営業活動の効率化は、人手不足や競争率の激しさの点において早急に取り組むべき課題です。

この記事では営業プロセスの基本から成功の秘訣、リスクまでを徹底解説します。

営業プロセスで活用すべきフレームワークやツールもお伝えするので、営業組織を今すぐ強化したい方は参考にしてみてください。

営業プロセスとは?

営業プロセスとは?

営業プロセスとは、営業の過程や手順を整理して可視化したものです。

「BtoBなのかBtoCなのか」「顧客の属性」などにもよりますが、営業プロセスは以下の流れで進行します。

  1. 見込み顧客(リード客)の獲得
  2. 初回訪問
  3. ヒアリング・ニーズの把握
  4. 提案
  5. クロージング
  6. フォローアップ

BtoBの営業プロセスでは商談相手から要望や予算を聞き出し、購買することで組織にどのようなメリットがあるかを提示することが重要です。

BtoCの営業プロセスでは、商談相手が一般消費者になります。

BtoBほどの長いプロセスは必要なく、相手を納得させることができれば即購入へ至るケースが多いです。

営業プロセスの基本の6フェーズ

営業プロセスの基本の6フェーズ

ここでは、BtoBを例に営業プロセスの基本となる6つのフェーズについて解説します。

  1. 見込み顧客(リード客)の獲得
  2. 初回訪問
  3. ヒアリング・ニーズの把握
  4. 提案
  5. クロージング
  6. フォローアップ

見込み顧客(リード客)の獲得

まずはオンラインセミナー(ウェビナー)やWeb広告、展示会などを通じて見込み顧客の連絡先を入手します。

見込み顧客は購買意欲や営業フェーズに応じて分類・管理して、現状把握の正確性を確保しましょう。

初回訪問

獲得した見込み顧客に初めてコンタクトをとるフェーズになります。

コンタクトの仕方は電話やメール、直接訪問などさまざまですが、相手の特性に合わせてコンタクトをとるのが望ましいです。

「いつどんな手段で何回連絡したか」「連絡がつかないときはどうするか」など、今後の営業に活かせる要素は言語・数値を使って可視化しておきます。

ヒアリング・ニーズの把握

見込み顧客に対してヒアリングや質問などのコミュニケーションを重ねて、徐々にニーズや課題を把握するフェーズです。

この段階で見込み顧客の予算や購入時期、購入に対する温度感も確認しておくことが重要になります。

アプローチの仕方がわかるうえ、納得されやすい提案につながるからです。

提案

見込み顧客のニーズに基づいて、課題解決の方法を提案するフェーズです。

自社の製品・サービスのメリットをプレゼンテーションした後、デモンストレーションも実施して訴求効果を高めます。

成功事例の紹介やドア・イン・ザ・フェイステクニックなどを駆使して、見込み顧客が契約に前向きになる環境を整えましょう。

クロージング

クロージングは顧客と契約を締結するための最終フェーズです。

クロージングに進むためには、製品・サービスの購入で得られるベネフィットを具体的にイメージしてもらうことが重要です。

締結後はトラブルを防ぐためにも合意事項をしっかりと確認して、丁寧な対応を心がけましょう。

フォローアップ

契約締結後は、ロイヤルカスタマーになってもらうためにサポートをしたり要望に応えたりします。

長期的な関係を築くためにも、顧客からのフィードバック改善や定期的な連絡は欠かせません。

フォローアップは新規顧客の紹介や再購入にもつながる、重要なフェーズといえます。

営業のプロセスで活用すべき4つのフレームワーク

営業のプロセスで活用すべき4つのフレームワーク

BANT条件

BANT条件はBtoB営業において、ヒアリングの際に顧客のニーズを把握するために用いるフレームワークです。

英語の「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の頭文字をとったもので、各項目から案件の優先度や受注確度を早期に判断します。

顧客のニーズと自社の提案にズレが生じないように、時間をかけて突き詰めましょう。

DMUマップ

DMU(Decision Making Unit)マップは、顧客の「意思決定者」を理解するためのフレームワークです。

営業プロセスにおいて、顧客の購入の意思決定者を把握することは非常に重要になります。

DMUマップを用いれば大規模な取引やBtoB営業でも、「新たなDMUが現れて契約が白紙になった!」という事態を防げます。

FABE分析

FABE分析は、提案時のプレゼンテーションに活用できるフレームワークです。

英語の「Feature(特徴)」「Advantage(利点)」「Benefit(便益)」「Evidence(証拠)」の頭文字からなり、順番通りに伝えることでわかりやすい提案ができます。

