の営業プロセスにマッチするフレームワークを選定しましょう。

デジタルツールを活用する

営業活動を効率化・最適化するために、SFAなどのデジタルツールの活用がおすすめです。

SFA営業活動の行動管理や進捗管理をサポートする。登録された情報をもとに営業活動の改善につなげる
CRM契約後の顧客と関係を構築するために用いる。顧客情報を統合的に管理できる

営業プロセスの中でSFAは「商談から受注」まで、CRMは「受注以降の顧客との関係構築」に役立てられます。

デジタルツールの活用で無駄な業務をカットして、受注機会の最大化を目指しましょう。

まとめ

営業プロセスを最適化するためには、複数のフレームワークを取り入れることが重要です。

複数のフレームワークを活用すれば、より効果的な営業プロセスが導き出せます。