アンゾフマトリクス

アンゾフマトリクスは、企業が成長戦略(営業戦略)を策定する際に用いるフレームワークです。

提供するサービスとサービスを提供する市場の組み合わせによって、4つの種類に分類されます。

市場浸透既存サービス × 既存市場
製品開発新規サービス × 既存市場
市場開拓既存サービス × 新規市場
多角化新規サービス × 新規市場

自社の強みや課題を洗い出して、事業の方向性を見定めましょう。

営業のプロセスはフロー図の可視化が重要

営業のプロセスはフロー図の可視化が重要

営業プロセスはファーストコンタクトから契約に至るまでのフローを分解して、見える化することが重要になります。

担当者ごとに営業手法やアプローチが異なると、営業活動の成果に差が生まれるからです。

図解を使ってフロー図を簡単に表すと、次のようになります。

1.展示会2.見込み顧客の課題調査3.提案4.トライアル5.見積もり6.受注7.フォローアップ

フロー図で見える化すると、「営業プロセスの提案に問題がある」などが明確になるため、効果的な施策を打ち出せるでしょう。

営業プロセスの可視化は、営業活動を標準化するために欠かせない取り組みといえるのです。

営業プロセスは標準化が最重要!標準化する3つのポイント

営業プロセスは標準化が最重要!標準化する3つのポイント

営業プロセスを標準化すれば、誰でも成果につながる営業活動が行えます。

営業がクロージングしない企業は、「営業担当者のノウハウが属人化している」「ボトルネックが見つからない」といった問題を抱えているケースが多いです。

営業プロセスの標準化は組織全体で営業力を高めたり人材育成を効率化できたりと、売上や受注率の増加に直結します。

営業プロセスを標準化するためのポイントは、大きく3つです。

  • 営業プロセスを可視化して現状を把握する
  • プロセス毎の定義を明確にする
  • プロセスは細分化しすぎない

営業プロセスを可視化して現状を把握すれば、プロセスに取り入れるべき部分が明確になります。

同時に顧客と自社製品への理解力も深めることで、営業プロセスの王道パターンが見えてきます。

次に、すべての営業担当者が共通の認識を持てるように、ステップごとにプロセスを明確にしましょう。

例えば「締切日を指定して、発注書を返送してもらうように顧客に伝える」と定義すると、全メンバーが行動しやすくなります。

営業プロセスは「集客」「商談」「受注」と粒度を粗く設定して、全体像を見失わないようにするのがコツです。

現実的にはツールなしで営業プロセス可視化は困難

現実的にはツールなしで営業プロセス可視化は困難

営業プロセスをExcelやGoogleスプレッドシートで管理する企業は多いですが、ルールが形骸化して認知されていないのが現状でしょう。

営業プロセスの管理・分析には、SFA(SalesForce Automation)やCRM(Customer Relationship Management)といったツールによるマネジメントが有効です。

ツール役割可視化できる営業プロセス
SFA営業支援システムの略。営業担当者と顧客とのやりとりを記録して、顧客情報を管理するためのツール営業活動の進捗、商談状況、KPIと売上予測
CRM顧客関係性マネジメントの略。顧客情報を一元管理してコミュニケーションやセールスを最適化するためのツール顧客の属性、購入履歴、やり取りの履歴、顧客満足度

SFAは営業活動の効率化、CRMは顧客との長期的な関係構築と、営業活動でシームレスな連携を実現します。

また、SFAは営業プロセスの情報をリアルタイムで共有できるため、営業担当者に的確な指示が出せるようになります。

営業のDX化を進める土台にもなることから、ぜひSFAやCRMの導入を検討してみてください。

まとめ

営業プロセスを適切にマネジメント・標準化するためにも、SFAやCRMといったツールの導入をおすすめします。

属人化していた営業活動から脱却できれば、顧客に提供する価値を最大化できます。

以下の営業プロセスを標準化するポイントを念頭に入れて、SFAやCRMの無料トライアルを利用してみてはいかがでしょうか。

  • 営業プロセスを可視化して現状を把握する
  • プロセス毎の定義を明確にする
  • プロセスは細分化しすぎない